神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです

珂里

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王子兄弟に会いました

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その後のお茶会は話に花が咲き(主に大人3人の)、あっという間に時間が過ぎた。

私のお腹もクッキーでポンポンです!
だって、王妃様とエリーゼおばさまがドンドン私のお皿にクッキーをくれるからね?食べないわけにはいかないでしょ?

かーさまにはニコニコしながら「夜ご飯もちゃんと食べるのよ?」と、しっかり釘を刺されました。



「母上、お呼びですか?」

突然声がして後ろを振り向くと、そこにはフレイにーさまがいた。でも、声の主はフレイにーさまではなく、にーさまの横にいる男の人だった。
年はにーさまと同じくらいかな?金髪金目で王様によく似ている。
そして更にその横には、リスターと同じくらいの年の男の子が立っていた。
こちらも金髪金目だが、どことなく王妃様に似ている。これはもしかして……。

「待っていたわ。アヤナ、貴方に会わせたくて呼んでおいたのよ。紹介するわね。私の息子で第一王子のアレクセイと第二王子のエアリスよ。」

ですよねー!!だと思いましたよ。

私は椅子から降りると、王子たちに向かってカーテシーをした。

「はじめまして、あやなともうします。よろしくおねがいします。」

顔を上げてニッコリ微笑む。第一印象は大事だからね。
チラリとフレイにーさまを見ると、よく出来ましたというように、ウンウンと頷いてくれた。やった!

「アレクセイ殿下、うちの従姉妹殿は可愛いでしょう?」

「ああ、そうだな。」

アレクセイ殿下は私に近づくと、膝を折って目線を私の高さに合わせてくれる。

「はじめまして。私はアレクセイだ。フレイから話は聞いているよ。よろしく、アヤナ。」

アレクセイ殿下は私の手を取ると、手の甲に軽くキスをして微笑んだ。
イケメン王子は、声も仕草もイケメンでした!

その後ろから視線を感じて見てみると、エアリス殿下が怖い顔をして私を睨んでいるけど……なんで?

「こら、エアリス。そんな顔してないで挨拶しなさい。」

アレクセイ殿下がエアリス殿下の背中を押して前に出るように促す。

「……エアリスだ。」

相変わらず睨まれてるんですけど。
メッチャ怖いんですけど。
私、何かしましたか。

ニッコリ笑顔を作っているけど、さすがに引きつってしまう。

「アヤナ、ごめんね。アヤナが可愛いから照れてるみたいだ。」

「て、照れてなんかないです!」

アレクセイ殿下に言われて、エアリス殿下の顔は途端に真っ赤になった。

え~。照れてるとこんなに睨むんですか?

「……王妃様。念のため言わせていただきますが、アヤナはリスターのお嫁さんですからね?」

「あら、エリーゼいやだわ。私はただ息子達を紹介したかっただけなのよ。でも、まだアヤナが誰と結婚するかなんて分からないでしょう?エアリスはリスターと同い年だし、エアリスともお似合いだと思わない?ねぇ、フローラ?」

「ふふっ。私は、アヤナの幸せが一番なので。アヤナが好きになった人と幸せになれるように応援しますわ。」

エリーゼおばさまと王妃様の間に火花が散っている…………なぜ?なぜ急に私の結婚話しなんかになってるの?私まだ5歳なんですけど!?


「……リスター?お前、リスターの婚約者なのか?」

リスターの名前を聞いて、エアリス殿下の顔が強張る。

「リスター、こんやくしゃちがうけど、とってもなかよし、です。エアリスでんかも、リスターなかよし?」

「誰があんな奴と友達なもんか!!」

リスターとお友達なら、私も仲良くなれるかなと思ったんだけど、リスターをあんな奴呼ばわりするなんて!
私はムカッとしてエアリス殿下に言い返した。

「リスター、あんなやつちがう、です。リスター、やさしい。いつもがんばってる。すごいです。」

「どいつもこいつもリスター、リスター言いやがって!あんな奴のどこがいいんだよ!」

「エアリス、やめないか。」

アレクセイ殿下がエアリス殿下の肩を掴んで止めようとしているが、エアリス殿下はその手を払い退ける。

「ふんっ!!あんな奴には、お前みたいなのがお似合いか。お前、気持ち悪いもんな。」


「…………わたし、きもちわるい?」

「「エアリス!!」」

王妃様とアレクセイ殿下の声が重なってエアリス殿下の名前を呼ぶけど、エアリス殿下は止まらなかった。

「髪も目も真っ黒で気持ち悪いんだよ!見てるだけで気分が悪くなる!!」


エアリス殿下の言葉が、私の心に突き刺さる。

ああ、やっぱり私はこの国の人から見たら不気味なのか。……そうか、そうだよね。私だけだもんね。髪も目も黒かったら気持ち悪いよね。しょうがないかぁ。


リスターも本当は気持ち悪いって思ってるのかなぁ……。それは嫌だなぁ……。


「アヤナ」

かーさまに抱き上げられ、濡れた頬をハンカチで拭われる。
私はかーさまに頬を拭われるまで、自分が泣いている事に気付かなかった。
気付いても涙を止める事が出来ない。
エアリス殿下の言葉が突き刺さったままの心が痛くて、痛すぎて……私はかーさまに顔を押し付けて声を殺して泣いた。

かーさまは何も言わず背中をトントンとしてくれた。

「王妃様、私達はこれで失礼致しますわ。」

「フ、フローラ……」

かーさまの顔からはいつもの微笑みが消え、青ざめる王妃様と立ち尽くす王子達を氷のような冷たい眼差しでチラリと見た後、私を抱っこしたまま歩き出す。

「それでは皆様、。」

微笑みを消し、静かに怒るかーさまを誰も止めることが出来なかった。



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