闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0674話 治療

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灼熱の温度が閉鎖された密室を包み込み、その空間全体を炎のような炉のように燉し上げていた。

赤茶色の薬鼎から薄い白煙が立ち上り、密室全体に絡みつきながら消え去ることなく漂っている。

「混元塑骨丹」の原型となる丹薬が碧緑の炎の中でゆっくりと回転しているその先端に、蕭炎は険しい表情を浮かべていた。

雄大な霊力で温度のバランスを調整し続けながら、常に一定の熱量を維持していた。

約30分間の低温調理が進むにつれ、薬鼎から濃厚な薔薇の香りが徐々に立ち上り、その微細なエネルギー波動は薬鼎の内壁に低く響き渡る鈴のような音を生み出していた。

薫る薬気を感じながら、蕭炎は数分間黙っていたが、突然目を見開いた。

その瞬間に薬蓋が自動的に外れ、緑色の丸い丹薬が空中を滑り、彼の手に正確に収まった。

掌に残るほのかな余温を感じながら、蕭炎はようやく安堵の息を吐いた。

この「混元塑骨丹」は六品丹薬の中では上位クラスではないものの、間違いなく真実の六品丹薬である。

そのような品級の調合に至るまで、リュウリョウレンシンカイ(琉璃蓮心火)の助けがあっても、失敗率は決して低くない。

ついに四分の一の材料を消費し、ようやく一枚だけ完成させたのだ。

玉瓶に丹薬を入れながら、蕭炎は伸びをした。

体を軽く揺すった瞬間、骨が軋む音が響いた。

「治療」を終えた蕭炎を見つめる薬老は小さくうなずき、「この二種類の異火で融合させた新異火は確かに力がある。

しかしその理由こそ、以前の青蓮地心火のように自在に操れないのだ」と静かに語った。

一晩中観察した薬老の目には、蕭炎の欠点が見えていた。

何度か失敗したのは、リュウリョウレンシンカイの威力が強すぎたためで、わずかな温度調整ミスが材料を全て灰燼に落としてしまうのだ。

その言葉に頷く蕭炎は、「異火の威力は確かに奇大だが、それを腕の先まで自在に操るなど容易ではない」と同意した。

「機会があればこのリュウリョウレンシンカイを練習するように。

成功率向上には役立つだろう」薬老が諭すと、蕭炎は笑みを浮かべて頷いた。

赤茶色の薬鼎を納戒に収め、地面から降りた彼は「行こう、丹薬は完成したし、皇室へ届けよう。

その六階幽海蛟獣も興味深いものだ」と笑顔で述べた。

すると密室の扉を開いた瞬間、待機していた侍女が優しく報告してきた。

「夜明け前から貴方の邸宅に来ていたようです」



「皇室がこんなにも焦がれるのか……」その言葉に驚いたように、蕭炎も一瞬硬直した。

夜天の冷静さは明らかで、加刑天から次代帝国女帝と見なされていたのもそのためだ。

しかし今や彼女までこれほど切実なのか──幽海蛟龍をどれだけ重視しているのか、その光景が浮かんできた。

笑みを浮かべた蕭炎は歩みを早め、すぐに広間に足を運んだ。

するとちょうど夜天と笑談峪・蕭鼎の二人が会話に耽っていたところだった。

元々萧鼎と話をしていた夜天だが、その視線が蕭炎に向いた瞬間、慌てて立ち上がり微笑んで言った。

「おはようございます。

こんな早朝からご苦労です」

「いや、こちらこそ」蕭炎も笑みを返す。

「蕭炎様、あの『混元塑骨丹』は完成しましたか?」

萧炎が口を開く前に、夜天はためらいながらも尋ねた。

「えぇ……幸いなことに」

その言葉に安堵したように、夜天の美しい顔にほっとした表情が浮かんだ。

掌をひらき玉瓶を受け取ると、軽々と紫研に向かって投げつけた。

「あれは混元塑骨丹ですか?」

慎重に傾けながら瓶の中身を見つめる夜天。

「皇室の蔵も豊富ですが、六品薬材となると私も見かけません」

「うん」蕭炎が頷く。

「しかしこの薬は強力すぎるので、魔物の体質でなければ服用できない。

さらに特殊な手順が必要だ」

それを聞いた夜天は驚き、「その場合またお世話になりますか?」

「皇室の謎めいた幽海蛟龍を見る機会を得られるなら構わない」

蕭炎が笑って立ち上がり、外へ向かうと同時に紫研が階段から駆け上がってきた。

彼女は喜びで体をくねらせながら抱きついてきた。

この粘着的な娘に苦労する蕭炎だが、最近メデューサの行方が気になって仕方ないため、とりあえず連れていった。

夜天の豪華な馬車が門前に停まっていた。

紫研を連れて乗り込むと、腕利きの運転手が白角馬に鞭を入れて皇城へ向かっていった──

佑莫が半刻もかからず馬車を走らせた末、その馬車は重兵備された皇城を無事に通り抜けていた。

下馬した後、蕭炎と夭夜はそのまま後山へ向かい、頂上部にある巨大な湖の前に足を止めた。

「やっと来たか……」加刑天が待ち構えていたように、その場で二人を見つけるなり早速近づいてきた。

彼の緊張した表情が緩むのが見て取れる。

「お疲れ様でした」と加刑天が礼儀正しく笑みかけた時、夭夜は玉瓶を慎重に手渡し、丹薬の施術方法について説明する。

それを聞いた加刑天は再び蕭炎に向かって頭を下げ、「これまたご苦労をおかけします」と付け足した。

紫研が「おーい!この湖には大きな蛇がいるわ!」

と突然叫んだ瞬間、加刑天と夭夜の顔色が一変した。

その幼く可愛らしい少女が深みのある湖底から発する気配を感知し、さらに正確に形状まで言い当てたことに驚きを隠せない。

「紫研は元々魔物だしね」と蕭炎は特に珍しいこととは思わず、彼女の能力を当然視していた。

加刑天が「では幽海蛟兽を呼び出しますか?」

と提案すると、その場で湖面に飛び出した。

足を水面上に浮かべながら両手を水の中に突っ込み、強大な斗気を注ぎ込む。

瞬く間に湖面は沸騰し、巨大な水柱が天高く噴き上がる。

その中から低く唸るような獣の咆哮が響き、その体躯は吞滅蟒と並ぶほどだった。

深青色の鱗に覆われた巨体、頭頂部の螺貝のような角、そして無数の水滴を散らす巨大な瞳孔——幽海蛟兽の姿が現れた瞬間、周囲の空気が湿度を増し、その存在感は圧倒的だった。



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