騎士アレフと透明な剣

トウセ

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第十章

魔法使いとの邂逅 (1)

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アレフが目を覚ます頃には、窓から入る光はオレンジ色に輝いていた。

窓から差す光に反射して、キラキラと埃が輝いていた。

アレフは目を閉じ、再度見開いた。

そこには埃なんておろか、ローレンスがにこやかな笑顔で、アレフの顔を覗いていた。

アレフは驚くように体を起こすが、みぞおち辺りに激痛が走り、情けない声を上げながら、持ち上げた頭を枕に落とした。

「ふぉふぉふぉ、いい目覚めかね、アレフ」

「ローレンス学院長。僕……」

「言わんでいい。よくぞ生きて帰って来てくれた」

ローレンスは丸椅子に座ると、近くの机にあった七色グミの袋を開けた。

「学院長。エトナは?」

「無事じゃ。少なくともお前さんよりかはのう」

「じゃあ、ダァトは? ケテルせんせ……、ケテルは?」

「……死んでいたよ。二人とものう」

アレフはローレンスの言葉に、締め付けられるように心が痛くなった。

アレフは俯き「ごめんなさい」と小さく呟いた。

その言葉を聞いたローレンスは「涙は流すな。お前さんの責任ではない」と優しくアレフの頭を撫でた後、袋からグミを三つ四つ握ると、それを自身の口の中に放り投げた。

「グレイアロウズは? あいつもケテルに加担していたはずです」

「アレフ、グレイアロウズ先生じゃ。あやつには元々、ケテルの監視をさせておった。ケテルが妙に透明な剣に固執していたからな。それに、青皮膚の呪いもケテルが仕向けたものじゃ。どうやら、特別な力を持つエトナであれば、透明な剣の持ち主になるであろうと考え、お前さんが使うであろうアーティファクトに仕込んだそうだ。お前さんが呪いにかかれば、透明な剣が現れると思ったのじゃろう」

ローレンスは思っていることを次々に言うものだから、アレフの頭はこんがらがり、ひとまず「すみません」と謝ると話を切り替えた。

「リィンも無事ですか?」

アレフの言葉にローレンスはアレフの方へ向き直った。

ローレンスはしんみりした表情をアレフに見せた。

「嘘ですよね?」

「一命はとりとめた。今もぐっすり寝ておる。ほれあそこ」

ローレンスは指を差し、アレフより四つほどベッドが離れた場所で、点滴を垂らしながら寝ていた。

アレフはほっとするとともに頭をかいた。

「びっくりさせないでください」

「びっくりさせとらん。危ない状態であった。マーガレット・ラインフォルトがあの場にいなければ、彼は命を落としていた」

ローレンスはアレフをしかりつけるように言った。

アレフは頭を掻くのを止めた。

「すみません」

「謝れとは思っておらん。それにヘルハウンドの成体を撃退したのは褒められたものじゃ。規則を破っていなかったら、たちまち、色んな騎士団からスカウトが来ただろう」

ふぉふぉふぉ、と笑い声を上げながらローレンスはさらに七色グミの袋に手を突っ込んだ。

「それでじゃ。透明な剣に関してじゃが……」

ローレンスはポケットから剣柄を取りだすと、アレフの胸元に置いた。

「ダァトがお前さんに渡していたそうだが、すっきりさっぱり、透明な剣は消えておった」

アレフは剣柄を持つと「〝クラウディア(剣よ)〟」と唱えた。

現れたのは、白銀の刀身であった。

「学院長。これは……」

「ワシからのプレゼントじゃ。お前さんが寝ている間に付けておいた」

「寝ている間……。そうだ、あれからどのくらいたっているんですか?」

アレフは飛びつくようにローレンスに聞くと、ローレンスは笑って答えた。

「今日で五日目じゃ。明日には進級テストが行われるじゃろうて。して、アレフは進級する気はあるか?」

「ありますよ!」

全く進んでいないテスト勉強のことを考えたら、もっと時間が欲しいところではあるが、と思いながら、アレフは下唇を突き出して嫌な顔をした。

「ふぉふぉふぉ、そのくらい元気があれば大丈夫だろうが、今はまだ安静にしておくべきじゃ」

笑うローレンスであったが、持っている七色グミの中身がなくなると、真剣な面持ちで、新しい七色グミの袋を机から持ち出しては、慣れた手つきで袋を開けた。

それを見ながらアレフは質問する。

「そういえば、ケテルについてなんですけど。あの人の左手に口がありませんでしたか?青黒くなった左手に人の口を付けたような……」

ローレンスはアレフに振り返り、不思議そうな顔をした。

すると、思い出したように口を開いた。

「そうじゃった、それをわしも言おうと思っていた。あれを復活させてしまったのだな、して形はどうであった」

ローレンスがぐいぐい顔を近づけてくるので、アレフは視線を逸らし、話し始めた。

「透明な剣でケテルの手を復活させた後、ヴォ―ティガーンと名乗る青黒い塊が現れました。その後、ケテルの腕に寄生していたんですが……」

ローレンスはアレフの言葉を聞くと立ち上がり考え始めた。

「なるほど。ふむ」

「学院長?」

「いや、お前さんは気にするでない。大丈夫じゃ」

ローレンスはアレフに振り返りそう告げると、机の上から七色グミの袋をまた持ち出して、剣柄の入っていたポケットにしまった。

「話を聞けて良かったぞ、アレフ。今はしっかり身体を休めるのじゃ」

慌てた様で保健室を後にしようとする。

だが、また何か思い出したのか、アレフの元に戻ると、微笑みながらアレフに伝える。

「そうじゃった。アレフ。お前さんはまた規則を破ったので罰則を与えることとした。期間は七月から八月末までの謹慎じゃ。しばらくは学校に入ることを禁止する」

そう告げるとローレンスはアレフに手を軽く振ると、保健室を後にした。

謹慎という言葉にショックを受ける反面、アレフは七月と八月ってもともと休みだよな、と思いながら、ローレンスの背中が見えなくなるまで見送った。

それからしばらくして、エトナが見舞いにやってきた。

エトナの体調はすっかり元に戻っており、目を覚ましてからは付きっきりで、寝ているアレフの面倒を見ていたという。

ローレンスから目を覚ましたことを聞くと、食事中だったのにも関わらず、食べかけのご飯を手に持ち、頬をリスの様に膨らませながら保健室へ入ってきた。

その姿にアレフは呆れるほど笑ったが、見かねた校医は「ちゃんと食べ終わってから来なさい!」と怒鳴っていた。

こうして、エトナやエトナを連れ戻しに来たマーガレットと再会を果たし、アレフの学院生活は終業式まで保健室で過ごすこととなった。

修了の鐘が鳴る。

アレフとリィンは校医にお願いし、ベッドの位置を隣にしてもらうようにしていた。

校医曰く、今更になって保健室を使うことはめったにないからと、快諾してくれた。

アレフとリィンはキャンディークッキーをボリボリ食べながら、修了の鐘の音を聞いていた。

「はぁ、今頃講堂は終業式でお祭りだろうナァ」

「ため息つくなよ。こっちもため息が出る」

二人してため息をついていると、保健室の扉を叩く音が聞こえる。

校医はいないので、二人して「そうぞ」と返事をする。

扉からはワッカとワットがクラッカーを持って現れた。

「イエーイ! 無事進級おめでとう、二人とも!」

「イエーイ! そして俺らにもおめでとう!」

生き生きと保健室の中に入ってきたワッカとワットは、クラッカーをアレフたちに向けて鳴らした。

クラッカーの音が鳴りやむと、また静かな保健室が戻ってくる。

少しの間の後、ワッカとワットはアレフたちに近づき、無理矢理二人を起き上がらせる。

「チョット?」

「校医が安静にしろ、ってまた怒られちゃうよ」

「いいからいいから!」

「規則破ってる人間が今更何言ってんの!」

ワッカとワットの勢いに押し負けて、アレフとリィンは二人に連れられ、講堂へと歩いて行く。

講堂に近づくにつれ、徐々に騒々しい声がアレフたちの耳に入ってくる。

講堂の扉の前まで来ると、ワッカとワットは強く背中を押した。

「さぁ、楽しもう!」

「刺激のない人生なんて退屈さ!」

講堂に入ると、円卓には溢れかえるほどの食べ物が並んでおり、パーティー会場の様に、全員がグラス片手に、教職員や赤の寮、黒の寮関係なく、楽しそうに団らんしている姿がアレフたちの目に映った。

制服と書く寮のマントを羽織り、三年生は学士棒を被っていた。

アレフたちは制服ではなく、ワイシャツとチノパンといった普段着であったため、周りより浮いている服装を恥ずかしがったが、そんなことを気にせず、アレフたちの傍にはたくさんの人が駆け寄ってきた。

「二人とも大丈夫なの?」「腕、大丈夫?」「ヘルハウンド倒したんだって?」などと質問などが飛んできた。

アレフたちはどぎまぎしながらも対応していくが、ふと、遠くにいるオズボーンがつまらなそうな顔でこちらを見ながら、クィールとハンズと話している姿が見えると、それが面白く感じ、アレフの気分は少しずつ昂ってきた。

「アレフ、リィン。体調は大丈夫なのか?」

「ガイアにショー。体調は大丈夫だよ、卒業おめでとう」

駆け寄ってきた中に、三年生の良く知った二人が声を掛けて来てくれた。

学士帽をかぶり、式服を着て話しかけてきた二人は、いつにも増して楽しそうに見えた。

「ありがとう。俺たちは同じ騎士団に行くことになったんだ。何処だと思う?」

「えっと、二人とも腕がたつし……、アテナ騎士団とカ?」

「なんと、エルトナム騎士団だよ!あいにくと、学院勤めっていう訳じゃないけどな」

ガイアは紫色のグラス片手に笑っているが、いつにもまして上機嫌に見えるため、グラスの中身がお酒ではないかと、アレフは勘ぐってしまう。

それを見ていたショーは「ただの、スコーロットドリンクだよ」と甘い飲料水であることを明かしてくれた。

そうして、アレフたちも講堂のパーティーに混ざり、エトナやマーガレットとも合流した後、講堂の奥からローレンス学院長が姿を現した。

「ふぉふぉふぉ、楽しんでるかね、我が学び舎の生徒たちよ」

ローレンスが黒いマントをなびかせながら、講堂の壇上に立つと、生徒たちの視線はローレンスへと向けられ、一斉に静かになる。

それを見ていたローレンスや微笑むと、話をし始めた。

「諸君! 卒業または進級おめでとう。無事、三年生五十二名の騎士団の所属も決まり、大変うれしく思う。所属した騎士団で名誉な活躍を見せてくれることを、心から期待しておる。さて、一つこの学院では学ばなかった項目がある」

傾聴していた生徒たちの表情は、楽し気な表情から真剣な表情に変わっていく。

「それは、死じゃ。死を学ぶことは出来ん。まぁ、幽霊になれば話は別だがな」

ローレンスはパーティーに紛れ込んでいたキンブレーたちを見て少し笑うと、それにつられて生徒たちの真剣な表情は少しばかり柔らかくなった。

「死というのは、たいていの騎士団で働けば、常に隣り合わせな物となる。それを恐怖し、騎士団を辞めてしまう者も多い。それは生きる者として当然の行動であり、わしはそれを恥だとは思わん」

アレフはローレンスの言葉に少しどぎまぎする。

死、という言葉を聞くたび、アレフの心拍は早くなっている気がして、少し顔が熱くなる。

「百五十三年を生きてきたワシは、死についてよく考える。この年にもなると、同年代の奴らは皆、墓の中に眠っておるからの。おかげで毎晩、夢の中で死んでいった者たちが姿を見せる。きっとそれは、死ぬまで続くじゃろな」

ローレンスの死についての重い話に、生徒たちは何事かと目配せし始める。

ただ、アレフはこの話は自分に向けて話している気がした。

「さて、わしはここで、一つみんなに課題を出そうと思う。それは、死は何故訪れるのかじゃ。死は万人に恐怖を与え、死は万人に悲しみをもたらす。お前さんたちは、これからたくさんの危険と巡り合う。もしかしたら大切な人たちを失うことがあるかもしれん。その時、お前さんたちは何を思う、何を考える。それをワシに聞かせて欲しいのじゃ。期限は無期限。未提出であることを願うよ」

そう話すとローレンスはニカッと生徒たちに微笑むと壇上を降りた。

ローレンスの放った言葉に一同、放心状態になるが、誰かが拍手をすると、次第に拍手は伝染し、講堂を埋め尽くした。

去っていくローレンスの背中は哀愁が漂っており、アレフはそれ以上、ローレンスの方を見ることは出来なかった。
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