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番外編
主人公の筈だった2(木村春視点)
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順調だった。
笑っちゃう位順調で、でも藤四郎君は離れてしまった。
ガードが固くて、手を握り腕輪を押し付けるしか出来なかったからかもしれない。
最初からキスまで出来た樹里はもう僕の言いなりだし、信ちゃんも同じなのに、お気に入りが離れてしまって僕の機嫌は悪かった。攻略対象者の中でみやピーの次に気に入っているのに、舞とかいうモブに取られるなんて思わなかった。
「みやピーはまだ狙えないしなあ。他の人と遊ぶかな」
二年や、三年のモブを落とし高級な夕御飯を奢ってもらったり、鞄や腕時計を買ってもらう。
買ってもらうのは他の人と同じもの、そうすれば一つだけ手元に残して後は売ればお小遣い稼ぎになる。買ってもらった時は嬉しくてもすぐに次が欲しくなる。だってこの学園の人達皆高級な物ばかり持ってるから、羨ましくなっちゃうんだ。
「鞄に腕時計、後は何かないかな。宝石とか同じデザインのは難しいよね。あ、ブランド物があるか」
買ってもらう時には勿論、プレゼントした物は後でどうなっても気にならないという暗示を腕輪から掛ける。
この腕輪凄く優秀なんだけど、欠点があるんだよねぇ。
何度も暗示を掛けると、短気になるみたいですぐに暴力をふるいそうになるんだ。
「気を付けなきゃな、でも服もアクセサリーももっと欲しいな、そうだ信ちゃんに買わせよう」
攻略対象者で一番いい家なのは信ちゃんこと、谷崎信也だ。
短期で性格悪いけど、金払いはいいし何でも買ってくれる。
「何買わせようかな」
うきうき気分で歩いていたら、僕の下僕を見つけた。
「ねえ、そろそろ頃合いじゃない?」
みやピー狙いの僕にとっての邪魔者を排除したい。
その為に変態保険医を僕の下僕にした。
「可愛い天使と遊べるのかな」
「スッゴい邪魔なんだよね。手筈が整ったら保健室に向かわせるから、始末してよ」
「喜んで」
あのモブが何より邪魔だった。
みやピーが大事にしてるのは、一目見てすぐに分かったから、目の前で仲良しになる瞬間をあのモブに見せつけてやろうとしてるのに、ちっとも上手くいかないんだ。
モブのくせに生意気だし、邪魔なんだよ。
だから、物理的に離れなきゃいけない状態にしなきゃね。
命令したら気持ちが大きくなって、信ちゃんを呼びつけて散財させまくった。
勿論たっぷりの暗示付き『木村春は天使だ。木村春の言うことは何でも正しい。木村春を認めないものは、制裁する。自分は木村春のために存在する』強く強く暗示を掛けてしまったせいだろうか、信ちゃんがあのモブを殴ったんだ。
「何をするんだよっ!」
「何をするはあなたの方ですよ、木村春。千晴様を害した償いはしていただきますから」
冷ややかな視線を封じ込めようと、腕を動かそうとするけれど拘束されて思うように動けない。
保健室から連行される途中、隠し持っていたナイフでロープを切った。
そして気に入らないと思っていた大林を脅して島の外に逃げようとしたのに、すぐに捕まってしまったのだ。
「離せ。僕、この世界は僕の」
僕は主人公だから、何をしても許されるんだ。
あんなモブ、狂った保険医にオモチャにされて壊れてしまえばいい。
「連れていけ、狂ったあれにぴったりのオモチャだ」
「え」
「僕にナイフを向けた罰はあれを引きずり下ろしてくれた功績で相殺しましょう。ですが、千晴様を害した罰は償って頂きます、その体でね」
クークックと嗤うその顔は、教室では見たことがない残忍な顔をしていて不気味だった。
僕は主人公なのに、みやピーはあのモブを愛してると言って僕を見向きもしてくれなかった。
「ふざけんなっ、僕は悪くないっ。あんなモブが愛されて当然なんて間違ってるんだよ。みやピーは僕のなんだからっ!僕はこの世界の主人公なんだからっ!」
欲しいものは何でも手に入る。
僕が望めば相手は僕を崇拝するし、下僕にも奴隷にもなる。
何でも買ってくれて、なんでも言うことを聞いてくれて、だから僕は幸せのはずなんだ。
「それなのになんであいつがみやピーに大切にされて、好きだって、愛してるって言われてるの。どうして僕には誰も愛してるって言ってくれないの。好きって、大切だよって」
僕が望めば言ってくれた筈だ。
でも、それは嫌だった。
だって主人公は愛されるために存在しているのに、主人公の僕はそれを腕輪で命令しないと言って貰えないなんて。おかしいよ。
「そんな事も分からないのですか。あなたは欲しがるばかりで、誰にも何も与えていないのでは? あなたが名前を呼ばせていた相手の中に本気で好きだと思う人はいたのですか? 大切にしたいと思う人が」
何を言ってんの。
そんなの、そんなのいるに決まってるじゃない。
「言うことをきくから、何かを買ってくれるから、そんなのは好きとは言いませんよ」
「僕には、僕だって」
川島は攻略対象者だから、信ちゃんも、森村も攻略対象者だから、逆ハーレムのメンバーとして必要だった、
じゃあ、二年のあの人は? 三年の彼は? 誰も彼も、何となく引っかけて、欲望のまま貢がせただけ。好きだったわけじゃ無い。
あのモブは幸せそうに、やまピーの隣にいたのに。僕は側に居るだけで幸せになれる人がいない?
「いない? 僕はだって、僕は主人公なのに」
攻略対象者を好きになる前に心を操って攻略しただけ、本当に欲しい人はみやピーだけだったけれど、でも好きだったの?
じゃあ、みやピーは? 彼は前世でゲームの推しだった。でも、この世界では?
笑っちゃう位順調で、でも藤四郎君は離れてしまった。
ガードが固くて、手を握り腕輪を押し付けるしか出来なかったからかもしれない。
最初からキスまで出来た樹里はもう僕の言いなりだし、信ちゃんも同じなのに、お気に入りが離れてしまって僕の機嫌は悪かった。攻略対象者の中でみやピーの次に気に入っているのに、舞とかいうモブに取られるなんて思わなかった。
「みやピーはまだ狙えないしなあ。他の人と遊ぶかな」
二年や、三年のモブを落とし高級な夕御飯を奢ってもらったり、鞄や腕時計を買ってもらう。
買ってもらうのは他の人と同じもの、そうすれば一つだけ手元に残して後は売ればお小遣い稼ぎになる。買ってもらった時は嬉しくてもすぐに次が欲しくなる。だってこの学園の人達皆高級な物ばかり持ってるから、羨ましくなっちゃうんだ。
「鞄に腕時計、後は何かないかな。宝石とか同じデザインのは難しいよね。あ、ブランド物があるか」
買ってもらう時には勿論、プレゼントした物は後でどうなっても気にならないという暗示を腕輪から掛ける。
この腕輪凄く優秀なんだけど、欠点があるんだよねぇ。
何度も暗示を掛けると、短気になるみたいですぐに暴力をふるいそうになるんだ。
「気を付けなきゃな、でも服もアクセサリーももっと欲しいな、そうだ信ちゃんに買わせよう」
攻略対象者で一番いい家なのは信ちゃんこと、谷崎信也だ。
短期で性格悪いけど、金払いはいいし何でも買ってくれる。
「何買わせようかな」
うきうき気分で歩いていたら、僕の下僕を見つけた。
「ねえ、そろそろ頃合いじゃない?」
みやピー狙いの僕にとっての邪魔者を排除したい。
その為に変態保険医を僕の下僕にした。
「可愛い天使と遊べるのかな」
「スッゴい邪魔なんだよね。手筈が整ったら保健室に向かわせるから、始末してよ」
「喜んで」
あのモブが何より邪魔だった。
みやピーが大事にしてるのは、一目見てすぐに分かったから、目の前で仲良しになる瞬間をあのモブに見せつけてやろうとしてるのに、ちっとも上手くいかないんだ。
モブのくせに生意気だし、邪魔なんだよ。
だから、物理的に離れなきゃいけない状態にしなきゃね。
命令したら気持ちが大きくなって、信ちゃんを呼びつけて散財させまくった。
勿論たっぷりの暗示付き『木村春は天使だ。木村春の言うことは何でも正しい。木村春を認めないものは、制裁する。自分は木村春のために存在する』強く強く暗示を掛けてしまったせいだろうか、信ちゃんがあのモブを殴ったんだ。
「何をするんだよっ!」
「何をするはあなたの方ですよ、木村春。千晴様を害した償いはしていただきますから」
冷ややかな視線を封じ込めようと、腕を動かそうとするけれど拘束されて思うように動けない。
保健室から連行される途中、隠し持っていたナイフでロープを切った。
そして気に入らないと思っていた大林を脅して島の外に逃げようとしたのに、すぐに捕まってしまったのだ。
「離せ。僕、この世界は僕の」
僕は主人公だから、何をしても許されるんだ。
あんなモブ、狂った保険医にオモチャにされて壊れてしまえばいい。
「連れていけ、狂ったあれにぴったりのオモチャだ」
「え」
「僕にナイフを向けた罰はあれを引きずり下ろしてくれた功績で相殺しましょう。ですが、千晴様を害した罰は償って頂きます、その体でね」
クークックと嗤うその顔は、教室では見たことがない残忍な顔をしていて不気味だった。
僕は主人公なのに、みやピーはあのモブを愛してると言って僕を見向きもしてくれなかった。
「ふざけんなっ、僕は悪くないっ。あんなモブが愛されて当然なんて間違ってるんだよ。みやピーは僕のなんだからっ!僕はこの世界の主人公なんだからっ!」
欲しいものは何でも手に入る。
僕が望めば相手は僕を崇拝するし、下僕にも奴隷にもなる。
何でも買ってくれて、なんでも言うことを聞いてくれて、だから僕は幸せのはずなんだ。
「それなのになんであいつがみやピーに大切にされて、好きだって、愛してるって言われてるの。どうして僕には誰も愛してるって言ってくれないの。好きって、大切だよって」
僕が望めば言ってくれた筈だ。
でも、それは嫌だった。
だって主人公は愛されるために存在しているのに、主人公の僕はそれを腕輪で命令しないと言って貰えないなんて。おかしいよ。
「そんな事も分からないのですか。あなたは欲しがるばかりで、誰にも何も与えていないのでは? あなたが名前を呼ばせていた相手の中に本気で好きだと思う人はいたのですか? 大切にしたいと思う人が」
何を言ってんの。
そんなの、そんなのいるに決まってるじゃない。
「言うことをきくから、何かを買ってくれるから、そんなのは好きとは言いませんよ」
「僕には、僕だって」
川島は攻略対象者だから、信ちゃんも、森村も攻略対象者だから、逆ハーレムのメンバーとして必要だった、
じゃあ、二年のあの人は? 三年の彼は? 誰も彼も、何となく引っかけて、欲望のまま貢がせただけ。好きだったわけじゃ無い。
あのモブは幸せそうに、やまピーの隣にいたのに。僕は側に居るだけで幸せになれる人がいない?
「いない? 僕はだって、僕は主人公なのに」
攻略対象者を好きになる前に心を操って攻略しただけ、本当に欲しい人はみやピーだけだったけれど、でも好きだったの?
じゃあ、みやピーは? 彼は前世でゲームの推しだった。でも、この世界では?
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