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第0644話 雲嵐宗の動静
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黒衣の青年が現れた瞬間、山頂の空気が微妙に変化した。
その背後に控える一団の影たちは、その姿を目で追うと同時に、これまで静かだった空気をさらに沈黙へと押し込んだ。
森林の中から聞こえていた獣たちの咆哮声さえも、この異様な圧迫感に消し込まれた。
含笑する青年を見つめる鉄鳥、蘇媚、陰骨老人は、思わず身を凍らせるような畏怖を感じていた。
彼らの表情から笑みが薄らいだ瞬間、その穏やかな外見とは裏腹に、この若者には黒角域で鍛えた強者の心臓さえも鈍らせてしまうほどの力があった。
彼の穏やかな微笑みは、一方では斗皇級の実力を持つ人物と、もう一方ではほぼ斗宗級に近い存在を悲惨な形で失わせた者だったからだ。
彼らが冷厳なる表情の蕭厲(しょうり)との会話で余裕を持ちながらも、この青年の前では全神貫注になるのは、その圧倒的な実力への畏怖によるものだった。
「お前、ようやく来たか」
蕭厲は、周囲の微妙な空気変化にまったく気づかず、まず蕭炎(しょうえん)に向かって笑みを浮かべた。
「彼らは私の友人で、今回は私が連れてきた援軍だ」
萧炎が林焱(りんえん)、紫研(しじん)ら四人に指差しながら言った時、蕭厲の目は瞬時にその五人の実力に注がれた。
特に外見は幼女のように見える紫研には、彼の視線がとどまるほど不気味な存在感があった。
この五人は、彼が黒角域で集めた強者たちで、全員が六星の斗王程度の実力だった。
「ふむ、なかなか」
蕭安(しょうあん)はその五人を眺めながら頷いた。
彼らの実力は加マ帝国の所謂十大強者と互角に渡るだろう。
「門主様!」
五人は萧炎の視線を感じると、頬を引き締めて硬い笑みを浮かべて一斉に声を上げた。
彼らは黒角域で最も頑固な存在たちだったが、この男の前ではその態度さえ捨て去り、敬意を込めた。
血宗範老(はんろう)、薬皇韓楓(かんしょう)を斬る者への畏怖と、実力至上主義という共通項があったからだ。
「ふふ、皆様の援護に感謝いたします。
蕭炎は心よりお礼申し上げます。
任務が完了したら、必ず皆様に満足いく報酬を差し上げましょう」
萧炎ほほえみながら拳を垂れ、そう前置きした。
彼は彼らが雲嵐宗という大敵と対立しながらも自分を助ける理由を十分理解していた。
感謝の言葉よりも、その一言の方が彼らの期待を刺激する。
「おおっ!」
斗王級の強者たちの顔に喜色が浮かんだ。
冒険したリスクは大きいが、蕭炎という六品薬師の地位が彼らの動機だ。
彼に借りを作れば、報酬は想像を超えるものになるだろう。
「云嵐宗の連中がどんな強者でも構わん! 脳天丸に斃してやるぞ!」
興奮のあまり、黒角域特有の嗜血的な言葉が彼らの口から溢れた。
萧炎は笑みを浮かべながら手で抑えると、陰骨老、蘇媚、鉄鳥の三人を見た。
その視線が樹上の三方強者に向けられた瞬間、
「ドキッ」と三人の心拍が速まった。
蕭厲たちとの会話は自由だが、この人物の前では一種の圧迫感を感じる。
それが彼らを不安にさせる。
「咳咳、萧門主よ。
加瑪帝国まで行くのは万里遠征だ。
往復だけで数ヶ月かかる。
黒角域では我が家の財産が狙われている者もいる。
留守番組は強力な力を残さないと、帰ってきたら空っぽの領地になっちまうぞ」
陰骨老は蕭炎の眉を動かしたことに気づき、咳払いながら話す。
彼の目は美杜莎女王に向けられていたが、相手から反応がないことを確認すると安堵した。
「了解だ」
萧炎は頷くと笑みを浮かべた。
「三位が直接来てくれただけで約束を果たしてくれている。
私は何の不満もない」
陰骨老たち三人はようやく胸を撫で下ろした。
彼らは蕭炎がさらに人員増強を要求するのではないかと心配していたのだ。
「しかし……」
萧炎の次の言葉に、三人の心臓が再び跳ね上がった。
「この任務には危険性があるし、私にとっても重大な問題だ。
だからこそ、云嵐宗との戦闘では漫然と扱うようなことはしないようにしてほしい」
彼は笑みを浮かべながらも、漆黒の目の中に冷たい殺意が宿った。
その声には氷のような寒さが籠っていた。
「今や大計は整いしものの、この陰骨老らの輩を知る蕭炱は、時折彼らに警告を与えずにはならぬ。
蓋し彼らが暗中で些細な工作を企むことを危惧するゆえに。
彼が云うとおり、今やガーマ帝国へ帰還することは極めて重大なる任務なり。
いかなる微かな過ちも許されず、計画を阻害する者には決して情け容赦なく処断せん。
かつての無知な少年ではあるまい」
陰骨老がくすっと笑った。
「蕭門主はご安心あれ。
約束した通りに助力を施せば、我々も同じ船に乗っているのだ。
船を沈めるような愚行は決して為さぬ」
「ふん、その通りだ。
任務成就後、貴方らの要求する報酬は必ず支払い、一歩も遅れさせぬぞ」蕭炎が穏やかな笑みを浮かべた。
三人の顔に驚きの色が走った。
この若者、人間離れした手腕とは……二十代前半とは思えぬ精明さだ
「お兄ちゃん、これで大丈夫か?」
萧厉が問いかけると、蕭炎は頷いた。
「かつてガーマ帝国から黒角域へ来た時も、同じく長き旅だった。
貴方の言う通り、四級魔兽数頭を連ねたこの編隊は、確かに最適な移動手段だ」
「虎鷹獣(とこおうじゅう)という種族か?見たところ四級魔物らしいが……」蕭炎が首を傾げた。
「これらは『調魔門』から得た純血の虎鷹獣。
長距離飛行に適したこの種族は、野生化しやすい性質を持つため、入手には莫大な代価が必要だった」
山裾から十頭の巨大な虎鷹獣が現れた。
その翼を羽ばたかせると、瞬時に峠を越えていく。
蕭炎は目を細めた。
「四級魔物……つまり十名の斗霊(ドリン)に匹敵する戦力か?」
「貴方の言う通りだ」萧厉が笑った。
「ガーマ帝国への移動には、これ以上の手段はない。
準備は全て整っている。
出発はいつでも可能だ」
「それとも待つのか?」
蕭炎が笑みを浮かべると、その黒い瞳孔に異様な熱気が湧き上がり、声調を上げながら続けた。
「ならば一刻も早く虎鷹獣に乗れ!今から加瑪帝国へ向かうぞ!」
彼の言葉が途切れた瞬間、山坂に並ぶ百を超える黒影たちが一斉に動いた。
彼らは伏せていた虎鷹獣の広い背中に滑り込み、西天陰宗を含む三派の強者が再び空を舞う飛行獣へと戻った。
全員が位置を取り戻すと、蕭厲の口笛が響き渡る。
その音色に従って十頭の虎鷹獣が低く唸りながら立ち上がり、広大な翼を羽ばたかせ、風を切り裂いて空へと昇っていく。
激しい風が天高く形作られる中、蕭炎は空を見上げる。
彼の胸中に熱い感情が湧き上がり、低く叫び声を発した瞬間、背後の緑色の炎の翼が一振りすると、最前方の虎鷹獣の巨大な頭部に瞬時に到達していた。
そのすぐ後ろにはメデューサ女王である蕭厲らも次々と追いかけてくる。
虎鷹獣の頭頂に立つと、強烈な風が衣服を引き裂くように吹き付けた。
彼は下方で小さくなっていく地面を見下し、ゆっくりと顔を上げて遠く南の空へと視線を向けた。
その目に陰険な笑みが浮かんだ。
「加瑪帝国・雲嵐宗へ!蕭炎、帰還だ!」
その背後に控える一団の影たちは、その姿を目で追うと同時に、これまで静かだった空気をさらに沈黙へと押し込んだ。
森林の中から聞こえていた獣たちの咆哮声さえも、この異様な圧迫感に消し込まれた。
含笑する青年を見つめる鉄鳥、蘇媚、陰骨老人は、思わず身を凍らせるような畏怖を感じていた。
彼らの表情から笑みが薄らいだ瞬間、その穏やかな外見とは裏腹に、この若者には黒角域で鍛えた強者の心臓さえも鈍らせてしまうほどの力があった。
彼の穏やかな微笑みは、一方では斗皇級の実力を持つ人物と、もう一方ではほぼ斗宗級に近い存在を悲惨な形で失わせた者だったからだ。
彼らが冷厳なる表情の蕭厲(しょうり)との会話で余裕を持ちながらも、この青年の前では全神貫注になるのは、その圧倒的な実力への畏怖によるものだった。
「お前、ようやく来たか」
蕭厲は、周囲の微妙な空気変化にまったく気づかず、まず蕭炎(しょうえん)に向かって笑みを浮かべた。
「彼らは私の友人で、今回は私が連れてきた援軍だ」
萧炎が林焱(りんえん)、紫研(しじん)ら四人に指差しながら言った時、蕭厲の目は瞬時にその五人の実力に注がれた。
特に外見は幼女のように見える紫研には、彼の視線がとどまるほど不気味な存在感があった。
この五人は、彼が黒角域で集めた強者たちで、全員が六星の斗王程度の実力だった。
「ふむ、なかなか」
蕭安(しょうあん)はその五人を眺めながら頷いた。
彼らの実力は加マ帝国の所謂十大強者と互角に渡るだろう。
「門主様!」
五人は萧炎の視線を感じると、頬を引き締めて硬い笑みを浮かべて一斉に声を上げた。
彼らは黒角域で最も頑固な存在たちだったが、この男の前ではその態度さえ捨て去り、敬意を込めた。
血宗範老(はんろう)、薬皇韓楓(かんしょう)を斬る者への畏怖と、実力至上主義という共通項があったからだ。
「ふふ、皆様の援護に感謝いたします。
蕭炎は心よりお礼申し上げます。
任務が完了したら、必ず皆様に満足いく報酬を差し上げましょう」
萧炎ほほえみながら拳を垂れ、そう前置きした。
彼は彼らが雲嵐宗という大敵と対立しながらも自分を助ける理由を十分理解していた。
感謝の言葉よりも、その一言の方が彼らの期待を刺激する。
「おおっ!」
斗王級の強者たちの顔に喜色が浮かんだ。
冒険したリスクは大きいが、蕭炎という六品薬師の地位が彼らの動機だ。
彼に借りを作れば、報酬は想像を超えるものになるだろう。
「云嵐宗の連中がどんな強者でも構わん! 脳天丸に斃してやるぞ!」
興奮のあまり、黒角域特有の嗜血的な言葉が彼らの口から溢れた。
萧炎は笑みを浮かべながら手で抑えると、陰骨老、蘇媚、鉄鳥の三人を見た。
その視線が樹上の三方強者に向けられた瞬間、
「ドキッ」と三人の心拍が速まった。
蕭厲たちとの会話は自由だが、この人物の前では一種の圧迫感を感じる。
それが彼らを不安にさせる。
「咳咳、萧門主よ。
加瑪帝国まで行くのは万里遠征だ。
往復だけで数ヶ月かかる。
黒角域では我が家の財産が狙われている者もいる。
留守番組は強力な力を残さないと、帰ってきたら空っぽの領地になっちまうぞ」
陰骨老は蕭炎の眉を動かしたことに気づき、咳払いながら話す。
彼の目は美杜莎女王に向けられていたが、相手から反応がないことを確認すると安堵した。
「了解だ」
萧炎は頷くと笑みを浮かべた。
「三位が直接来てくれただけで約束を果たしてくれている。
私は何の不満もない」
陰骨老たち三人はようやく胸を撫で下ろした。
彼らは蕭炎がさらに人員増強を要求するのではないかと心配していたのだ。
「しかし……」
萧炎の次の言葉に、三人の心臓が再び跳ね上がった。
「この任務には危険性があるし、私にとっても重大な問題だ。
だからこそ、云嵐宗との戦闘では漫然と扱うようなことはしないようにしてほしい」
彼は笑みを浮かべながらも、漆黒の目の中に冷たい殺意が宿った。
その声には氷のような寒さが籠っていた。
「今や大計は整いしものの、この陰骨老らの輩を知る蕭炱は、時折彼らに警告を与えずにはならぬ。
蓋し彼らが暗中で些細な工作を企むことを危惧するゆえに。
彼が云うとおり、今やガーマ帝国へ帰還することは極めて重大なる任務なり。
いかなる微かな過ちも許されず、計画を阻害する者には決して情け容赦なく処断せん。
かつての無知な少年ではあるまい」
陰骨老がくすっと笑った。
「蕭門主はご安心あれ。
約束した通りに助力を施せば、我々も同じ船に乗っているのだ。
船を沈めるような愚行は決して為さぬ」
「ふん、その通りだ。
任務成就後、貴方らの要求する報酬は必ず支払い、一歩も遅れさせぬぞ」蕭炎が穏やかな笑みを浮かべた。
三人の顔に驚きの色が走った。
この若者、人間離れした手腕とは……二十代前半とは思えぬ精明さだ
「お兄ちゃん、これで大丈夫か?」
萧厉が問いかけると、蕭炎は頷いた。
「かつてガーマ帝国から黒角域へ来た時も、同じく長き旅だった。
貴方の言う通り、四級魔兽数頭を連ねたこの編隊は、確かに最適な移動手段だ」
「虎鷹獣(とこおうじゅう)という種族か?見たところ四級魔物らしいが……」蕭炎が首を傾げた。
「これらは『調魔門』から得た純血の虎鷹獣。
長距離飛行に適したこの種族は、野生化しやすい性質を持つため、入手には莫大な代価が必要だった」
山裾から十頭の巨大な虎鷹獣が現れた。
その翼を羽ばたかせると、瞬時に峠を越えていく。
蕭炎は目を細めた。
「四級魔物……つまり十名の斗霊(ドリン)に匹敵する戦力か?」
「貴方の言う通りだ」萧厉が笑った。
「ガーマ帝国への移動には、これ以上の手段はない。
準備は全て整っている。
出発はいつでも可能だ」
「それとも待つのか?」
蕭炎が笑みを浮かべると、その黒い瞳孔に異様な熱気が湧き上がり、声調を上げながら続けた。
「ならば一刻も早く虎鷹獣に乗れ!今から加瑪帝国へ向かうぞ!」
彼の言葉が途切れた瞬間、山坂に並ぶ百を超える黒影たちが一斉に動いた。
彼らは伏せていた虎鷹獣の広い背中に滑り込み、西天陰宗を含む三派の強者が再び空を舞う飛行獣へと戻った。
全員が位置を取り戻すと、蕭厲の口笛が響き渡る。
その音色に従って十頭の虎鷹獣が低く唸りながら立ち上がり、広大な翼を羽ばたかせ、風を切り裂いて空へと昇っていく。
激しい風が天高く形作られる中、蕭炎は空を見上げる。
彼の胸中に熱い感情が湧き上がり、低く叫び声を発した瞬間、背後の緑色の炎の翼が一振りすると、最前方の虎鷹獣の巨大な頭部に瞬時に到達していた。
そのすぐ後ろにはメデューサ女王である蕭厲らも次々と追いかけてくる。
虎鷹獣の頭頂に立つと、強烈な風が衣服を引き裂くように吹き付けた。
彼は下方で小さくなっていく地面を見下し、ゆっくりと顔を上げて遠く南の空へと視線を向けた。
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