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九、墓石の主 一
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翌朝。
銅吉は、寝起きに猫又がまたくるのかと思い、何とも複雑な気持ちだった。たった一日、いや、正味でなら一刻かそこら話をしただけなのだが……。野良猫めいた面もあれば、妙に意味深な面もあった。そもそも、死んだら食べると主張する当の相手とべらべらお喋りするのが、もう意味不明だ。いつでも銅吉に近づけるならなおさら。
それでも、猫又のおかげで、自分の力について少しだけ理解できたのは、たしかに有益だった。自分で自分が気持ち悪いのは変わりないにしても、その気持ち悪さをうまく操る糸口にはなった。
と、いったことどもを、一人しかいない四畳半の部屋でぼんやりと振りかえった。布団には蝿一匹とまってない。
安心したとも拍子抜けしたともつかぬ気持ちで起きあがり、布団をしまった。
今日は、輪快をあの墓地まで案内せねばならない。ならば、朝飯をしっかり食わねば。
ぬか漬けの茄子に飯と大根汁をかきこみ、銅吉は外にでた。ちょうど、左門次がふろしきを背負って通りすぎるところだった。仕上げた足袋を納品しにいくところなのだろう。
「おはよう、左門次」
「やあ、おはよう」
夜なべでもしたのか、左門次の目にはクマが浮いていた。ふだんから痩せており、人相もあまりよくない。数年前までの荒れた生活が、まだそうした爪痕を彼の外見に残していた。
成人する直前までは、左門次は腕のいい足袋職人見習いとして評判がよかった。成人してすぐ、自立してこの裏長屋へ引っこしてきた。結婚し、子宝にも恵まれたところで、悪友から博打に誘われたのが運の尽き。
以来、数年間。稼ぎのほとんどをすり潰し、妻子には夜逃げされ、それでも博打をやめなかった。銅吉は、そんな彼を見かねて助けた。一分判を三晩ほど、一枚ずつこっそり左門次の家の軒先に吊るすことで。その銭は、彼自身が三槌屋から貰ったなけなしの小遣いだった。
最初、左門次は戸惑いながらもその銭を博打につぎこんだ。だが、毎日となれば、不気味で仕方ない。奉行所に届けても、どうしてもっと早くこなかったのかと咎められるのは確実だった。
たまりかねた左門次は、銅吉に相談した。銅吉は、神仏がその金で人生を建てなおせと忠告していると説明した。
これ以上神仏からの授かりものを浪費すると、どんなバチが当たるか恐ろしい。左門次はそう判断して、すっぱり博打をやめた。逃げた妻子はもどらずじまいだが、地道に仕事を積んでまっとうな生活を得られるようにはなった。それが、去年のことである。
左門次ががむしゃらに働くのは、反省の念もあれば、いつ妻子が帰ってきても不自由させないよう貯えを積んでおきたいところでもあるそうだ。銅吉は、彼自身からそう聞いている。もちろん、叶うものなら一日でも早くそうなって欲しい。
「問屋に行くのかい」
「ああ、そうだ。そっちは」
ぶっきらぼうな口調だが、左門次なりに銅吉を気づかっているのである。
「松森寺の和尚様と、お墓参りだね」
「彼岸もすぎたのに」
「いや、作品の肥やし作り」
実際には、おみなのためにいく。裏長屋の仲間として、黙っているのは心苦しいが、不必要に話をややこしくしたくはない。
「なるほど。それじゃ気をつけて」
「左門次も」
軽く手を振って、銅吉は左門次と別れた。松森寺をまっすぐ目指し、着くなり 編笠姿の輪快が合流してくれた。即座に出発する。
「おみなはあいかわらずじゃ」
寺をでるかでないかのところで、銅吉はまず輪快から現状を聞かされた。
「せめて、化け物の正体がはっきりしないものでしょうか」
現に、墓場にはろくろ首がいた。即座に元凶だとは断定できないにしても。
「うむ。とにかく、墓場を検めるしかない」
あのときは、まるで予想していなかった事態が次から次に起きた。そのせいで、輪快に役だちそうなことを何一つ伝えられない。我ながらふがいなかった。
「魔といえば、最近、気になることがあった」
道すがら、輪快は厳しい顔つきで口を開いた。
「何でしょう」
「寺の裏庭に、九両もの小判があった」
身に覚えがありすぎる。輪快といっしょにいる以上、この話になるのは必然だった。
「ご奇特な方がいらっしゃったのでしょう」
「ならば、わしにそのまま意志を伝えればよい。お前だから教えておくが、これまでにもいくどか似たようなことがあった。金額こそまちまちながらも」
それも全部、彼自身でまず違いない。事実はおくびにも明かせず、ただ沈黙した。
「最初の一回目だけは、奉行所に届けた。その際は、一割だけを正直さの褒美として授かり、あとは御公儀が没収した」
この点、さすがに博打に耽っていたときの左門次とは、一線を画する。
「それが、ここ最近はやたらに米が高くなり、その他の細かい品々も同じように値上げ値上げじゃ。さりとて孤児達を追いだすこともできぬ。じゃから、二回目以降はそのままありがたく頂戴することにした」
そういえば、輪快は肉づきがいい。むろん、自分だけぜいたくな暮らしをしているのではない。最初から腕っぷしが強そうだった。その意味では、三槌屋よりもむしろ上坪に近い。
「恐れ多くも、ご政道に何かを口にするつもりは全くない。ただ、このところやたらに肌寒い」
「はぁ」
ここのところ閉じこもりがちだった銅吉には、輪快の危惧が伝わりにくかった。
「もうすぐ夏になろうかというのに、稲がまともに育つかどうか。その意味では、九両は天の助けではある」
「転ばぬ先の杖ですか」
その言葉は、幼いころに輪快から学んだ中の一つだ。
「その通り。わしが、お前のような孤児を引きとるのと同じじゃ」
「え……」
そういえば、輪快がどうして積極的に子どもを助けるのか、はっきりとは知らなかった。寺だから当たり前くらいに捉えていた。
「孤児を、教育も慈悲も与えず放置したらどうなる。大半は大人になれないまま死ぬが、生きのびたらどうする。世間に恨みを含み、とにかく誰彼かまわず殺したり奪ったりしてうっぷんを晴らすようになるじゃろう」
「確かに」
「じゃから、それを防ぐ。銅吉、お前はわしのそうした理念において一番成功した実例じゃ。戯作者として成功したからではない」
輪快は、銅吉の返事を見すかしたかのようにつけ加えた。
「と、おっしゃいますと」
「自分の窮地や失策を、他人のせいにしない人間になったことじゃ」
紛れもなく、初めて耳にする賞賛だった。道を歩きながらの世間話で、さらりと語られたのがまたいい。これがかしこまった堅苦しい席だったら、変に裏を読んでしまっただろう。
「あ、ありがとうございます」
「わしはありのままを申したにすぎん。それよりも、今のお前は、おみなとはまた異なる形でおかしな雰囲気がする」
「な、何と……」
銭霊だの猫又だのが、バレているということか。ついさっき、喜んだばかりというのに。
「自分でいいだしておいてすまんが、はっきりとはしない。おみなが魔に魅入られたのなら、お前は魔に遊ばれているような感じがする」
かなり鋭く、輪快は銅吉の現状を表現した。
「と、特に変化はありません」
仏の嘘は方便、武門の嘘は武略。ならば、戯作者の嘘は。商売か。商人の嘘も商売であるとするならば、戯作者もまた商人の端くれということか。乱暴すぎる断定だと銅吉は思い、我が身を切り裂かんばかりの良心の呵責を自覚してしまった。
輪快の達成感に水を差したくないという、体のいい詭弁がしつこくまとわりついてくる。
だが、ここで正直に話すと、何もかもぶち壊しだ。
「ならばよい。最近、お前はめったに寺へこなくなったから、まとめていっておこうと決めていたのじゃ。ご政道への不満をたぎらせて、何でも良いから世の中をめちゃくちゃにしてやりたいと願う者もおるからの」
「はい」
輪快の正論が、ますます銅吉の精神を苦しめた。ここは、適当に相槌を打つしかやりようがない。
銅吉は、寝起きに猫又がまたくるのかと思い、何とも複雑な気持ちだった。たった一日、いや、正味でなら一刻かそこら話をしただけなのだが……。野良猫めいた面もあれば、妙に意味深な面もあった。そもそも、死んだら食べると主張する当の相手とべらべらお喋りするのが、もう意味不明だ。いつでも銅吉に近づけるならなおさら。
それでも、猫又のおかげで、自分の力について少しだけ理解できたのは、たしかに有益だった。自分で自分が気持ち悪いのは変わりないにしても、その気持ち悪さをうまく操る糸口にはなった。
と、いったことどもを、一人しかいない四畳半の部屋でぼんやりと振りかえった。布団には蝿一匹とまってない。
安心したとも拍子抜けしたともつかぬ気持ちで起きあがり、布団をしまった。
今日は、輪快をあの墓地まで案内せねばならない。ならば、朝飯をしっかり食わねば。
ぬか漬けの茄子に飯と大根汁をかきこみ、銅吉は外にでた。ちょうど、左門次がふろしきを背負って通りすぎるところだった。仕上げた足袋を納品しにいくところなのだろう。
「おはよう、左門次」
「やあ、おはよう」
夜なべでもしたのか、左門次の目にはクマが浮いていた。ふだんから痩せており、人相もあまりよくない。数年前までの荒れた生活が、まだそうした爪痕を彼の外見に残していた。
成人する直前までは、左門次は腕のいい足袋職人見習いとして評判がよかった。成人してすぐ、自立してこの裏長屋へ引っこしてきた。結婚し、子宝にも恵まれたところで、悪友から博打に誘われたのが運の尽き。
以来、数年間。稼ぎのほとんどをすり潰し、妻子には夜逃げされ、それでも博打をやめなかった。銅吉は、そんな彼を見かねて助けた。一分判を三晩ほど、一枚ずつこっそり左門次の家の軒先に吊るすことで。その銭は、彼自身が三槌屋から貰ったなけなしの小遣いだった。
最初、左門次は戸惑いながらもその銭を博打につぎこんだ。だが、毎日となれば、不気味で仕方ない。奉行所に届けても、どうしてもっと早くこなかったのかと咎められるのは確実だった。
たまりかねた左門次は、銅吉に相談した。銅吉は、神仏がその金で人生を建てなおせと忠告していると説明した。
これ以上神仏からの授かりものを浪費すると、どんなバチが当たるか恐ろしい。左門次はそう判断して、すっぱり博打をやめた。逃げた妻子はもどらずじまいだが、地道に仕事を積んでまっとうな生活を得られるようにはなった。それが、去年のことである。
左門次ががむしゃらに働くのは、反省の念もあれば、いつ妻子が帰ってきても不自由させないよう貯えを積んでおきたいところでもあるそうだ。銅吉は、彼自身からそう聞いている。もちろん、叶うものなら一日でも早くそうなって欲しい。
「問屋に行くのかい」
「ああ、そうだ。そっちは」
ぶっきらぼうな口調だが、左門次なりに銅吉を気づかっているのである。
「松森寺の和尚様と、お墓参りだね」
「彼岸もすぎたのに」
「いや、作品の肥やし作り」
実際には、おみなのためにいく。裏長屋の仲間として、黙っているのは心苦しいが、不必要に話をややこしくしたくはない。
「なるほど。それじゃ気をつけて」
「左門次も」
軽く手を振って、銅吉は左門次と別れた。松森寺をまっすぐ目指し、着くなり 編笠姿の輪快が合流してくれた。即座に出発する。
「おみなはあいかわらずじゃ」
寺をでるかでないかのところで、銅吉はまず輪快から現状を聞かされた。
「せめて、化け物の正体がはっきりしないものでしょうか」
現に、墓場にはろくろ首がいた。即座に元凶だとは断定できないにしても。
「うむ。とにかく、墓場を検めるしかない」
あのときは、まるで予想していなかった事態が次から次に起きた。そのせいで、輪快に役だちそうなことを何一つ伝えられない。我ながらふがいなかった。
「魔といえば、最近、気になることがあった」
道すがら、輪快は厳しい顔つきで口を開いた。
「何でしょう」
「寺の裏庭に、九両もの小判があった」
身に覚えがありすぎる。輪快といっしょにいる以上、この話になるのは必然だった。
「ご奇特な方がいらっしゃったのでしょう」
「ならば、わしにそのまま意志を伝えればよい。お前だから教えておくが、これまでにもいくどか似たようなことがあった。金額こそまちまちながらも」
それも全部、彼自身でまず違いない。事実はおくびにも明かせず、ただ沈黙した。
「最初の一回目だけは、奉行所に届けた。その際は、一割だけを正直さの褒美として授かり、あとは御公儀が没収した」
この点、さすがに博打に耽っていたときの左門次とは、一線を画する。
「それが、ここ最近はやたらに米が高くなり、その他の細かい品々も同じように値上げ値上げじゃ。さりとて孤児達を追いだすこともできぬ。じゃから、二回目以降はそのままありがたく頂戴することにした」
そういえば、輪快は肉づきがいい。むろん、自分だけぜいたくな暮らしをしているのではない。最初から腕っぷしが強そうだった。その意味では、三槌屋よりもむしろ上坪に近い。
「恐れ多くも、ご政道に何かを口にするつもりは全くない。ただ、このところやたらに肌寒い」
「はぁ」
ここのところ閉じこもりがちだった銅吉には、輪快の危惧が伝わりにくかった。
「もうすぐ夏になろうかというのに、稲がまともに育つかどうか。その意味では、九両は天の助けではある」
「転ばぬ先の杖ですか」
その言葉は、幼いころに輪快から学んだ中の一つだ。
「その通り。わしが、お前のような孤児を引きとるのと同じじゃ」
「え……」
そういえば、輪快がどうして積極的に子どもを助けるのか、はっきりとは知らなかった。寺だから当たり前くらいに捉えていた。
「孤児を、教育も慈悲も与えず放置したらどうなる。大半は大人になれないまま死ぬが、生きのびたらどうする。世間に恨みを含み、とにかく誰彼かまわず殺したり奪ったりしてうっぷんを晴らすようになるじゃろう」
「確かに」
「じゃから、それを防ぐ。銅吉、お前はわしのそうした理念において一番成功した実例じゃ。戯作者として成功したからではない」
輪快は、銅吉の返事を見すかしたかのようにつけ加えた。
「と、おっしゃいますと」
「自分の窮地や失策を、他人のせいにしない人間になったことじゃ」
紛れもなく、初めて耳にする賞賛だった。道を歩きながらの世間話で、さらりと語られたのがまたいい。これがかしこまった堅苦しい席だったら、変に裏を読んでしまっただろう。
「あ、ありがとうございます」
「わしはありのままを申したにすぎん。それよりも、今のお前は、おみなとはまた異なる形でおかしな雰囲気がする」
「な、何と……」
銭霊だの猫又だのが、バレているということか。ついさっき、喜んだばかりというのに。
「自分でいいだしておいてすまんが、はっきりとはしない。おみなが魔に魅入られたのなら、お前は魔に遊ばれているような感じがする」
かなり鋭く、輪快は銅吉の現状を表現した。
「と、特に変化はありません」
仏の嘘は方便、武門の嘘は武略。ならば、戯作者の嘘は。商売か。商人の嘘も商売であるとするならば、戯作者もまた商人の端くれということか。乱暴すぎる断定だと銅吉は思い、我が身を切り裂かんばかりの良心の呵責を自覚してしまった。
輪快の達成感に水を差したくないという、体のいい詭弁がしつこくまとわりついてくる。
だが、ここで正直に話すと、何もかもぶち壊しだ。
「ならばよい。最近、お前はめったに寺へこなくなったから、まとめていっておこうと決めていたのじゃ。ご政道への不満をたぎらせて、何でも良いから世の中をめちゃくちゃにしてやりたいと願う者もおるからの」
「はい」
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