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ジルは可愛い女の子なんです
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「ジルはどうしてねらわれたの?」
「……わからない。」
私達は今、リスターの所へ戻ってる途中。ジルと手を繋ぎながら歩いていた。
美少女と手を繋げるなんて幸せだよ。
そしてお友達にもなっちゃったんだもんね。
「そっかぁ。きっとジルがかわいいからつれていきたくなっちゃったんだね。きをつけないとだめだよ?」
「可愛いのはアヤナのほうだよ。でも、そうだね。これからは気をつける。」
嬉しそうにニッコリ笑うジルにつられて私も笑った。
何この子。めちゃくちゃ可愛いんですけどー!?
手を繋いでニコニコ笑い合う私達の後ろから、龍斗さんが顔を顰めてついてくる。
「彩菜ー。リスターの前ではその手、離した方がいいからなー。」
「えー?なんで?」
「リスターって誰?」
首を傾げる私にジルが身を寄せて聞いてきたけど、龍斗さんがすかさず私達を引き剥がした。
「はい、離れて~。リスターってのは彩菜と両思いのお相手さ。そりゃあもうラブラブなんだよな。」
「うん!リスターはね、とってもやさしくてカッコイイんだよ!」
「……へぇ。両思い……。」
「そうそう。あぁ、ほら見えてきたぞ。あそこにいるのがリスターだ。ジルの仲間もいるだろ?」
龍斗さんが見つめる方向を見ると、凄い勢いでこっちに向かって来る人がいた。
「ジル様!!よくぞご無事で!!お守り出来ず申し訳ありませんでした!!」
「イナム。心配かけたな。お前も無事で良かった。」
助けた男の人はイナムさんていうんだね。そういえば名前聞くの忘れてたよ。
イナムさんはジルをギュウギュウ抱き締めながら、龍斗さんに何度も何度もお礼を言っていた。
「アヤナ。」
私はビクッとしてリスターを見る。
リスターは微笑んでいた。微笑んでいたけど、目は笑っていない。
これはリスターが怒ってる時の顔だ。
ヤバイ。
私の背中を冷や汗が伝う。
「お帰り。無事にリュートさんと会えて本当に良かった。その子がジルだね?ジルも無事で本当に良かったよ。」
「う、うん。」
私は、イナムさんに抱き締められているジルの横で冷や汗を流しながらビクビクと返事をする。
「色々とツッコミたいところが沢山あるけれど……まず、それいつまで繋いでいるの?いい加減離してくれない?」
リスターが指差すのは私とジルの繋がれた手。
ジルはイナムさんに抱き締められている間も、何故か手を離さなかった。
それどころか、リスターにそれを指摘されると益々繋いでいる手の力を強めた。
さっき攫われたばかりだから、まだ心細いのかな?
そんなジルを見て、リスターは眉を顰める。
「それにジル?君のその格好の理由は聞いてもいいの?確かに見た感じは美少女だけど……君はおと……」
「ジル様は女の子です!隣のビオルスク国から旅行に来た、ただの貴族のご令嬢なんです!!」
リスターの声に被せるようにイナムさんが声を荒げる。
そんなイナムさんを、龍斗さんは鼻で笑った。
「おいおい。この国で嫌ってくらい痛い目見て人間を疑うことしかしてこなかった俺と、彩菜が大好き過ぎるヤバイ奴を甘くみるんじゃねえよ。他の奴らは騙せても、俺達は簡単には騙されないぜ?」
言いながら龍斗さんが鋭くイナムさんを睨むと、イナムさんは固まってしまった。リスターからも微笑みは消えてイナムさんをジッと見つめている。
2人に追い詰められたイナムさんは蛇に睨まれたカエルのようで、なんだかちょっとかわいそう。
「リスター、さっきはいうこときかずにいっちゃってごめんなさい。」
「アヤナ」
私はジルと繋いでいない方の手でリスターの手を掴んで謝った。
リスターは眉尻を下げて私を見ると、掴んだ手を握り返してくれた。
「心配したんだからね。もう僕から離れないで。」
「うん!もうぜったいはなれないから、あんしんしてね!」
リスターが私の頭を撫でながら笑ってくれたから、私も嬉しくてニッコリ笑う。
良かった。もう怒ってないよね?
私が嬉しくてニコニコしている横で、隙をみてリスターがジルと私の繋いでいた手をサッと引き剥がした。
「複雑な理由がありそうだから、ジルのそれについてはこれ以上何も聞かないよ。でも、もうイナムさんと再会出来たんだからアヤナは離して。イナムさん、今度は離れないように、しっかりとジルを捕まえておいてくださいね。」
「は、はい!ありがとうございました!!」
「ほら、アヤナ行くよ。」
私の手を引いて歩き出すリスターについて歩きながら、私は後ろを振り返る。
「ジル、イナムさん、バイバイ。またねー!」
何度も何度も頭を下げて見送るイナムさんと、その場に黙って立ったままのジルに手を振って別れを告げた。
ジル可愛かった~。
また何処かで会えるといいな!
「花祭り、まだ終ってないといいな。」
龍斗さんに言われて、私はハッと重大な事を思い出した。
そうだよ!この為にリスターを怒らせてまで龍斗さんを探しに行ったのに!!
「リスター、りゅうとさん、いそごう!!」
私はキョトンとしているリスターと龍斗さんをグイグイと引っ張って、花祭りの会場へと走り出した。
「……わからない。」
私達は今、リスターの所へ戻ってる途中。ジルと手を繋ぎながら歩いていた。
美少女と手を繋げるなんて幸せだよ。
そしてお友達にもなっちゃったんだもんね。
「そっかぁ。きっとジルがかわいいからつれていきたくなっちゃったんだね。きをつけないとだめだよ?」
「可愛いのはアヤナのほうだよ。でも、そうだね。これからは気をつける。」
嬉しそうにニッコリ笑うジルにつられて私も笑った。
何この子。めちゃくちゃ可愛いんですけどー!?
手を繋いでニコニコ笑い合う私達の後ろから、龍斗さんが顔を顰めてついてくる。
「彩菜ー。リスターの前ではその手、離した方がいいからなー。」
「えー?なんで?」
「リスターって誰?」
首を傾げる私にジルが身を寄せて聞いてきたけど、龍斗さんがすかさず私達を引き剥がした。
「はい、離れて~。リスターってのは彩菜と両思いのお相手さ。そりゃあもうラブラブなんだよな。」
「うん!リスターはね、とってもやさしくてカッコイイんだよ!」
「……へぇ。両思い……。」
「そうそう。あぁ、ほら見えてきたぞ。あそこにいるのがリスターだ。ジルの仲間もいるだろ?」
龍斗さんが見つめる方向を見ると、凄い勢いでこっちに向かって来る人がいた。
「ジル様!!よくぞご無事で!!お守り出来ず申し訳ありませんでした!!」
「イナム。心配かけたな。お前も無事で良かった。」
助けた男の人はイナムさんていうんだね。そういえば名前聞くの忘れてたよ。
イナムさんはジルをギュウギュウ抱き締めながら、龍斗さんに何度も何度もお礼を言っていた。
「アヤナ。」
私はビクッとしてリスターを見る。
リスターは微笑んでいた。微笑んでいたけど、目は笑っていない。
これはリスターが怒ってる時の顔だ。
ヤバイ。
私の背中を冷や汗が伝う。
「お帰り。無事にリュートさんと会えて本当に良かった。その子がジルだね?ジルも無事で本当に良かったよ。」
「う、うん。」
私は、イナムさんに抱き締められているジルの横で冷や汗を流しながらビクビクと返事をする。
「色々とツッコミたいところが沢山あるけれど……まず、それいつまで繋いでいるの?いい加減離してくれない?」
リスターが指差すのは私とジルの繋がれた手。
ジルはイナムさんに抱き締められている間も、何故か手を離さなかった。
それどころか、リスターにそれを指摘されると益々繋いでいる手の力を強めた。
さっき攫われたばかりだから、まだ心細いのかな?
そんなジルを見て、リスターは眉を顰める。
「それにジル?君のその格好の理由は聞いてもいいの?確かに見た感じは美少女だけど……君はおと……」
「ジル様は女の子です!隣のビオルスク国から旅行に来た、ただの貴族のご令嬢なんです!!」
リスターの声に被せるようにイナムさんが声を荒げる。
そんなイナムさんを、龍斗さんは鼻で笑った。
「おいおい。この国で嫌ってくらい痛い目見て人間を疑うことしかしてこなかった俺と、彩菜が大好き過ぎるヤバイ奴を甘くみるんじゃねえよ。他の奴らは騙せても、俺達は簡単には騙されないぜ?」
言いながら龍斗さんが鋭くイナムさんを睨むと、イナムさんは固まってしまった。リスターからも微笑みは消えてイナムさんをジッと見つめている。
2人に追い詰められたイナムさんは蛇に睨まれたカエルのようで、なんだかちょっとかわいそう。
「リスター、さっきはいうこときかずにいっちゃってごめんなさい。」
「アヤナ」
私はジルと繋いでいない方の手でリスターの手を掴んで謝った。
リスターは眉尻を下げて私を見ると、掴んだ手を握り返してくれた。
「心配したんだからね。もう僕から離れないで。」
「うん!もうぜったいはなれないから、あんしんしてね!」
リスターが私の頭を撫でながら笑ってくれたから、私も嬉しくてニッコリ笑う。
良かった。もう怒ってないよね?
私が嬉しくてニコニコしている横で、隙をみてリスターがジルと私の繋いでいた手をサッと引き剥がした。
「複雑な理由がありそうだから、ジルのそれについてはこれ以上何も聞かないよ。でも、もうイナムさんと再会出来たんだからアヤナは離して。イナムさん、今度は離れないように、しっかりとジルを捕まえておいてくださいね。」
「は、はい!ありがとうございました!!」
「ほら、アヤナ行くよ。」
私の手を引いて歩き出すリスターについて歩きながら、私は後ろを振り返る。
「ジル、イナムさん、バイバイ。またねー!」
何度も何度も頭を下げて見送るイナムさんと、その場に黙って立ったままのジルに手を振って別れを告げた。
ジル可愛かった~。
また何処かで会えるといいな!
「花祭り、まだ終ってないといいな。」
龍斗さんに言われて、私はハッと重大な事を思い出した。
そうだよ!この為にリスターを怒らせてまで龍斗さんを探しに行ったのに!!
「リスター、りゅうとさん、いそごう!!」
私はキョトンとしているリスターと龍斗さんをグイグイと引っ張って、花祭りの会場へと走り出した。
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