天気になった少女と、僕の話を端々。

おろしちみ

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Season.01 戒晴

Diary.07 眩暈──Spirit,

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「また会ったな。久し振り、かな? この間会ったのは三日ほど前か。今日はゆっくり話せそうだな」
 これはきっと夢の中だ。見たこともない景色が眼前に広がっているし、この間夢の中で出会った少年みたいな少女もいる。見た目は金髪碧眼の美しい少女だ。「少年みたいな」というのはその口調だ。しかし前よりもちょっとだけ口調が荒くなったような……?
 少女が指差した先には、一軒の喫茶店があった。ポツンとなんたらもビックリのポツンと具合だ。灯りらしきものは灯っている。暑さも寒さもないし疲れもしないが、立ち話でするようなことではないのかもしれない。素直に彼女の提案に従うことにした。
 口調以外はまさに目の覚めるような美少女だ。目は覚めていないじゃないか、という茶々は置いといて、背丈も僕より小さくて小動物みたいだ。口調さえなければなぁと残念がるけれど、それこそギャップというやつなのか。僕はさておき、他の男子たちならば普通に萌えるのかもしれない。
「御免下さい。喫茶店で間違いないですか?」
 まるで童話に出てきそうな丸太を組んだような小屋の中には一人の若い男がいた。こういう店はてっきり老人でもいるのかと思った。
 店の中の灯りは橙色の間接照明と焚き火で成り立っていて、焚き火のパチパチという音から、これは本物だと確信した。男は、
「そうですよ。二名様ですか?」
 男の僕でも惚れてしまいそうなほどの爽やかな営業スマイルだ。身長も高いし、なんでこんなところで喫茶をしているのか分からない。モデルとかしたらすぐに人気出そうなのに。
「はい、ありがとうございます」
 少女が男の質問も聞かないですぐに席に座るから、僕が代わりに応対してあげた。無邪気な子、なのだろうか。
「珈琲でいいか? 飲める?」
 メニュー表はいたってシンプルで、珈琲かカフェオレ。それぞれホットとアイス。少女はうん、と頷いた。
「ホット? アイス?」
「アイス」
「じゃあアイス珈琲二つで」
 注文を受けた男はまた爽やかな笑顔で「かしこまりました」と言った。
 そして。ここからが本題だ。
「まずなんだけど、やっぱり名前は覚えていないか?」
「いいや、覚えてるみたいだ。僕はラルクス。君もきっと覚えてるさ」
 まさかの外国人。夢だからなんでもありだから、普通に容姿が派手な日本人かと思っていた。逆に日本語が達者な外国人の可能性を忘れていた。
 ラルクスに言われた通り、僕は自分のことを覚えていた。
「僕はあおいだよ。空野そらの碧」
 先にラルクス、と名乗ったからにはそう呼んで欲しいのだろう。
「碧について教えて欲しいんだけど、もうそろそろ時間だな。とても残念」
 そろそろ時間。きっと夢が覚めてしまうのだろう。現実に戻ると忘れてしまうが、夢の中ではセーブしたゲームの続きみたいに思い出すことが出来る。珈琲を飲めずに終わってしまうのは残念だけど、またきっと来れるはずだ。そんな淡い期待を抱いた。
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