君と出逢えて (Meeting you)

若村しおん(Sion wakamura)

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第7章

事件の真相(Truth of accident)

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廃墟ビルの誰もいない地下で、手足を縛られて必死でもがいてるカナタ。必死に縛られている綱を取ろうとしている。その隣の部屋で冷蔵庫に入っている冷たい水を飲む一人の男がその様子をなにも思わない顔つきで冷静沈着に見ていた。
夕日が差し掛かる夕方午後4時半ごろ、レオは図書館で本をみていた。
「やっぱり来ると思った」
少し下を向いてるエレナは、本棚に少しもたれかけた。「図書館って昔から不思議な感覚になる場所だなって思ってた、静かで、時間が止まってるような不思議な感じ、落ち着く」「家の近所に子供のころ通ってた図書館があったのね、ここの図書館の雰囲気と少し似てる」
レオンが見ていた本を見て、エレナはつぶやいた「きれいな絵」
レオンは「うん」そこには“モルフェウスとイリス”とフランスの画家の名前が書かれていた。真夜中であろうか、ベットに寝ているモルフェウスの枕元に天空から虹がさして、色白のきれいな翼が生えた女性がモルフェウスという男性のそばにきて何かを伝えている絵であった。
「ねえ、この絵って、この翼の生えた女性がこの男性に何かを伝えようとしてきているようにみえるでしょ」
「そうだね」
「でもなんとなく、そうじゃない気もする」
「どういうこと?」
「モルフェウスはこの知らせを聞いたほうがいいと思って、前から知っていたような感じがするの」
「はじめから、すべてが決まっていたかのように」
「わかっていた・・?」
「ええ」

エレナは窓の外を見ながら「彼に、会えるのかな・・??」
「彼って・・・」
「私はちゃんと彼のこと、見ていなかったのかな」
「彼に会いに来た?」
「ええ、・・でも居なかった。・・彼、姿を消したのよ、私の前から」
「それはひどいやつのすることだよ」
「それでも君はその彼ってやつが好きなのか?」
「ええ、好きよ、とても」
「でも、わからなくなるときはあるんだけど」
レオはエレナをみてすこしだけ微笑んだ。
美咲は実習室で作品を制作していた。そこに美里が入ってきて、「おはよう」美里は美咲のそばにより、「昨日はごめん・・感情的になって言っちゃって・・」美咲は描き続けていた。「私は美咲のこと、友達だと思ってるし、なんでも話してくれるって思ってたから」
「美里はいつも正しいことを言ってる、でも
そんな風に生きれない人もいるんだよ」
「美咲・・」
美咲は教室を出て階段で下に降りようとしていた。するとそこにレオが角から現れる。美咲はレオに気づくが目を合わせないようにして階段をおりようとした。
「お前だろ」
「えっ」美咲は振り返える。
「松井のグループに課題を渡したの」
美咲は恐々強い表情で「なんであんたが・・?」美咲は表情を変えて、「もしかして、あんたが、ワトクを、ワトクを殺そうとしたの?」レオは鼻もとで少し笑ったように、「辞めてほしいな、そういう根拠のないこと言われるの」
「だって、」
「俺、見ちゃったんだよね、お前がワトクに
課題の原案を見してるとこ」
美咲は驚きを隠せないまま、頭を下げこぶしを握り締めた。「お願い、このことは美里にもグループの皆にも誰にも言わないで、お願い」
美里は構内の売店で画材を購入していた。この大学の売店はいつにしても古い作りで最低限の画材しか置いてはいない。昼間には学内の生徒たちでにぎやかだが、夕方になればほとんど残っているのは私たちのような作品制作をしている子たちだけになる。
学内の外に出て外の空気を吸って少し気分転換をする。鼻からゆっくり吸って口で息を吐いてみる。ハーと体の筋肉が揺るいでいくのがわかった。最近、身の回りの環境で色々ありすぎたのかもしれない。少し、休んでもいいんじゃない?という体からのサインが聞こえたような気がした。しばらくするとショーンが買い出しの帰りから帰ってきた。
「みさと」
「ショーン君、買い出し?」
「うん」二人はベンチに座った。
「なんか、いろいろあるよな、最近」
「ワトク、まだ入院しているよね・・?」
美里はあまり聞きたくはないことだったのだけれど、ショーンならなぜか聞きづらいことも聞けたのだ。
「今、まだあいつは入院していて、手術も何度か受けて、リハビリ中みたいだよ」
「そう」
「なんであんなひどいこと自分で」
「自分でやったのかな・・?」
「え?・・・・ワトクがそういったの?」
「なんかあいつあの出来事の2、3日前から
様子がおかしかったんだよ」
「様子って・・?」
「なんか憑り付かれてるっていうか、会話してて、目がうつろっていうかさ」
「なんか、びっくり、そんなことって本当にあるの」
「わからない、でもなんかいつものあいつじゃなかったのは確かだよ」
「・・・美咲がワトクに渡したのかも・・」
「え?」
「私たちのグループ課題を美咲がワトクに教えていたみたい」
「えっなにそれ」
「ショーン君は聞いてないと思うけど」
「なんだよ、それ、まじかよ」
「このことはほかの皆にも先生にも言わないで」
「言わないでって、お前たちそれでいいのかよ、このままで」
「今更、ほんとのことを言って余計に波風立てるより、このままショーン君たちはあの課題で進めていたほうがいいに決まってる、だから」
ショーンは切羽詰まったように、美里を見つめる。
「わかった、だけど、一人で美里、お前頑張りすぎてるよ」
「そんなことないよ、だってどんなことがあったとしてもグループの一人があんなことに巻き込まれちゃうなんて」
美里の目には涙が込み上げてきた、今まで思い詰めてはりつめていたなにかが切れたような感じがした。

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