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聖女の力とお父様の思惑3
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「結婚せずに、聖女として生きさせようとしていたのですか」
カレンは貴族の、しかも侯爵家に生まれたというのに、お父様がカレンに結婚させず神殿の奥で祈りと共に生きる聖女にしようと考えていたとは思いませんでした。
私は幼い頃から家を継ぐのだと、婿を迎えて次代を生み育てながら領地を守り発展させるのが私の役目だと言われて育ちました。
次女のカレンは政略にしろ恋愛にしろどこかの貴族家に嫁ぎ、そこで夫を支えながら生きる以外の道があるなんて思いもしませんでした。カレンだけでなく、貴族家に生まれた娘に結婚以外の未来があるなんて、想像をしたこともなかったのです。
「聖女になるなんて、カレンがそれで幸せになれると?」
すでにカレンは王子殿下の婚約が決まっていますから、聖女になる未来は無くなった筈です。それでもお父様に聞かずにはいられませんでした。
両親は私達姉妹の幸せを考えてくれている、家の繁栄が前提としても私達の不幸は望んでいないと信じていたのにそうではなかったのだろうかと、信じていた何かを裏切られたような気持ちを持ちながら尋ねました。
「ジョーシーは、カレンのつい最近までの状態で貴族家に嫁いで、社交界でやっていけると思っていたのか?」
「それは、でも……聖女は結婚できません」
「そうだな。……私もそこは悩んだ。カレンは貴族としてやっていけなくても裕福な商家にでも嫁がせればいいのではないかとか、たいして社交が必要ではないだろう騎士爵辺りはどうだろうかとかな。だが、成長するにつれあの子は教えてもいないのに神力を持っているのではという疑いが出てきてしまった」
小さなため息を吐くお母様の背中に手を添え寄り添いながら、お父様は苦しそうに話し続けます。
「神力、そんな、いつですか」
「カレンにその自覚は無かったと思うが、初めて治癒魔法を使った時だ。カレンは教えてもいないのに庭の隅で怪我をして瀕死の状態の小鳥を治癒魔法で助けたのだ」
「小鳥を治療、いつでしょう?」
「あの子が七歳になるかならないかぐらいの時だ」
七歳、その頃ではまだ魔法の勉強も始めていなかったと思います。
私は魔法の勉強も早くからしていましたが、その頃のカレンはまだ魔力測定で魔法の練習を始められるほどの魔力が測定出来ていなかったのです。
そのカレンが小鳥を治療出来たなんて、信じられません。
ほんの僅かな治癒魔法でも魔力の消費は多いと聞きますから、魔力があまりなかったはずのカレンが治癒魔法を使えるはずがないのです。
「まだ魔法の勉強もしていなかったカレンが、治癒魔法を使ったのですか」
「はっきりと分からないけれど、あの時使ったのは光属性の治癒魔法ではなく、聖属性の蘇生ではないかと私達は考えているのよ」
「蘇生、蘇生って、それを使えるのは大聖女か大神官以外は使えないのではないのですか?」
あまりの事に声が大きくなってしまいますが、抑えることなんて出来ません。
蘇生というのは、一度命を落とした人を蘇らせる奇跡の御業と言われるものです。ただの聖女や神官では使うことが出来ないものなのですから、驚くなという方が無理な話です。
「落ち着きなさい。私達がそう考えているだけで、実際はただの治癒魔法だったかもしれないのだ」
「で、でも蘇生と聞いて落ち着けません」
「いいから、落ち着きなさい」
お父様に宥められ、何とか落ち着こうと深呼吸を繰り返しますが、衝撃が酷すぎてなんだか気分が悪くなってきてしまいました。
「ジョーシー顔色が悪いわ、お茶を飲んで気持ちを整えなさい」
「はい、お母様」
少し冷めかけた紅茶を一口飲んで小さく息を吐くことでやっと気持ちを落ち着けられたというのに、無情にもお父様から「カレンが幼い頃魔力測定で魔法の勉強を始められるほどの魔力量が計れなかったのは、神力を使っていたからだと思う」というとんでもない事実を教えられたのです。
カレンは貴族の、しかも侯爵家に生まれたというのに、お父様がカレンに結婚させず神殿の奥で祈りと共に生きる聖女にしようと考えていたとは思いませんでした。
私は幼い頃から家を継ぐのだと、婿を迎えて次代を生み育てながら領地を守り発展させるのが私の役目だと言われて育ちました。
次女のカレンは政略にしろ恋愛にしろどこかの貴族家に嫁ぎ、そこで夫を支えながら生きる以外の道があるなんて思いもしませんでした。カレンだけでなく、貴族家に生まれた娘に結婚以外の未来があるなんて、想像をしたこともなかったのです。
「聖女になるなんて、カレンがそれで幸せになれると?」
すでにカレンは王子殿下の婚約が決まっていますから、聖女になる未来は無くなった筈です。それでもお父様に聞かずにはいられませんでした。
両親は私達姉妹の幸せを考えてくれている、家の繁栄が前提としても私達の不幸は望んでいないと信じていたのにそうではなかったのだろうかと、信じていた何かを裏切られたような気持ちを持ちながら尋ねました。
「ジョーシーは、カレンのつい最近までの状態で貴族家に嫁いで、社交界でやっていけると思っていたのか?」
「それは、でも……聖女は結婚できません」
「そうだな。……私もそこは悩んだ。カレンは貴族としてやっていけなくても裕福な商家にでも嫁がせればいいのではないかとか、たいして社交が必要ではないだろう騎士爵辺りはどうだろうかとかな。だが、成長するにつれあの子は教えてもいないのに神力を持っているのではという疑いが出てきてしまった」
小さなため息を吐くお母様の背中に手を添え寄り添いながら、お父様は苦しそうに話し続けます。
「神力、そんな、いつですか」
「カレンにその自覚は無かったと思うが、初めて治癒魔法を使った時だ。カレンは教えてもいないのに庭の隅で怪我をして瀕死の状態の小鳥を治癒魔法で助けたのだ」
「小鳥を治療、いつでしょう?」
「あの子が七歳になるかならないかぐらいの時だ」
七歳、その頃ではまだ魔法の勉強も始めていなかったと思います。
私は魔法の勉強も早くからしていましたが、その頃のカレンはまだ魔力測定で魔法の練習を始められるほどの魔力が測定出来ていなかったのです。
そのカレンが小鳥を治療出来たなんて、信じられません。
ほんの僅かな治癒魔法でも魔力の消費は多いと聞きますから、魔力があまりなかったはずのカレンが治癒魔法を使えるはずがないのです。
「まだ魔法の勉強もしていなかったカレンが、治癒魔法を使ったのですか」
「はっきりと分からないけれど、あの時使ったのは光属性の治癒魔法ではなく、聖属性の蘇生ではないかと私達は考えているのよ」
「蘇生、蘇生って、それを使えるのは大聖女か大神官以外は使えないのではないのですか?」
あまりの事に声が大きくなってしまいますが、抑えることなんて出来ません。
蘇生というのは、一度命を落とした人を蘇らせる奇跡の御業と言われるものです。ただの聖女や神官では使うことが出来ないものなのですから、驚くなという方が無理な話です。
「落ち着きなさい。私達がそう考えているだけで、実際はただの治癒魔法だったかもしれないのだ」
「で、でも蘇生と聞いて落ち着けません」
「いいから、落ち着きなさい」
お父様に宥められ、何とか落ち着こうと深呼吸を繰り返しますが、衝撃が酷すぎてなんだか気分が悪くなってきてしまいました。
「ジョーシー顔色が悪いわ、お茶を飲んで気持ちを整えなさい」
「はい、お母様」
少し冷めかけた紅茶を一口飲んで小さく息を吐くことでやっと気持ちを落ち着けられたというのに、無情にもお父様から「カレンが幼い頃魔力測定で魔法の勉強を始められるほどの魔力量が計れなかったのは、神力を使っていたからだと思う」というとんでもない事実を教えられたのです。
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