異世界の神子は、逆ハーを望まない

一花八華

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第1章

26

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「ほら。何やってんの。行くよ。」

無理です。

「約束したでしょ。」

確かにそうだけど・・・・・・無理なんです。

「ちょっと。ミコト・・・・・・買い物行くって言ったでしょ。」

布団にうずくまり、籠城する私。その上から声が落とされる。セシル君だ。今朝の告白を受け、セシル君の顔をまともに見れる自信がない。声を聞くだけで、心臓がバクバクいってるもの。絶対に絶対に顔が真っ赤だ。こんな状態で買い物なんて行けれないって。しかも、セシル君と一緒だなんて・・・・・・無理無理絶対無理!!

「か・・・・買い物には、一人で行くから。」

「何言ってんの。ミコトは、ただでさえ危なっかしいのに・・・・一人でなんて行かせれるわけないでしょ?」

はぁ。っとため息が聞こえる。ううっ確かに私も不安ですよ。一人で買い物。でも、セシル君と二人で買い物に行く気まずさよりは・・・・・・

「る・・・・ルドルフさんと行くから。大丈夫。」

無理を言っちゃうけど、ルドルフさんにお願いしよう。うん。そうしよう。だからセシル君。私の相手はしなくていいよ。

「何それ。・・・・ミコト・・・・僕と行くのがそんなに嫌?」

傷ついたような声色が落ちてくる。

「迷惑っ・・・・だった?僕の気持ち。ミコトの事、好きになったの迷惑?・・・・僕の事・・嫌い?」

震える声に、胸がキュッと締め付けられる。

「ちがっっ。嫌いじゃないよ!迷惑じゃない!ただ、すごく戸惑ってて。どんな顔してセシル君に会えばいいのかわからなくて!」

だから、ごめん少し逃げたかったの!顔を合わせるのが恥ずかしかったから!嫌いだったらこんなに悩んだりしないよ!

ガバッと布団を跳ね除け、慌ててセシル君の顔を見る。傷つけたいわけじゃないの。

・・・・ってアレ?

「やっと顔だした。」

腕を掴まれました。
目の前には、にっこり笑ったセシル君。

「あれ?セシル君?」
「あんたが、僕の事嫌いじゃないのは知ってるよ。こんな簡単な手に引っかかるなんて・・・・・・ほんと馬鹿なんだから。」

ーーーっ!?

「セシル君!騙したの!?私っセシル君を傷つけたと思って!」

心配したのに!

「うん?傷ついたよ?ルドルフと行くっていうから。でもさ、それって・・・・・・」

にっ。と不敵な笑みを浮かべ、セシル君が私に顔を近づける。

「僕と行くのが気まずいからだよね?布団に籠って、顔を隠してたのも・・・・恥ずかしいからだよね?」

「そっ・・・・・・そんな事っっ。」

ばっ・・バレてる!全部バレてる!心の中読まれてるーー!?

「傷ついたけど、嬉しいよ?だって、ミコトが僕の事・・・・意識しちゃってるって事だから。」

ーっっ!!

顔が火照るのがわかる。自分でもわかる。私、今っっすっごいすっごい真っ赤だ。耳まで熱い。

「顔・・・・真っ赤すぎ。ミコト・・・・可愛い。」

ーボフン!

心臓が止まりそう。


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