闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0416話 強者対決

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「嗤!」

火晶カードが互いに交差し光を放ち、黒いクリスタルカードの数値が再び跳ね上がった瞬間、蕭炎はほほえんだ。

彼の火晶カードには既に「七十四」まで貯まった火能があり、この程度の量があれば、噂される天焚煉気塔で二ヶ月以上の修練が可能だ。

その収穫はまさに豊かだった。

「このチームを加えると、我々が手に入れたのは五支に達する。

」彼女は自分のクリスタルカードをしまい、蕭炎によって昏倒させられた五人を樹幹に縛り付けたままの姿を見つめながら笑みを浮かべ、「あの二つの『黑白関煞』を除けば、まだ三支のチームが残っている。

我々はそれらを奪えるかもしれない。



琥嘉は眉をひそめて考え込んだ。

「しかし森は広すぎる。

その三支を探すのは困難だ。

もし我々の存在が知られれば、彼らは同時に襲いかかってくるだろう。

この二日間の訓練で我々の連携は以前よりも向上したものの、それでもまだ一支部隊しか対応できない。

二支部隊なら限界だが、三支部隊となると絶対に負けてしまう。



蕭炎が眉を寄せた瞬間、彼女の視線は空地にいる驚愕の状態で立ち尽くす新入生たちへ向けられた。

「現在まだ狩猟戦に参加資格のある旧生チームは『黑白関煞』以外三支、つまり十五人だ。

我々新入生は火能が十未満だと失格になるという制限があるため、森林中にまだ残っている新入生は少なくないはずだ。

この広大な森の地図を持たない彼らが短期間で脱出するのは難しいからね。



「君は何を計画しているのか?」

蕭炎の言葉に四人は驚き、「白山が眉を顰めたように尋ねた。

「全新入生を集め、風評を作り出して残る三支旧生チームを引き寄せ、新生の力を結集して一網打尽にするのはどうか?」

蕭炎は冷静に続けた。

「彼らを呼び出す?それは三支部隊だぞ。

他の新入生が耐えきれない場合、我々も危ない。

この二日間で得た火能をまた奪われるのは嫌だ。

」白山の顔色が変わった。

「一支部隊でも勝つには連携が必要なのに、三支部隊となると絶対に負けてしまうんだ。



「しかし新生はそれほど弱くないかもしれない。

彼らが上位五十名に入選したのは実力があるからだ。

ただ連携の問題で旧生チームの一撃で崩れるだけだ。

我々もずっとここで待機しているわけにはいかない。

彼らを一網打尽にすれば、内院への道が早くなるだろう?」

蕭炎は肩をすくめた。

「そうだな。

我々は既に三四日間この森で消耗している。

ずっと引き延ばし続けるわけにはいかないんだ。

」昊は頷き、低い声で言った。



琥嘉は唇を尖らせて鼻を鳴らせた。

「構わねえよ。

大したことなら火能を返せばいいんだからさ」そう言いながら炎の目を見つめた。

「今は隊長だろ? そういうのはお前が決めてくれればいいんだぜ、うるさいもんじゃねーか」

炎はため息混じりに首を横に振った。

仲間の意見を聞くという行為が琥嘉には「うるさい」ものと映っているらしい。

「あー、まあ、今回はお前の言う通りにしてやるよ。

ただ……ちゃんとやってくれよな?」

炎がそう言いかけた瞬間、昊が視界に入った。

琥嘉は特に反対せず、白山も頷いた。

この二人は最近の経験から炎に信頼を寄せていたようだ。

昊と琥嘉は炎の強さと勇気に折伏され、薰はいつも彼の言う通りに従っている。

だから白山の存在感はほぼ皆無だった。

炎が笑顔で頷いたのはその時だった。

少し考え込んでから空地にいる五人の新入生を見やった。

そして歩み寄り掌を返すと薬瓶が現れた。

それを彼らに渡しながら「大丈夫か?」

「えー、炎学長様のお陰ですわ。

もしおかしなことになれば……またあの連中に殴り込まれるところだったでしょう」その中で一人の青年が熱心に受け取った。

彼はこのチームのリーダーらしい。

「ふん、お互いためだよ」炎は軽く笑いながら彼らを見つめた。

「お前たちもあの連中にやっかいをかけてみたいか?」

五人の新入生は一瞬硬直した。

炎が言う「お前たち」とは内院の先輩達のことだった。

少し迷った後、牙を剥いて頷いた。

最近二人日間の屈辱を思い出すと胸がむかついたが、実力差があるから敢えて抗えなかったのだ。

「そうか……ならお願いしたいことがあるんだ」炎は笑みながら低い声で言った。

「炎学長様にお礼もまだ返していないのに、何でも構わねえよ。

言ってみなさい」

その瞬間炎の提案に即座に同意したのは彼らだった。

炎がチームを率いて先輩達と対決する姿はこの期の新入生のほとんどが憧れの象徴だった。

彼には実力と勇気があり、彼らが苦々しく耐えているあの連中に立ち向かうのだ。

「ふん……ありがとうな」炎は笑みを浮かべて三人に礼をした。

「お前たちならできると思うんだ。

森の中を探して他の新入生を見つけてくれ。

もし火能の補償と私の信用が許せば、みんなここに集まってほしい。

私が皆を連れてあの暴れん坊先輩達とやっかいをかけてやる」

炎は三人に向かって手を合わせてから低い声で言った。

「お前たちも賛成してくれれば……」

「はい!我々はいくつかの新入生と連絡を取っています。

彼らは先輩に捕まるのが怖くて、多くの者が隠れています」

五人の新入生が蕭炎の言葉に熱血沸騰させた。

数日間続く屈辱から解放されるという希望が胸中で燃え立つ。

「うむ、皆様は緊張を解いてください。

もし先輩達と出会ったら、『炎力』を渡して下さい。

損失した分は私が後で補償します」

蕭炎が安堵の息を吐きながら五人に注意を促す。

「萧炎先輩なら待っておきますよ。

貴方様が率いるなら、我々もあの連中に反撃する勇気が出ます!」

五人が深く頭を下げた後、それぞれが密林に駆け込んでいく。

蕭炎の視線の中で彼らは木々の葉の揺らめきと共に姿を消した。

「ふん、終わったわ。

次は新入生の集結だわ。

人数が集まれば、絶対的反撃が始まるわ」

蕭炎が立ち上がり、四人に笑みを浮かべて言う。

期待に駆られて五人の効率の良さに萧炎も驚く。

午前中だけで新入生たちが次々と現れる。

彼らは林間の空地で盤腿座る蕭炎らを見つけるとようやく信じた。

鬱憤を晴らすため、狼藉な姿の者たちが円形に集まってくる。

時間と共に空地にはより多くの新入生が集まり始めた。

彼らは黒袍青年の目を熱望で注ぎながら円陣を作り出す。

ある時、閉じていた蕭炎の目がゆっくりと開いた。

周囲に整然と座る新生を見つめながら満足げな笑みを浮かべる。

「皆様、この二日間の怨念をあの自慢の先輩達に返していただけませんか?」

低く重い声が林全体を震わせる。

新生たちの顔から湧き上がる抑えた怒りと憎悪を見つめながら蕭炎は頷いた。

彼が求めたのはまさにその怒気だったのだ。

突然木々が揺れ動き、二三の影が現れた。

彼らは場を騒然とさせる。

「萧炎先輩!我々は貴方の指示通りに位置を暴露しました。

今やあの連中はこちらへ向かってきています」

「よし」

掌同士を叩く音と共に蕭炎が立ち上がる。

四人がそれぞれ武器を構える。

新入生たちが一斉に叫ぶ。

先輩達への憎悪と復讐の欲望で声が震えた。

「行くぞ!あの連中にやっつけよう!」

彼らは勇気を取り戻して駆け出す。

林間から次々と現れる仲間を見つめながら、新たな怒りを胸に秘めたまま。



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