明ンク街13番地

きりしま つかさ

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第0157話「産業の進化」

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嗜血異魔は非常に特殊な集団である。

家族単位での発展と継承を重んじ、それぞれの始祖神に信仰を捧げる点では、ある種の一族信仰体系を持つ宗族と本質的には変わらないが、各大教会の記述においては異魔序列に位置付けられる。

その理由の一つは彼ら自身の誇り高さにある。

人間という存在から「堕ちる」ことを拒み、むしろ「異魔」という称号を好んでいたためだ。

しかし最も深い要因は歴史的経緯である。

前紀元において嗜血異魔が複数の人口と面積を持つ国家を支配した時期があった。

彼らは同族間での繁栄を追求しつつ、一般民衆から崇拝される「王族」と「神族」へと進化させたことが頂点だった。

栄華から衰退への転換点となったのは光明神教が発表した声明だ。

彼らは嗜血異魔を「暗黒」と「異端」として明確に位置付けた。

これに対し秩序神教が戦争を開始した。

世俗の世界では他国連合が同族支配国家への討伐を実施した。

結果は明らかだった。

分裂していた彼らがどうなろうとも、秩序神教の圧倒的な力には敵うまい。

衰退後の王族は一族として活動するのみで、教会からの封殺を受けながらも生存を続けた。

世俗戦線での敗北はあったものの、いくつかの名勝負が伝説化し、紀元を超えて語り継がれた。

文化的層では将校たちが「嗜血異魔」と烙印打たれても、彼らに宿る何かが芸術家を惹きつけた。

特に近代映画の発展と共に、暗黒将軍というイメージは逆説的に忠誠な役柄として描かれるようになった。

光明神教滅亡後の現在も状況は変わらない。

秩序が存続する限り、壁神レリルサや壁神教のような先祖代々の敵対関係は続くのだ。

皮クはようやく平静を取り戻した。

自分が死んだ異魔に怯えたことに後悔を感じた。

特にこの方の前でとはよりにもよって恥辱だった。



彼は即座に立ち上がったが、ジップを上げ忘れたまま「绞殺」の形で結合した。

「お!!!!!!!」

今までよりも甚だしい悲鳴が響き渡り、その人物は原地で跳ね回り始めた。

ディコムはこの仲間を無視し、カルンに尋ねた。

「ボス様、どうします?」

「それが分からないのか?」

カルンが反問する。

「警察に通報するか?」

「え……」

ディコムは突然気づいた。

自分たちの葬儀社だけではなく、異魔に関わる問題も自らの審判所が管轄していることに気付いていなかったのだ。

カルンがその遺体を慎重に観察し始めた。

銀釘は胸から突き出て壁に打ち付けられていた。

刺入した位置は何か奇妙な点があったように思えたが、カルンは自分の胸元で比喩しながらも具体的な異常性を分析できなかった。

彼は銀釘の先端を掴み、外に出そうとした。

ディコムが注意を促す。

「ボス様、血汚染に気をつけましょう」

明らかにディコムは嗜血異魔の血液の強力な汚染性を認識していたが、「カルン」その人物名には気づいていなかった。

前回の香腸工場地下での経験から、カルンは自分の身体が万毒不侵ではないものの、普通の汚染物質には耐えられることを確信していた。

これは全て自らの「子犬」のおかげだった。

力を込めて引き抜こうとしたが、抜けなかった。

「支えてくれよ」

「はい、ボス様」ディコムが近づき、カルンの腰を掴んだ。

カルンは足を壁に立てて再び力を入れると、銀釘はついに外れた。

遺体も同時に滑り落ち、浴槽の中に膝まずいて頭を下に向けていた。

「自己浄化してから担架車に乗せろ」

「はい、ボス様」

「了解だ、ボス様」

ピックもようやく痛みが和らいだのか、ディコムと合わせて呪文を唱え始めた。

二人の周囲に薄い黒光りが浮かび上がった。

浄化加持を受けた後、二人は遺体を持ち上げてまずは洗面所から運び出し、担架車に乗せた。

「洗面所も掃除しておけ。

血痕を残すな。

清掃終了後に洗面所にも浄化を」

「はい、ボス様」

すぐに作業が完了し、次に二人は遺体を階段から運び出し、白布で厳重に包んだ霊車に乗せた後、地上に座り込んで息を切らしていた。

今日は本当に疲れた。

身体だけでなく精神的にも。

カルンが運転席の下からレモン酸味の炭酸水三本を取り出した。

「お茶」

「ありがとうございますボス様」

「ありがとうございます……ボス様……」

それぞれ歯で栓を開けた。

カルンは栓を霊車の凸部に引っ掛け、下ろすと既に古びた改造霊車から塗装が剥がれ落ちた。

葬儀社の名前も変えねばならないし、この霊車もそろそろ更新時期だ。



メイソンおじいさんはかつてこう言っていた。

高級車を競う男は全て暴発家だ。

真の重荷を背負えるのは霊柩車だけだ。

レク夫人が十分なレルを持っているかどうかは分からない。

もしあっただら、電車爆破事件の際にはもっと早く動いていただろう。

こちら側にも余裕はないが、ポイント券で闇市場からレルを買うことはできない。

それだと馬鹿にされるだけだ。

「頭が痛い」とピックが言った。

ディクムも頷いた。

カルンは彼らを見て思った。

「神の使いってこんな弱いのか」

長い間自分自身を基準にしてきたせいで現実とのズレがあったのだ。

自分が神の使いだった時は複数の術を使えたが、彼らは初級浄化術を長く維持するだけで精神的に限界に近づいていた。

「あの家屋の持ち主について調べてみようか?」

ディクムが立ち上がった。

カルンは首を横に振った。

「不用だ。

直接電話で死体引き取りを依頼してきたなら、彼らは我々がこの家から何を知り得ると思っているのか分からない。

ジュースを飲み終えたら帰ろう」

ピックは疲れていたが空き缶を全て回収した。

カルンが運転し、ピックとディクムは白布で覆われた死体を見つめるように後部座席に座った。

「嗜血魔獣に噛まれたら長生きできるって聞いた?」

ピックが恐る恐る訊いた。

ディクムも頷いた。

「本当らしい」

二人の視線が運転中のカルンに向かった。

「初擁を受けるには上位嗜血魔獣の許可が必要だ。

ある程度若さを保てる能力を得られるが、寿命の延長は大きくないしむしろ短縮される。

彼らも一生に初擁する数は限られている」

ピックとディクムは肩をすくめた。

カルンはこう続けた。

「普通の嗜血魔獣に噛まれれば汚染される可能性があるが、その結果は皆知っているはずだ」

カルンはホイフェン氏のメモで読んだ記憶があった。

彼は嗜血魔族が正統教会から隔離され続ける理由として次のように書いている。

他の家族は子孫を増やすために血脈継承が必要だが、彼らは血液同化や汚染で人員拡大するため、永遠に家族信仰体系に入れられない。

この異魔の死体をどう処理すべきか?

カルンは運転しながら考えた。

最適な方法はガソリンをかけて焼くことだ!

実際には教会への提出ルートもある。

パヴァロ氏のメモによれば、異魔の遺体を上納すれば報奨金が得られる。

なぜなら神官と異魔の死体自体が素材になるからだ。



「今日はいい天気だね、私は霊柩車で発見された異魔の遺体を収容所に提出し登録したんだ。

来月からは50オーダークレジットの手当が増える」

50オーダークレジット!?乞食に金を使うのか!

カルンは神職制度に重大な問題があると悟った。

神官は100オーダークレジット、七段審判官は1000オーダークレジットの手当だ。

「私は五段審判官だから月給が1200オーダークレジット。

さらに自分が神官でもあるから空名で100オーダークレジットをもらう」

つまりカルンは秩序教会で働いても月に1300オーダークレジットしか手に入らない。

自分の猫と犬が使う巻物一つで1000オーダークレジットかかるのに。

そこでカルンはようやくパウロが「アレン家を供養家族にする必要がある」と言った理由を理解した。

収入と支出のバランスが全く取れないからだ。

だから50オーダークレジットのためにこの女吸血鬼の遺体を提出する価値はないと判断した。

相手が自社に電話してきた時点で、その人物はカルン社の本質を知っているはずだ。

50オーダークレジットのために裏切り者と敵対するのは損だと感じた。

「あなたが電話で連絡してきてくれたなら、私が引き取る」

遺体を焼いて骨灰を納めるだけで終わりにする。

カルンは午後に作った計画表を見ながら明確に判断した。

霊柩車が社に戻ると、遺体は担架から降ろされた。

レック夫人が迎えに来ていたがカルンは彼女を押しのけた。

「この遺体には異常があるから触れない」

「了解しました」レック夫人は後退った。

ピクはガソリンを持ってきて、そのまま焼却するように指示した。

ディンコムは火葬社で良い骨灰壺を買ってくるよう命じた。

「うちにも二つあるわ」レック夫人が言った。

「質のいい棺桶も二つ」

カルンは驚いた。

以前から質の良い棺桶を二つ貯めていたのに、今度は質の良い骨灰壺まで準備されていた。

「娘たちには必要ないんだよ」

「わかってるわ」レック夫人は笑った。

「私は早く使われた方がいいと思ってる」

担架と遺体が停尸台に置かれるとカルンは裏庭に入った。

ここで焼くと近所の住人が気付くかもしれない。

しかし家の中にある小さなボイラーがあるから、そこで焚けば良いか?

その時、社内の電話が鳴った。

骨灰壺を抱えたディンコムが電話を取りに行くがカルンの視線で止まった。

彼はすぐに離れた。

カルンが電話に手を伸ばすと「パウロ火葬社です」

「あなたはパウロ審判官ですか?」

「え、私です」

「妻の遺体は、貴方様が回収してくださったのでしょうか?」

「はい、回収しました」

「判事様、私の妻にふさわしい葬儀を執っていただけませんか?」

「灰皿をお預かりします。

その際、ご自分で取りにおいでください」

「しかし貴方は葬儀社ではなく火葬場の判事です。

私は体面ある葬儀を求めています」

「申し訳ありませんが、妻様の身分をご存知でしょう。

私がお引き受けできません」

「私の妻は迷いに落ちたのです」

「残念ながら」

「彼女は自分が迷いに落ちた後の殺人吸血を止めたくて、銀釘で胸に打ち付け死んでいたのです」

「貴方の妻は善良な方でした」

カルンは初めて遺体を間近で見た時感じた奇妙な感覚を思い出した。

胸に刺さった銀釘の位置が、その通りだったのだ。

「私は彼女に多くの借りがある。

パヴァロ様、あなたは正直者であり善人であると聞いています。

だからこそ電話をかけたのです」

「どうかお力添えをお願いします……」

正直者?善人?

誰から聞いたのか。

そのことを知っているのは極めて少ない。

チエクル判事の仲間たちは処理済み、この功績はウィコレが取り上げてしまった。

この事件においてカルンはただウィコレの飾り付けに過ぎなかった。

範囲はまた縮小された。

最近ではウィコレ、副主任マイオンの二人だけが真相を知っている。

ウィコレは口外しないだろうしマイオンも黙っているはずだ。

つまり……残るは一人だけだった。

カルンがため息をついた。

「あいつはわざと私の身に覚えを作りたかったんだろう」

「すみません、私は彼の懇請でようやく判事様の葬儀社に連絡しました。

パヴァロ判事が正直者であり善人であることを知っていたからです」

やっぱりニオか!

カルンは途方に暮れた。

自分の意思で選択するのではなく、パヴァロの立場になって考える必要があった。

自分が迷いに落ちる前に自らを殺した異魔。

「葬儀費用はお支払いします、判事様。

どうか……」

葬儀費用?

カルンが目を細めた。

電話口に向かって真剣に告げた。

「それは葬儀費用ではありません。

私はレルも不足していません」

「判事様ならレルなど必要ないでしょう」

実際には私はレルが必要なのだ。

葬儀社の基準で改装するため、裏庭を再建し正式な書斎を作りたいが寝室から改造したままではいけない。

新車霊柩車も購入資金がない。

「私が持っているのは深淵券だけです。

私の気持ちを表す唯一の手段です……」

やはり深淵券があるのか!

「これもポイントカードの問題ではない、その行為は許されない、私は重大な責任を負う」

「承知しました、承知しましたからこそ貴方様にお願いしたのです。

他の葬儀社では私の妻の葬儀など請け合うはずもなく……」

「あー」カレンがため息をつく。

「あなたの奥さんを敬意を持って存じ上げております。

本当に尊敬に値する人物です、そのような方が体面のある葬儀を受けるべきだと私は思います」

「貴方様……お約束ですか?」

「はい、承諾します」

「ありがとうございます、本当に本当にありがとうございます」

「では、あなたが奥さんを好む葬儀のスタイルをお聞かせください。

赤色でしょうか?」

「いいえ、白です。

彼女は純潔を象徴する白を好みました」

「分かりました、お妻様の葬儀は明後日に行います、夜に」

「はい、はい、改めて深く感謝申し上げます、偉大なる審判官様」

「では、これで失礼します」

カレンが電話を切った。

ふう……異魔の葬儀を開催することになるのか

次にメセーンおじいちゃんに電話する際にはこう言えるかもしれない:

「おやじさん、立派になりましたよ。

外国で日本の伝統産業を……技術革新させたんです」

**赤色**と**白色**は原文から補完した表現です

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