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お家はいいな4
「……多分領主から話が来るかと……」
ゲルトさんの声がする。
俺がいつもの優しい声じゃない、怒ってる?
起きようと思うのに、瞼が開かない。
自分に鑑定を掛けると、体力も魔力も半分位になっている。
魔力はさっきみたいに勢いよく回復はしていないし、体力も減り続けていない。
帰り道、いつの間にか眠っちゃってたのかな。家に着いた時の記憶がないよ。
「そうか、困ったのう」
ニルスさんが困ってる?
「人族の狡賢さは狐獣人以上じゃのう。あの貴族の子供は町の連中も迷惑を掛けられておったが、そこまで酷いとはの」
今日の件を報告しているのか、俺が情けなかったのもニルスさん達に報告されちゃったのかな。
二人は俺が情けなかったって、がっかりするだろうか。
「ふにゅ」
起きなきゃ、ニルスさん達が俺をもっと出来る子だと思っていたとか、情けないと言っているのを聞きたくない。
「ウヅ? 目が覚めた、わけじゃなさそうだな」
「目が覚めかけているのかもしれんがのぉ。魔力切れおこしかけたんじゃろ、疲れすぎて起きられないんじゃないかのう」
「ウヅキ君くらい小さい子には、魔力回復薬は効果があり過ぎて飲ませられないでしょうしねぇ」
心配そうなニルスさんとマリアさんの声、二人はまだ心配してくれる?
俺は魔法も満足に制御出来なくて、勝手に切っちゃいけない木を切り倒しちゃったし、トロールは倒せなくて殺されかけたし、グレオ君には余計なことして泣かせちゃった。
というより、そういう使い方も出来るよと習ってもいないのに、薬草に回復魔法を掛けた。
あれって、薬草が酷い状態だったのを隠したかったからなんだ。
こんな簡単な依頼すら満足に出来ないのかと、皆にガッカリされたくなかったんだ。
「きら……ならないで」
嫌いにならないで、呆れないで。
不安になって、俺を抱きしめてくれてる温かい体にしがみつく。
溺れてるわけじゃないのに、息が苦しい気がして眉間に顔をしかめてしまう。
「……ウヅ、ベッドでちゃんと休もうか。ニルスさん」
「そうじゃな、ゲルト君も夕食まで少し眠るといいんじゃないかの」
「そうですね」
「夕食が出来たら起こしに行くわね」
「はい、マリアさんお願いします」
ゆっくりと立ち上がる気配、ゲルトさんは俺をしっかりと抱っこして歩き出す。
「ウヅ、側にいるから安心しろ、安心して眠れ」
ベッドに横たえられて、ゲルトさんの腕に抱きかかえられ毛布が掛けられると、俺はやっと息がつけた気がしたんだ。
「眠れ、眠れ、幼き子よ、愛しき子よ」
低い声、囁きみたいな声は歌だろうか。
背中を撫でる手、温かい毛布。
毛布は日に干されたんだろうか、お日様の匂いがする。
そういえば、お日様の匂いってこっちの世界に来てから知ったんだ。
それまでは言葉は知っていても、どんなものか知らなかった。
お日様に干した毛布なんて、触れたことすら無かったから。
お日様に干した毛布の匂いがこんなに幸せに感じるものだなんて、知らなかったんだ、
「強い風、冷たい雨、なにものからも守ろう、眠れ、眠れ……」
優しい声に俺は凄く眠くなる。
ここは安心していい場所なんだ、ここは俺のお家なんだ。
ゲルトさんがいて、ニルスさんがいて、マリアさんがいる。
俺とゲルトさんの部屋には、二人で使うベッド。
それは清潔なシーツに、お日様の匂いがする温かい毛布がある。
「家、……ここ」
ここにいていい?
ここは俺の家、俺が帰ってきていい場所だよね。
「ウヅ、怖くないぞ。ここは安全だ、魔物はいない。もし魔物が襲ってきても俺がすべて狩ってやるから」
そうだここは安全な場所、俺が安心して息がつける場所。
「安心して眠れ」
ゲルトさんの声に、俺の意識は深く深く沈んでいったんだ。
ゲルトさんの声がする。
俺がいつもの優しい声じゃない、怒ってる?
起きようと思うのに、瞼が開かない。
自分に鑑定を掛けると、体力も魔力も半分位になっている。
魔力はさっきみたいに勢いよく回復はしていないし、体力も減り続けていない。
帰り道、いつの間にか眠っちゃってたのかな。家に着いた時の記憶がないよ。
「そうか、困ったのう」
ニルスさんが困ってる?
「人族の狡賢さは狐獣人以上じゃのう。あの貴族の子供は町の連中も迷惑を掛けられておったが、そこまで酷いとはの」
今日の件を報告しているのか、俺が情けなかったのもニルスさん達に報告されちゃったのかな。
二人は俺が情けなかったって、がっかりするだろうか。
「ふにゅ」
起きなきゃ、ニルスさん達が俺をもっと出来る子だと思っていたとか、情けないと言っているのを聞きたくない。
「ウヅ? 目が覚めた、わけじゃなさそうだな」
「目が覚めかけているのかもしれんがのぉ。魔力切れおこしかけたんじゃろ、疲れすぎて起きられないんじゃないかのう」
「ウヅキ君くらい小さい子には、魔力回復薬は効果があり過ぎて飲ませられないでしょうしねぇ」
心配そうなニルスさんとマリアさんの声、二人はまだ心配してくれる?
俺は魔法も満足に制御出来なくて、勝手に切っちゃいけない木を切り倒しちゃったし、トロールは倒せなくて殺されかけたし、グレオ君には余計なことして泣かせちゃった。
というより、そういう使い方も出来るよと習ってもいないのに、薬草に回復魔法を掛けた。
あれって、薬草が酷い状態だったのを隠したかったからなんだ。
こんな簡単な依頼すら満足に出来ないのかと、皆にガッカリされたくなかったんだ。
「きら……ならないで」
嫌いにならないで、呆れないで。
不安になって、俺を抱きしめてくれてる温かい体にしがみつく。
溺れてるわけじゃないのに、息が苦しい気がして眉間に顔をしかめてしまう。
「……ウヅ、ベッドでちゃんと休もうか。ニルスさん」
「そうじゃな、ゲルト君も夕食まで少し眠るといいんじゃないかの」
「そうですね」
「夕食が出来たら起こしに行くわね」
「はい、マリアさんお願いします」
ゆっくりと立ち上がる気配、ゲルトさんは俺をしっかりと抱っこして歩き出す。
「ウヅ、側にいるから安心しろ、安心して眠れ」
ベッドに横たえられて、ゲルトさんの腕に抱きかかえられ毛布が掛けられると、俺はやっと息がつけた気がしたんだ。
「眠れ、眠れ、幼き子よ、愛しき子よ」
低い声、囁きみたいな声は歌だろうか。
背中を撫でる手、温かい毛布。
毛布は日に干されたんだろうか、お日様の匂いがする。
そういえば、お日様の匂いってこっちの世界に来てから知ったんだ。
それまでは言葉は知っていても、どんなものか知らなかった。
お日様に干した毛布なんて、触れたことすら無かったから。
お日様に干した毛布の匂いがこんなに幸せに感じるものだなんて、知らなかったんだ、
「強い風、冷たい雨、なにものからも守ろう、眠れ、眠れ……」
優しい声に俺は凄く眠くなる。
ここは安心していい場所なんだ、ここは俺のお家なんだ。
ゲルトさんがいて、ニルスさんがいて、マリアさんがいる。
俺とゲルトさんの部屋には、二人で使うベッド。
それは清潔なシーツに、お日様の匂いがする温かい毛布がある。
「家、……ここ」
ここにいていい?
ここは俺の家、俺が帰ってきていい場所だよね。
「ウヅ、怖くないぞ。ここは安全だ、魔物はいない。もし魔物が襲ってきても俺がすべて狩ってやるから」
そうだここは安全な場所、俺が安心して息がつける場所。
「安心して眠れ」
ゲルトさんの声に、俺の意識は深く深く沈んでいったんだ。
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