闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第1186話 情報

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紫黒い炎の海が空間の裂け目から噴き出すように広がっていた。

その時、どこかで罵声が響いた。

途端に紫黒い炎の海は動きを止めた。

呆然と見つめる人々の前で、瞬く間に裂け目に吸い込まれていった。

聖丹城全体が驚き震えるほどの巨大な炎の海を見上げながら、人々はその奇妙な展開に目を丸くしていた。

空間の裂け目付近に痩せた男の姿があった。

「あれは…蕭炎?」

「生きていたのか?信じられない」「あの烈火を制御できるなんて…」

数ヶ月前の聖丹城で話題になった人物だ。

人々が囁き声を交わし始めた。

無数の視線がその男に注がれる中、冷静さを保つのが難しいほどだった。

蕭炎は天高く立つ三人組を見上げて笑みを浮かべた。

「三位会長様、お変わりですか?」

「萧炎… 本当に生きていたのか?」

三人組の一人が声を詰まらせる。

特にその中でも最も驚いているのは星域に潜入した経験のある玄空子だ。

あの残酷な環境で八ヶ月も生存し無傷だったとは信じ難い。

「お前は…三千焱炎火を封じたのか?」

「はは、玄老様が取り戻したいならどうぞ」蕭炎は笑って手を振った。

「もし解決してくれたら構わないが… まさかあの烈火を制御できるとは… 我々三人もその頑固さを目の当たりにしたんだよ」

萧炎が話しかけようとした時、白い影が駆けてきた。

彼の腕を強く掴み、驚きと安堵の表情で見つめている。

「大丈夫だよ」

小医仙は彼の顔を見上げて優しく微笑んだ。

その頬はほんのり赤く、目元には涙の光が残っていた。



「ふふ、やっぱり大丈夫だろ?私の龍印は間違いないんだから」小医仙の背後で紫研が笑いながら言った。

その声を聞きながらも、蕭炎は彼女の言葉に潜むほっとした安堵と驚きの混ざった感情を感じていた。

「曜老先生、ご心配おかけしました」

小医仙の冷たい手を軽く叩いた後、蕭炎は天火尊者を見上げた。

尊者の目が彼の身体を一瞬で読み取るように光り、その中に驚きの色が浮かんだ。

尊者は確実に感知していた──現在の蕭炎の実力は九星斗宗の域に達している。

一年前の星域侵入時とは比べ物にならないほど急激な成長だった。

「あいつの修練速度は……」尊者が内心でため息をついた。

「本当に恐ろしいものだ。

このままいけば斗尊への突破もそう遠くないだろう」

「最もうれしいのは、やはり彼女でしょう」尊者は小医仙を見やった。

「あなたが消えた間、彼女は一刻も早く星域へ行きたいと願っていた。

丹塔の三位長老が止めなければ、強行で侵入していたかもしれない」

その言葉に蕭炎は視線を向けた。

以前より痩せ細りになった小医仙を見て、複雑な感情が胸を突いた。

この世で最も消し去れないのは「美人的恩情」だ。

彼女が出雲帝国から黒角域へと中州へと万里の道を共に歩き続けたことへの感謝は、厄難毒休を解決したという功績では償い切れない。

小医仙はその変化に気づいて慌てて手を離し、「みんな皆あなたを心配していたんです……危険なことはもうしないでください」と弱々しく言った。

「ごめんなさい」蕭炎が笑みながら頷いた。

「丹塔には大変お世話になりました」

「無事ならそれでいい。

この間は玄吞に苦労させたわ。

あなたが丹塔で何かあったら、藥塵が解放された時に必ず復讐に来てくれるでしょう」

その名を聞いた瞬き、蕭炎の唇が引き締まった。

目の中に冷たい光が走った──三千焱炎火は既に手に入れた。

師匠を魂殿から救出する時が来たのだ。

尊者がその突然険悪になった表情を見て、黒い衣を纏う男が「ここでは話せない。

丹塔へ入ろう。

星域の間、藥塵に関する情報も得たわ」と言った。

蕭炎は心臓がドキッと跳ねるのを感じながら頷いた。

尊者の言葉に耳を傾け、重い足取りで丹塔の門をくぐった。



「我々が得た情報によれば、当初魂殿の手先が貴方を追撃した際、薬塵を移動させる計画を持っていた。

しかし丹会の件で時間を食い、貴方が半年以上消息を絶った間に、彼らは中州西域の冥城から薬塵を転送するのに十分な時間を得たようだ」

丹塔の一室で玄空子が険しい表情で語る。

「やはり移動させてしまったのか……」蕭炎の顔色が暗くなり拳もぎゅっと握りしめた。

「では現在、老師が魂殿に拘束されている場所は?」

蕭炎が熱い目つきで玄空子らを見据える。

丹塔の情報網は一人で探すより遥かに効率的だ。

彼らの力を借りれば事は容易になるはずだった。

「手掛かりはあるが確信はない。

正確な情報を掴むにはまだ時間が必要だ」

玄衣が静かに告げる。

「しかし焦らなくても大丈夫だ。

我々の情報網なら、調べ上げるのもそう遠くない」

蕭炎が頷いた。

この状況では丹塔に依存するしかない。

魂殿は薬塵を必要としているから、老師の命は危険ではないはずだと玄空子も慰める。

「ありがとうございます三位会長様」

「それと……もし情報を得た場合、我々の力で解決するのが妥当だ。

我々が直接手を出すと魂殿との全面戦争に発展する可能性がある。

今の丹塔はまだ魂殿の敵にはなれないからね」

玄空子が一呼吸置いて続けた。

「貴方にはその程度でも十分だろう。

我々が場所さえ教えてやれば、あとは貴方が動けばいいんだよ」

蕭炎は笑みを浮かべて礼を述べる。

「承知しました玄老様」

「しばらくはこちらで休んでいてくれ。

情報が入ったらすぐに行動に移せばいい」

萧炎が微笑んで頷く手のひらに玉片が現れた。

これは風尊者が去った際に渡された伝言筒だ。

今こそ呼び出す時が来た。

「老師……大丈夫です。

弟子はすぐにお救いします」

蕭炎が天を仰ぎ深呼吸する。

漆黒の瞳孔に憎悪の影が走る。

魂殿が老師に与えた苦しみは、千倍にも返すつもりだ!

「カラン!」

殺意が込み上げた瞬間、掌で玉片を握り潰した。



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