明ンク街13番地

きりしま つかさ

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第0004話「身元の危機」

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「お兄ちゃん、何を考えているの?」

鼻の手当てを終えたミーナが、窓から外を見つめる従兄弟の姿に気付いて尋ねた。

過去には両親の死で性格が引きこもりになり、高校中退後は家に閉じ籠もっていたし、人付き合いも控えめだった従兄弟だが、最近の大病を経て以前よりも開けた様子を見せていた。

「あー、学校に行こうかと考えてるんだ」

鼻先を軽く揉むと痛みが和らいだ。

鼻に詰まった綿球はもうすぐ取り出せるだろう。

先ほど地下室で起きたことや夢の中の情景について考えていたのだ。

あれは単なる身体と精神の偶然なのか、本当に霊異現象だったのか?

少なくとも地下室での出来事にはほとんど全ての条件が揃っていた。

しかし、それらはただの夢に過ぎない。

どんなに恐ろしい悪夢でも目覚めればその恐怖感は七分くらい消える。

その後、カレンは自分の未来について考えるようになった。

自分が「転生者」として特別扱いを受けて金持ちになるなどとは思わないが、前世で白手から始めた努力家としての自信があれば、この新世界でそれなりに地位を得られるだろう。

少なくとも「カルン」なる身分が与える助力はさておき、負担は何もないので十分だ。

「お兄ちゃん以前は学校が嫌いだったでしょう」

ミーナが笑って言う。

「以前のカレンは自閉傾向があって、人混みの学校なんて好きじゃなかったわ」

「若い時に学ぶことは重要さ」カレンは真剣に言った。

「ほとんどの人が成長してから後悔する。

若いうちに少し努力し、苦労したことを後悔しないようにするためだ」

「お兄ちゃんの言い方はママと似てるね」

「ふーん」カレンが肩をすくめた。

「ミーナ、水を持ってきて」

「はい、お兄ちゃん」

妹は素直に水を持ってきた。

カレンは窓を開けたが寒さで閉め直した。

その隙にベッドの端に黒猫ポールが現れた。

首を傾げてこちらを見上げながら、時々首を動かして様子を窺っている。

「ポールよー」

カレンがペットを誘うような声で呼びかけると、ポールは頭を傾けたまま反応しない。

カレンが近づくと黒猫も怯まずにいる。

家族だからだ。

彼の手が猫の頭に乗せられた瞬間、ポールは「ニャー」と小さく鳴いた。

ポールは顔を背けてその愛撫を受け付けなかった。



「祖父様がそんな難しい名前をつけてくれたのはどうしてでしょう」カレンは独りごちる。

「ポール……ポール、ふーん、それなら『プーアル』の方がずっと爽やかじゃないですか」

黒猫が体をずらした。

その新しい呼び名に相応しい喜びの気配は微塵も感じられない。

ミーナが水を運んでくる。

「お母様が電話でパパを探していますよ」

「えっ?」

この時代『携帯電話』はまだ存在しなかった。

固定電話で人を探すのは効率が悪いものだ。

それに梅森叔父さんが自分の霊柩車でどこかの街角を漂っている可能性が高いでしょう

ミーナがカレンに水を届けた後、すっかり慣れたように雑巾を持って窓台を拭き始めた。

インメレーズ家には元々二名の使用人がいた。

片方は掃除と家事全般、もう片方は専門的に料理を作ってくれる人だったが、梅森叔父さんとウェニー姑母さんが帰ってきた後、祖父様は二人とも解雇した。

普段の家事はミーナと弟のレント、そして姑母さんの娘クリスティナが協力して行う。

食事はマリー伯母とウェニー姑母が交代で作ってくれる。

この家では誰もが「仕事」を持っていたため、カレンだけが最も余裕のある存在だった。

その点からも、いつも厳格な祖父様ディースが長孫に対して特別扱いをしていることが見て取れた。

すると祖父様が階段を上がってきた。

ミーナは即座に立ち上がり、水を手にしたカレンも同じように立った

「家には規則があるかどうか、必ずしも『教育』や『伝統』によるものではない」ということを示すのは、家族の中に畏敬と恐怖を感じさせる人物がいるかどうかだ

ディースの視線は孫たちに向けられ、特に孫のほうに少し長く留まった。

何も言わずに自分の部屋のドアを開けた祖父様は中に入った。

その頑として動かない空気は、ドアが閉じられた瞬間にようやく「流れ」を回復した

カレンがため息をついてミーナを見ると、彼女も同じ動作をしていた。

「祖父様は毎日忙しそうですね」とカレンが尋ねた。

「ええ、教会の仕事が多いですし、祖父様はよく出張されますよ」ミーナが答えた

その時、部屋の中からドアが開かれた。

ディースは『司祭』という肩書にふさわしい黒いスーツを着て出てきた。

手には黒い鞄を持っていた。

「昼食に戻らないわ」

「はい、祖父様」

ディースは階段を下りていった

しばらくするとカレンは窓から階段の庭で祖父様を見た。

ディースが身につけているこの服は明らかに宗教的な意味合いがあったが、同時に何か独特な雰囲気も感じられた。

外見からは『司祭』という立場が家業の拡大に役立つのは確かだ。

彼の肩書きがあれば信者たちからの信頼を得られ、それで……より多くの依頼を受けることができる

しかしカレンはそんな単純な事情だけではなかったと気づき、祖父様が庭の門を開けて外に出た時、ようやくその『意味』の源流を見つけた。

「うちの祖父様は九叔さんのようなものよ」

「お兄ちゃん、九叔さんとは誰?」

「吸血鬼を捕まえる司祭さ」

「あー、テレビドラマみたいな感じね」

「えー、そうだね。

ミナちゃん、ここで全部拭くの?」

「うん、階段もあるわよ」

「手伝ってあげようか」

「でもお兄ちゃんは体調が…」

「大丈夫だよ」

カレンはミナが床を拭くのを手伝い、拭き終わると階段も掃除した。

水桶を交換する際にカレンが庭に出た時、大きな蛇口がある庭園にいた。

そこでメイソン叔父さんが改造した「果壳」車で帰ってきた。

ローンとポールが担架を押してきた。

白布の下から白髪が見える老人が寝ている。

メイソン叔父さんはカレンが水汲みをしていることに気づかず、そのままマリア姑さんに向かった。

「お父さんが君を探してるわ」

「お父さんですか?」

メイソン叔父さんの目は虚ろだった。

何かを隠しているような心当たりを感じた。

前世の仕事柄、その様子に敏感になる。

「お父さんは外に出かけたわ」

「あー…」メイソン叔父さんがほっと息を吐き、「大丈夫よ、大丈夫。

お父さんを探してみよう。

もしかしたら教会でいるかもしれない」

「そうね」

メイソン叔父さんは車も置いて走り出した。

マリア姑さんは自分の夫の変化に気づかなかった。

彼女の視線は新しく到着した老人に向けられていた。

するとすぐにマリア姑さんの悲鳴が響いた。

「天あー!おしっこがついてるじゃない!」

ポールとローンはマリア姑さんに命じられて遺体の清掃をさせられた。

怒りに震えるマリア姑さんには逆らえない。

ポールは担架を地下室へ運び、ローンはカレンの前に近づいた。

「カレン様、水桶と拭き取り用具をお借りします」

「僕が持っていくよ」

「いらないよ」ローンは首を動かした。

彼は体格が大きく、腹が出ている。

年齢はまだ若いが、ビール肚が目立つ。

「我々でやるだけだ」

カレンは笑って尋ねた。

「だから療養院の看護師さんがその方の身体を清潔にしてくれなかったのかな?」

本来なら死んだ人の最初の清掃は看護師の仕事のはず。

家族が来て汚い遺体を見たら気味悪いからだ。

「カレン様にお見苦しいところを見せてしまってすみません」ローンは恥ずかしそうに髪を搔いた。

「僕とモーソン先輩の看護師さん、来週映画デート約束してるんだ」

なるほど…

ローンの頬が少し赤くなった。

続けて言った。

「彼女は映画が好きでポップコーンも大好きだわ。

だからね、映画館で僕にポップコーンを口に入れてくれると言ったのよ。

でも…その手で遺体に触れたのが嫌だったんだ」

カレン様、お分かりでしょう?二人きりのデートで暗いスクリーンの下、彼女が僕の口にポップコーンを入れてくれる。

そして舌で指を舐め合うなんて…

「夢想してんの?」

ポールの声が響いた。

彼は既にモーソン先輩を地下室へ運んでいて、プラスチック手袋と洗剤を持って上がってきた。



「保ル、分かってるさ、君は俺を妬いてるんだろ」

「妬いて?冗談じゃないローナン、この世に休ス火葬社のオバチャン以外でローナン様が好かれそうな女はいないだろうぜ」

「何だと!」

ローナンが指を突きつける

「休スさん?」

カレンが興味津々に尋ねた

火葬社のオバチャン、つまり巨乳婆なら分かるが、なぜローナンがそんなに反応するのか?

「ははは」保ルが笑いながら説明した

「カレン様は知らないだろうけど、遺体を炉に入れる前にガソリンで火をつけるんだ。

痩せた人はガソリンが必要量より多く必要になるから骨も燃え尽きない。

でも太った人なら自身の脂が燃料になるんだよ」

「なるほどね」

「くそっ!保ル、カレン様前でこんな下衆な話を!」

「あーあ、仕事始めろよ。

マリアさんが怒るぞ」

ローナンと保ルは言い争いしながら地下室へ向かった

ホールではマリアがタバコを吸っていた。

気分も回復していたようだ

なぜなら保ルが教えてくれたからだ。

このモサンという老人には子供がいるらしい。

近いうちに来てくれるそうだ

「福利厚生」ではなくてはならない。

最低ランクの葬儀プランでも利益が出る

マリアの給料も家計の業績で決まる。

支出を差し引いた残りは家族への手当として分配される

帳簿はウィニー姑が管理している

それがなぜか祖父には皆が恐れるが悪口を言わない理由だ。

厳格だが節約家ではない

カレンは二階に上がり、従妹のミナの家具を拭き始めた

終了間際、地下室からローナンと保ルの足音が聞こえた。

遺体の処理が終わったようだ。

次はマリアの仕事だ

午後に家族が来るかもしれない。

その前に老人を美しく見せる必要がある

しかし家に客が来たらしい。

カレンはマリア姑から呼ばれた

「カレン、ホーフェン様をお迎えしなさい」

タオルを置いたカレンは「ホーフェン様」という名前を脳内で検索した

大学の哲学部退職教授。

十分な年金で生活も充実している。

祖父とは友人で、よくお茶会を開く

また占いに造詣が深く、カレンにトランプではなく「地主」用のカードを贈ったことがある

カレンは二階キッチンへ行き紅茶を淹れ、簡単なお菓子を準備した。

それを手に一階ホールへ向かった

ホーフェン様は背が高く痩せ形だった

瘦せた人は顔立ちが立体的で感情表現も明確になる

カレンが彼を見ると、ホーフェンの視線は彼自身を凝視していた

連れていたホーフェン氏の側にいる大型ゴールデンレトリバーが、主人の気配を敏感に察知したのか、ゆっくりと立ち上がろうとしたが、その動きは明らかに混乱していた。

しかし、階段口でうずくまっていた『プール』(猫)を見た瞬間、何か本能的な興味を感じ取り、体勢を整えようとしている。

だがプールの鋭い視線が一瞬でも触れた途端、レトリバーは尻尾を垂れながら再び横たわった。

カレンは茶を置き、場つなぎの言葉を口にした。

「申し訳ありません、ホーフェン様。

祖父は外出中ですが、すぐ戻ってくると思います。

叔父が捜しに行っています」

その時、

ホーフェン氏が突然腕を掴み寄せた。

カレンの顔が間一髪で避けられた瞬間、彼女の頬に息が当たった。

呼吸は荒く乱暴だった。

「あなたはカレンじゃない……あなたは誰?」

その瞬間に、カレンの頭蓋骨に鋭い警告信号が走り抜けた。

半月前から準備してきた心理的防壁が崩壊し、反射的に後退した。

だがホーフェン氏の手首を掴んだままバランスを失った彼は、テーブルに手をつこうとしたが、その瞬間テーブル自体が軋むような音を立てて崩れ落ちた。

「ドン!」

老人の頭部が大理石の床と衝突する音が響き渡る。

次の瞬間、後ろから仰向けに倒れた彼は、呼吸が荒くなりながら意識を失いかけているようだった。

カレンは息を呑みながら見守っていた。

「バキ!」

ホーフェン氏の頭蓋骨から血が滲み出てきた。

その光景に動揺したのは、二階で作業中のミーナだけではなかった。

階段から声を上げた。

「兄貴、どうしたの?」

カレンは唇を舐めながら立ち上がった。

「ホーフェン様は脳卒中で倒れたようです」

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