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第二十一話 ヴィクト・オーヴェル、独房へ
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「殺すっ!」
「やれるもんならやってみなさいよ!」
「止めろ、ガルルファング。挑発するな! だから、オーヴェルは暴れんじゃねぇって!」
私が怒りの余り、強めに言い返したからか、火に油を注いだようで、ヴィクト・オーヴェルは再び暴れ出した。当然だが、ヴァルト先輩に拘束されたままなので、文字通り手も足も出ない。ひょっとして、学習能力ないのか? こいつ。
まぁ、この時は私も頭に血が登っていたから、いっそ何かの拍子にヴァルト先輩がこいつの拘束を解いて、こいつが襲いかかって来たらいいと思ってた。だって、拘束された相手を一方的にぶん殴るわけにはいかないし。
なので、私たちは互いに手が出ることはないものの、睨み合い、罵倒し合い、とにかくもう、殺気立っていた。
「二人共、落ち着いて! オーヴェル、学内での毒殺未遂は勿論見過ごせない。我々も犯人逮捕には全力で協力しよう。だが、エルシカ嬢に斬りかかった君の行動も十分問題だ。第二王子の権限で君には謹慎を申し渡す。今日はもう帰って、沙汰が出るまで大人しくしていなさい」
「そんなことはどうでもいい! 今、ここでその女の首を落とせるなら、なんだって!」
「ヴィクト・オーヴェル。殿下の御下命だぞ。不敬だろう」
おっと、何か寒気が。
クラウズム先輩はお怒りのようです。そりゃまぁ、この人、コンラッド殿下の従者かなんかでしょ? 大切な殿下相手にこんな言葉遣いされちゃ、ブチギレてもしょうがないわ。
──うん、けど、かなり怖いから、今後もコンラッド殿下に対する態度は気をつけよう。
「ソール、いいから。どうやら、頭を冷やす時間が必要なようだね。マルク、オーヴェル家に迎えの連絡を。それまでの間は彼を独房へ入れておいてくれ。勿論、剣は没収」
「仰せのままに」
ヴァルト先輩が恭しく頷くと、小柄なヴァルト先輩よりも背のあるヴィクト・オーヴェルを肩に担ぎ上げた!
「わっ! 力持ち!」
「殿下の護衛なら、これぐらい出来てとーぜん!」
「護衛なら、一秒たりとも殿下のお側を離れるべきではないと思うがな」
「今はお前がいるだろ?」
「何をする! こらっ、離せ!」
クラウズム先輩とそんなやり取りをしたヴァルト先輩は、下ろせと抵抗するヴィクト・オーヴェルの言葉を丸無視して、そのまま独房へと駆けて行った。やっと静かになったわ。
こうして、裏庭には私とコンラッド殿下、クラウズム先輩が残された。
「さて、と。どうしようか?」
ヴァルト先輩が走って行った方角から、私たちへと視線を変えたコンラッド殿下は、少し困ったようにそう言った。
「やれるもんならやってみなさいよ!」
「止めろ、ガルルファング。挑発するな! だから、オーヴェルは暴れんじゃねぇって!」
私が怒りの余り、強めに言い返したからか、火に油を注いだようで、ヴィクト・オーヴェルは再び暴れ出した。当然だが、ヴァルト先輩に拘束されたままなので、文字通り手も足も出ない。ひょっとして、学習能力ないのか? こいつ。
まぁ、この時は私も頭に血が登っていたから、いっそ何かの拍子にヴァルト先輩がこいつの拘束を解いて、こいつが襲いかかって来たらいいと思ってた。だって、拘束された相手を一方的にぶん殴るわけにはいかないし。
なので、私たちは互いに手が出ることはないものの、睨み合い、罵倒し合い、とにかくもう、殺気立っていた。
「二人共、落ち着いて! オーヴェル、学内での毒殺未遂は勿論見過ごせない。我々も犯人逮捕には全力で協力しよう。だが、エルシカ嬢に斬りかかった君の行動も十分問題だ。第二王子の権限で君には謹慎を申し渡す。今日はもう帰って、沙汰が出るまで大人しくしていなさい」
「そんなことはどうでもいい! 今、ここでその女の首を落とせるなら、なんだって!」
「ヴィクト・オーヴェル。殿下の御下命だぞ。不敬だろう」
おっと、何か寒気が。
クラウズム先輩はお怒りのようです。そりゃまぁ、この人、コンラッド殿下の従者かなんかでしょ? 大切な殿下相手にこんな言葉遣いされちゃ、ブチギレてもしょうがないわ。
──うん、けど、かなり怖いから、今後もコンラッド殿下に対する態度は気をつけよう。
「ソール、いいから。どうやら、頭を冷やす時間が必要なようだね。マルク、オーヴェル家に迎えの連絡を。それまでの間は彼を独房へ入れておいてくれ。勿論、剣は没収」
「仰せのままに」
ヴァルト先輩が恭しく頷くと、小柄なヴァルト先輩よりも背のあるヴィクト・オーヴェルを肩に担ぎ上げた!
「わっ! 力持ち!」
「殿下の護衛なら、これぐらい出来てとーぜん!」
「護衛なら、一秒たりとも殿下のお側を離れるべきではないと思うがな」
「今はお前がいるだろ?」
「何をする! こらっ、離せ!」
クラウズム先輩とそんなやり取りをしたヴァルト先輩は、下ろせと抵抗するヴィクト・オーヴェルの言葉を丸無視して、そのまま独房へと駆けて行った。やっと静かになったわ。
こうして、裏庭には私とコンラッド殿下、クラウズム先輩が残された。
「さて、と。どうしようか?」
ヴァルト先輩が走って行った方角から、私たちへと視線を変えたコンラッド殿下は、少し困ったようにそう言った。
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