闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第1344話 斬殺

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「肖炎か?」

虚空からゆっくりと現れた二人の影を見つめながら、魂崖と魂烈は次第に険しい表情を浮かべた。

その声は冷たく響く。

「肖炎、二年ぶりだね。

お前たちがこんな形でいるのは、どうやら順調じゃないみたいだわ」

空高く漂っている肖炎と薰子は軽やかに体を伸ばし、下方の二人を見下ろす。

目には少しひそひそとした笑みが浮かんでいた。

「魂崖、お前たちも油断しているようだな。

あの日、あの強者をここに連れてこなかったのは、本当に大した判断だったのか?」

魂崖は険しい表情で周囲を見回し、その日の謎の存在が姿を見せないことに安堵の息をもらした。

冷たい笑みと共に言った。

「肖炎よ、あまり高ぶらない方がいい。

この天墓ではお前を倒せなくても、外に出たら必ず追及するわ」

「そうか?だったらまずは二人をここで永遠に閉じ込めてやろう。

お前の実力なら、ここで死んだら八星程度のエネルギー体になるはずだわ。

それよりは痛快じゃない?」

肖炎が笑みを浮かべる。

その言葉は魂崖と魂烈の背筋に冷たい風を吹きつけた。

この天墓第三層では八星は低級な存在で、二人がそれを目指す方が早いかどうか。

「お前こそ見栄えばかりの種族だわ。

あの女に頼り切っていなければ、とっくに死んでいたはずよ」

魂烈は険しい表情で皮肉を込めた。

目の奥には殺意が燻っている。

薰子が近くにいるため手が出せないのが悔しかった。

「冷静にしよう。

現れたのは肖炎たちだけだ。

何か不安を感じているようだわ」

魂崖は冷静さを取り戻し、二人の姿を警戒しながら言った。

「次会ったら星陨閣で血みどろにするからな」

その言葉と共に、二人は急いで後退り始めた。

体中の斗気は最大限に高められている。

「逃げられるかどうかはお前たちが決めたことじゃないわ」

肖炎の最後の音を聞いた瞬間、彼の姿は突然消えた。

薰子の表情には満足そうな笑みがあった。

現在の肖炎は八星斗尊の頂点に達しており、魂崖と魂烈よりも数段上だ。

だからこそ二人を簡単に倒せるのだ。

「死ね!」

肖炎が消えた直後、魂崖と魂烈はその気配を感じ取った。

彼らの目は凶暴さで輝き、漆黒の霧のような闇が拳から溢れ出す。

そしてその闇は空虚に向かって炸裂した。



魂厉の拳がその虚ろな空間に向けられる時、ややぼんやりとした人影がゆっくりと浮かび上がり、長い手のひらが直接的に魂厉の漆黒の霧を包む巨大な拳を掴み取った。

拳と掌が触れ合う瞬間、蕭炎の掌から恐ろしい炎が噴き出し、その陰冷な霧は「嗤っ」という音と共に完全に消滅した。

「二年も経ていてこの程度か……本当に残念だ」

蕭炎の手は頑丈な岩のように動かない。

魂厉の顔色が変わった瞬間、彼はゆっくりと首を横に振り、腕を震わせながらその拳から奇妙な角度で逸脱させた。

次の瞬間、胸元への衝撃は火山が噴火するように突然爆発した。

「ドン!」

凶暴な気力が魂厉の胸に集中し、その顔色は一瞬で蒼白になった。

赤い血が勢いよく口から飛び出し、身体は糸を切った人形のように百メートルにも及ぶ溝を引きながら地面に転がり込んだ。

「八星斗尊……?」

溝の中で這う魂厉を見た瞬間、魂崖の顔には驚愕の表情が広がった。

蕭炎が一瞬で放つ気配はまさしく八星の領域であり、その強さは彼自身よりも遥かに上回っていた。

「どうして?」

魂崖の口元が歪んだ。

彼らも二年間で一歩も進まなかったのに、蕭炎は当初の六星から驚異的な速度で八星まで跳ね上がったのだ。

この激しい対比は彼を納得させることはできなかった。

魂崖の視線が蕭炎に向けられた瞬間、彼は拳を握りしめた。

その眉間に刻まれた族紋が急速に輝き出し、周囲から凄惨な霊魂の叫び声が響き始めた。

「お前がなぜここまで強くなったのか分からないが、これで終わりだ」

族紋が活性化されると魂崖の気力は爆発的に上昇し、衣服が自動的に膨らんだ。

しかし彼はまだ冷静だった。

先ほどの魂厉は油断したために族紋を開かずに致命的な攻撃を受けたのだ。

用心すれば、蕭炎など簡単には倒せないと思っていた。

族紋を召喚した瞬間、魂崖の足元から光が広がり、彼は一気に加速して遠くへと消えていった。

その背後では、薰の鋭い視線が虎視眈々と狙っているように感じられた。



「魂厉、安心しなさい、その恨みはいずれ百倍返すから」

身を躍らせて、魂崖は歯を食いしばりながら言った。

しかし、その言葉が口を出た直後、彼の激しく動く身体が突然止まった。

顔を上げて前方を見やると、そこには透明な骨翼を振るう影が浮かんでいた。

その人物は明らかに笑みを浮かべており、それが蕭炎だった。

萧炎の驚異的な速度を見て、魂崖の心臓も一瞬縮まったが、躊躇うことなく足を踏み出した。

体内の斗気は無残にも解放され、強大な圧力を発し、蕭炎に向かって突進する。

蕭炎はその激しい姿勢を見ても表情を変えず、むしろ一歩前に出た。

彼の目は平静で、急速に拡大するエネルギー光を淡々と見つめていた。

「萧炎、死ね」

蕭炎が回避しないことに喜びを感じた魂崖は、族紋を発動させたことで八星斗尊の頂点すらも怯ませる存在だった。

この行動は明らかに自滅的だ。

「嗤!」

瞬間移動のように蕭炎の前に現れた魂崖は、強烈な風圧で彼の衣装を引き裂きながら拳を握り固めた。

体内の全ての斗気が拳に集まり、一撃を放った。

「バキィ!」

その一撃が空間を瞬時に破壊し、半丈にも及ぶ漆黒の亀裂が蕭炎に向かって広がる。

「萧炎、これが傲慢な代償だ。

来世で覚えておけ」

恐怖の風圧を感じながらも、蕭炎は変わらずにいた。

彼の目は依然として平静だった。

眉間に紫紅色の光が浮かび、一族の紋章がゆっくりと現れた。

「萧族の族紋?」

その瞬間、魂崖の心臓が一拍子跳ねた。

不安が胸中に広がり始めた。

「終わりだ……」

近づいてくる森然とした顔を見ながら、蕭炎は笑みを浮かべた。

拳に洪水のような斗気を集め、猛然と打ち出した。

「ドン!」

双拳の衝突で驚異的な爆発音が響き渡り、地面には蜘蛛網のように広がる丈許りの亀裂が生じた。

「嗤!」

エネルギー嵐の中から黒い影が後退し、地面に激しく打ち付けられた。

周囲の巨石は次々と粉砕されていく。

「プチュ」

厚い石粉の中で、魂崖は内臓を含む血を吐き出した。

命の流れを感じながら、彼の目には恐怖と後悔が混ざった。

空で痩せた影がゆっくり現れ、下方の苦悶に身を震わす魂崖を見下ろした。

彼は首を横に振ると、ゆっくりと歩き始めた。

「安心しなさい、いずれ多くの魂族の者がお前のそばに来ることになるだろう」

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