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やっぱり親子だね!
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「さあ、サイラス様、ユーカ。行きましょう。」
メイソンさんに促され、お城の入り口へと向かう。
私の「自分で歩く」という申し出はサイラスにキッパリ拒否され、私はサイラスに抱っこされたままだった。
お城の大きな扉に近づくと、扉の前にズラッと人が並んでいるのが見える。
ざっと数えても100人は超えていそうな感じだ。
凄い数の人にビックリしたのと怖いのとで、ギュッとサイラスの首にしがみ付いてしまったけど、サイラスもギュッと抱き締め返してくれたから、少し落ち着くことが出来た。
それでも、こんなに大勢の人達が並んで頭を下げている前を怖がらずに通るのは、さすがに私でも無理で。
サイラスの首にギュッとしがみ付いたまま、その場を通り過ぎたことは許して欲しい。
扉の前に到着すると、ギギギィ……と重量感のある音を響かせてゆっくりと扉が開いた。
視界が広がり、扉のその先に数人の姿が現れる。
その中で、一際存在感を放つ人がいた。
銀色の髪と目を持つその人は、言われなくても誰なのかがすぐに分かるくらい、本当に、とっても似ていて。
ーーこの人がサイラスのお父さん。
一目見て、分かっちゃったよ。
サイラスの20年後も、きっとこんなダンディなカッコいい大人になるんだろうなぁ、と、容易に想像出来ちゃうその人は、こっちを……サイラスを見つめて目を潤ませている。
「…………もっと、こっちへ……」
そう、手を伸ばすお父さんに、サイラスは思い切り警戒して後退りした。
憎しみを露わにした目で睨むサイラスに、お父さんは体を硬直させる。
ある程度の覚悟はしていたみたいだけど、やっと探し出した息子にそんな目を向けられれば、やっぱりショックを隠せないみたいで。
……なんか、サイラスにそっくりな顔でそんな悲しそうな顔をされると、私もなんだか悲しくて、険しい表情になっているサイラスの顔を両手で挟んでムニムニと揉み解した。
「サイラス、顔が怖いよ?私はいつもの優しいサイラスがいいなぁ。」
ムニムニムニ。
「……ユーカ」
「ん~。まだまだ顔が怖いなぁ。もうちょっと揉まないと駄目かなぁ?」
ムニムニムニムニ。
「フフッ。やめてよ。」
「そうそう、それそれ。サイラスの笑った顔が、私は一番大好きなんだもん。」
サイラスの表情が和らいでよかった。
サイラスと笑い合いながらお父さんを見ると、ちょっとホッとした様子で私達を見つめていた。
バチッと、お父さんと目が合い、図らずもジッと見つめ合う感じになってしまった。
不安そうなお父さんに、私は"大丈夫だよ"という気持ちを込めて、ニッコリと微笑む。
お父さんは、一瞬目を見開いたけど、フッと目を細めて微笑み返してくれた。
笑っている顔も、やっぱりそっくりで。
親子揃ってカッコいい。
「……何見つめちゃってるのさ。そんな可愛い顔をしちゃ駄目だって言ったのに。」
ほっぺたを突かれてサイラスの方に向き直させられる。
それでも私がニヤニヤするのを止められないでいると、ムスッとしたサイラスに連続でほっぺたをツンツンとされて、ちょっと痛い。
「だって~。大好きなサイラスの顔がもう1人増えたから嬉しくて~。」
「増えたってなんだよ。っていうか、似てないし。」
サイラスは益々ムスッとして、私のほっぺたをツンツンするのを止めてくれない。
「はぁ!?何言ってるの?サイラスってば、ちゃんと見えてる?目が悪いの?そっくりだよ、そっくり!!ねえ?」
後ろに控えていたメイソンさん、クレイブさん達他3人を、抱っこしてくれているサイラスから身を乗り出して見れば、皆、苦笑しながらも大きく頷いてくれた。
「ほら~!!」
「……………………似てないし。」
「あははっ。素直じゃないなぁ。」
不貞腐れてるサイラスが可愛くて、思わず笑ってしまう。
納得いかないといった様子のサイラスは「笑うな」と、抱っこしてくれている腕に力を込めて私をギュウギュウと締めつけた。
「グェッ……サ、サイラス、苦しい…………。」
「サイラス様!ユーカから変な声が出ています!」
サイラスに潰されてもがく私と、私を助けてくれようとオロオロしている5人と、なんだか意地になって腕の力を緩めてくれないサイラス。
そんなギャアギャアと騒いでいる私達を、出迎えてくれたお城の人達とサイラスのお父さんは、苦笑しながらも、微笑ましそうに見守ってくれていた。
メイソンさんに促され、お城の入り口へと向かう。
私の「自分で歩く」という申し出はサイラスにキッパリ拒否され、私はサイラスに抱っこされたままだった。
お城の大きな扉に近づくと、扉の前にズラッと人が並んでいるのが見える。
ざっと数えても100人は超えていそうな感じだ。
凄い数の人にビックリしたのと怖いのとで、ギュッとサイラスの首にしがみ付いてしまったけど、サイラスもギュッと抱き締め返してくれたから、少し落ち着くことが出来た。
それでも、こんなに大勢の人達が並んで頭を下げている前を怖がらずに通るのは、さすがに私でも無理で。
サイラスの首にギュッとしがみ付いたまま、その場を通り過ぎたことは許して欲しい。
扉の前に到着すると、ギギギィ……と重量感のある音を響かせてゆっくりと扉が開いた。
視界が広がり、扉のその先に数人の姿が現れる。
その中で、一際存在感を放つ人がいた。
銀色の髪と目を持つその人は、言われなくても誰なのかがすぐに分かるくらい、本当に、とっても似ていて。
ーーこの人がサイラスのお父さん。
一目見て、分かっちゃったよ。
サイラスの20年後も、きっとこんなダンディなカッコいい大人になるんだろうなぁ、と、容易に想像出来ちゃうその人は、こっちを……サイラスを見つめて目を潤ませている。
「…………もっと、こっちへ……」
そう、手を伸ばすお父さんに、サイラスは思い切り警戒して後退りした。
憎しみを露わにした目で睨むサイラスに、お父さんは体を硬直させる。
ある程度の覚悟はしていたみたいだけど、やっと探し出した息子にそんな目を向けられれば、やっぱりショックを隠せないみたいで。
……なんか、サイラスにそっくりな顔でそんな悲しそうな顔をされると、私もなんだか悲しくて、険しい表情になっているサイラスの顔を両手で挟んでムニムニと揉み解した。
「サイラス、顔が怖いよ?私はいつもの優しいサイラスがいいなぁ。」
ムニムニムニ。
「……ユーカ」
「ん~。まだまだ顔が怖いなぁ。もうちょっと揉まないと駄目かなぁ?」
ムニムニムニムニ。
「フフッ。やめてよ。」
「そうそう、それそれ。サイラスの笑った顔が、私は一番大好きなんだもん。」
サイラスの表情が和らいでよかった。
サイラスと笑い合いながらお父さんを見ると、ちょっとホッとした様子で私達を見つめていた。
バチッと、お父さんと目が合い、図らずもジッと見つめ合う感じになってしまった。
不安そうなお父さんに、私は"大丈夫だよ"という気持ちを込めて、ニッコリと微笑む。
お父さんは、一瞬目を見開いたけど、フッと目を細めて微笑み返してくれた。
笑っている顔も、やっぱりそっくりで。
親子揃ってカッコいい。
「……何見つめちゃってるのさ。そんな可愛い顔をしちゃ駄目だって言ったのに。」
ほっぺたを突かれてサイラスの方に向き直させられる。
それでも私がニヤニヤするのを止められないでいると、ムスッとしたサイラスに連続でほっぺたをツンツンとされて、ちょっと痛い。
「だって~。大好きなサイラスの顔がもう1人増えたから嬉しくて~。」
「増えたってなんだよ。っていうか、似てないし。」
サイラスは益々ムスッとして、私のほっぺたをツンツンするのを止めてくれない。
「はぁ!?何言ってるの?サイラスってば、ちゃんと見えてる?目が悪いの?そっくりだよ、そっくり!!ねえ?」
後ろに控えていたメイソンさん、クレイブさん達他3人を、抱っこしてくれているサイラスから身を乗り出して見れば、皆、苦笑しながらも大きく頷いてくれた。
「ほら~!!」
「……………………似てないし。」
「あははっ。素直じゃないなぁ。」
不貞腐れてるサイラスが可愛くて、思わず笑ってしまう。
納得いかないといった様子のサイラスは「笑うな」と、抱っこしてくれている腕に力を込めて私をギュウギュウと締めつけた。
「グェッ……サ、サイラス、苦しい…………。」
「サイラス様!ユーカから変な声が出ています!」
サイラスに潰されてもがく私と、私を助けてくれようとオロオロしている5人と、なんだか意地になって腕の力を緩めてくれないサイラス。
そんなギャアギャアと騒いでいる私達を、出迎えてくれたお城の人達とサイラスのお父さんは、苦笑しながらも、微笑ましそうに見守ってくれていた。
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