闘破蒼穹（とうはそうきゅう）

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第0415話 大反撃

「おい、聞いたか？新チームが森で内院の先輩を狩り回してるって話だぜ」

「えっ？マジかよ？誰そんな強そうなもん？あの連中より強いわけ？」

「ははは、それこそ誰かって、当然最強の新チームさ」

「蕭炎たちのチーム？」

「くそ！勇気があるな！あいつらが新生を毎日バカにしとるのに、ようやく逆襲してやったんだろ。

めちゃくちゃ爽快だぜ！」

「ははは、早く行こうよ。

運が良ければ森で蕭炎たちと会えるかも。

彼らの後ろについてれば内院先輩も怖がらないって話だ」

森の中では様々な噂が広がり始め、今や蕭炎らが先輩チームを狩り回したという驚くべきニュースは全員に知れ渡っていた。

新チームであろうと先輩チームであろうと、その衝撃的な事実に目を見張るばかりだった。

噂が広まった直後、まだ疑念を持ち続ける者もいたが、四組の顔色が暗くなりきった内院先輩チームが鬱々とした怒りを胸に森の果てへと向かって行った。

途中で新生チームと出会うたびにも手を出さず、ただ黙々と森を後にした。

その行動は新生たちには不思議だったが、先輩チームにとっては規則通りのことであり、もし「炎能」が「十」以下に落ちれば狩り大会から退出するというルールがあったためだ。

明らかにこの四組は「炎能」が「十」を下回ったために、この屈辱的な場所を去らざるを得なかったのだ。

森の中では人々の視線が四組を見送り、しばらくすると静寂が訪れた。

やがて先輩たちの目から懐疑的だった表情は消え、その代わりに重苦しさと微かな怒りが広がった。

内院の先輩チームが新生を狩り回すという事態は数年来初めてのことだ。

そしてこの森で起こったこととはまるで一撃の掌のように先輩たちの顔を叩きつけた。

その掌は非常に大きな音を立てていた。

「天に知るも地に知るも、新生が自分の驕慢を償わされるはずよ」と先輩たちが森の果てから視線を引き戻すと、心の中で毒々しく呟いた後、森の中から次々と人影が飛び出した。

自負を持ち高いチームはすぐに蕭炎のチームを探し始めた。

新生が毎年先輩に抑圧されるという慣習は彼らも経験済みだったため、その連鎖を何としても断ち切ろうとしていたのだ。

すると森の数組の先輩チームが全員で探しまわるようになったが、約一時間の捜索の末、蕭炎らの半端な痕跡すら見つからなかった。

彼らは蕭炎五人が恐怖に怯えて遠くに逃げたと判断した時、その驕慢な新チームは予想外にも再び姿を現した。



広大な林間の空地に、枯れ葉が地面を覆い黄色い絨毯のように広がっていた。

その空地の中央で五人の新入生は肩を寄せ合い円陣を作り、周囲にいる五人の若者たちを見据えていた。

彼らの胸には塔型の徽章が輝いていた。

「『炎能』を渡せば痛くないぞ」内院の先輩と見えた青年が目を上げた。

肩までの長い髪は頬骨まで伸び、陰険な雰囲気を漂わせていた。

彼は抵抗する新入生たちを見つめながら笑みを浮かべた。

「くそもん、ほっといてくれよ！　おれは殴られてもやるからな」囲まれた五人の一人が血の付いた口元を拭いながら吐き捨てた。

「ふーん、頑固者だねえ。

協力しないなら仕方ないさ。

倒してから取り上げようか」

「バカ野郎！　お前たちが先輩だからって無理強いできると思ってるんじゃないよ。

蕭炎学長たちに会ったら必ず返すんだぜ。

新生にも抵抗する力があるんだろ？」

その言葉に先輩の青年は眉をひそめた。

「萧炎？」

と名前を聞き、彼は冷ややかな笑みを消した。

「おめでたいねえ。

でも残念ながらあのチームはもう姿を見せないわ。

どこかへ隠れちゃったんだから。

再会したら貴方も同じ運命になるさ。

だから早く渡せよ」

すると先輩の仲間たちは四人同時に前進し、その気配が枯葉を舞い上げた。

「えっ？　この話は私たちに向けたのかな？」

内院の先輩たちが新入生を包み込む直前に、突然空地の外から笑い声が響いた。

皆の視線が集まったのは樹木の幹に立つ五人の姿だった。

黒服の青年が巨大な漆黒の尺を持ち、その存在を明示していた。

「蕭炎学長！」

囲まれた新入生たちの目は驚きで固まり、すぐに喜びの声が溢れた。

この森では新生だけが虐められる場所だったからこそ、蕭炎のチームは彼らにとって唯一の救世主だったのだ。

あの日あの戦いを勝ち抜いたのは彼らだけだったから。



「君が蕭炎か？ ならば貴方達はあの『炎の力』を狩りに来る集団だな」その叫び声に反応した青年の顔色が一瞬変わった。

彼の視線は五人のグループに鋭く注がれ、笑みと共に語る。

「よくも現れたものだ」蕭炎が頷いたのを見た瞬間、青年はゆっくりと前に一歩進んだ。

その体から雄々しい闘気が溢れ出し、掌を振ると背後に影が飛び出した。

次に規則正しく配置された四人の姿が周囲に並び、この構えは四方八方に襲来する敵に対応できるよう計算されていた。

「『炎の力』を渡すか？ それとも我々が手を出すか？」

五人で陣形を作り終えた青年は自信を持って蕭炎を見つめた。

「その質問は逆さに答えようか」蕭炎は軽く笑み、相手の顔色が急に暗くなるのを見て黒い瞳孔に冷気が走った。

彼の体がわずかに震えると同時に青い闘気の波が急激に湧き上がり、拳の表面に凝固した角質層を形成する。

そのエネルギー構造が完成すると、拳から発せられる力は爆発的に増大した。

「狂った奴め！」

冷ややかに一人で攻撃してくる蕭炎を見た青年は陰険な笑みを浮かべた。

彼の周囲の四人が同時に動くと、短い距離を一瞬で駆け抜け、それぞれが破壊的な音爆を伴う拳脚を放つ。

彼らは四人一体となってその攻撃で蕭炎を傷つけようとしていた。

しかし蕭炎はその四人の攻撃に目もくれず、常に青年の姿を見ていた。

彼の拳から青い闘気がさらに凝縮され続けた。

その瞬間、空中から鋭い破風音が響き、人影が光のように移動した。

次の瞬間、観客の視界が揺らぐ中で四つの黒い影が地面に降り立った。

彼らは既に完璧な準備を整えていたため、爆発的なエネルギー波が四方八方に広がり枯葉の敷物が一斉に舞い上がる。

「チィ！」

老生たちの拳脚を阻んだ薰（くん）、白山、吴昊、琥嘉四人がその強烈な力を受け止めようとしたが、体が激しく震え始めた。

瞬間、彼らは耐え切れず血を吐きながら枯葉の上に倒れ込み、驚愕の表情で座り込んだ。



黒影が四人の老生の身体を逆流させた刹那、次の瞬間にはその場に消えていた。

突然、青い光の塊が長青年の前に現れ、彼は笑みを浮かべながら拳を振るった。

防御する腕をすり抜けるようにして、肩に重く打ち込んだ。

瞬時に激しい衝撃が伝わり、清脆な音と共に体が後方に跳ね返った。

地面を滑りながら木の幹にぶつかり、苦しげに息を吐き出すと、血が口から流れ出た。

手で血を拭いながら、白くなった顔は信じられない様子だった。

彼らは確かに個人戦力が高いが、協調性は酷評されていたはずなのに、わずか二日間でここまで成長したのか。

空地の中央に立つ五人の新入生は、電光石火の勝負を目の当たりにして固まっていた。

黒衣の青年とその仲間四人が拳を握り直す様子を見た瞬間、深呼吸しながら驚きの声を漏らした。

彼らが一つになったときの戦闘力は想像を超えていたのだ。