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第2章:手づくりの夢に乗って(テーマ:目標の共有と一致団結)
「ぼくらの手作り計画、始動!」
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次の日の午後、ぼくらはまた公園に集まっていた。
風はまだあつかったけど、日かげは少しやさしい。
「見て、これ!」
ショウが取り出したのは、自作の“舟研究ノート”。
表紙には《浮力と舟のひみつ》と書いてあって、中には手書きの図や計算、そして「浮かぶためのコツ」がびっしりと書きこまれていた。
「おおお~~っ! なにこれ、ガチじゃん!」
「お父さんに聞いたこととか、本で読んだことをまとめてみたんだ」
ショウはちょっと照れながらページをめくった。
「たとえば、底をまっすぐにすると安定するんだけど、スピードは出にくい。逆に、先を細くすれば水を切りやすいから、速く進めるけどバランスはちょっと悪くなるんだって」
「うおお~……もう、先生じゃん……」
アカネが感心して、ノートをのぞきこむ。
「でも、ボクも描いてきたよ。デザイン!」
ぼくは少しドキドキしながら、折りたたんだスケッチブックを開いた。
「ほら、こんな感じの舟。先をちょっとだけ丸くして、後ろは広めにして……」
「わあ、かっこいい! この、キラキラってしてるのはなに?」
ヒナちゃんが指をさしてきいた。
「これは……金ピカのステッカーとか貼れたらいいなって……ほら、見た目もだいじかなって」
「すてき!」
ヒナちゃんがほんわか笑った。
(よ、よかった……)
「じゃあさ、名前決めようよ!」
アカネが声をあげる。
「舟の名前?」
「いや、チーム名! だって出場するからには、名前がいるじゃん!」
「う~ん……」
しばらくみんなで考えたけど、なかなか決まらない。
「……キラキラスターズは?」
「え、いきなり!? なんで?」
ショウが目を丸くする。
「だってさ! キラキラ川の“キラキラ”って、星みたいじゃん? わたしたち、あの川を星のようにかがやいて走るの! ってカンジで!」
「……いいかも」
「うん、かわいい!」
「じゃあ、キラキラスターズで決定!」
アカネが勝手に締めたけど、誰も文句は言わなかった。
なんだかしっくりきたんだ。
そのとき、公園の横の庭で草むしりをしていたおじいさんが、こっちに顔を向けた。
「舟つくるのかい?」
「はいっ! 手づくりのレースに出るんです!」
「ほほぉ……昔はなぁ、板舟ってのがあってな。板をT字に組んで、下に浮き材をつけて、縄でしめてな」
「う、浮き材ってなんですか?」
「浮くためのものさ。たとえば竹とか、ペットボトルでもいい。空気が入ってるもんは、だいたい浮く。大事なのは、左右のバランスじゃ」
「し、資料にしたい……!」
ショウがすぐさまノートを取り出し、メモしはじめた。
「ふふ、がんばれよ。けがすんなよ~」
「はいっ! ありがとうございます!」
こうして、ぼくら「キラキラスターズ」の舟計画は、本格的にはじまった。
あとは、行動あるのみ!
それからも色々話し合いは続いたけど夕方になったのでその日は解散になった。
家に帰ると台所からは、みそしるのいい匂い。
母さんが鍋のフタをあけながら「おかえり~」と声をかけてくれる。
「今日のごはん、ぼくの好きなやつ?」
「どうでしょうね~?」
そんなやりとりをしながら、ぼくは廊下をぬけてリビングへ。
そこには、新聞を読みながら麦茶を飲んでいた父さんがいた。
「父さん」
「ん?」
「ぼくら、川下りレースに出ることにしたよ。手づくりの舟で」
「ほう、いいじゃないか。カッコいいな」
父さんが新聞をたたんで、にっこり笑った。
「材料とか、これから集めるんだ。でね、みんなで“キラキラスターズ”ってチーム名つけたんだよ」
「……お星さまみたいでいい名前だな」
ぼくも照れくさく笑う。
「もしさ、手伝ってほしい時は言っていい? あの……たとえば釘の打ち方とか」
「おう、任せとけ。じゃあ、今度の日曜に一緒に練習するか」
「ほんと? やった!」
父さんとハイタッチをした。
なんだか、すごくうれしかった。
夜、ベッドの中。
布団をかぶって、こっそりゲーム機を取り出して、明かりがもれないようにプレイする……のも最初だけ。
あっという間に、暑さでぐったり。
「……あっつ~……やめた」
ぼくはゲームを枕元にポイッと置いて、天井を見た。
夏の夜。
窓の外では、どこかの家の風鈴がチリンと鳴っている。
「この夏、やっぱり何かが起こる気がする」
誰に聞かせるでもなく、ぼくはポツリとつぶやいた。
「ハルー?まだおきてるの?」
下からお母さんの声かする。
「やべっ!」
すぐに寝ることにした。
次の日の朝。
ラジオ体操のあと、いつもの川べりに、またぼくら4人が集まった。
朝の光が水に反射して、キラキラ川の名のとおり、あたりはいちめんの輝きに包まれていた。
アカネが手を腰に当てて、きっぱり言う。
「よーし、じゃあ今日から“本気モード”ってことで!」
「おーっ!!」
ショウがめずらしく大きな声を出してこたえる。
「うん、がんばろう!」
ヒナちゃんも、まぶしい笑顔を見せた。
「この夏は……はじまったばっかりだ!」
ぼくも、両手を広げて言った。
“キラキラスターズ”、しゅつどう!
風はまだあつかったけど、日かげは少しやさしい。
「見て、これ!」
ショウが取り出したのは、自作の“舟研究ノート”。
表紙には《浮力と舟のひみつ》と書いてあって、中には手書きの図や計算、そして「浮かぶためのコツ」がびっしりと書きこまれていた。
「おおお~~っ! なにこれ、ガチじゃん!」
「お父さんに聞いたこととか、本で読んだことをまとめてみたんだ」
ショウはちょっと照れながらページをめくった。
「たとえば、底をまっすぐにすると安定するんだけど、スピードは出にくい。逆に、先を細くすれば水を切りやすいから、速く進めるけどバランスはちょっと悪くなるんだって」
「うおお~……もう、先生じゃん……」
アカネが感心して、ノートをのぞきこむ。
「でも、ボクも描いてきたよ。デザイン!」
ぼくは少しドキドキしながら、折りたたんだスケッチブックを開いた。
「ほら、こんな感じの舟。先をちょっとだけ丸くして、後ろは広めにして……」
「わあ、かっこいい! この、キラキラってしてるのはなに?」
ヒナちゃんが指をさしてきいた。
「これは……金ピカのステッカーとか貼れたらいいなって……ほら、見た目もだいじかなって」
「すてき!」
ヒナちゃんがほんわか笑った。
(よ、よかった……)
「じゃあさ、名前決めようよ!」
アカネが声をあげる。
「舟の名前?」
「いや、チーム名! だって出場するからには、名前がいるじゃん!」
「う~ん……」
しばらくみんなで考えたけど、なかなか決まらない。
「……キラキラスターズは?」
「え、いきなり!? なんで?」
ショウが目を丸くする。
「だってさ! キラキラ川の“キラキラ”って、星みたいじゃん? わたしたち、あの川を星のようにかがやいて走るの! ってカンジで!」
「……いいかも」
「うん、かわいい!」
「じゃあ、キラキラスターズで決定!」
アカネが勝手に締めたけど、誰も文句は言わなかった。
なんだかしっくりきたんだ。
そのとき、公園の横の庭で草むしりをしていたおじいさんが、こっちに顔を向けた。
「舟つくるのかい?」
「はいっ! 手づくりのレースに出るんです!」
「ほほぉ……昔はなぁ、板舟ってのがあってな。板をT字に組んで、下に浮き材をつけて、縄でしめてな」
「う、浮き材ってなんですか?」
「浮くためのものさ。たとえば竹とか、ペットボトルでもいい。空気が入ってるもんは、だいたい浮く。大事なのは、左右のバランスじゃ」
「し、資料にしたい……!」
ショウがすぐさまノートを取り出し、メモしはじめた。
「ふふ、がんばれよ。けがすんなよ~」
「はいっ! ありがとうございます!」
こうして、ぼくら「キラキラスターズ」の舟計画は、本格的にはじまった。
あとは、行動あるのみ!
それからも色々話し合いは続いたけど夕方になったのでその日は解散になった。
家に帰ると台所からは、みそしるのいい匂い。
母さんが鍋のフタをあけながら「おかえり~」と声をかけてくれる。
「今日のごはん、ぼくの好きなやつ?」
「どうでしょうね~?」
そんなやりとりをしながら、ぼくは廊下をぬけてリビングへ。
そこには、新聞を読みながら麦茶を飲んでいた父さんがいた。
「父さん」
「ん?」
「ぼくら、川下りレースに出ることにしたよ。手づくりの舟で」
「ほう、いいじゃないか。カッコいいな」
父さんが新聞をたたんで、にっこり笑った。
「材料とか、これから集めるんだ。でね、みんなで“キラキラスターズ”ってチーム名つけたんだよ」
「……お星さまみたいでいい名前だな」
ぼくも照れくさく笑う。
「もしさ、手伝ってほしい時は言っていい? あの……たとえば釘の打ち方とか」
「おう、任せとけ。じゃあ、今度の日曜に一緒に練習するか」
「ほんと? やった!」
父さんとハイタッチをした。
なんだか、すごくうれしかった。
夜、ベッドの中。
布団をかぶって、こっそりゲーム機を取り出して、明かりがもれないようにプレイする……のも最初だけ。
あっという間に、暑さでぐったり。
「……あっつ~……やめた」
ぼくはゲームを枕元にポイッと置いて、天井を見た。
夏の夜。
窓の外では、どこかの家の風鈴がチリンと鳴っている。
「この夏、やっぱり何かが起こる気がする」
誰に聞かせるでもなく、ぼくはポツリとつぶやいた。
「ハルー?まだおきてるの?」
下からお母さんの声かする。
「やべっ!」
すぐに寝ることにした。
次の日の朝。
ラジオ体操のあと、いつもの川べりに、またぼくら4人が集まった。
朝の光が水に反射して、キラキラ川の名のとおり、あたりはいちめんの輝きに包まれていた。
アカネが手を腰に当てて、きっぱり言う。
「よーし、じゃあ今日から“本気モード”ってことで!」
「おーっ!!」
ショウがめずらしく大きな声を出してこたえる。
「うん、がんばろう!」
ヒナちゃんも、まぶしい笑顔を見せた。
「この夏は……はじまったばっかりだ!」
ぼくも、両手を広げて言った。
“キラキラスターズ”、しゅつどう!
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