66 / 212
信じるという言葉は 3(侯爵視点)
しおりを挟む
「侯爵、今の言い方は酷いと思いますよ。なぜミルフィ様の話も聞かずに責めたのですか?」
遠ざかるミルフィに声を掛けられぬまま部屋に戻ると、キム先生は疑問を私に投げかけてきた。
「パティ、……使用人がミルフィを止める声を聞いて勘違いしてしまった。朝食の席でミルフィが興奮しすぎて気を失っただろう。あんな風にまた倒れたらと心配になり話も聞かずに止めてしまった」
部屋を出て行ったミルフィが、扉の前で大声を出しているのが聞こえてきたから、ミルフィに魔法の使用を許可しなかったことで癇癪を起こしたのだろうと考えてしまった。
そもそもそれが大きな間違いだったというのに、私はミルフィを咎めてしまった。
「それは…………」
「申し訳ございません、私がすぐに旦那様の誤解を解くべきでした」
私の後悔に気が付いているのだろう家令のジャンが謝罪するが、悪いのは理由も聞かずにミルフィを落ち着かせ様とした私だ。
ミルフィを追いかけ謝罪すれば良かったのに、酷い勘違いでミルフィを叱ってしまった自分を認められずそのまま行かせてしまった。
「ミルフィ様は確かに心を乱しやすいのかもしれません。でも心を乱すのと我儘は違います。侯爵はなぜ、我儘だと決めつけたのですか? 大声を上げていたことを注意されただけならミルフィ様も悲しまずにすんだでしょうに」
「……思い込みだ。今までそうだったからと、決めつけてしまった」
ミルフィが悲しまずにすんだ。
そうキム先生に言われて、私は思わず口に出してしまったその理由に自分自身戸惑う。
私はもう、ミルフィが我儘な子どもでは無かったと知っているのに、パティがミルフィを止める声にあの子がまた癇癪を起したのだと思いこんでしまったのだ。
そして我儘を言うものではないと咎めてしまった。
「ミルフィ様は我儘でしょうか? 思い通りにいかないと癇癪を起こす方でしょうか」
キム先生は酷かった時のミルフィを知らないのだから、疑問を覚えるのだろう。
私は、ここ半年程ミルフィの癇癪と我儘に苦慮していた。
何故ミルフィが酷い行いを繰り返していたのか、その理由を知り大切な娘に辛い思いをさせていたのに助けてあげられなかった事を後悔しているというのに、ミルフィの酷い行いの記憶は抜けていなかったのだろう。
だからミルフィの大声が聞こえて来た時、やはりこの子は……と思ってしまったのだ。
私はなんて愚かで酷い親なのだろう。
「侯爵様、ミルフィお嬢様はまだ三歳の子ども、幼い心をずっと子爵夫人に虐げられ傷付けられていたのです。今までのあれは我儘ではなく……」
ガスパール先生は悲しそうにそう言うが、そんなこと言われなくても十分に分かっている。
あの忌々しい女が私の大切な娘を苦しめ甚振っていた、あんな女を信用していた自分が情けない。
子爵夫人を排除し、ミルフィの侍女ジョゼットを一時的な家庭教師としたら、礼儀作法も文字の書き方も何もミルフィは教わっていなかったのだと分かった。
何も覚えようとしない、怠惰で我儘だとあの女から言われていたミルフィの行いはすべて嘘で、ジョゼットが文字の書き方を教えるとすぐに拙い手つきながら文字を書き始め、ジョゼットが教える言葉を間違う事無く書ける様にもなった。
私達が落ち着いて話を聞こうとすれば、ミルフィは癇癪を起こすこと無く、ゆっくりとだが自分の考えを話す。
今までミルフィがすぐに癇癪を起していたのは、私達が話を聞こうとしていなかっただけなのだと、気が付いてから私は何度も過去の自分の行いを後悔し自分を責めた。
それなのに、今私は自らミルフィを傷つけてしまったのだ。
「それは勿論分かっています。ミルフィはあの頃とても苦しんで幼い心が傷付いていた。私達に助けを求めていたのだと」
「幼い子どもは、上手く自分の心の状態を伝える事が出来ません。不安を感じると親の愛情が自分に向けられているか試すことを無意識にするのです」
ガスパール先生が今言った行いを、まさにミルフィはしていた。
我儘ばかりで問題がある様に見えていたのは、私達が我儘を許すことで自分は愛されているのだと確認したかった。
だが私達は、子爵夫人の嘘を信じ込んでいてミルフィはどうしようもなく我儘になっていると思い込み、甘やかしてはミルフィのためにならないと突き放す事ばかりしていた。
「あの子は急にいい子に変わった様に見えるが、今のあの子が本来の姿なのだろうと思う」
あの女を排除してからというものミルフィは、嫌いなものを健気に食べようと頑張り始め、我儘を言う事が無くなった。
穏やかに暮らし、理不尽な暴力を受けて出来た心の傷が癒えたら良いと思っていたのに。
「私は勘違いからミルフィを叱ってしまった。そのせいでミルフィを傷つけてしまった」
なんて酷い父親だろう。
私はなんて愚かなのだろう。
「もう一つ疑問があります。侯爵はなぜミルフィ様が魔法を使うのを反対されているのですか」
「それは」
キム先生の疑問に、私は答えられない。
私はミルフィに素晴らしい魔法の才能があると知っても、たった三歳で治癒魔法が使える様になっても、その才能を素直に喜こんであげられていないからだ。
喜び誇らしいという気持ちより先に不安が来てしまう、心配でたまらない。
「先生、ミルフィに魔法を使わせて本当に大丈夫なのでしょうか」
「大丈夫というのは? 私は実際に魔法を使っている彼女を見ましたが、とても上手に魔力を制御していました。魔力循環を怖がり動揺していたのが嘘の様にとても繊細に魔力を操り魔法を発動させていました」
優秀な魔法使いであるキム先生がここまで言うなら、ミルフィの力は本物なのだろう。
魔力の制御は幼い頃はとても難しいというのに、難しい魔法をミルフィは使えるのだから、とても素晴らしいと思う。
だが、不安なのだ。
「先生、ミルフィはあの女に日常的に鞭打たれていて、その暴力によって出来た傷を無意識に自分に治癒魔法を掛け治療していました。ガスパール先生が傷を再現した時、あの子の肌は傷がないところが無い位に酷かった。あれだけの傷を治し続けた結果が治癒魔法としての才能の開花なのだとしたら私はとても喜ぶことは出来ない」
あの時、我を忘れて謝罪し続けたミルフィの声が消えない。
あの女はもうミルフィの前に現れることはないのに、それでもあの女の影に怯える我が子をどうやったら救えるのか、無力な私には分からないのだ。
「娘に魔法使いの才能があり、将来魔力量も最大まで増える可能性があるのは理解しています。普通なら喜ぶべきことだと分かっています。分かっているんです」
無意識に魔法が使える。それこそが才能なのだと言われるのかもしれない。
確かにミルフィに魔法の才能があるのは素晴らしいと思う。だが同時に幼いあの子がその才能に振り回されないか不安だった。
動揺し魔力暴走を起こし掛けた様に、何かのきっかけで魔法を暴走させる可能性はないのか、あの子の才能が他の家や王家に知られ危険な目に合う可能性は? そう考えると心配が尽きないのだ。
遠ざかるミルフィに声を掛けられぬまま部屋に戻ると、キム先生は疑問を私に投げかけてきた。
「パティ、……使用人がミルフィを止める声を聞いて勘違いしてしまった。朝食の席でミルフィが興奮しすぎて気を失っただろう。あんな風にまた倒れたらと心配になり話も聞かずに止めてしまった」
部屋を出て行ったミルフィが、扉の前で大声を出しているのが聞こえてきたから、ミルフィに魔法の使用を許可しなかったことで癇癪を起こしたのだろうと考えてしまった。
そもそもそれが大きな間違いだったというのに、私はミルフィを咎めてしまった。
「それは…………」
「申し訳ございません、私がすぐに旦那様の誤解を解くべきでした」
私の後悔に気が付いているのだろう家令のジャンが謝罪するが、悪いのは理由も聞かずにミルフィを落ち着かせ様とした私だ。
ミルフィを追いかけ謝罪すれば良かったのに、酷い勘違いでミルフィを叱ってしまった自分を認められずそのまま行かせてしまった。
「ミルフィ様は確かに心を乱しやすいのかもしれません。でも心を乱すのと我儘は違います。侯爵はなぜ、我儘だと決めつけたのですか? 大声を上げていたことを注意されただけならミルフィ様も悲しまずにすんだでしょうに」
「……思い込みだ。今までそうだったからと、決めつけてしまった」
ミルフィが悲しまずにすんだ。
そうキム先生に言われて、私は思わず口に出してしまったその理由に自分自身戸惑う。
私はもう、ミルフィが我儘な子どもでは無かったと知っているのに、パティがミルフィを止める声にあの子がまた癇癪を起したのだと思いこんでしまったのだ。
そして我儘を言うものではないと咎めてしまった。
「ミルフィ様は我儘でしょうか? 思い通りにいかないと癇癪を起こす方でしょうか」
キム先生は酷かった時のミルフィを知らないのだから、疑問を覚えるのだろう。
私は、ここ半年程ミルフィの癇癪と我儘に苦慮していた。
何故ミルフィが酷い行いを繰り返していたのか、その理由を知り大切な娘に辛い思いをさせていたのに助けてあげられなかった事を後悔しているというのに、ミルフィの酷い行いの記憶は抜けていなかったのだろう。
だからミルフィの大声が聞こえて来た時、やはりこの子は……と思ってしまったのだ。
私はなんて愚かで酷い親なのだろう。
「侯爵様、ミルフィお嬢様はまだ三歳の子ども、幼い心をずっと子爵夫人に虐げられ傷付けられていたのです。今までのあれは我儘ではなく……」
ガスパール先生は悲しそうにそう言うが、そんなこと言われなくても十分に分かっている。
あの忌々しい女が私の大切な娘を苦しめ甚振っていた、あんな女を信用していた自分が情けない。
子爵夫人を排除し、ミルフィの侍女ジョゼットを一時的な家庭教師としたら、礼儀作法も文字の書き方も何もミルフィは教わっていなかったのだと分かった。
何も覚えようとしない、怠惰で我儘だとあの女から言われていたミルフィの行いはすべて嘘で、ジョゼットが文字の書き方を教えるとすぐに拙い手つきながら文字を書き始め、ジョゼットが教える言葉を間違う事無く書ける様にもなった。
私達が落ち着いて話を聞こうとすれば、ミルフィは癇癪を起こすこと無く、ゆっくりとだが自分の考えを話す。
今までミルフィがすぐに癇癪を起していたのは、私達が話を聞こうとしていなかっただけなのだと、気が付いてから私は何度も過去の自分の行いを後悔し自分を責めた。
それなのに、今私は自らミルフィを傷つけてしまったのだ。
「それは勿論分かっています。ミルフィはあの頃とても苦しんで幼い心が傷付いていた。私達に助けを求めていたのだと」
「幼い子どもは、上手く自分の心の状態を伝える事が出来ません。不安を感じると親の愛情が自分に向けられているか試すことを無意識にするのです」
ガスパール先生が今言った行いを、まさにミルフィはしていた。
我儘ばかりで問題がある様に見えていたのは、私達が我儘を許すことで自分は愛されているのだと確認したかった。
だが私達は、子爵夫人の嘘を信じ込んでいてミルフィはどうしようもなく我儘になっていると思い込み、甘やかしてはミルフィのためにならないと突き放す事ばかりしていた。
「あの子は急にいい子に変わった様に見えるが、今のあの子が本来の姿なのだろうと思う」
あの女を排除してからというものミルフィは、嫌いなものを健気に食べようと頑張り始め、我儘を言う事が無くなった。
穏やかに暮らし、理不尽な暴力を受けて出来た心の傷が癒えたら良いと思っていたのに。
「私は勘違いからミルフィを叱ってしまった。そのせいでミルフィを傷つけてしまった」
なんて酷い父親だろう。
私はなんて愚かなのだろう。
「もう一つ疑問があります。侯爵はなぜミルフィ様が魔法を使うのを反対されているのですか」
「それは」
キム先生の疑問に、私は答えられない。
私はミルフィに素晴らしい魔法の才能があると知っても、たった三歳で治癒魔法が使える様になっても、その才能を素直に喜こんであげられていないからだ。
喜び誇らしいという気持ちより先に不安が来てしまう、心配でたまらない。
「先生、ミルフィに魔法を使わせて本当に大丈夫なのでしょうか」
「大丈夫というのは? 私は実際に魔法を使っている彼女を見ましたが、とても上手に魔力を制御していました。魔力循環を怖がり動揺していたのが嘘の様にとても繊細に魔力を操り魔法を発動させていました」
優秀な魔法使いであるキム先生がここまで言うなら、ミルフィの力は本物なのだろう。
魔力の制御は幼い頃はとても難しいというのに、難しい魔法をミルフィは使えるのだから、とても素晴らしいと思う。
だが、不安なのだ。
「先生、ミルフィはあの女に日常的に鞭打たれていて、その暴力によって出来た傷を無意識に自分に治癒魔法を掛け治療していました。ガスパール先生が傷を再現した時、あの子の肌は傷がないところが無い位に酷かった。あれだけの傷を治し続けた結果が治癒魔法としての才能の開花なのだとしたら私はとても喜ぶことは出来ない」
あの時、我を忘れて謝罪し続けたミルフィの声が消えない。
あの女はもうミルフィの前に現れることはないのに、それでもあの女の影に怯える我が子をどうやったら救えるのか、無力な私には分からないのだ。
「娘に魔法使いの才能があり、将来魔力量も最大まで増える可能性があるのは理解しています。普通なら喜ぶべきことだと分かっています。分かっているんです」
無意識に魔法が使える。それこそが才能なのだと言われるのかもしれない。
確かにミルフィに魔法の才能があるのは素晴らしいと思う。だが同時に幼いあの子がその才能に振り回されないか不安だった。
動揺し魔力暴走を起こし掛けた様に、何かのきっかけで魔法を暴走させる可能性はないのか、あの子の才能が他の家や王家に知られ危険な目に合う可能性は? そう考えると心配が尽きないのだ。
717
あなたにおすすめの小説
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】
白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語
※他サイトでも投稿中
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
婚約破棄したその場から、ざまぁは始まっていました
ふわふわ
恋愛
王国随一の名門、アルファルド公爵家の令嬢シャウラは、
ある日、第一王子アセルスから一方的に婚約を破棄される。
理由はただ一つ――
「平民出身の聖女と婚約するため」。
だが、その“婚約破棄したその場”で、ざまぁはすでに始まっていた。
シャウラは泣かず、怒らず、抗議もしない。
ただ静かに席を立っただけ。
それだけで――
王国最大派閥アルファルド派は王子への支持を撤回し、
王国最大の商会は資金提供を打ち切り、
王太子候補だったアセルスは、政治と経済の両方を失っていく。
一方シャウラは、何もしていない。
復讐もしない。断罪もしない。
平穏な日常を送りながら、無自覚のまま派閥の結束を保ち続ける。
そして王国は、
“王太子を立てない”という前代未聞の選択をし、
聡明な第一王女マリーが女王として即位する――。
誰かを裁くことなく、
誰かを蹴落とすことなく、
ただ「席を立った」者だけが、最後まで穏やかでいられた。
これは、
婚約破棄から始まる――
静かで、上品で、取り返しのつかないざまぁの物語。
「私は何もしていませんわ」
それが、最強の勝利だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる