輝け五つ星ーぼくらの川下り大作戦ー

ひとりさんぽ(一人三歩)

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第2章:手づくりの夢に乗って(テーマ:目標の共有と一致団結)

「ポスターに映った舟の夢」

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 「ごちそーさまでした~!」

 チューペットの棒を握りしめたまま、アカネがベンチから立ちあがる。
 
 ぼくらもそれにつづいて、のびをしたり、ほっぺたをさすったり。

 「冷たかった~……でも、外に出たらまた暑いんだろうなぁ……」

 ヒナちゃんが顔をしかめながらうちわをあおぐ。

 そのとき、アカネがふと店の入口の掲示板を見て、ピタッと動きを止めた。

 「……ん? これ……なに?」

 アカネが指さした先には、あざやかな青いポスターが貼ってあった。
 
 そこには大きくこう書かれていた。
 

 『第一回 手づくり舟で川下りレース大会!』
 ~夏の川を駆けろ!優勝チームには町長特製“ひみつの賞品”あり!?~

 
 「え……手づくりの舟……? 川下り……?」

 ぼくがつぶやくと、アカネの目がキラーンと光った。

 「これ、出ようよ!! ねぇ、みんなで!」

 「えっ!? い、いきなり!?」

 ショウが驚いてポスターに顔を近づける。

 「でもさ……これ、大人も出るって書いてあるよ。しかも“安全対策をしっかりしてください”って……」

 「たしかに、舟って作れるのかな……?」

 ヒナちゃんが少し不安そうな声で言った。

 「うちの人たちも忙しいし……材料もむずかしそうだし……」

 ぼくはしばらく考えたあと、口をひらいた。

 「……ぼくの父さんが言ってた。“できるかどうかより、まずやってみることが大事だ”って」

 3人が、ぼくの方を見た。

 「だから、できるかどうかより、やってみようよ。やってみて、うまくいかなかったらその時考えればいいじゃん!」

 「ハルくん……」

 ヒナちゃんが小さく笑った。

 「じゃあ、やってみる!? やってみよっか!」

 アカネが両手をぐっと握る。

 「うん! やろう!」

 「じゃあ、まずはどんな舟にするか考えなきゃ!」

 そのままぼくらは、店の外の地面にしゃがみこんで、ポケットから紙とえんぴつを取り出した。

 「こんな感じとかどう? 魚みたいな舟!」

 アカネが絵を描きながら言う。

 「それは……速そうだけど、尾びれっているの?……」

 ショウがマジメにツッコむ。

 「ぼく、空飛ぶ舟とかがいいな! 羽がついててさ!」

 「それ、もう舟じゃない!」

 「じゃあ、亀型は? かわいいし!」

 「それ、スピードでないよ~!」

 みんなそれぞれ好き勝手なことを言いながら、紙いっぱいに舟の絵を描いていった。

 色鉛筆で色を塗ったり、設計図を描いたり。

 ノートじゃ足りなくて地面にもいっぱい描いた。
 
 気がつくと、雑貨屋の前は、舟の落書きでにぎやかな“造船所”になっていた。

 「よし、これは“本気でやる”ってことで、明日から本格作戦開始だね!」

 「うんっ!」

 「ヒナちゃん、だいじょうぶ?」

 「……うん、ワタシも……やってみたい!」

 その答えを聞いて、ぼくはなんだか胸がポカポカしてきた。

 舟の形も、材料も、なにも決まってない。
 
 でも、いちばん大事な「気持ち」は、もうそろってる気がした。
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