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犬猿の仲でした
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「え?今日はリスターも一緒に教会へ行くの?」
5回目の授業の日、リスターは朝から家に来ていた。
「うん。叔父上にお願いして今日の訓練はお休みさせてもらったんだ。アヤナがどんな所に行っているか気になって……駄目?」
いつも教会へ行く日は、騎士団の訓練をしているリスターと時間が合わないから会えない。私もリスターと会えなくて寂しいから、一緒に行けるなら大歓迎だよ!
「駄目なんかじゃない!ずっと一緒にいられるなんて嬉しいよー!」
「ふふっ。アヤナ可愛い。今日はよろしくね。」
嬉しくってリスターの腕にしがみ付いた私の頬に、リスターはチュッとキスをする。
私がはしゃいでいる横から、龍斗さんが苦笑しながら身を乗り出してリスターを見た。
「流石に行動が早いな。一昨日お前に報告したばっかりだぜ。昨日のうちに団長とフローラさんの許可も取ったんだろ?」
「早くないですよ。リュートさんがもう少し早く報告してくれていたら、すぐにでもアヤナについて行ったのに。」
「まあそう言うなって。好きの度合いを見極めていたんだよ。友情か恋愛感情かをな。」
睨むリスターから視線を逸らして龍斗さんが頭をぽりぽりと掻く。
そんな龍斗さんをリスターは更に睨んで私を抱き締めた。
「好きの度合いなんて関係ないです。アヤナに関する事ならすぐに報告して下さい。」
「リスターどうしたの?怒ってる?」
なんだか不穏な雰囲気を感じて、私はリスターを抱き締め返しながら見上げる。
龍斗さんを睨んでいたリスターは私を見ると途端に顔を綻ばせて、私の左手にキスを落とした。
「怒ってなんかいないよ。ねえアヤナ。この指輪、ずっと嵌めてくれているよね?」
私の左手薬指に嵌っている指輪をクルクル弄りながら、リスターがコテンと首を傾げる。
花祭りでリスターに貰ったこの指輪は、成長する私の指に合わせてサイズ直しをして、ずっと私の指に嵌っている。
それはリスターも同じで、いつもリスターの薬指はキラキラと輝いていた。
「もちろんだよ!寝る時にだってずっと嵌めてるんだから!」
私がグイッと身を乗り出して言うと、リスターはチュッチュッと唇にキスをしてきて、私の顔は一気に真っ赤になる。
最近のリスターはキス魔になっていて、私はキスされる度にいつもドキドキして顔が赤くなっちゃうから大変だ。
リスターは顔を赤くする私をウットリと見つめながら、私の黒髪を愛しげに優しく梳かす。
「アヤナ、大好きだよ。」
いつものように教会へ行き、リスターと一緒に馬車を降りると、子供達が一斉に騒めいた。
「キャーッ!王子様だ!絵本に出てくる王子様だよ!カッコイイ!!」
「スゲ~。こんな綺麗な男の人、初めて見たぜ。」
そうでしょう、そうでしょう。とっても綺麗でしょう?
こんなに綺麗でカッコ良くて優しいリスターは私の婚約者ですからね?
リスターに手を取られて馬車を降りた私は、顔を上げてテックとパルラに目を向けた。
「テック、パルラ。」
手をヒラヒラと振ると、テックに顔を背けられ、パルラにはチラチラとテックを気にしながら小さく手を振り返された。
ん?どうしたんだろう?
リスターがその様子に眉を顰めるも、すぐに微笑んで私と手を繋ぎ歩き出す。
「はじめまして、リスターです。テックとパルラだよね?いつも話しは聞いているよ。僕のアヤナと仲良くしてくれてありがとう。これからもよろしくね?」
テックとパルラの前まで来ると、リスターはニッコリ笑って2人に挨拶をした。
「僕の……?」
そっぽを向いていたテックが反応してリスターを見る。
2人の目が合った瞬間、バチバチと火花が散った気がして思わず目をゴシゴシ擦り二度見した。
2人はニコニコと微笑み合っている。
なんだ、見間違いかな?良かった。
「あんたのかどうかは分からないけど、アヤナとは仲良くしてるし、言われなくてもこれからもずっと仲良くするつもりだから。」
「…………へえ、そう。でも覚えておいてね。アヤナの婚約者は僕だし、アヤナと結婚するのも僕だから。アヤナは僕のだよ。ねえ、アヤナ?」
「う、うん!」
な、なに?なんなのこの空気!?
気まずいんですけど!?
助けを求めて龍斗さんを見れば、肩を竦めてヤレヤレと苦笑するだけで助けてくれる気は無いようだ。
パルラはテックの態度にオロオロと慌てていて、今にも泣き出しそうな顔をしている。
……なんだ、これ?
出だしからこんな調子で大丈夫!?
5回目の授業の日、リスターは朝から家に来ていた。
「うん。叔父上にお願いして今日の訓練はお休みさせてもらったんだ。アヤナがどんな所に行っているか気になって……駄目?」
いつも教会へ行く日は、騎士団の訓練をしているリスターと時間が合わないから会えない。私もリスターと会えなくて寂しいから、一緒に行けるなら大歓迎だよ!
「駄目なんかじゃない!ずっと一緒にいられるなんて嬉しいよー!」
「ふふっ。アヤナ可愛い。今日はよろしくね。」
嬉しくってリスターの腕にしがみ付いた私の頬に、リスターはチュッとキスをする。
私がはしゃいでいる横から、龍斗さんが苦笑しながら身を乗り出してリスターを見た。
「流石に行動が早いな。一昨日お前に報告したばっかりだぜ。昨日のうちに団長とフローラさんの許可も取ったんだろ?」
「早くないですよ。リュートさんがもう少し早く報告してくれていたら、すぐにでもアヤナについて行ったのに。」
「まあそう言うなって。好きの度合いを見極めていたんだよ。友情か恋愛感情かをな。」
睨むリスターから視線を逸らして龍斗さんが頭をぽりぽりと掻く。
そんな龍斗さんをリスターは更に睨んで私を抱き締めた。
「好きの度合いなんて関係ないです。アヤナに関する事ならすぐに報告して下さい。」
「リスターどうしたの?怒ってる?」
なんだか不穏な雰囲気を感じて、私はリスターを抱き締め返しながら見上げる。
龍斗さんを睨んでいたリスターは私を見ると途端に顔を綻ばせて、私の左手にキスを落とした。
「怒ってなんかいないよ。ねえアヤナ。この指輪、ずっと嵌めてくれているよね?」
私の左手薬指に嵌っている指輪をクルクル弄りながら、リスターがコテンと首を傾げる。
花祭りでリスターに貰ったこの指輪は、成長する私の指に合わせてサイズ直しをして、ずっと私の指に嵌っている。
それはリスターも同じで、いつもリスターの薬指はキラキラと輝いていた。
「もちろんだよ!寝る時にだってずっと嵌めてるんだから!」
私がグイッと身を乗り出して言うと、リスターはチュッチュッと唇にキスをしてきて、私の顔は一気に真っ赤になる。
最近のリスターはキス魔になっていて、私はキスされる度にいつもドキドキして顔が赤くなっちゃうから大変だ。
リスターは顔を赤くする私をウットリと見つめながら、私の黒髪を愛しげに優しく梳かす。
「アヤナ、大好きだよ。」
いつものように教会へ行き、リスターと一緒に馬車を降りると、子供達が一斉に騒めいた。
「キャーッ!王子様だ!絵本に出てくる王子様だよ!カッコイイ!!」
「スゲ~。こんな綺麗な男の人、初めて見たぜ。」
そうでしょう、そうでしょう。とっても綺麗でしょう?
こんなに綺麗でカッコ良くて優しいリスターは私の婚約者ですからね?
リスターに手を取られて馬車を降りた私は、顔を上げてテックとパルラに目を向けた。
「テック、パルラ。」
手をヒラヒラと振ると、テックに顔を背けられ、パルラにはチラチラとテックを気にしながら小さく手を振り返された。
ん?どうしたんだろう?
リスターがその様子に眉を顰めるも、すぐに微笑んで私と手を繋ぎ歩き出す。
「はじめまして、リスターです。テックとパルラだよね?いつも話しは聞いているよ。僕のアヤナと仲良くしてくれてありがとう。これからもよろしくね?」
テックとパルラの前まで来ると、リスターはニッコリ笑って2人に挨拶をした。
「僕の……?」
そっぽを向いていたテックが反応してリスターを見る。
2人の目が合った瞬間、バチバチと火花が散った気がして思わず目をゴシゴシ擦り二度見した。
2人はニコニコと微笑み合っている。
なんだ、見間違いかな?良かった。
「あんたのかどうかは分からないけど、アヤナとは仲良くしてるし、言われなくてもこれからもずっと仲良くするつもりだから。」
「…………へえ、そう。でも覚えておいてね。アヤナの婚約者は僕だし、アヤナと結婚するのも僕だから。アヤナは僕のだよ。ねえ、アヤナ?」
「う、うん!」
な、なに?なんなのこの空気!?
気まずいんですけど!?
助けを求めて龍斗さんを見れば、肩を竦めてヤレヤレと苦笑するだけで助けてくれる気は無いようだ。
パルラはテックの態度にオロオロと慌てていて、今にも泣き出しそうな顔をしている。
……なんだ、これ?
出だしからこんな調子で大丈夫!?
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