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その後の俺達は1
「ウヅキ、良かった、ウヅキ」
泣きながらグレオ君はそれだけを繰り返す。
「うん、良かったグレオ君、ありがとう。グレオ君俺ね、グレオ君がいなかったら死んでたよ」
大神様の話を思うと『神と生き物のの境目、命を終えて辿り着く場所』という場所にいた俺は、本当に死ぬ寸前だったんだと思う。
魔力と一緒に体力も全部ニルスさん達に渡してしまった俺は、『神と生き物のの境目、命を終えて辿り着く場所』で何故か第六感を使い続けていた。
魔力が切れている状態でそんなことをしていたら、時間と共に回復している筈の体力がどんどん魔力に変えられてしまう。
「俺は何も出来なかったよ。薬を全部飲ませてもウヅキは目を覚まさなくて、俺の魔力もウヅキにあげたけど、それでもウヅキは目を覚まさなくて」
涙声でグレオ君は状況を説明してくれる。
そうか、薬を飲ませてくれて、魔力もくれたんだね。
え、魔力?
「グレオ君、なんでグレオ君の魔力? そんな状態でオークと戦ってたの!」
俺の声は悲鳴に近かったと思う。
だって、俺に魔力をくれたってことは、多分グレオ君なら自分のギリギリまで俺に魔力送ってた筈、そんな状態でどうやってオークと戦ったの。
魔力切れ、俺もグレオ君も慣れているとはいえ、辛いのは変わらないし。そんな状態で魔物と対峙するなんて俺無理だと思う。
「持ってた薬全部飲ませてもウヅキの目が覚めなくて。俺の魔力を渡せるだけ全部渡したけどそれでも駄目で、俺何度もウヅキを呼んだけどウヅキ全然目を覚まさなくって」
ぽろりぽろりとグレオ君の大きな目から涙が零れ落ちる。
「ウヅキ、目が覚めて良かった。俺、オークと戦うよりウヅキがもう目覚めないかもって、思う方が怖かったよ」
「グレオ君」
大きな瞳が涙で潤んで、グレオ君はスンと鼻を鳴らす。
俺はグレオ君の思いに、ポロポロと涙をこぼす。
「俺何にも出来なかった。ウヅキは目覚めないし、オークは迫って来て子狐達を誘拐してきた男がオークに襲われている気配だけ分かって、次は俺達だって思ったら怖くてたまらなくなったんだ」
「子狐達? 俺眠りの魔法掛けてきたんだ。馬車に戻らなくっちゃ」
まだ怠い身体、俺達は薬をがぶ飲みしてプハッっと息を吐いた。
「なんか薬はもう飲めないかも。グレオ君何か食べよう。何が良いかな」
オークの死体の側、何をやってるんだっていう感覚はあるけれど今はお互いを癒すのが大事。
「はははっ。なんでもいいよ。何か温かいものが食べたいな」
「温かいもの? あるよ、シチューも串焼きもあるし、蒸した芋にバターを乗せたのも、焼き立てのパンもあるし芋のスープもあるよ。ホカホカのクッキーもあるよ。そういうのが嫌なら砂糖の実で煮た果物をパイにしたのはどう?」
俺のマジックバックに入っている、すぐに食べられる温かい物をグレオ君に教えると俺をギュウギュウ抱きしめながらグレオ君は笑った。
「なんでもあるね。ウヅキ、ウヅキ。俺達生きてて美味しいもの沢山食べられるんだね」
「グレオ君、そうだよ俺達生きてるんだ。だから美味しいもの一杯食べよう」
そう言って俺達はお腹がパンパンになるまで食べたんだ。
屋台で買った魔物肉の串焼き、角兎の肉と根菜を煮込んだシチュー。木の実を沢山入れて焼いたパンにはバターを沢山塗って、具沢山のオムレツはトマトを煮込んで作ったソースを掛けて、最後には砂糖の実を使って煮こんだ果物を沢山いれたパイまで食べた。
まだまだ俺のマジックバックには食べ物が沢山入っているけれど、俺達は十分に満足するくらいに食べて漸く息がつけたんだ。
泣きながらグレオ君はそれだけを繰り返す。
「うん、良かったグレオ君、ありがとう。グレオ君俺ね、グレオ君がいなかったら死んでたよ」
大神様の話を思うと『神と生き物のの境目、命を終えて辿り着く場所』という場所にいた俺は、本当に死ぬ寸前だったんだと思う。
魔力と一緒に体力も全部ニルスさん達に渡してしまった俺は、『神と生き物のの境目、命を終えて辿り着く場所』で何故か第六感を使い続けていた。
魔力が切れている状態でそんなことをしていたら、時間と共に回復している筈の体力がどんどん魔力に変えられてしまう。
「俺は何も出来なかったよ。薬を全部飲ませてもウヅキは目を覚まさなくて、俺の魔力もウヅキにあげたけど、それでもウヅキは目を覚まさなくて」
涙声でグレオ君は状況を説明してくれる。
そうか、薬を飲ませてくれて、魔力もくれたんだね。
え、魔力?
「グレオ君、なんでグレオ君の魔力? そんな状態でオークと戦ってたの!」
俺の声は悲鳴に近かったと思う。
だって、俺に魔力をくれたってことは、多分グレオ君なら自分のギリギリまで俺に魔力送ってた筈、そんな状態でどうやってオークと戦ったの。
魔力切れ、俺もグレオ君も慣れているとはいえ、辛いのは変わらないし。そんな状態で魔物と対峙するなんて俺無理だと思う。
「持ってた薬全部飲ませてもウヅキの目が覚めなくて。俺の魔力を渡せるだけ全部渡したけどそれでも駄目で、俺何度もウヅキを呼んだけどウヅキ全然目を覚まさなくって」
ぽろりぽろりとグレオ君の大きな目から涙が零れ落ちる。
「ウヅキ、目が覚めて良かった。俺、オークと戦うよりウヅキがもう目覚めないかもって、思う方が怖かったよ」
「グレオ君」
大きな瞳が涙で潤んで、グレオ君はスンと鼻を鳴らす。
俺はグレオ君の思いに、ポロポロと涙をこぼす。
「俺何にも出来なかった。ウヅキは目覚めないし、オークは迫って来て子狐達を誘拐してきた男がオークに襲われている気配だけ分かって、次は俺達だって思ったら怖くてたまらなくなったんだ」
「子狐達? 俺眠りの魔法掛けてきたんだ。馬車に戻らなくっちゃ」
まだ怠い身体、俺達は薬をがぶ飲みしてプハッっと息を吐いた。
「なんか薬はもう飲めないかも。グレオ君何か食べよう。何が良いかな」
オークの死体の側、何をやってるんだっていう感覚はあるけれど今はお互いを癒すのが大事。
「はははっ。なんでもいいよ。何か温かいものが食べたいな」
「温かいもの? あるよ、シチューも串焼きもあるし、蒸した芋にバターを乗せたのも、焼き立てのパンもあるし芋のスープもあるよ。ホカホカのクッキーもあるよ。そういうのが嫌なら砂糖の実で煮た果物をパイにしたのはどう?」
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「なんでもあるね。ウヅキ、ウヅキ。俺達生きてて美味しいもの沢山食べられるんだね」
「グレオ君、そうだよ俺達生きてるんだ。だから美味しいもの一杯食べよう」
そう言って俺達はお腹がパンパンになるまで食べたんだ。
屋台で買った魔物肉の串焼き、角兎の肉と根菜を煮込んだシチュー。木の実を沢山入れて焼いたパンにはバターを沢山塗って、具沢山のオムレツはトマトを煮込んで作ったソースを掛けて、最後には砂糖の実を使って煮こんだ果物を沢山いれたパイまで食べた。
まだまだ俺のマジックバックには食べ物が沢山入っているけれど、俺達は十分に満足するくらいに食べて漸く息がつけたんだ。
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