第一王子様と婚約破棄しました。時に第二王子様、婚約者をお探しではありませんか?

夢草 蝶

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最悪のタイミング

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「何でいるの! 何でいるの? 何でいるの!? どーして貴方がここにいらっしゃるんですか!?」

 ここにいる筈のない人を目の前に、私は礼儀なんて掻き捨てて、思わず優雅にソファでお茶を飲んでられる青年を指差して、そう何度も問い掛けました。

「何だ。久しぶりに会う従兄に対して、随分な挨拶だな」

「先触れもなくいらっしゃった方に言われたくありません!!!」

 いえ、先触れがあっても困りますけれど!
 本当に何故、この方がルオルカ王国にいらっしゃるんですか???
 そんな私の問いを無視して、はお母様の方を向きました。

「お久しぶりです。叔母上。こうして会うのはいつ振りでしょうか? たまには里帰りでもしてみては如何ですか?」

「殺されると分かっているのに、帰る馬鹿がどこにいるのよ? それより、私からも訊くけれど、どうしてうちにいるの?」

「少々、ルオルカに用がありまして。こちらに来たからには、叔母上にご挨拶せねば礼を失すると思い、訪問させて頂きました。そうそう、そういえば、先日のアルベルト王子の誕生祭の話を聞いたのですが、何やら面白い事があった様ですね?」

 そう言って、青年はニヤリと笑いました。さしずめ、獲物を見つけた狼といった感じでしょうか?
 三日月型に細められた目に捉えられた瞬間、私は思いました。
 さいっっっあくです!!!!!
 先日の誕生祭の一件。公の場での出来事でしたので、隠し通せるとは思っておりませんでしたが、北へ伝わるのは大分後と油断してました。
 まさか、北から使者が来てるなんて! いえ、これはもう使者なんかじゃありません。刺客です!
 一番バレたくない相手にソッコーでバレました!

「な、ななななな何の事でしょうか?」

「誤魔化せると思ってんの? 事の顛末は把握しているぞ」

 ですよね・・・・・・。
 どどどどどうしましょう?
 私が急なピンチに戦々恐々としていると、リビングルームから繋がっている小部屋から、お菓子の缶を手にしたヒュースお兄様が出て来られました。
 私達を見て、どういう状況か察せられたのでしょう。ヒュースお兄様はソファの後ろに立ち、横目でお客様を見られると、こうおっしゃいました。

「あまり俺の妹をいじめないで頂けますか? フェルノーザン帝国第三皇子・エリアル・ヘーヴ・フェルノーザン殿下?」

 そう。この方は亡霊すら寄りつかないかの凍てつく地獄、フェルノーザン帝国の第三皇子・エリアル殿下であらせられます。
 そして、これは完全な国家機密トップシークレットなのですが、エリアル殿下と私とお兄様はれっきとした従兄妹同士なのです。
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