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十、墓石の主 二
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それからは、二人とも黙って歩いた。銅吉は、輪快に怪しまれないよう気をつけながら猫又の姿を探した。やはり、どこにもいない。今は、墓場に集中するのが良かろう。
宿場を抜けて、地蔵祠へ至ると、輪快が立ちどまった。真剣な顔つきで、地蔵を眺めている。
「どうされました」
「この地蔵……唇に紅が塗られておる」
「誰かのいたずらでしょうか」
「いや。紅は艶を失っておらん。つまり、何らかの意図をもって続けている者がおる」
そこまでは考えていなかった。急に、辺りが薄暗くなって寒々しい風が吹きぬけたような気さえした。
「墓場はこの先か」
「はい」
「油断するなよ」
「かしこまりました」
まさか、後もどりはできない。銅吉は、木々のさなかに足を踏みいれた。輪快もすぐに続いた。
いざ直面すると、墓場は静まりかえっていた。猫又はもちろん、ろくろ首もいない。
輪快は、数珠を右手にかけ、目を閉じてぶつぶつお経を唱えている。本能的に、銅吉は自分の立場を悟って脇に引いた。
目を開けないまま、輪快はまっすぐ墓石の群れへと歩いた。派手な喚き声や稲光がしたのではないが、身じろぎ一つ許されないような厳しさを銅吉は全身に浴びた。
墓石の周りには、雑草が溢れんばかりに絡みついている。銅吉は、確かに目にした。輪快が近づくにつれ、雑草がひとりでに下がっていくのを。まるで、わざわざ輪快に墓石を披露したくて動いたかのようだ。
ここでようやく、輪快はお経をやめて目を開けた。
「銅吉、お前も来るがいい」
「はい」
銅吉は、恐る恐る輪快の隣に来た。輪快は、懐から紙をだして広げた。
「そこの墓石に、紙を当てなさい。そのまま墓石の裏に回ってから、上の左右の隅を抑えておくように」
「はい」
銅吉が命じられたようにしていると、輪快は紙ごしに墓石を手の平で押した。まるで版画でも作るかのように、まんべんなく紙の上から手でなぞった。
「手を離して良い」
輪快は、紙を手の平で押したまま指示した。
「はい」
銅吉が指示を実行すると、輪快は紙を墓石から外して陽光に透かした。
「慶長七年十二月二十日、金吾中納言殿ここに……までしか読めん」
金吾、とは中国の官職で、日本だと左衛門督に当たる。本来は、朝廷の門衛の責任者である。中納言が兼務することが多かった。中納言とは、奉勅や奏上を行い政務にかかわる。むろん、こちらも朝廷の官職だ。
慶長年間に金吾中納言といわれたのは、一人しかいない。小早川秀秋である。
輪快は、もう一つの墓石も紙に読みとった。そちらは『慶長二十年十二月二十日、お淀様ここに……』とあった。
お淀様とは、大阪の陣で息子の豊臣秀頼とともに死んだ、豊臣秀吉の妻である。母子の死をもって豊臣家は滅び、名実ともに徳川家の世が定着した。
秀秋にせよお淀にせよ、銅吉達からすれば二百年近く前の人々になる。だいいち、二人とも亡くなった場所はそれぞれ岡山と大阪であり、江戸は関係ない。
それにも増して不気味なのは、二つの墓石がいずれも十二月二十日となっていることだ。まさか、二人がそろってこの日に死んだのではないだろう。
「十二月二十日は果ての二十日」
輪快は、紙を折りたたんで懐にしまいながらいった。
「果ての二十日……とは、何でしょう」
尋ねつつも、知るまでの成りゆきからして、不吉な予感を禁じえなかった。
「あの世の魑魅魍魎どもがいっせいにこの世にやってきて、好き放題に悪さをする日じゃ」
「で、では二人が実際に亡くなった日とは……」
「詳しくはわからぬが、恐らく無関係じゃろう」
となれば、おみなと共にいたろくろ首は。いや、猫又も。十二月二十日どころか、四月なのに堂々と現れたではないか。
「さしあたり、用はすんだ。引きあげじゃ」
「はい」
この、異様な矛盾と静寂の空間から抜けられるのは素直にありがたい。さらには、銭霊が憑いていたところでやはり自分は人間なのだと自覚できて、その意味でも逆説的に嬉しかった。
往路に比べて、復路はほとんど言葉が交わされない道中となった。物見遊山でないから当然だが、そろそろ正午になろうかという時分に、美しい景観も賑やかな街並みもまるで係わりがなくなってしまった。
「銅吉、昨日からいろいろとご苦労だった。せめて、お昼など食べていきなさい」
松森寺の門が見えたところで、輪快は勧めてきた。
「ありがとうございます」
怪異がでようが亡霊がでようが、生きていれば腹は減る。それに、懐かしい場所で食事をすることで、墓場での奇怪な体験からくる心の重さが薄れそうな気にもなった。
輪快が境内に入るのを待って、自分も後を追おうとしたとき。足元を、一匹の三毛猫が走りさった。確かに尻尾が割れていた。
「どうした。早く来なさい」
「失礼しました」
慌てて銅吉は境内に入った。
食堂で、寺が世話している孤児達が麦飯をだしてくれた。味噌汁には刻んだ大根の葉があるのみだが、銅吉がいた時分と同じだ。根の部分は夜にとっておく。おかずはカボチャの煮物が小皿に三切れあるきりながら、とてもありがたかった。輪快も同席しているが、内容は変わらない。
「頂きます」
湯気を立てる昼食を前に、銅吉は輪快と共に両手をあわせてお辞儀した。
大人になり、一人で暮らすようになってから、ドジョウやウナギを食べる機会が何度もあった。確かに美味だし、あれば口にする。だが、日常の食事は、こうした質素な献立の方が落ちついた。
食べながら、銅吉は頭の中で自分の仕事についてまとめた。
どのみち金吾中納言やお淀は作品と関係ない。おみなを寺まで連れてきたことで、かつ、輪快を墓場まで案内したことで、充分に義理は果たした。
果たしたのか。
噂が振りだしとはいえ、墓場を執筆の入口としておきながら、そこで見聞きした怪異を無視するのは何とも後味が悪い。銅吉が黙ってさえいれば、話は上坪なり輪快なりが引きついで終わる。そこで自分だけが一抜けするのは、どうにも落ちつかない。
さらには、どうせならろくろ首や猫又から様々な話を聞きたい。墓場では肝を冷やしたくせに、いざ平穏無事な環境になると首を突っこみたくなってくる。まことに、戯作者とは因果な人生を強いられる代物だ。
「ご馳走様でした。大変美味しゅうございました」
「何よりじゃ。食器はそのままにしておくが良い」
「恐れいります」
客人の食器を洗うのもまた、孤児達にとって大事な学びである。
「もう少し、ゆっくりしていくか」
「いえ、大変気を引かれますが、そろそろお暇します」
「良し。気をつけてな」
「はい、さようなら」
今後、おみなや墓場にどう向きあえばいいのか。ゆっくり考えたかった。
『礼ならあたし達にいって欲しいね』
路上にでるなり、猫又がいきなり話しかけてきた。
「うわぁっ」
腰を抜かさんばかりに仰天し、ようやく目の前に三毛猫がちょこんと座っているのが見えた。往来の人々が、くすくす笑っている。
『やっぱり、あたしに驚くのが趣味なのね』
『違うわっ』
『お前と和尚が寺をでてから、いろいろと大変だったんだよ』
『大変とは』
『まあ、帰りながら話すよ』
『うん』
こうして、また一人と一匹になった。
『墓場の悪霊どもが、おみなだっけ、あんたが助けた女の子を狙って寺にきたんだ』
『悪霊のくせに寺にくるのか。しかもまっ昼間に』
『そんなの、人間の思いこみだし。和尚がいれば手だしできないけど、そうでなければ子どもばっかりだからやりたい放題だよ』
『まさか、他の子ども達も……』
『あたしとろくろ首が守った。悪霊もあたし達も、子ども達には見えないからそこはどうでもいい』
いくら助けられても、化け物が直に見聞きできたら大騒ぎになるだろう。
いや、それより。銭霊云々を、黙っているからこうなったという見方もある。銅吉からすれば、望んで銭霊に憑かれたのではないし、喋れば最後という重しはある。
『あたし達のことは、当面いわない方がいいよ。話がいたずらにややこしくなるし』
『あ、ああ』
銅吉の悩みを推察してか、猫又はさらりと忠告した。つまり、銭霊も然りということだ。
『あと、悪霊の正体だけどね。お淀と小早川秀秋だよ』
『ええっ』
どうにか、声に出して叫ぶことだけは踏みとどまった。さらに、小早川秀秋の名に触れて三槌屋の顔が脳裏に浮かび、すぐ消えた。
『お前も狙われてるかもね』
『何っ』
「銅吉、昨日の礼がしたい」
裏長屋の木戸を前に、上坪が声をかけた。銅吉は、危うくまた叫んでしまうところだった。
宿場を抜けて、地蔵祠へ至ると、輪快が立ちどまった。真剣な顔つきで、地蔵を眺めている。
「どうされました」
「この地蔵……唇に紅が塗られておる」
「誰かのいたずらでしょうか」
「いや。紅は艶を失っておらん。つまり、何らかの意図をもって続けている者がおる」
そこまでは考えていなかった。急に、辺りが薄暗くなって寒々しい風が吹きぬけたような気さえした。
「墓場はこの先か」
「はい」
「油断するなよ」
「かしこまりました」
まさか、後もどりはできない。銅吉は、木々のさなかに足を踏みいれた。輪快もすぐに続いた。
いざ直面すると、墓場は静まりかえっていた。猫又はもちろん、ろくろ首もいない。
輪快は、数珠を右手にかけ、目を閉じてぶつぶつお経を唱えている。本能的に、銅吉は自分の立場を悟って脇に引いた。
目を開けないまま、輪快はまっすぐ墓石の群れへと歩いた。派手な喚き声や稲光がしたのではないが、身じろぎ一つ許されないような厳しさを銅吉は全身に浴びた。
墓石の周りには、雑草が溢れんばかりに絡みついている。銅吉は、確かに目にした。輪快が近づくにつれ、雑草がひとりでに下がっていくのを。まるで、わざわざ輪快に墓石を披露したくて動いたかのようだ。
ここでようやく、輪快はお経をやめて目を開けた。
「銅吉、お前も来るがいい」
「はい」
銅吉は、恐る恐る輪快の隣に来た。輪快は、懐から紙をだして広げた。
「そこの墓石に、紙を当てなさい。そのまま墓石の裏に回ってから、上の左右の隅を抑えておくように」
「はい」
銅吉が命じられたようにしていると、輪快は紙ごしに墓石を手の平で押した。まるで版画でも作るかのように、まんべんなく紙の上から手でなぞった。
「手を離して良い」
輪快は、紙を手の平で押したまま指示した。
「はい」
銅吉が指示を実行すると、輪快は紙を墓石から外して陽光に透かした。
「慶長七年十二月二十日、金吾中納言殿ここに……までしか読めん」
金吾、とは中国の官職で、日本だと左衛門督に当たる。本来は、朝廷の門衛の責任者である。中納言が兼務することが多かった。中納言とは、奉勅や奏上を行い政務にかかわる。むろん、こちらも朝廷の官職だ。
慶長年間に金吾中納言といわれたのは、一人しかいない。小早川秀秋である。
輪快は、もう一つの墓石も紙に読みとった。そちらは『慶長二十年十二月二十日、お淀様ここに……』とあった。
お淀様とは、大阪の陣で息子の豊臣秀頼とともに死んだ、豊臣秀吉の妻である。母子の死をもって豊臣家は滅び、名実ともに徳川家の世が定着した。
秀秋にせよお淀にせよ、銅吉達からすれば二百年近く前の人々になる。だいいち、二人とも亡くなった場所はそれぞれ岡山と大阪であり、江戸は関係ない。
それにも増して不気味なのは、二つの墓石がいずれも十二月二十日となっていることだ。まさか、二人がそろってこの日に死んだのではないだろう。
「十二月二十日は果ての二十日」
輪快は、紙を折りたたんで懐にしまいながらいった。
「果ての二十日……とは、何でしょう」
尋ねつつも、知るまでの成りゆきからして、不吉な予感を禁じえなかった。
「あの世の魑魅魍魎どもがいっせいにこの世にやってきて、好き放題に悪さをする日じゃ」
「で、では二人が実際に亡くなった日とは……」
「詳しくはわからぬが、恐らく無関係じゃろう」
となれば、おみなと共にいたろくろ首は。いや、猫又も。十二月二十日どころか、四月なのに堂々と現れたではないか。
「さしあたり、用はすんだ。引きあげじゃ」
「はい」
この、異様な矛盾と静寂の空間から抜けられるのは素直にありがたい。さらには、銭霊が憑いていたところでやはり自分は人間なのだと自覚できて、その意味でも逆説的に嬉しかった。
往路に比べて、復路はほとんど言葉が交わされない道中となった。物見遊山でないから当然だが、そろそろ正午になろうかという時分に、美しい景観も賑やかな街並みもまるで係わりがなくなってしまった。
「銅吉、昨日からいろいろとご苦労だった。せめて、お昼など食べていきなさい」
松森寺の門が見えたところで、輪快は勧めてきた。
「ありがとうございます」
怪異がでようが亡霊がでようが、生きていれば腹は減る。それに、懐かしい場所で食事をすることで、墓場での奇怪な体験からくる心の重さが薄れそうな気にもなった。
輪快が境内に入るのを待って、自分も後を追おうとしたとき。足元を、一匹の三毛猫が走りさった。確かに尻尾が割れていた。
「どうした。早く来なさい」
「失礼しました」
慌てて銅吉は境内に入った。
食堂で、寺が世話している孤児達が麦飯をだしてくれた。味噌汁には刻んだ大根の葉があるのみだが、銅吉がいた時分と同じだ。根の部分は夜にとっておく。おかずはカボチャの煮物が小皿に三切れあるきりながら、とてもありがたかった。輪快も同席しているが、内容は変わらない。
「頂きます」
湯気を立てる昼食を前に、銅吉は輪快と共に両手をあわせてお辞儀した。
大人になり、一人で暮らすようになってから、ドジョウやウナギを食べる機会が何度もあった。確かに美味だし、あれば口にする。だが、日常の食事は、こうした質素な献立の方が落ちついた。
食べながら、銅吉は頭の中で自分の仕事についてまとめた。
どのみち金吾中納言やお淀は作品と関係ない。おみなを寺まで連れてきたことで、かつ、輪快を墓場まで案内したことで、充分に義理は果たした。
果たしたのか。
噂が振りだしとはいえ、墓場を執筆の入口としておきながら、そこで見聞きした怪異を無視するのは何とも後味が悪い。銅吉が黙ってさえいれば、話は上坪なり輪快なりが引きついで終わる。そこで自分だけが一抜けするのは、どうにも落ちつかない。
さらには、どうせならろくろ首や猫又から様々な話を聞きたい。墓場では肝を冷やしたくせに、いざ平穏無事な環境になると首を突っこみたくなってくる。まことに、戯作者とは因果な人生を強いられる代物だ。
「ご馳走様でした。大変美味しゅうございました」
「何よりじゃ。食器はそのままにしておくが良い」
「恐れいります」
客人の食器を洗うのもまた、孤児達にとって大事な学びである。
「もう少し、ゆっくりしていくか」
「いえ、大変気を引かれますが、そろそろお暇します」
「良し。気をつけてな」
「はい、さようなら」
今後、おみなや墓場にどう向きあえばいいのか。ゆっくり考えたかった。
『礼ならあたし達にいって欲しいね』
路上にでるなり、猫又がいきなり話しかけてきた。
「うわぁっ」
腰を抜かさんばかりに仰天し、ようやく目の前に三毛猫がちょこんと座っているのが見えた。往来の人々が、くすくす笑っている。
『やっぱり、あたしに驚くのが趣味なのね』
『違うわっ』
『お前と和尚が寺をでてから、いろいろと大変だったんだよ』
『大変とは』
『まあ、帰りながら話すよ』
『うん』
こうして、また一人と一匹になった。
『墓場の悪霊どもが、おみなだっけ、あんたが助けた女の子を狙って寺にきたんだ』
『悪霊のくせに寺にくるのか。しかもまっ昼間に』
『そんなの、人間の思いこみだし。和尚がいれば手だしできないけど、そうでなければ子どもばっかりだからやりたい放題だよ』
『まさか、他の子ども達も……』
『あたしとろくろ首が守った。悪霊もあたし達も、子ども達には見えないからそこはどうでもいい』
いくら助けられても、化け物が直に見聞きできたら大騒ぎになるだろう。
いや、それより。銭霊云々を、黙っているからこうなったという見方もある。銅吉からすれば、望んで銭霊に憑かれたのではないし、喋れば最後という重しはある。
『あたし達のことは、当面いわない方がいいよ。話がいたずらにややこしくなるし』
『あ、ああ』
銅吉の悩みを推察してか、猫又はさらりと忠告した。つまり、銭霊も然りということだ。
『あと、悪霊の正体だけどね。お淀と小早川秀秋だよ』
『ええっ』
どうにか、声に出して叫ぶことだけは踏みとどまった。さらに、小早川秀秋の名に触れて三槌屋の顔が脳裏に浮かび、すぐ消えた。
『お前も狙われてるかもね』
『何っ』
「銅吉、昨日の礼がしたい」
裏長屋の木戸を前に、上坪が声をかけた。銅吉は、危うくまた叫んでしまうところだった。
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