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第24話 よくわかる遺跡攻略③
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「う、うわぁ……っ!」
「すごい……何よ、これ……。」
二階層に降りた二人の目に飛び込んできたのは、幻想的な風景だった。
床や柱の一部が青白く光っており、遺跡内部をやわらかく照らしているのだ。
その光は呼吸をするように強弱を繰り返し、まるで遺跡全体が生きているような錯覚を感じさせる。
「なかなか綺麗だろう。遺跡の夜空、なんて呼ばれている。」
「遺跡の……」
「夜空……」
エトとリーシャは、見事にこの風景に心を奪われているようだ。
これだけ驚いてくれると、言わなかった甲斐があるというものだ。
「これ……何が光ってるんですか?」
「ああ、これはヒカリゴケっていう、魔力で発光する植物なんだ。」
光っている苔を一つかみ、手に取って見せる。
「へええ、初めてみたわ……」
「あ、なんか小さい光の粒みたいなのが飛んでいきましたよ。」
「そっちはヒカリムシだな。ヒカリゴケを食べてるから、その影響で光ってるんだ。ほら、よく見るとそこら中にいるだろう?」
目が慣れてくると、大きな光の間を小さな光の粒がいくつも行き来して、複雑な線を空中に描く様子が見えてくる。
エトとリーシャは、再び息を飲んだ。
「キュィ~……」
シロもロルフの肩で、溜息のような鳴き声を漏らす。
「ふふ、シロちゃんも、綺麗って思うんだね。」
「コイツに分かるのかしら。まあ……綺麗なのは確かだけどね。」
「キュィ!」
ロルフは微笑んだ。
遊びに来たわけでは無いが、こういった一幕があるというのは、いいものだ。
「ちなみに、このヒカリゴケは自生してるわけじゃなく、冒険者が置いていったものが繁殖したものでな。探索が終わった目印として、進んだ道に置いていくのが通例になっているんだ。これが湿気を吸うとかカビを抑制するとかで、意外と遺跡の保存にも役立つらしく――」
「……なんかロルフが説明すると、神秘性が下がるわね。」
「あはは……べ、勉強にはなるよ?」
「キュ~ィ。」
三人と一匹は、少しの間、その景色を楽しんだ。
+++
「……うん、これで最後みたいね。」
リーシャが杖を降ろしたのを見て、エトも肩の力を緩めた。
「ふぅ、沢山いたねぇ。ちょっと疲れたよ~。」
ロルフの言っていた通り、二階層がメインの巣だったようで、上の階層の三倍ほどの魔物が潜んでいた。
正直、この量は自分一人では、とても捌ききれた気がしない。
リーシャと目を合わせると、彼女は少し意地悪な笑みを見せた。
「やるじゃない、エト。これでちょっと疲れただけなんて。」
「そ、そういう意味じゃないよ~!」
手を振って否定するが、実際のところ、倒した敵の数に見合った疲れは感じていなかった。
考えてみれば、今まで一番体力を使っていたのは、敵にトドメを刺すときだ。
今回はその一切をリーシャがやってくれたわけなので、体力も集中力も温存することができたのだ。
一方で、その余裕もあって、リーシャの方には一匹の魔物も通さないように立ち回ることができた。
もちろん魔法の援護があってのことだが、自分の力が発揮できて、役に立てたという実感がある。
このパーティーでの戦いは、なんだか、とても心地いい。
「二人とも、よくやったな。今回のクエストも見事に達成だ。」
「キューーイ!」
声に目を向けると、ロルフが魔石の詰まった袋を掲げて、こちらに歩いてきていた。
その右肩には、嬉しそうに翼を広げたシロが乗っている。
「えへへ、リーシャちゃんのおかげですよ。」
「な、何言ってるのよ。ほとんどエトの功績でしょ。」
「えーっ! そんなことないよ、リーシャちゃんの魔法だってば!」
「そ……そもそも、私はBランクパーティーだったんだから、これくらい普通なのよ。エトはCランクだったんだから、そっちのほうが凄いの!」
「え、ええー……? そう……なるかなぁ……?」
そんな二人の言い合いに、ロルフがぷっと噴き出した。
「ははは、両方凄いに決まってるだろ。そもそもBランクパーティーでも難しいから、今まで誰も受けなかったんだ。二人とも、もっと自信を持っていいんだぞ。」
「あ……」
その言葉に、じわじわと嬉しさがこみあげてくる。
つい顔がほころんでしまい、なんとなく恥ずかしくて、思わず下を向いた。
横目に見えるリーシャも、同じく俯いているので、きっと同じような気持ちなのだろう。
「キュイキューイ!!」
そんな自分の胸に向かって、シロが飛び込んできた。
「きゃっ、もう、シロちゃん、びっくりするでしょー?」
「はは、やっぱりシロは、エトがいいみたいだな。」
「はあ、エトもロルフも、シロいのを甘やかしすぎ――」
そこで、リーシャは言葉を止めた。
いや、正確には、三人とも言葉を失った。
なぜか突然、シロの体が、白く光り始めたからだ。
「え……?」
「キュ?」
足元の床に描かれていた幾何学的な模様に、青白い光の線が走る。
それは瞬く間に床一面を覆い、更に輝きを増した。
シロの体の光は、それに呼応するように強くなっていき――
「……っ、シロ! エトっ!!」
リーシャが叫びながら、手を伸ばす。
それを取ろうと伸ばしかけた腕が、光の渦に飲み込まれていく。
そして遂には――何も、見えなくなった。
「すごい……何よ、これ……。」
二階層に降りた二人の目に飛び込んできたのは、幻想的な風景だった。
床や柱の一部が青白く光っており、遺跡内部をやわらかく照らしているのだ。
その光は呼吸をするように強弱を繰り返し、まるで遺跡全体が生きているような錯覚を感じさせる。
「なかなか綺麗だろう。遺跡の夜空、なんて呼ばれている。」
「遺跡の……」
「夜空……」
エトとリーシャは、見事にこの風景に心を奪われているようだ。
これだけ驚いてくれると、言わなかった甲斐があるというものだ。
「これ……何が光ってるんですか?」
「ああ、これはヒカリゴケっていう、魔力で発光する植物なんだ。」
光っている苔を一つかみ、手に取って見せる。
「へええ、初めてみたわ……」
「あ、なんか小さい光の粒みたいなのが飛んでいきましたよ。」
「そっちはヒカリムシだな。ヒカリゴケを食べてるから、その影響で光ってるんだ。ほら、よく見るとそこら中にいるだろう?」
目が慣れてくると、大きな光の間を小さな光の粒がいくつも行き来して、複雑な線を空中に描く様子が見えてくる。
エトとリーシャは、再び息を飲んだ。
「キュィ~……」
シロもロルフの肩で、溜息のような鳴き声を漏らす。
「ふふ、シロちゃんも、綺麗って思うんだね。」
「コイツに分かるのかしら。まあ……綺麗なのは確かだけどね。」
「キュィ!」
ロルフは微笑んだ。
遊びに来たわけでは無いが、こういった一幕があるというのは、いいものだ。
「ちなみに、このヒカリゴケは自生してるわけじゃなく、冒険者が置いていったものが繁殖したものでな。探索が終わった目印として、進んだ道に置いていくのが通例になっているんだ。これが湿気を吸うとかカビを抑制するとかで、意外と遺跡の保存にも役立つらしく――」
「……なんかロルフが説明すると、神秘性が下がるわね。」
「あはは……べ、勉強にはなるよ?」
「キュ~ィ。」
三人と一匹は、少しの間、その景色を楽しんだ。
+++
「……うん、これで最後みたいね。」
リーシャが杖を降ろしたのを見て、エトも肩の力を緩めた。
「ふぅ、沢山いたねぇ。ちょっと疲れたよ~。」
ロルフの言っていた通り、二階層がメインの巣だったようで、上の階層の三倍ほどの魔物が潜んでいた。
正直、この量は自分一人では、とても捌ききれた気がしない。
リーシャと目を合わせると、彼女は少し意地悪な笑みを見せた。
「やるじゃない、エト。これでちょっと疲れただけなんて。」
「そ、そういう意味じゃないよ~!」
手を振って否定するが、実際のところ、倒した敵の数に見合った疲れは感じていなかった。
考えてみれば、今まで一番体力を使っていたのは、敵にトドメを刺すときだ。
今回はその一切をリーシャがやってくれたわけなので、体力も集中力も温存することができたのだ。
一方で、その余裕もあって、リーシャの方には一匹の魔物も通さないように立ち回ることができた。
もちろん魔法の援護があってのことだが、自分の力が発揮できて、役に立てたという実感がある。
このパーティーでの戦いは、なんだか、とても心地いい。
「二人とも、よくやったな。今回のクエストも見事に達成だ。」
「キューーイ!」
声に目を向けると、ロルフが魔石の詰まった袋を掲げて、こちらに歩いてきていた。
その右肩には、嬉しそうに翼を広げたシロが乗っている。
「えへへ、リーシャちゃんのおかげですよ。」
「な、何言ってるのよ。ほとんどエトの功績でしょ。」
「えーっ! そんなことないよ、リーシャちゃんの魔法だってば!」
「そ……そもそも、私はBランクパーティーだったんだから、これくらい普通なのよ。エトはCランクだったんだから、そっちのほうが凄いの!」
「え、ええー……? そう……なるかなぁ……?」
そんな二人の言い合いに、ロルフがぷっと噴き出した。
「ははは、両方凄いに決まってるだろ。そもそもBランクパーティーでも難しいから、今まで誰も受けなかったんだ。二人とも、もっと自信を持っていいんだぞ。」
「あ……」
その言葉に、じわじわと嬉しさがこみあげてくる。
つい顔がほころんでしまい、なんとなく恥ずかしくて、思わず下を向いた。
横目に見えるリーシャも、同じく俯いているので、きっと同じような気持ちなのだろう。
「キュイキューイ!!」
そんな自分の胸に向かって、シロが飛び込んできた。
「きゃっ、もう、シロちゃん、びっくりするでしょー?」
「はは、やっぱりシロは、エトがいいみたいだな。」
「はあ、エトもロルフも、シロいのを甘やかしすぎ――」
そこで、リーシャは言葉を止めた。
いや、正確には、三人とも言葉を失った。
なぜか突然、シロの体が、白く光り始めたからだ。
「え……?」
「キュ?」
足元の床に描かれていた幾何学的な模様に、青白い光の線が走る。
それは瞬く間に床一面を覆い、更に輝きを増した。
シロの体の光は、それに呼応するように強くなっていき――
「……っ、シロ! エトっ!!」
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そして遂には――何も、見えなくなった。
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