闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0548話 爆発!

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無数の視線が注がれる中、二人の人影は陨石同士のように激しく衝突した。

その瞬間、周囲にまで及ぶ強大な気圧波が四方八方に広がり、空気が震えるほどだった。

「チィ!」

という鋭い音と共に、重い尺が疾風を切り裂くように黒い稲妻のように振るわれた。

その凄まじい力は空間自体を歪ませ、柳擎の静止した姿に迫り来る。

空気すら押し切るような低音爆発が地底から響き渡り、心身にまで浸透する重圧が生じた。

柳擎の衣装は強烈な風圧で肌に張り付きながらも、その表情は動かなかった。

重い尺が頭部から半歩離れたところで、彼は軽く左右に足を動かした。

次の瞬間、重い尺は驚異的に柳擎の肩を擦過し地面に落ちた。

その隙に柳擎は左手で爪のように曲げた指を左方向へと叩きつけた。

その動作は簡単そうに見えたが、重い尺が落下する直前に正確に当たらせた。

強大な力が解放され、重い尺は数メートル飛ばされた。

これにより蕭炎の急転身の動きを完全に阻害した。

蕭炎の攻撃が途絶えたその瞬間、柳擎は掌を地面に向けて微かに曲げた。

それは鋭利な獣の爪のように見えた。

腕を震わせると同時に、冷たい風圧と共に胸元へと襲いかかった。

重い尺が弾かれ蕭炎も即座に反応し、左手を離して拳で雄々しい気力を凝縮させた。

その瞬間、柳擎の爪は暴発的に伸びて二人の衝突点に到達した。

「バキィ!」

という低音爆発が空間を震わせ、激しい気圧波が四方八方に広がった。

蕭炎の体が激しく揺らぎ、彼は急いで後退した。

地面が細かい粉々になりながらも、柳擎との距離は僅か一歩だった。

柳擎の力を受け止め終わった蕭炎は顔を上げた。

相手の実力は明らかに自分より上回り、経験も豊富だ。

時間の経過と共に不利が増すことを悟った彼は、勝算を最大限にするためには最短距離で最大の攻撃効果を得る必要があった。

深呼吸しながら柳擎を見据える蕭炎。

冷たい空気を吸い込むと同時に、相手の冷静さに警戒心が芽生えた。

この戦いは早ければ早いほど有利だと悟り、彼は次の動きを計画した。



しかし彼の心はその戦法が自分にとって最も有利であることを知っているにもかかわらず柳炎は頭を悩ませていた柳擎という相手は尋常ならざるものであり自分がわずかな隙を見せれば狂風のような激しい攻撃にさらされるであろう。

自分が待ち構える最良の出機を待つ間も彼は同様に自分への弱点を探りつついるのだ。

さらに苛酷な状況に置かれていたのは柳擎が充分な時間をかけて冷静に自分の勢いが衰えた瞬間に待機していることに対し自分が一定時間内に一定以上の攻撃効果を上げる必要があるという点においても明らかに不利だった。

苦しみの声を胸の中で小さく呟き乱れ狂う思考を全て振り払った柳炎は尺の柄を握り固め目を開いて対面にある柳擎の全身を見据えた。

その視線が彼の動きを完全に掌握していることを悟ると体がわずかに前傾した次の瞬間足を思い切り踏み出した。

するとその軽やかな跳躍と共に重い尺は空中で鋭く回転しながら風を切る音を立てて柳擎めがけて疾走する黒影となった。

突然の甩出攻撃に柳擎の目が驚きの色を浮かべたが表情にはほとんど変化を見せなかった。

掌を開いて爪型を作り足元から踏み込むようにして降り立ったその巨大な手は淡い金色の斗気で包まれていた。

その手がわずかに下がると柳炎の重い尺が空中で突然停止した。

柳擎の手が重い尺を掴んだ瞬間全身を襲う凶暴な力で数歩後退しながらもようやくその力を解き放ちた。

しかし一爪だけで柳炎の舞炎という山岩を砕けるほどの重量のある重い武器を受け止められるというのは明らかに凄まじい実力だった。

五指が奇妙な角度で曲がりそれぞれの指先が尺と接触するように配置されていた。

複雑な受け渡しポイントとその雄大な斗気の流れが見事に組み合わさって柳炎の攻撃を容易に受け止めていたのだ。

重い手触りに柳擎の顔色が変わった。

彼はこの尺の重量が自分の裂山槍より遥かに大きいことを実感した。

その瞬間突然体中の斗気が流れにくくなったことに気づいた柳擎は驚愕の表情を浮かべた。

「この尺には何か異常がある!」

という直感が芽生れた瞬間彼は爪を離し重い尺は無力に地面へと落ちていった。

その途端に微かな雷鳴のような音が響き柳擎の眉根が険しくなった。

次の瞬間柳炎の黒影が至近距離まで迫り五指が鋭く握り締め体内の斗気が暴走するようにして拳を振り上げ柳擎に直撃した。

低く唸る声と共に柳炎の拳は柳擎に向かって猛然と打ち下ろされた。

その瞬間気爆音が連続的に炸裂し観客席から次々と拍手が響き渡った。



比今までのどの瞬間よりも猛りを増した攻撃が斜めに柳擎の目は僅かに開いていた彼は蕭炎のこの凶暴無匹な攻撃が白程と姚盛を破った近身戦術であることを直感的に察知していた

「これで俺を倒すつもりか? まだ足りないぜ。

だがお前の近身技を俺の大裂劈棺爪(たいれつひけかんそう)と比べてみよう」

柳擎の顔に笑みが浮かび手爪は奇妙な弧度を描きながら曲がり、指先から淡金色の斗気(とうき)が繰り出し森々たる寒光を放っていた

「大裂劈棺爪!」

爪先を地に向け一瞬後柳擎の笑みは消え腕を突き出すと手爪は爆発的に伸び無形の風圧が爪前で光弧(こうかく)を形成する様子が見えたその威勢は蕭炎の八極崩(はちきょくほう)に劣らない

場外の観客席では二人が最も直接的な**技(わざ)で戦っていることに驚愕の声が連続して上がった人々は彼らの近身戦術の実力を見ていたが同時に武器を使うような攻撃と比べて少々残酷で暴烈な一面も感じていた。

しかし男性同士ならその点に抵抗はないのか、観客たちの顔色が次第に赤く染まっていった

吴昊(ごうほう)らも体を固くしていたこの肉弾戦は一歩間違えば重傷を負う危険がある。

彼らは蕭炎の近身技についてある程度理解していたが柳擎もその分野で相当な実力者だった

「炎のこの近身技のランクは大裂劈棺爪と同程度かもしれないが正面衝突では耐えられるか? 严浩(げんこう)が少し眉をひそめながら蕭炎の放つ風圧を見つめて言った

林修崖(りんしゅうがい)は目も瞬かず場中を見やり「おそらく無理だ。

舞炎(ぶえん)が何度かこの技を使ったことがあるが発動時の爆発力は確かに凄まじいが持続性では大裂劈棺爪に及ばない。

柳擎はその点で本当に鍛錬を積み重ねてきたからこそ、もし柳擎が炎の攻撃を受け止めれば次の反撃で舞炎は敗北する危険がある」

その言葉に一帯の厳浩と韓月(かんげつ)らも頷き場中を見詰めた

無数の視線が注がれる中、それぞれ極大な破壊力を秘める一拳一爪はやっと正面衝突した!

「バキィ!」

凄まじい気圧波が突然爆発し二人の接触点から風圧の嵐(うわつち)が四方八方に吹き出したその嵐が通った場所では床が次々と耐え切れなく砕け蜘蛛の巣のような亀裂が二人周辺に広がり始めた

この気圧嵐による破壊力は観客席から唾を吞み込む声が連続して上がったこれは純粋な**力量(りょくりょう)そのものでその破壊力の凄まじさは尋常ではない

場中では一拳一爪がまるで一体化したように無形の気圧が二人の足元から放出され人々は堅固そうな床が瞬時に砕け細かい粉々に分解されていく様子を目撃していた

死んだ目で向かいの無表情な柳擎を見つめながら、蕭炎は腕が震え始めた。

正面衝突するその反動で腕全体が麻痺しそうだった。

胸の中では重みを感じるほどに、これまで何度となく試した八極崩も効果を発揮しない。

暗勁が柳擎の体内に入った瞬間から、より剛健な気力がそれを散らしていくのが分かる。

八極崩の力は急速に衰えつつあるが、その巨掌は決して緩むことはなかった。

爆発的な力はあるものの持続性に欠ける。

石像のように固まっていた柳擎が突然ゆっくりと口を開き、蕭炎に向かって笑みを浮かべた。

「終わったんだろうな」

その言葉の直後、巨掌が不自然にも指先を曲げて一瞬で蕭炎の腕を突破し、彼の胸元へ向けて鋭く伸びてきた。

爪風は凄まじい速度で迫り、被撃すれば敗北は決定的事実となる。

しかし、ずっと下ろしていた左手が突然印結を作り出す。

蕭炎は笑みを浮かべながら体内から熾熱の青色の炎を噴き出し、その炎が周囲に広がる瞬間、堅牢な炎の鎧が彼の体を包んだ。

「そうはいかないよ」



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