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第0184話 交戦
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掌の震えを抑えながら、その脆弱な写真を慎重に持ち上げた。
蕭炎は目を輝かせ、こんな偶然にも関わらず、彼が得たこの不気味な断片について疑問を感じなかった。
黄ばんだ写真の上にある奇妙な線路は、彼がまだ理解できぬものの、その線の引き方にはどこか見覚えのある雰囲気が漂っていた。
かつて魔獸山脈で小医仙と宝探しをした時、あの洞窟で見たあの神秘的な地図の類似物だ。
この地図は「異火榜」第三位に位置する「浄蓮妖火」を探すためのものだった。
その異火について、薬老も極めて高い評価を下していた。
当時、薬老がその名を口にした瞬間、蕭炎は彼の声の中に隠された驚きを感じた。
かつて頂点に立った薬老ですら何度も賞賛するほどの強大さ——それを「万物を焼き尽くす」と表現しても過言ではないほどだった。
「ふん、幸運な奴だ。
こんな場所でその地図の断片を見つけるなんて、君と浄蓮妖火は縁が深いようだ」。
蕭炎の胸中には薬老の驚異に満ちた声が響く。
彼は想定外の短時間で二つの神秘な地図断片を得たことに驚いていた。
笑みを浮かべながら、その手のひらを握りしめる蕭炎は、もう一つの地図断片を取り出す衝動を抑え、深呼吸をして感情の波瀾を鎮めた。
白老がようやく仕事を終えたが、依然として顔も上げずにいる。
その声は淡々と部屋に響いた。
「あなたはタゴル大沙漠の地図を求めているのか?」
老人の問いかけに反応して、蕭炎はゆっくりと振り返りカウンター前に歩み寄った。
優雅な口調で尋ねた。
「お爺さん、最も正確かつ詳細な沙漠地図をお願いします」
「欲しいものはそこにある。
自分で選べ」と老人は特に説明する意思もなく淡々と言った。
その態度は明らかに商売人とは思えない。
蕭炎は不思議そうに見つめながら、とりあえず詳細な地図を選び取り、掌の古びた断片を開きながら尋ねた。
「お爺さん、このような地図の断片は他にもあるでしょうか?」
老人が地図を描く手がわずかに震え、線路が微妙に偏った。
顔を上げて蕭炎の手にある断片を見つめる瞬間、その目には不思議な光が浮かんでいた。
その蒼白い顔を上げてみると、左頬から目尻にかけての深い傷跡が目についた。
蕭炎は思わず驚いて見つめた。
この傷跡は恐ろしいほど深く、老人の平和な目には見えない凶気を感じさせる。
「あなた……このような地図の断片を見たことがあるか?」
老人の視線は蕭炎の身体に映える薬師を象徴する長袍を掠めた。
その声調はわずかに驚きを含んでいた。
それを聞いた蕭炎は目を細め、首を横に振った。
「以前あるオークションで似たような断片を見たことがある。
競りの最中だったが、相手の出価が高すぎたので諦めた。
今日はこの老先生のところに来ていて、かつて見たものと酷似しているから尋ねてみたのだ」
「浄蓮の炎」は凡庸な物ではない。
異火ランキング第三位の異常な炎だ。
その存在は世間で最も無欲な隠士すらも欲望させるほどに。
だから蕭炎は自分がその地図の断片を持っていることを明かさなかった。
「そうか」
老人の視線が蕭炎の顔を掠めた。
彼の言葉は淡々としていた。
「これには終わりはない。
これは偶然得たもので、私の長年の経験から見て、明らかに地図の一部だ」
「老先生、その地図を売っていただけませんか?高値を出します」
老人はゆっくりと顔を俯せ、未完成な地図に視線を戻した。
「売るつもりはない。
これほど簡潔に答えるのが正しい」
蕭炎が断られると僅かに目を見開いた。
手に残っている地図の断片を握りしめながら「老先生、どうしても欲しいのです。
高額で買います」
老人はさらに顔を低くし、未完成な地図に集中した。
「売らない」
その即断的な回答に蕭炎はため息をついた。
この地図の断片を得るためには、相手が老体とはいえ強者でも構わない。
なぜなら「浄蓮の炎」は彼にとって巨大な吸引力があるからだ。
今後の功法進化において第三位の異火が果たす役割は重大だから。
蕭炎の頭の中で思考が渦巻く中、薬老の声が響いた。
「この老人は凡人ではないぞ」
「老師、この老人に何か特別なところがあるのか?」
「そうだ。
私が調べた限り、彼の本当の実力は斗皇級だ。
しかし何らかの異常な力を制圧されているようだ。
今の実力は斗霊程度だが、それでもあなたを殺すことは容易だろう」
「斗皇?」
蕭炎は心の中で叫んだ。
「どうして?加玛帝国の十傑にその強者も三人しかいないのに、この老人がどこから現れたのか」
「なぜ知っているか、私は知らない...でも、おっしゃる『強』は表向きのものだけだ。
ガマ帝国も大帝国だし、多くの『強』が隠れ家に住んでいる。
性格が変わった『強』もいるから、この砂漠の端で地図を売るのも普通のことだよ」薬老は適当に言った。
「...」蕭炎は無言になり、すぐに内心で苦しげに笑う。
「どうして私だけに会わせたのかな?」
「運がいいからかもしれないね」薬老は幸災楽祸的に笑った。
「小坊主、この地図のことは考えないで。
私は金なんて欲しくない。
物を持って行っても、強制するつもりはないよ」老人は手を振って淡々と続けた。
彼は蕭炎が手中の断片を持ち逃げしても構わない様子だった。
深呼吸してから、蕭炎は首を横に振り、「確かに。
あの『強』の前に立つなら、強制するなんてできないよ」と言った。
「パチ!」
墨で書くペンが突然止まった。
清脆な音と共に、途端に断ち切れる。
老人の視線は地図上の黒い跡を死ぬように凝視し、しばらくしてから顔を上げて蕭炎を見つめた。
その濁った瞳孔には冷たい光が浮かんでいた。
「お前は誰だ?」
老人はテーブルに指を打ち、開いていた扉が突然閉じた。
老人の鋭い眼光は萧炎を射抜き、彼から強横な寒気が発散していた。
その瞬間、薬老の魂魄が蕭炎を包み込み、老人の圧力から守った。
「おやじさん、誤解だよ。
私は知らないし、生まれつき感知力が特殊で、周囲のエネルギーを感じやすいんです。
先ほど偶然に貴方の体中の膨大な力を感じたので...」老人の反応を見て、蕭炎は手を広げて後退した。
「おやじさん、他意はないですよ。
本当にこの断片が必要なんです。
どうかご理解ください。
もし何か欲しいものがあれば、私が持っている限り、差し上げます」
「小坊主、思っていたより底が浅いな」老人はその場で蕭炎の体を傷つけることもできないのを見て驚異げに言った。
「ふん」笑って、萧炎は手にした断片を軽く振りながら、「おやじさん、これがどうも気に入らないんです。
どうしても欲しいんです」
「お前は勝手に取るな!私は誰にも売らぬから、強制するなら老夫が小僧を凌駕するのは当然だ」老人の背後で白い無風が起きて、周囲に凍り付く斗気を纏った。
老人の断固とした拒絶を受けた蕭炎は眉を顰め、「おやじさん、こんな頑なかろうとは知らなかった。
貴方の様子からすると、これらの断片を集めれば『浄蓮の炎』を探す地図が完成するはずなのに、それでも売らないなんて...」彼は内心で苛立ちを感じていた。
「老先生、今日はどうしても欲しいんです。
あなたが拒否しても、私が勝手に取ってしまうのはやむを得ないでしょう」
「小坊主!私は数十年間隠遁していたが、お前などに優まさぬわ!」
蕭炎の言葉を聞いた瞬間、老人の顎は嘲讽的な笑みで歪んだ。
それを聞いて、萧炎は口を尖らせて何も言わず、足元を踏んで店の外に出ようとした。
「死ね!」
その動きを見て、老人の顔に殺意が浮かび、傷跡もさらに凶暴さを増した。
彼は地面を蹴り、蕭炎に向かって瞬時に接近した。
老人が突進する時、店内は凍りつく寒気が充満し、薄い霧が立ち込めて蕭炎の視界を遮った。
周囲の白い霧に視線が阻まれた瞬間、萧炎の顔色が変わった。
これは本当に厄介な状況になったと悟ったのだ。
蕭炎は目を輝かせ、こんな偶然にも関わらず、彼が得たこの不気味な断片について疑問を感じなかった。
黄ばんだ写真の上にある奇妙な線路は、彼がまだ理解できぬものの、その線の引き方にはどこか見覚えのある雰囲気が漂っていた。
かつて魔獸山脈で小医仙と宝探しをした時、あの洞窟で見たあの神秘的な地図の類似物だ。
この地図は「異火榜」第三位に位置する「浄蓮妖火」を探すためのものだった。
その異火について、薬老も極めて高い評価を下していた。
当時、薬老がその名を口にした瞬間、蕭炎は彼の声の中に隠された驚きを感じた。
かつて頂点に立った薬老ですら何度も賞賛するほどの強大さ——それを「万物を焼き尽くす」と表現しても過言ではないほどだった。
「ふん、幸運な奴だ。
こんな場所でその地図の断片を見つけるなんて、君と浄蓮妖火は縁が深いようだ」。
蕭炎の胸中には薬老の驚異に満ちた声が響く。
彼は想定外の短時間で二つの神秘な地図断片を得たことに驚いていた。
笑みを浮かべながら、その手のひらを握りしめる蕭炎は、もう一つの地図断片を取り出す衝動を抑え、深呼吸をして感情の波瀾を鎮めた。
白老がようやく仕事を終えたが、依然として顔も上げずにいる。
その声は淡々と部屋に響いた。
「あなたはタゴル大沙漠の地図を求めているのか?」
老人の問いかけに反応して、蕭炎はゆっくりと振り返りカウンター前に歩み寄った。
優雅な口調で尋ねた。
「お爺さん、最も正確かつ詳細な沙漠地図をお願いします」
「欲しいものはそこにある。
自分で選べ」と老人は特に説明する意思もなく淡々と言った。
その態度は明らかに商売人とは思えない。
蕭炎は不思議そうに見つめながら、とりあえず詳細な地図を選び取り、掌の古びた断片を開きながら尋ねた。
「お爺さん、このような地図の断片は他にもあるでしょうか?」
老人が地図を描く手がわずかに震え、線路が微妙に偏った。
顔を上げて蕭炎の手にある断片を見つめる瞬間、その目には不思議な光が浮かんでいた。
その蒼白い顔を上げてみると、左頬から目尻にかけての深い傷跡が目についた。
蕭炎は思わず驚いて見つめた。
この傷跡は恐ろしいほど深く、老人の平和な目には見えない凶気を感じさせる。
「あなた……このような地図の断片を見たことがあるか?」
老人の視線は蕭炎の身体に映える薬師を象徴する長袍を掠めた。
その声調はわずかに驚きを含んでいた。
それを聞いた蕭炎は目を細め、首を横に振った。
「以前あるオークションで似たような断片を見たことがある。
競りの最中だったが、相手の出価が高すぎたので諦めた。
今日はこの老先生のところに来ていて、かつて見たものと酷似しているから尋ねてみたのだ」
「浄蓮の炎」は凡庸な物ではない。
異火ランキング第三位の異常な炎だ。
その存在は世間で最も無欲な隠士すらも欲望させるほどに。
だから蕭炎は自分がその地図の断片を持っていることを明かさなかった。
「そうか」
老人の視線が蕭炎の顔を掠めた。
彼の言葉は淡々としていた。
「これには終わりはない。
これは偶然得たもので、私の長年の経験から見て、明らかに地図の一部だ」
「老先生、その地図を売っていただけませんか?高値を出します」
老人はゆっくりと顔を俯せ、未完成な地図に視線を戻した。
「売るつもりはない。
これほど簡潔に答えるのが正しい」
蕭炎が断られると僅かに目を見開いた。
手に残っている地図の断片を握りしめながら「老先生、どうしても欲しいのです。
高額で買います」
老人はさらに顔を低くし、未完成な地図に集中した。
「売らない」
その即断的な回答に蕭炎はため息をついた。
この地図の断片を得るためには、相手が老体とはいえ強者でも構わない。
なぜなら「浄蓮の炎」は彼にとって巨大な吸引力があるからだ。
今後の功法進化において第三位の異火が果たす役割は重大だから。
蕭炎の頭の中で思考が渦巻く中、薬老の声が響いた。
「この老人は凡人ではないぞ」
「老師、この老人に何か特別なところがあるのか?」
「そうだ。
私が調べた限り、彼の本当の実力は斗皇級だ。
しかし何らかの異常な力を制圧されているようだ。
今の実力は斗霊程度だが、それでもあなたを殺すことは容易だろう」
「斗皇?」
蕭炎は心の中で叫んだ。
「どうして?加玛帝国の十傑にその強者も三人しかいないのに、この老人がどこから現れたのか」
「なぜ知っているか、私は知らない...でも、おっしゃる『強』は表向きのものだけだ。
ガマ帝国も大帝国だし、多くの『強』が隠れ家に住んでいる。
性格が変わった『強』もいるから、この砂漠の端で地図を売るのも普通のことだよ」薬老は適当に言った。
「...」蕭炎は無言になり、すぐに内心で苦しげに笑う。
「どうして私だけに会わせたのかな?」
「運がいいからかもしれないね」薬老は幸災楽祸的に笑った。
「小坊主、この地図のことは考えないで。
私は金なんて欲しくない。
物を持って行っても、強制するつもりはないよ」老人は手を振って淡々と続けた。
彼は蕭炎が手中の断片を持ち逃げしても構わない様子だった。
深呼吸してから、蕭炎は首を横に振り、「確かに。
あの『強』の前に立つなら、強制するなんてできないよ」と言った。
「パチ!」
墨で書くペンが突然止まった。
清脆な音と共に、途端に断ち切れる。
老人の視線は地図上の黒い跡を死ぬように凝視し、しばらくしてから顔を上げて蕭炎を見つめた。
その濁った瞳孔には冷たい光が浮かんでいた。
「お前は誰だ?」
老人はテーブルに指を打ち、開いていた扉が突然閉じた。
老人の鋭い眼光は萧炎を射抜き、彼から強横な寒気が発散していた。
その瞬間、薬老の魂魄が蕭炎を包み込み、老人の圧力から守った。
「おやじさん、誤解だよ。
私は知らないし、生まれつき感知力が特殊で、周囲のエネルギーを感じやすいんです。
先ほど偶然に貴方の体中の膨大な力を感じたので...」老人の反応を見て、蕭炎は手を広げて後退した。
「おやじさん、他意はないですよ。
本当にこの断片が必要なんです。
どうかご理解ください。
もし何か欲しいものがあれば、私が持っている限り、差し上げます」
「小坊主、思っていたより底が浅いな」老人はその場で蕭炎の体を傷つけることもできないのを見て驚異げに言った。
「ふん」笑って、萧炎は手にした断片を軽く振りながら、「おやじさん、これがどうも気に入らないんです。
どうしても欲しいんです」
「お前は勝手に取るな!私は誰にも売らぬから、強制するなら老夫が小僧を凌駕するのは当然だ」老人の背後で白い無風が起きて、周囲に凍り付く斗気を纏った。
老人の断固とした拒絶を受けた蕭炎は眉を顰め、「おやじさん、こんな頑なかろうとは知らなかった。
貴方の様子からすると、これらの断片を集めれば『浄蓮の炎』を探す地図が完成するはずなのに、それでも売らないなんて...」彼は内心で苛立ちを感じていた。
「老先生、今日はどうしても欲しいんです。
あなたが拒否しても、私が勝手に取ってしまうのはやむを得ないでしょう」
「小坊主!私は数十年間隠遁していたが、お前などに優まさぬわ!」
蕭炎の言葉を聞いた瞬間、老人の顎は嘲讽的な笑みで歪んだ。
それを聞いて、萧炎は口を尖らせて何も言わず、足元を踏んで店の外に出ようとした。
「死ね!」
その動きを見て、老人の顔に殺意が浮かび、傷跡もさらに凶暴さを増した。
彼は地面を蹴り、蕭炎に向かって瞬時に接近した。
老人が突進する時、店内は凍りつく寒気が充満し、薄い霧が立ち込めて蕭炎の視界を遮った。
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一方、本物の知識と実力を持っていたアメリアを王宮から追放したことで、主核の魔力水晶石が致命的な誤作動を起こしてカスケード王国は未曽有の大災害に陥ってしまう。
普通の女性ならば「私と婚約破棄して王宮から追放した報いよ。ざまあ」と喜ぶだろう。
だが、誰よりも優しい心と気高い信念を持っていたアメリアは違った。
カスケード王国全土を襲った未曽有の大災害を鎮めるべく、すべての原因だったミーシャとアントンのいる王宮に、アメリアはリヒトを始めとして旅先で出会った弟子の少女や伝説の魔獣フェンリルと向かう。
些細な恨みよりも、〈防国姫〉と呼ばれた聖女の力で国を救うために――。
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