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ここ二週間の私
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「このままだと、お前マジで留年するぞ」
そう言った担任教師は修羅の顔をしていた。
まぁ、散々趣味にかまけて、先生の警告を再三無視していた私が悪い。むしろ、それでもまだ救済措置を用意してくれるあたり、大分甘い対応である。
私の出席日数がヤバいことはすでにお母さんに露見したあとなので、私は問題が解決するまで趣味禁止、外出禁止令を出された上で、本当に留年したら全寮制の学園に転校させるとまで言われてしまった。
正直、怒ったお母さんが一番怖かった。
とはいえ、完全に自業自得なので、何とか留年回避に全力を尽くすということで素直に先生に従うことにしたのだ。
幸い、成績は問題なかったので、出席日数不足を補うには内申点を稼ぐしかないと言われた。
内申点は毎年進級の時期に職員会議で配点の基準を決めており、これは生徒には秘密なので詳しい内容までは教えて貰えなかったけど、委員会の参加や部活動での功績、奉仕活動などは内申点の対象らしい。
趣味人の私は授業が終われば即帰宅一択だったので、今まで委員会や部活に入ったことはなかった。
ので、先生は生徒会の手伝いをしろと言った。
この時に、生徒会が懇親会の準備の協力者を募っていることを知った。
そして先生経由で、懇親会の準備に参加させてもらうことになったのだ。
ちなみに、一度の懇親会の準備の手伝いでどれくらいの内申点が貰えるかは分からないので、今学期中はずっと参加するつもり。
正直、時間が勿体ないけど、身から出た錆だし、何より留年したら元も子もないしね。
生徒会の人たちに準備に参加する旨を伝え、挨拶の時に理由を話したら呆れられたけど、まぁ、概ね受け入れられた。
ネルト会長を始め、生徒会の方々は流石生徒の代表として選ばれるだけあって、皆能力が高く、見ていて楽しかったし、凄いと思った。
おかげで、内申点のために嫌々参加したのに、懇親会の準備作業は苦とは感じなかった。
作業の中で割りと興味のある分野を割り振られたというのも大きいだろうけど。
ちなみに、私が今回手伝ったのは、会場の飾り付け。ある程度の建築知識があったため、会場内の構造を見て、どのような装飾が似合うかなどを提案して、採用された案の必要な道具の手配や設置を任された。
改めて完成した懇親会場を見渡す。
この場に自分の手が入っているなんて、変なカンジ・・・・・・。
けど、うん。私の知識って大分古い時代のものだから、ちょっといつもと違う雰囲気になったなぁ。
悪く言えば古くさいかもだけど、見方を変えればこれもノスタルジックでいいと思う。
芸術最盛期の時の流行デザインと迷ったけれど、あっちはモノトーンと深みのある色合いが基調だから学生のパーティーには似合わないんだよね。やっぱ牧歌的で自然モチーフの太平期の内装を参考にして良かった。
集中すれば凝り性なサガなので、学園に許可を取って壁紙を張り替えたり、小道具を用意したり、自分で作ったり。本当は調度品も揃えたかったけど、流石に予算オーバーなのでクロスや造花で誤魔化してるところもある。
かなり大変だったけど、それでもこんな広い会場の内装をやるなんて、滅多に出来ないことだし、楽しかったなぁ。
・・・・・・なお、懇親会終了後の後片付けは、担当した箇所をやるということは考えないものとする。
──そんな訳で、私はこの二週間は忙殺されていた。
内装決まるまでは運営担当チームのいる生徒会室にいたし、決まってからは設営担当チームのいる会場にいた。ので、授業中以外の空き時間は最終下校時刻までほとんどずっと生徒会の誰かと一緒だった。
特に、全体の指揮をしていたネルト会長と、嫌々ながらも内装を手伝ってくれた会計様とは。
ネルト会長は──うん、この人、準備期間中は分裂して二人に増えてたんじゃないかな?
生徒会室に行ってもいたし、会場に行ってもいたし、とにかく他の人たちと比べても、一人だけ仕事量がおかしなことになってたし。
まぁ、おかげで私のアリバイを証明出来るんだけど。
他の生徒会の人たちもそろそろ来るだろうし、私にハディードが示した時間にキャルルさんに暴行を働くのは不可能だという証言も増えるだろう。
準備の手伝いをした経緯やその間の私自身アリバイをかいつまんで説明する。
自身の言い分が的外れだということを理解してくれたのか、ハディードは顔を真っ赤にしてぶるぶると震えていた。
は~、やれやれ・・・・・・これで解放される・・・・・・。
そう思ったのも束の間。
「だから何だと言うんだ!? 俺が間違えるはずないだろう! そう、そうだ。どうせ、悪知恵を使って生徒会を騙してるんだろう。俺は騙されないぞ!」
輪をかけて滅茶苦茶言い出した。
そう言った担任教師は修羅の顔をしていた。
まぁ、散々趣味にかまけて、先生の警告を再三無視していた私が悪い。むしろ、それでもまだ救済措置を用意してくれるあたり、大分甘い対応である。
私の出席日数がヤバいことはすでにお母さんに露見したあとなので、私は問題が解決するまで趣味禁止、外出禁止令を出された上で、本当に留年したら全寮制の学園に転校させるとまで言われてしまった。
正直、怒ったお母さんが一番怖かった。
とはいえ、完全に自業自得なので、何とか留年回避に全力を尽くすということで素直に先生に従うことにしたのだ。
幸い、成績は問題なかったので、出席日数不足を補うには内申点を稼ぐしかないと言われた。
内申点は毎年進級の時期に職員会議で配点の基準を決めており、これは生徒には秘密なので詳しい内容までは教えて貰えなかったけど、委員会の参加や部活動での功績、奉仕活動などは内申点の対象らしい。
趣味人の私は授業が終われば即帰宅一択だったので、今まで委員会や部活に入ったことはなかった。
ので、先生は生徒会の手伝いをしろと言った。
この時に、生徒会が懇親会の準備の協力者を募っていることを知った。
そして先生経由で、懇親会の準備に参加させてもらうことになったのだ。
ちなみに、一度の懇親会の準備の手伝いでどれくらいの内申点が貰えるかは分からないので、今学期中はずっと参加するつもり。
正直、時間が勿体ないけど、身から出た錆だし、何より留年したら元も子もないしね。
生徒会の人たちに準備に参加する旨を伝え、挨拶の時に理由を話したら呆れられたけど、まぁ、概ね受け入れられた。
ネルト会長を始め、生徒会の方々は流石生徒の代表として選ばれるだけあって、皆能力が高く、見ていて楽しかったし、凄いと思った。
おかげで、内申点のために嫌々参加したのに、懇親会の準備作業は苦とは感じなかった。
作業の中で割りと興味のある分野を割り振られたというのも大きいだろうけど。
ちなみに、私が今回手伝ったのは、会場の飾り付け。ある程度の建築知識があったため、会場内の構造を見て、どのような装飾が似合うかなどを提案して、採用された案の必要な道具の手配や設置を任された。
改めて完成した懇親会場を見渡す。
この場に自分の手が入っているなんて、変なカンジ・・・・・・。
けど、うん。私の知識って大分古い時代のものだから、ちょっといつもと違う雰囲気になったなぁ。
悪く言えば古くさいかもだけど、見方を変えればこれもノスタルジックでいいと思う。
芸術最盛期の時の流行デザインと迷ったけれど、あっちはモノトーンと深みのある色合いが基調だから学生のパーティーには似合わないんだよね。やっぱ牧歌的で自然モチーフの太平期の内装を参考にして良かった。
集中すれば凝り性なサガなので、学園に許可を取って壁紙を張り替えたり、小道具を用意したり、自分で作ったり。本当は調度品も揃えたかったけど、流石に予算オーバーなのでクロスや造花で誤魔化してるところもある。
かなり大変だったけど、それでもこんな広い会場の内装をやるなんて、滅多に出来ないことだし、楽しかったなぁ。
・・・・・・なお、懇親会終了後の後片付けは、担当した箇所をやるということは考えないものとする。
──そんな訳で、私はこの二週間は忙殺されていた。
内装決まるまでは運営担当チームのいる生徒会室にいたし、決まってからは設営担当チームのいる会場にいた。ので、授業中以外の空き時間は最終下校時刻までほとんどずっと生徒会の誰かと一緒だった。
特に、全体の指揮をしていたネルト会長と、嫌々ながらも内装を手伝ってくれた会計様とは。
ネルト会長は──うん、この人、準備期間中は分裂して二人に増えてたんじゃないかな?
生徒会室に行ってもいたし、会場に行ってもいたし、とにかく他の人たちと比べても、一人だけ仕事量がおかしなことになってたし。
まぁ、おかげで私のアリバイを証明出来るんだけど。
他の生徒会の人たちもそろそろ来るだろうし、私にハディードが示した時間にキャルルさんに暴行を働くのは不可能だという証言も増えるだろう。
準備の手伝いをした経緯やその間の私自身アリバイをかいつまんで説明する。
自身の言い分が的外れだということを理解してくれたのか、ハディードは顔を真っ赤にしてぶるぶると震えていた。
は~、やれやれ・・・・・・これで解放される・・・・・・。
そう思ったのも束の間。
「だから何だと言うんだ!? 俺が間違えるはずないだろう! そう、そうだ。どうせ、悪知恵を使って生徒会を騙してるんだろう。俺は騙されないぞ!」
輪をかけて滅茶苦茶言い出した。
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