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まとめて面倒みようじゃないか
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「お前のその魔力はなんだ?どうしてそんな面倒くさい魔力になっているのだ。」
「まあまあ、立ち話もなんですし、あっちの東屋で座って話しましょー。」
マリアとキリナムさんの手を掴んで、薔薇達の中にポツンと建つ白くて可愛らしい東屋に向かって歩き出す。
すぐにキリナムさんには手を振り解かれてしまったけど私は構わずに東屋へ行き、座ったベンチの横をポンポンと叩いてキリナムさんに座れとアピールしてみた。
「エリーヌの横、空いてますよー。」
キリナムさんの凍えるような冷たい目に耐えて、私はニッコリと微笑みながらベンチをポンポンと叩き続ける。
やがて、キリナムさんが渋々私の隣に腰掛けた。
フフン。私の粘り勝ちだね。
「お前は本当に図々しい。」
「エヘヘ。図々しいの上等!!私はこれからも図々しく図太く生きて、この世知辛い世の中を生き抜いてみせるのだ!!」
「子供の言うセリフではないな。」
握り拳を突き上げて声を高々に宣言すれば、キリナムさんはより一層冷ややかに私を見て言った。
「そうだよー。私はね、子供だけど子供じゃないの。」
「……?お前は何を言っている?」
「私ねー、見た目は7歳のいたいけな少女だけど、中身は大人なんだよね。一回死んでるから。」
「…………」
「川で溺れてね、死んじゃったんだ。前世を思い出した時はさすがに混乱したけどね。」
あははと笑う私を、キリナムさんはエメラルド色の綺麗な瞳で凝視する。
「……転生者か。そういう者が稀にいるとは聞いていたが、実際に会ったのはお前が初めてだな。」
「そうかー、キリナムさんみたいなご長寿な人でもお目にかかれない程、転生者ってのはレアな存在なんだねー。あ、私が転生者ってのは家族とマリアと従魔のクロしか知らないから、キリナムさんも他言無用でお願いします。」
私がペコリと頭を下げると、キリナムさんは私、マリア、私の首に巻き付いているクロを順番に見て頷いた。
「それを私に言うということは、転生者なのがお前の魔力と関係しているのだな?」
「うん。話すと長くなるから面倒くさ……複雑だから色々と省略するけど、だいたいそんな感じかな?」
「……今、面倒臭いって言っただろう。」
「うん?気のせい気のせい。それよりさー、リアムパパとキアンさんって本当に似てるよねー!!私、キアンさんに会ってビックリしちゃったもん。マリアもビックリしたよねー?」
私はマリアの顔を覗き込んでマリアに同意を求める。
マリアはチラッとキリナムさんを見ると、すぐに顔を背けて小さく頷いた。
「……そうですね。確かに少し驚きました。」
「でしょでしょー?ってことは、アリアさんにも似てるのかなぁ?兄妹だからやっぱり似てるのかなぁ?どうかなぁ?」
私は今度はキリナムさんの顔を覗き込んで答えを求める。
「…………」
ダンマリですか。そうですか。
「……高祖母は、父が生まれた時にはまだ健在でした。祖父から聞いた話しでは、目に入れても痛くないほどに可愛がっていたそうです。」
この状況を見かねてか、マリアが話し始める。
ーーマリア、あんたは良い子や。
「父を見ている高祖母は、時折寂しそうな……悲しそうな表情でどこかに思いを馳せているようだったと、祖父は言っていました。」
マリアも昔に思いを馳せているのか、そう言いながら目を細めた。
「そっかー、きっとキリナムさんとキアンさんのことを思っていたんだね。」
「……そうだと思います。」
小さく頷くマリアの手を握って、私は黙ったままのキリナムさんを見上げる。
「私ね、前世を思い出した時に思ったのは、まず両親のことだったの。あぁ、私は親より先に死んじゃったんだなって。悲しませてごめんなさい……辛い思いさせてごめんなさい……親不孝でごめんなさいって。きっと、アリアさんもそうだったんじゃないかな。」
「エリーヌ様……。」
「えへへ。経験者は語るってやつ?」
目に涙を溜め、私の手をギュッと握りしめるマリア。
そんなマリアの手を、私もギュッと握り返した。
「…………他言無用と言っている転生者だということを、お前が私に教えたのは……それを私に伝えたかったからか?」
「えー?違うよ?私は自分の魔力の説明をしたかっただけだもん。でもね、親を遺していく気持ちは、きっと……アリアさんも同じだったんじゃないかと思ったの。」
ーー人間に恋をして、寿命が短くなったアリアさん。
私みたいに、突然親より先に死ぬんじゃなくて、アリアさんは分かってた。
キリナムさんよりも、キアンさんよりも、うんと早くに死んじゃうって。
自分で選んだ道だけど、きっと、沢山辛かったはず。悲しかったはず。
「…………私はどうしてもあの子が……アリアが人間を伴侶として選んだのを認めることが出来なかった。けれど……もしあの時、私が結婚を許していたら……アリアは苦しまずに済んだのだろうか……。アリアの子や孫達は苦労せずに済んだのだろうか……。」
「そうだねー。キリナムさんやキアンさんが小妖精を使ってコソコソ様子を見に行かせなくても、アリアさんが子供や孫を連れて会いに来てくれてたかもね。」
ウンウンと頷きながら言う私を、キリナムさんは冷ややかな目で見下ろす。
なんだよ。もうその目には慣れたから怖くないもんね。
「……お前は本当にズケズケと物を言うな。」
「えー?だって本当のことじゃん。でもさ、それを後悔しているなら、これからはマリア達と仲良くすればいいんじゃないの?」
「…………仲良く……。」
「うん。せっかくこうやって初対面出来たわけだし、これを機にもっともっと交流を深めて仲良くなればいいんだよ。」
ジッと私を見つめて話しを聞いていたキリナムさんは、東屋を取り囲むように咲く薔薇に目を移した。
「アリアはそれを許してくれるだろうか……。」
「当たり前だよ!そんなの喜んでくれるに決まってるじゃん!」
しんみりとするキリナムさんの背中をバシバシと叩いてそう言えば、キリナムさんにギロリと睨まれる。
「お前は……何故そんな自信満々に言い切れるのだ。」
「えー?だってマリアのひいひいおばあちゃんだよ?絶対に良い人だもん。マリアの身内に悪い人はいない!!」
私が意気揚々と胸を張って言うと、キリナムさんは目を瞠り、次の瞬間、周りに咲き誇るどの薔薇よりも綺麗な笑顔を見せた。
「おかしな奴だ。……お前のような者がいるのならば、人間もそこまで毛嫌いする生き物ではないのかもしれないな。」
「マリア達家族がいるしね!」
「そうだな。……マリアよ。お前達親子さえ良ければ、いつまででもここに居てくれてかまわないぞ。」
「え!?マリアは私と一緒に帰るでしょ!?」
「たった今、お前が交流を深めろと言ったではないか。」
「いやいや!それは言ったけどさっ!」
マリアと離れ離れになるなんて考えてなかったんだもん!どうしよう!?
オタオタする私を、キリナムさんは面白そうに目を細めて見ている。
「私がエリーヌ様のお側を離れることはありません。キリナム様、いくら可愛いからと言ってエリーヌ様で遊ぶのはやめて下さい。」
「フフッ。可愛くはないが、面白い奴だ。気に入ったぞ。」
「……は?エリーヌ様は世界一可愛いですけど。」
「はいはいっ!マリアも、もうそれいいから。2人とも仲良くねっ!!」
私は慌てて2人の間に割って入る。
キリナムさんの私が可愛くない発言で、またマリアの変なスイッチが入るところだったよ。危ない危ない。
アリアさんにも喜んでもらえるように、これからはみんなで仲良くなっていこうね!
「まあまあ、立ち話もなんですし、あっちの東屋で座って話しましょー。」
マリアとキリナムさんの手を掴んで、薔薇達の中にポツンと建つ白くて可愛らしい東屋に向かって歩き出す。
すぐにキリナムさんには手を振り解かれてしまったけど私は構わずに東屋へ行き、座ったベンチの横をポンポンと叩いてキリナムさんに座れとアピールしてみた。
「エリーヌの横、空いてますよー。」
キリナムさんの凍えるような冷たい目に耐えて、私はニッコリと微笑みながらベンチをポンポンと叩き続ける。
やがて、キリナムさんが渋々私の隣に腰掛けた。
フフン。私の粘り勝ちだね。
「お前は本当に図々しい。」
「エヘヘ。図々しいの上等!!私はこれからも図々しく図太く生きて、この世知辛い世の中を生き抜いてみせるのだ!!」
「子供の言うセリフではないな。」
握り拳を突き上げて声を高々に宣言すれば、キリナムさんはより一層冷ややかに私を見て言った。
「そうだよー。私はね、子供だけど子供じゃないの。」
「……?お前は何を言っている?」
「私ねー、見た目は7歳のいたいけな少女だけど、中身は大人なんだよね。一回死んでるから。」
「…………」
「川で溺れてね、死んじゃったんだ。前世を思い出した時はさすがに混乱したけどね。」
あははと笑う私を、キリナムさんはエメラルド色の綺麗な瞳で凝視する。
「……転生者か。そういう者が稀にいるとは聞いていたが、実際に会ったのはお前が初めてだな。」
「そうかー、キリナムさんみたいなご長寿な人でもお目にかかれない程、転生者ってのはレアな存在なんだねー。あ、私が転生者ってのは家族とマリアと従魔のクロしか知らないから、キリナムさんも他言無用でお願いします。」
私がペコリと頭を下げると、キリナムさんは私、マリア、私の首に巻き付いているクロを順番に見て頷いた。
「それを私に言うということは、転生者なのがお前の魔力と関係しているのだな?」
「うん。話すと長くなるから面倒くさ……複雑だから色々と省略するけど、だいたいそんな感じかな?」
「……今、面倒臭いって言っただろう。」
「うん?気のせい気のせい。それよりさー、リアムパパとキアンさんって本当に似てるよねー!!私、キアンさんに会ってビックリしちゃったもん。マリアもビックリしたよねー?」
私はマリアの顔を覗き込んでマリアに同意を求める。
マリアはチラッとキリナムさんを見ると、すぐに顔を背けて小さく頷いた。
「……そうですね。確かに少し驚きました。」
「でしょでしょー?ってことは、アリアさんにも似てるのかなぁ?兄妹だからやっぱり似てるのかなぁ?どうかなぁ?」
私は今度はキリナムさんの顔を覗き込んで答えを求める。
「…………」
ダンマリですか。そうですか。
「……高祖母は、父が生まれた時にはまだ健在でした。祖父から聞いた話しでは、目に入れても痛くないほどに可愛がっていたそうです。」
この状況を見かねてか、マリアが話し始める。
ーーマリア、あんたは良い子や。
「父を見ている高祖母は、時折寂しそうな……悲しそうな表情でどこかに思いを馳せているようだったと、祖父は言っていました。」
マリアも昔に思いを馳せているのか、そう言いながら目を細めた。
「そっかー、きっとキリナムさんとキアンさんのことを思っていたんだね。」
「……そうだと思います。」
小さく頷くマリアの手を握って、私は黙ったままのキリナムさんを見上げる。
「私ね、前世を思い出した時に思ったのは、まず両親のことだったの。あぁ、私は親より先に死んじゃったんだなって。悲しませてごめんなさい……辛い思いさせてごめんなさい……親不孝でごめんなさいって。きっと、アリアさんもそうだったんじゃないかな。」
「エリーヌ様……。」
「えへへ。経験者は語るってやつ?」
目に涙を溜め、私の手をギュッと握りしめるマリア。
そんなマリアの手を、私もギュッと握り返した。
「…………他言無用と言っている転生者だということを、お前が私に教えたのは……それを私に伝えたかったからか?」
「えー?違うよ?私は自分の魔力の説明をしたかっただけだもん。でもね、親を遺していく気持ちは、きっと……アリアさんも同じだったんじゃないかと思ったの。」
ーー人間に恋をして、寿命が短くなったアリアさん。
私みたいに、突然親より先に死ぬんじゃなくて、アリアさんは分かってた。
キリナムさんよりも、キアンさんよりも、うんと早くに死んじゃうって。
自分で選んだ道だけど、きっと、沢山辛かったはず。悲しかったはず。
「…………私はどうしてもあの子が……アリアが人間を伴侶として選んだのを認めることが出来なかった。けれど……もしあの時、私が結婚を許していたら……アリアは苦しまずに済んだのだろうか……。アリアの子や孫達は苦労せずに済んだのだろうか……。」
「そうだねー。キリナムさんやキアンさんが小妖精を使ってコソコソ様子を見に行かせなくても、アリアさんが子供や孫を連れて会いに来てくれてたかもね。」
ウンウンと頷きながら言う私を、キリナムさんは冷ややかな目で見下ろす。
なんだよ。もうその目には慣れたから怖くないもんね。
「……お前は本当にズケズケと物を言うな。」
「えー?だって本当のことじゃん。でもさ、それを後悔しているなら、これからはマリア達と仲良くすればいいんじゃないの?」
「…………仲良く……。」
「うん。せっかくこうやって初対面出来たわけだし、これを機にもっともっと交流を深めて仲良くなればいいんだよ。」
ジッと私を見つめて話しを聞いていたキリナムさんは、東屋を取り囲むように咲く薔薇に目を移した。
「アリアはそれを許してくれるだろうか……。」
「当たり前だよ!そんなの喜んでくれるに決まってるじゃん!」
しんみりとするキリナムさんの背中をバシバシと叩いてそう言えば、キリナムさんにギロリと睨まれる。
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私が意気揚々と胸を張って言うと、キリナムさんは目を瞠り、次の瞬間、周りに咲き誇るどの薔薇よりも綺麗な笑顔を見せた。
「おかしな奴だ。……お前のような者がいるのならば、人間もそこまで毛嫌いする生き物ではないのかもしれないな。」
「マリア達家族がいるしね!」
「そうだな。……マリアよ。お前達親子さえ良ければ、いつまででもここに居てくれてかまわないぞ。」
「え!?マリアは私と一緒に帰るでしょ!?」
「たった今、お前が交流を深めろと言ったではないか。」
「いやいや!それは言ったけどさっ!」
マリアと離れ離れになるなんて考えてなかったんだもん!どうしよう!?
オタオタする私を、キリナムさんは面白そうに目を細めて見ている。
「私がエリーヌ様のお側を離れることはありません。キリナム様、いくら可愛いからと言ってエリーヌ様で遊ぶのはやめて下さい。」
「フフッ。可愛くはないが、面白い奴だ。気に入ったぞ。」
「……は?エリーヌ様は世界一可愛いですけど。」
「はいはいっ!マリアも、もうそれいいから。2人とも仲良くねっ!!」
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