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六、猫又もメザシ食ったら礼をいう 二
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銅吉は、背も高く目鼻だちも整ってはいるのだが、三槌屋の貫禄にはいつも圧倒されてしまう。もっとも、その何割かには、寺を出てからずっと世話になっているという負い目がかかわっていた。
「そこからどう話をつなげるのです」
三槌屋は、常に丁重な言葉遣いだった。
「えー、その……平家の落ち武者の亡霊が猫又に小判を出して、その金で自分を蘇らせて欲しいと頼むのですが、猫又には値打ちがわからずもてあそんでいる内に亡霊がかんしゃくを起こす、と……」
太助との話で出した、源頼朝への仇討ちは没にした。それより、猫又を混ぜた方が面白そうだ。などと表現すると、いかにも熟慮を重ねたように感じられる。実際には、思いつきを通りこしてやけくそに近い。何しろ、さっき歩きながらまとめたばかりなのだ。
「猫に小判をもじった洒落ですか」
分厚い顎の下をさすり、重々しく三槌屋は質した。
「そうです」
ここで片頬だけでも三槌屋が笑ってくれれば、銅吉としても話を進めやすいのだが、無理な相談というものだ。
「で、かんしゃくを起こしてからどうなるんです」
「そこへ、ふだんから亡霊の噂を聞いていた和尚様がやってきて、お経を唱えます。でも、和尚様はふだん酒色にふけってばかりいたので、途中でお経を忘れて」
「忘れて」
ぐぐっと三槌屋が上半身を乗りだし、ようやく当たりくじを引けたと感じた。
「途中から阿呆陀羅経になって、猫又がゲラゲラ笑いだして、笑った弾みでそれまでもてあそんでいた小判が転がって、和尚様が慌ててそれを拾います」
「ほほう」
「亡霊が激昂し、和尚様を生きたままあの世に連れていきます。そして、和尚様は気がつくと壇之浦で入水寸前の建礼門院になっていて、源義経に降参して新しい人生を歩み、和尚だった時分の知識を活かして義経が殺されずにすむよう活躍する、と。猫又は和尚様改め建礼門院の相棒という役回りです」
「ふむう」
「題して、『生臭坊主一両之欲転生門院』です」
「なるほど」
深々と三槌屋はうなずいた。羽織りまで重々しく折れまがりそうだ。これで結論がついたといいたいが、言質をとってない。はっきりと、その方向で書いてよいとされなければ帰られない。
「そういえば、最近になって墓場の噂を耳にしましたね」
銅吉が別れの挨拶を切りだそうとした直前、三槌屋は太助と似たようなことを話しだした。
「まさか、関ヶ原の亡霊がどうとか……」
「はい、そうです。銅吉さんもご存知でしたか」
「お恥ずかしいことに、今回の作品はそこから着想を得ました」
まさか、猫又が現れて自分を銭霊憑きだと断定したとは口が裂けても明かせない。
「だろうと思いました。さすがは銅吉さん、お耳が早い」
「お、恐れいります」
本来、銅吉は町人ですらない。町人とは、最低限、自分の家なり土地なりを持っていなければ、公儀からそれと認められない。
そんな銅吉を、さんづけまでして敬意を払うのは、銅吉本人からしても落ちつかなかった。まして三槌屋は最末端といえども町役人である。
「悪くない入口です」
「では、この要領で……」
銅吉は腰を浮かせかけた。
「まあまあ、そう慌てずに」
三槌屋は、パンパンと手を叩いた。
「はい」
と、襖を開けた奉公人に、銅吉は図らずも両足の指が突っぱった。おたみだ。少し陰のある横顔といい頬の色艶といい。その道の達人なら放っておかない、さざ波めいた魅力が彼女にはあった。
おたみには、かつて根付を作る職人の夫がいた。十年以上前に、日本橋を焼いた大火事に巻きこまれて亡くなった。二人の間に子はおらず、三槌屋が自分の店で働くよう計らったものである。
「お茶を持ってきなさい」
「かしこまりました」
一礼して、おたみは襖を閉めた。
「私はね、最近の銅吉さんには刺激が必要なんじゃないかと心配していたんですよ」
「ご心配を」
何を隠そう、おたみとは会う度にある種の刺激を受けている。
「そうですとも。もちろん、これまでの作品については賞賛を惜しみません。たとえば『打消婚約座間色見超男』は、主として女子の読者に大当たりを取りました」
この作品の時代背景も、やはり鎌倉にしてある。武家社会の発端ということで、逆にいえば平安貴族の雰囲気も多少は残すことができる。すなわち両方のいいとこどりができる。新作が壇之浦云々で始まるのも、一つにはそうした観点があった。
「ありがとうございます」
「でも、同工異曲の有象無象がいささか増えてきたのも事実です」
三槌屋は、誉めたあと釘を刺すことが再々あった。
「おっしゃる通りかと」
銅吉の作品は、『解消物』という一つの分野を作りつつあった。婚約を解消されて不幸な目にあった子女が、かえってそれをバネに立身したり、より実り豊かな結婚を遂げたりするという筋だてである。
一作受ければ、我も我もと時流を意識した作品が増えるのは世の常だ。しかし、先陣を切った銅吉は、常に解消物なら解消物の世界における斬新さを読者から要求された。
「この度の提案は、生臭坊主が建礼門院になるという、いわば男女が逆になる着想がとにかく秀逸です」
「身に余るお言葉でございます」
銅吉とて、誉められれば素直に嬉しい。
「山東京伝を抱えた蔦屋さんは、今や日の出の勢いです。我々もうかうかしてはいられません」
我々という言葉が、やけに強調されて聞こえた。
「まさにその通りでございます」
銅吉も、無難に調子をあわせた。
「落ち武者と聞いて、落ち武者のことにだけ頭を悩ませても、思うようにまとまらないことがあります。そういうときは、異なる角度から見直すのも大事ですよ」
「またとないご助言、ありがとうございます」
三槌屋は、彼なりに銅吉へ手を差しのべたのだろう。銅吉自身、はっと気づかされるところがあったので、心から感謝して頭を下げた。
同時に、奇妙な影が床に投げかけられていると気づいた。三槌屋から伸びている。彼自身の様子には、何の変化もなかった。
影には見覚えがあった。おみなの背中に貼りついていた奴だ。しかし、天井から銭が落ちてきたりはしない。ということは、関係ない。強いて自分にそういいきかせた。
「失礼致します。お茶をお持ちしました」
おたみが襖ごしに声をかけると、影は消えた。銅吉は、ここでようやく頭を上げた。
「はい、ここへ」
襖が開き、おたみが盆に乗せた湯のみを運んだ。
三槌屋と自分の前に湯のみを置くとき、うなじを飾る髪の中に、幾筋かの白髪があるのを銅吉は見つけた。女子としても小柄で痩せたおたみは、少しずつ老いの影をその身に点描させつつある。にもかかわらず、銅吉は、彼女の立居振舞にも表情にも、若者にはない美しさを感じていた。
裏長屋の女性といえば、おみなもいる。おみなは、銭さえかければ華々しい美しさが満開となる。対して、おたみは銭とは無関係に少しずつ枯れていく過程そのものが極上である。戯作者として、銅吉は二人の違いをそう捉えていた。
おたみが去ってから、三槌屋は茶を一口飲み、満足げにしばらく目を閉じた。
「銅吉さんもどうぞ」
「い、頂きます」
影について聞くのは愚の骨頂。さりとて気にしない方がおかしい。
それはそれとして、ふだんは水ばかり飲み、まれに酒を飲むような生活である。煙たい席とはいえ、茶を味わえる機会などめったにない。菓子まではないが、さすがに当たり前だろう。
「大変美味しゅうございます」
どのみち、影が自分に危害を加えたのではない。だから、銅吉は茶についてだけ本音を口にした。
「それは何より」
三槌屋は、またしても重々しくうなずいた。こうして、打ちあわせは終わった。
「そこからどう話をつなげるのです」
三槌屋は、常に丁重な言葉遣いだった。
「えー、その……平家の落ち武者の亡霊が猫又に小判を出して、その金で自分を蘇らせて欲しいと頼むのですが、猫又には値打ちがわからずもてあそんでいる内に亡霊がかんしゃくを起こす、と……」
太助との話で出した、源頼朝への仇討ちは没にした。それより、猫又を混ぜた方が面白そうだ。などと表現すると、いかにも熟慮を重ねたように感じられる。実際には、思いつきを通りこしてやけくそに近い。何しろ、さっき歩きながらまとめたばかりなのだ。
「猫に小判をもじった洒落ですか」
分厚い顎の下をさすり、重々しく三槌屋は質した。
「そうです」
ここで片頬だけでも三槌屋が笑ってくれれば、銅吉としても話を進めやすいのだが、無理な相談というものだ。
「で、かんしゃくを起こしてからどうなるんです」
「そこへ、ふだんから亡霊の噂を聞いていた和尚様がやってきて、お経を唱えます。でも、和尚様はふだん酒色にふけってばかりいたので、途中でお経を忘れて」
「忘れて」
ぐぐっと三槌屋が上半身を乗りだし、ようやく当たりくじを引けたと感じた。
「途中から阿呆陀羅経になって、猫又がゲラゲラ笑いだして、笑った弾みでそれまでもてあそんでいた小判が転がって、和尚様が慌ててそれを拾います」
「ほほう」
「亡霊が激昂し、和尚様を生きたままあの世に連れていきます。そして、和尚様は気がつくと壇之浦で入水寸前の建礼門院になっていて、源義経に降参して新しい人生を歩み、和尚だった時分の知識を活かして義経が殺されずにすむよう活躍する、と。猫又は和尚様改め建礼門院の相棒という役回りです」
「ふむう」
「題して、『生臭坊主一両之欲転生門院』です」
「なるほど」
深々と三槌屋はうなずいた。羽織りまで重々しく折れまがりそうだ。これで結論がついたといいたいが、言質をとってない。はっきりと、その方向で書いてよいとされなければ帰られない。
「そういえば、最近になって墓場の噂を耳にしましたね」
銅吉が別れの挨拶を切りだそうとした直前、三槌屋は太助と似たようなことを話しだした。
「まさか、関ヶ原の亡霊がどうとか……」
「はい、そうです。銅吉さんもご存知でしたか」
「お恥ずかしいことに、今回の作品はそこから着想を得ました」
まさか、猫又が現れて自分を銭霊憑きだと断定したとは口が裂けても明かせない。
「だろうと思いました。さすがは銅吉さん、お耳が早い」
「お、恐れいります」
本来、銅吉は町人ですらない。町人とは、最低限、自分の家なり土地なりを持っていなければ、公儀からそれと認められない。
そんな銅吉を、さんづけまでして敬意を払うのは、銅吉本人からしても落ちつかなかった。まして三槌屋は最末端といえども町役人である。
「悪くない入口です」
「では、この要領で……」
銅吉は腰を浮かせかけた。
「まあまあ、そう慌てずに」
三槌屋は、パンパンと手を叩いた。
「はい」
と、襖を開けた奉公人に、銅吉は図らずも両足の指が突っぱった。おたみだ。少し陰のある横顔といい頬の色艶といい。その道の達人なら放っておかない、さざ波めいた魅力が彼女にはあった。
おたみには、かつて根付を作る職人の夫がいた。十年以上前に、日本橋を焼いた大火事に巻きこまれて亡くなった。二人の間に子はおらず、三槌屋が自分の店で働くよう計らったものである。
「お茶を持ってきなさい」
「かしこまりました」
一礼して、おたみは襖を閉めた。
「私はね、最近の銅吉さんには刺激が必要なんじゃないかと心配していたんですよ」
「ご心配を」
何を隠そう、おたみとは会う度にある種の刺激を受けている。
「そうですとも。もちろん、これまでの作品については賞賛を惜しみません。たとえば『打消婚約座間色見超男』は、主として女子の読者に大当たりを取りました」
この作品の時代背景も、やはり鎌倉にしてある。武家社会の発端ということで、逆にいえば平安貴族の雰囲気も多少は残すことができる。すなわち両方のいいとこどりができる。新作が壇之浦云々で始まるのも、一つにはそうした観点があった。
「ありがとうございます」
「でも、同工異曲の有象無象がいささか増えてきたのも事実です」
三槌屋は、誉めたあと釘を刺すことが再々あった。
「おっしゃる通りかと」
銅吉の作品は、『解消物』という一つの分野を作りつつあった。婚約を解消されて不幸な目にあった子女が、かえってそれをバネに立身したり、より実り豊かな結婚を遂げたりするという筋だてである。
一作受ければ、我も我もと時流を意識した作品が増えるのは世の常だ。しかし、先陣を切った銅吉は、常に解消物なら解消物の世界における斬新さを読者から要求された。
「この度の提案は、生臭坊主が建礼門院になるという、いわば男女が逆になる着想がとにかく秀逸です」
「身に余るお言葉でございます」
銅吉とて、誉められれば素直に嬉しい。
「山東京伝を抱えた蔦屋さんは、今や日の出の勢いです。我々もうかうかしてはいられません」
我々という言葉が、やけに強調されて聞こえた。
「まさにその通りでございます」
銅吉も、無難に調子をあわせた。
「落ち武者と聞いて、落ち武者のことにだけ頭を悩ませても、思うようにまとまらないことがあります。そういうときは、異なる角度から見直すのも大事ですよ」
「またとないご助言、ありがとうございます」
三槌屋は、彼なりに銅吉へ手を差しのべたのだろう。銅吉自身、はっと気づかされるところがあったので、心から感謝して頭を下げた。
同時に、奇妙な影が床に投げかけられていると気づいた。三槌屋から伸びている。彼自身の様子には、何の変化もなかった。
影には見覚えがあった。おみなの背中に貼りついていた奴だ。しかし、天井から銭が落ちてきたりはしない。ということは、関係ない。強いて自分にそういいきかせた。
「失礼致します。お茶をお持ちしました」
おたみが襖ごしに声をかけると、影は消えた。銅吉は、ここでようやく頭を上げた。
「はい、ここへ」
襖が開き、おたみが盆に乗せた湯のみを運んだ。
三槌屋と自分の前に湯のみを置くとき、うなじを飾る髪の中に、幾筋かの白髪があるのを銅吉は見つけた。女子としても小柄で痩せたおたみは、少しずつ老いの影をその身に点描させつつある。にもかかわらず、銅吉は、彼女の立居振舞にも表情にも、若者にはない美しさを感じていた。
裏長屋の女性といえば、おみなもいる。おみなは、銭さえかければ華々しい美しさが満開となる。対して、おたみは銭とは無関係に少しずつ枯れていく過程そのものが極上である。戯作者として、銅吉は二人の違いをそう捉えていた。
おたみが去ってから、三槌屋は茶を一口飲み、満足げにしばらく目を閉じた。
「銅吉さんもどうぞ」
「い、頂きます」
影について聞くのは愚の骨頂。さりとて気にしない方がおかしい。
それはそれとして、ふだんは水ばかり飲み、まれに酒を飲むような生活である。煙たい席とはいえ、茶を味わえる機会などめったにない。菓子まではないが、さすがに当たり前だろう。
「大変美味しゅうございます」
どのみち、影が自分に危害を加えたのではない。だから、銅吉は茶についてだけ本音を口にした。
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