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第1章
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指先が熱い。顔が熱い。耳も熱い。
繋いだ手のひらが汗ばむ。やだな。緊張で手汗でてる。
セシル君、気持ち悪く思ってないかな。
「あのね。セシル君。手・・・・」
「離さないよ。」
提案する前に、却下された。
「ミコトの手は、離さない。」
街中をセシル君に引っ張られ歩く。結局、あれから二人で服を買いにでた。ルドルフさんは、用事があるみたい。ヴォルフは、今朝出かけたきり姿がない。
「ミコト・・・・・・離したら最後。何処に行くかわからないから。」
「人を落ち着きのない、こどもみたいに・・・・・・」
「少なくとも、僕よりはお子様だよね。」
くすくすと笑われる。うぐっ言い返せないのが悔しいっ。
「セッ・・・・セシル君だってこどもじゃない。」
確か15歳でしょ?いくら魔法が使えるって言っても。未成年じゃない。・・・・いや私もまだ未成年なんだけれど。
「そんなの・・・・あと数ヶ月の間だけど?」
私の言葉に、セシル君は立ち止まりムッとした顔を向けてくる。
「え?」
「もうすぐ、誕生日だし。それが来たら、僕16だからね?こども扱いとか、しないでくれる?すごくムカつく。」
眉間に皺を寄せ、ジト目で睨まれる。
「16でなんで大人なの?大人は20歳になってからじゃ・・・・」
「あぁ・・・・そっか。ミコトの世界と違うんだね。」
「こっちでは、16で大人と看做されるんだよ。お酒は地域によっては、15から飲めるけどね。」
「そうなんだ。」
「僕は、ワインが好きかな・・・・赤が好き。今度一緒に飲む?」
「え?私はまだ・・・・その飲んだ事ないし。」
ワインだなんて・・ハードルが高いよ!そこはビールだよ!むしろ焼酎で!ってこっちに焼酎ってあるのかな?
「へー。なら初めて飲む時は、僕とじゃなきゃダメだよ?」
「うん。わかった。」
「ミコトの初めては、僕が全部欲しいから。」
ぶっ!!またこの子は!なんて台詞をサラッと吐くんだろうか!?まさに小悪魔!ダメよミコト!過剰反応したら、相手の思う壷よ!
「その時は、皆で飲もうね。」
「僕は二人きりがいいんだけど?」
「・・・・なんで?」
「決まってるじゃない。」
セシル君は、握っていた手を引き寄せ私の手の甲にーちゅっと軽く口付けを落とす。
「他の二人に、ミコトの酔った顔なんて見せたくないから。」
上目遣いと不敵な微笑み。
ー肉食!?
これが俗に言う肉食系男子という奴ですか!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
侮っていた。正直セシル君の事をこどもだと思って・・・・・・ダメだ、この子。攻めが凄い!嫌でも意識させられる!私の反応を嬉しそうに見てる。バトルコマンドがあったらアレだよね?
→ガンガンいこうぜ!
を選んでるよね?これ?セシル君!容赦がないよ!容赦無さすぎだよ!私の恋愛レベルは多分3くらいだよ!?超初心者だよ!?恋愛ビギナーなんです。泣きそうです。
「ーごめん。いじめすぎた。」
「へ?」
容量オーバーで、涙目になっている私を見て、セシル君は眉尻を下げた。
「ミコト・・・・こういうの苦手っぽいのに。その。ごめん。ミコトが僕に反応してくれるのが嬉しくて。」
ほんのり頬を染めながら、視線を反らし呟く姿。ふわぁっ!ズルイ!その顔はズルイよ!
「やっぱり、可愛い・・・・・・」
キュンと疼く胸を抑えて呟くと、セシル君がピクリと固まった。
「はぁ?・・・・・・ミコト・・・・今なんて?」
「・・・・セシル君が、可愛いなぁ・・・・って」
うん。このまま女の子の服を着せて連れ回したいくらい可愛い!美少年どころか美少女だよ!やばい!鼻血でるくらいに可愛い!!
「・・・・あんた。また変な事考えてるよね?」
ぴくぴくと頬を引き攣らせなが、セシル君が私に微笑んでくる。アレ・・・・これ怒ってる?
「どうせ碌な事考えてないよね。うん。」
「いやいやいや、絶対似合うって!セシル君可愛いし!女の子の格好してもいけるって!」
慌てて弁解する私。
「ー!!やっぱり碌な事考えてなかった!ミコト!僕は、男だっていってるでしょ!ってか可愛い禁止!絶対絶対言わないで!今度言ったらお仕置きするからね!許さないから!ミコトにだけは、可愛いとか言われたくない!」
顔を真っ赤にして、物凄い剣幕で叱られてしまった。だって仕方ないじゃない。可愛いモノは可愛いんだもの。
「あーもーいい!あと数ヶ月すれば、僕だって大人になるし!そうなればミコトだってそんな馬鹿な事考えなくなる筈だからね!」
ぷりぷり怒りながら、私の手を掴みズンズン歩くセシル君。
大人になっても、セシル君の可愛さはきっと変わらない気がするなー。だって、キミの可愛さって外見だけじゃないもの。
始めは手負いの猫みたいにシャーって必死に威嚇してきてたよね。私の事、良く思っていなかった筈なのに、心配してくれたり、世話を焼いてくれたり。
ツーンと澄ましてたかと思ったら、いつの間にか側にいて、悪態ついて意地悪してきて。そのくせ優しくて。素直じゃないけど素直だし。
ため息零しながら、ずっと私に合わせてくれてる。
いい子だよね。うん。セシル君といるとほんわかする。心がぽかぽかする。
私、嬉しいんだ。セシル君に好きと言われて嬉しく思ってる。
なんて、嫌な女なんだろう。
二人の間で揺れてる。不誠実。
ほんとに嫌な女。
わかっているのに揺れる心。
自分の気持ちが整理できない。
こんな気持ち初めてだよ。
繋いだ手のひらが汗ばむ。やだな。緊張で手汗でてる。
セシル君、気持ち悪く思ってないかな。
「あのね。セシル君。手・・・・」
「離さないよ。」
提案する前に、却下された。
「ミコトの手は、離さない。」
街中をセシル君に引っ張られ歩く。結局、あれから二人で服を買いにでた。ルドルフさんは、用事があるみたい。ヴォルフは、今朝出かけたきり姿がない。
「ミコト・・・・・・離したら最後。何処に行くかわからないから。」
「人を落ち着きのない、こどもみたいに・・・・・・」
「少なくとも、僕よりはお子様だよね。」
くすくすと笑われる。うぐっ言い返せないのが悔しいっ。
「セッ・・・・セシル君だってこどもじゃない。」
確か15歳でしょ?いくら魔法が使えるって言っても。未成年じゃない。・・・・いや私もまだ未成年なんだけれど。
「そんなの・・・・あと数ヶ月の間だけど?」
私の言葉に、セシル君は立ち止まりムッとした顔を向けてくる。
「え?」
「もうすぐ、誕生日だし。それが来たら、僕16だからね?こども扱いとか、しないでくれる?すごくムカつく。」
眉間に皺を寄せ、ジト目で睨まれる。
「16でなんで大人なの?大人は20歳になってからじゃ・・・・」
「あぁ・・・・そっか。ミコトの世界と違うんだね。」
「こっちでは、16で大人と看做されるんだよ。お酒は地域によっては、15から飲めるけどね。」
「そうなんだ。」
「僕は、ワインが好きかな・・・・赤が好き。今度一緒に飲む?」
「え?私はまだ・・・・その飲んだ事ないし。」
ワインだなんて・・ハードルが高いよ!そこはビールだよ!むしろ焼酎で!ってこっちに焼酎ってあるのかな?
「へー。なら初めて飲む時は、僕とじゃなきゃダメだよ?」
「うん。わかった。」
「ミコトの初めては、僕が全部欲しいから。」
ぶっ!!またこの子は!なんて台詞をサラッと吐くんだろうか!?まさに小悪魔!ダメよミコト!過剰反応したら、相手の思う壷よ!
「その時は、皆で飲もうね。」
「僕は二人きりがいいんだけど?」
「・・・・なんで?」
「決まってるじゃない。」
セシル君は、握っていた手を引き寄せ私の手の甲にーちゅっと軽く口付けを落とす。
「他の二人に、ミコトの酔った顔なんて見せたくないから。」
上目遣いと不敵な微笑み。
ー肉食!?
これが俗に言う肉食系男子という奴ですか!?
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侮っていた。正直セシル君の事をこどもだと思って・・・・・・ダメだ、この子。攻めが凄い!嫌でも意識させられる!私の反応を嬉しそうに見てる。バトルコマンドがあったらアレだよね?
→ガンガンいこうぜ!
を選んでるよね?これ?セシル君!容赦がないよ!容赦無さすぎだよ!私の恋愛レベルは多分3くらいだよ!?超初心者だよ!?恋愛ビギナーなんです。泣きそうです。
「ーごめん。いじめすぎた。」
「へ?」
容量オーバーで、涙目になっている私を見て、セシル君は眉尻を下げた。
「ミコト・・・・こういうの苦手っぽいのに。その。ごめん。ミコトが僕に反応してくれるのが嬉しくて。」
ほんのり頬を染めながら、視線を反らし呟く姿。ふわぁっ!ズルイ!その顔はズルイよ!
「やっぱり、可愛い・・・・・・」
キュンと疼く胸を抑えて呟くと、セシル君がピクリと固まった。
「はぁ?・・・・・・ミコト・・・・今なんて?」
「・・・・セシル君が、可愛いなぁ・・・・って」
うん。このまま女の子の服を着せて連れ回したいくらい可愛い!美少年どころか美少女だよ!やばい!鼻血でるくらいに可愛い!!
「・・・・あんた。また変な事考えてるよね?」
ぴくぴくと頬を引き攣らせなが、セシル君が私に微笑んでくる。アレ・・・・これ怒ってる?
「どうせ碌な事考えてないよね。うん。」
「いやいやいや、絶対似合うって!セシル君可愛いし!女の子の格好してもいけるって!」
慌てて弁解する私。
「ー!!やっぱり碌な事考えてなかった!ミコト!僕は、男だっていってるでしょ!ってか可愛い禁止!絶対絶対言わないで!今度言ったらお仕置きするからね!許さないから!ミコトにだけは、可愛いとか言われたくない!」
顔を真っ赤にして、物凄い剣幕で叱られてしまった。だって仕方ないじゃない。可愛いモノは可愛いんだもの。
「あーもーいい!あと数ヶ月すれば、僕だって大人になるし!そうなればミコトだってそんな馬鹿な事考えなくなる筈だからね!」
ぷりぷり怒りながら、私の手を掴みズンズン歩くセシル君。
大人になっても、セシル君の可愛さはきっと変わらない気がするなー。だって、キミの可愛さって外見だけじゃないもの。
始めは手負いの猫みたいにシャーって必死に威嚇してきてたよね。私の事、良く思っていなかった筈なのに、心配してくれたり、世話を焼いてくれたり。
ツーンと澄ましてたかと思ったら、いつの間にか側にいて、悪態ついて意地悪してきて。そのくせ優しくて。素直じゃないけど素直だし。
ため息零しながら、ずっと私に合わせてくれてる。
いい子だよね。うん。セシル君といるとほんわかする。心がぽかぽかする。
私、嬉しいんだ。セシル君に好きと言われて嬉しく思ってる。
なんて、嫌な女なんだろう。
二人の間で揺れてる。不誠実。
ほんとに嫌な女。
わかっているのに揺れる心。
自分の気持ちが整理できない。
こんな気持ち初めてだよ。
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