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お祖母様に会いました
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突然ですが、私は今かーさまと町へ買い物へ来ています。
早いもので、この国へ来てから半年が過ぎ、私は言葉の壁を見事に乗り越えました。
とーさまとかーさま、リスターも日本語を勉強して、今では日常会話くらいなら難なく理解し話せるまでになっています。
そしてかーさまは最近よく、頑張ったご褒美として私を町へ連れ出してくれます。今日のように。
え?
何故敬語なのかって?
それは今、私が何重にも猫をかぶってカフェでお茶をしているからなのです。
「ここのパンケーキ、人気なだけあって美味しいわねぇ。アヤナちゃんもひと口どう?ほら、あ~んして。あ~ん。」
パク。
もぐもぐもぐ。
「こっちのケーキも美味しいわよ。アヤナちゃん、こっちのも食べてみて。はい、あーん。」
パク。
もぐもぐもぐ。
「「美味しい?」」
コクコク。
「はい。とってもおいしいです。」
私はニッコリ笑って頷きました。
「「可愛い~!!」」
「お二人とも、アヤナを餌付けしないで下さい。」
私の目の前で悶えている2人に、かーさまは微笑みながらも冷たい視線を投げかけます。
「ちょっとくらいいいじゃない。フローラってばケチなんだから。それよりアヤナちゃん、私の事はマリーおばあさまって呼んでね。」
「じゃあ、私の事はサニアおばあさまって呼んでね。」
「マリーおばあさま。サニアおばあさま。」
「「可愛い~!!」」
私が満面の笑みで呼ぶと、2人はまた悶えながら喜んでくれました。
今、私の前に座っている2人は……マリーおばあさまがかーさまの、サニアおばあさまがとーさまのお母さんだそうです。
つまり私の祖母になった人達なのです。
何故、半年も経ってから初対面しているのかって?
それは、今までおばあさま達が王都にいなかったからなのです。
2人はとても仲が良く、おじいさま達も巻き込んで4人で各地を旅行していたそうです。
今日、突然会いたいって言われた時はどうしようかと思ったけど、2人ともとっても優しくて安心しました。
あ、私がかぶっていた猫が今3匹ほど走って逃げていきました。
よかったよかった。
猫が脱走してリラックスモードになった私が目の前に置かれていたケーキをパクパク食べていると、マリーおばあさまが私の頬についたクリームをハンカチで拭ってくれた。
「ありがとうございます。」
ペコリと頭を下げてお礼を言うと、マリーおばあさまは目を細めて頭を優しく撫でてくれた。
「こんなに可愛い孫ができて嬉しいわ。これからよろしくね。」
「はい!よろしくおねがいします!」
私は嬉しくって、元気に答える。
かーさまも嬉しそうに笑っていて、私も益々嬉しくなった。
お店を出ると、おばあさま達は私と手を繋ぎたいと言い、両側から私の手を取って歩き出す。
店の立ち並ぶ通りを、おばあさま達が私と手を繋いで散策しながら、お店の人達に私の自慢をして歩く。
きっと今の私の顔はとってもブサイクだろうな。
おばあさま達が自慢してくれるのが嬉しくて幸せで、泣きそうになっているのを必死で我慢しているから。
店の人達はそんな私を微笑ましそうに見て頭を撫でてくれた。
かーさまもおばあさま達も、身分は高いはずなのに、全然偉ぶったりしていない。
だから町の人達も気さくに話しかけてきてくれる。
みんなに好かれてるんだなぁ。
途中で一軒のお店に入ると、おばあさま達から綺麗な髪留めをプレゼントされた。
キラキラと光り輝く宝石が幾つも散りばめられたピンクのお花の形の髪留めを、2人がキラキラとした目をしながら私の髪につけてくれる。
「「可愛い!!」」
うん、とっても可愛い。髪留めはね。
可愛いけど、これ、絶対高いやつだよね。
私はどうしたら良いか分からなくて、助けを求めてかーさまを見た。
「可愛いわ。良かったわね、アヤナ。」
私を見てご満悦そうに微笑むかーさま。
「……ありがとうございます。」
ーー私は素直に受け取らせていただきました。
町をひとしきり散策して、家に到着する頃にはもう日が暮れかけていた。
おばあさま達はおじいさま達がリスターの家で待っているからと、私とかーさまを馬車から降ろすと、早々に去って行った。
去り際、おばあさま達は私をギュッと抱き締めると、目に涙を溜めて私を見つめた。
「フローラを母親にしてくれてありがとう。私の孫になってくれてありがとう。」
「あの子達を親に選んでくれてありがとう。これからは、私達もアヤナの家族ですからね。」
2人が乗る馬車を、私は涙で視界が霞み見送れなかった。
かーさまが私を抱き上げ、泣き止むまで背中をトントンしてくれる。
背中の手の温もりがまた心に染みて、暫く涙は止まらなかった。
綺麗でカッコよくて優しい、とっても素敵なとーさまとかーさま。
そんな2人の母親であるおばあさま達も、やっぱり優しくて素敵な人達でした。
早いもので、この国へ来てから半年が過ぎ、私は言葉の壁を見事に乗り越えました。
とーさまとかーさま、リスターも日本語を勉強して、今では日常会話くらいなら難なく理解し話せるまでになっています。
そしてかーさまは最近よく、頑張ったご褒美として私を町へ連れ出してくれます。今日のように。
え?
何故敬語なのかって?
それは今、私が何重にも猫をかぶってカフェでお茶をしているからなのです。
「ここのパンケーキ、人気なだけあって美味しいわねぇ。アヤナちゃんもひと口どう?ほら、あ~んして。あ~ん。」
パク。
もぐもぐもぐ。
「こっちのケーキも美味しいわよ。アヤナちゃん、こっちのも食べてみて。はい、あーん。」
パク。
もぐもぐもぐ。
「「美味しい?」」
コクコク。
「はい。とってもおいしいです。」
私はニッコリ笑って頷きました。
「「可愛い~!!」」
「お二人とも、アヤナを餌付けしないで下さい。」
私の目の前で悶えている2人に、かーさまは微笑みながらも冷たい視線を投げかけます。
「ちょっとくらいいいじゃない。フローラってばケチなんだから。それよりアヤナちゃん、私の事はマリーおばあさまって呼んでね。」
「じゃあ、私の事はサニアおばあさまって呼んでね。」
「マリーおばあさま。サニアおばあさま。」
「「可愛い~!!」」
私が満面の笑みで呼ぶと、2人はまた悶えながら喜んでくれました。
今、私の前に座っている2人は……マリーおばあさまがかーさまの、サニアおばあさまがとーさまのお母さんだそうです。
つまり私の祖母になった人達なのです。
何故、半年も経ってから初対面しているのかって?
それは、今までおばあさま達が王都にいなかったからなのです。
2人はとても仲が良く、おじいさま達も巻き込んで4人で各地を旅行していたそうです。
今日、突然会いたいって言われた時はどうしようかと思ったけど、2人ともとっても優しくて安心しました。
あ、私がかぶっていた猫が今3匹ほど走って逃げていきました。
よかったよかった。
猫が脱走してリラックスモードになった私が目の前に置かれていたケーキをパクパク食べていると、マリーおばあさまが私の頬についたクリームをハンカチで拭ってくれた。
「ありがとうございます。」
ペコリと頭を下げてお礼を言うと、マリーおばあさまは目を細めて頭を優しく撫でてくれた。
「こんなに可愛い孫ができて嬉しいわ。これからよろしくね。」
「はい!よろしくおねがいします!」
私は嬉しくって、元気に答える。
かーさまも嬉しそうに笑っていて、私も益々嬉しくなった。
お店を出ると、おばあさま達は私と手を繋ぎたいと言い、両側から私の手を取って歩き出す。
店の立ち並ぶ通りを、おばあさま達が私と手を繋いで散策しながら、お店の人達に私の自慢をして歩く。
きっと今の私の顔はとってもブサイクだろうな。
おばあさま達が自慢してくれるのが嬉しくて幸せで、泣きそうになっているのを必死で我慢しているから。
店の人達はそんな私を微笑ましそうに見て頭を撫でてくれた。
かーさまもおばあさま達も、身分は高いはずなのに、全然偉ぶったりしていない。
だから町の人達も気さくに話しかけてきてくれる。
みんなに好かれてるんだなぁ。
途中で一軒のお店に入ると、おばあさま達から綺麗な髪留めをプレゼントされた。
キラキラと光り輝く宝石が幾つも散りばめられたピンクのお花の形の髪留めを、2人がキラキラとした目をしながら私の髪につけてくれる。
「「可愛い!!」」
うん、とっても可愛い。髪留めはね。
可愛いけど、これ、絶対高いやつだよね。
私はどうしたら良いか分からなくて、助けを求めてかーさまを見た。
「可愛いわ。良かったわね、アヤナ。」
私を見てご満悦そうに微笑むかーさま。
「……ありがとうございます。」
ーー私は素直に受け取らせていただきました。
町をひとしきり散策して、家に到着する頃にはもう日が暮れかけていた。
おばあさま達はおじいさま達がリスターの家で待っているからと、私とかーさまを馬車から降ろすと、早々に去って行った。
去り際、おばあさま達は私をギュッと抱き締めると、目に涙を溜めて私を見つめた。
「フローラを母親にしてくれてありがとう。私の孫になってくれてありがとう。」
「あの子達を親に選んでくれてありがとう。これからは、私達もアヤナの家族ですからね。」
2人が乗る馬車を、私は涙で視界が霞み見送れなかった。
かーさまが私を抱き上げ、泣き止むまで背中をトントンしてくれる。
背中の手の温もりがまた心に染みて、暫く涙は止まらなかった。
綺麗でカッコよくて優しい、とっても素敵なとーさまとかーさま。
そんな2人の母親であるおばあさま達も、やっぱり優しくて素敵な人達でした。
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