18 / 35
十八、いきさつと朝食 二
しおりを挟む
などと考えている内に、上坪と共に草鞋を脱ぎ、自宅とも上坪家とも変わらない間取りの四畳半に座っていた。
「粗末なお部屋で恐縮ですけど、あまりじろじろ見ないで下さいね」
「は、はいっ」
銅吉は、何故か自分にだけ特に注意されているような気がして思いきりうなずいた。上坪は微かに苦笑を浮かべている。
見た限りでは、銅吉や上坪よりは家具に恵まれていた。箪笥と衣桁がある。衣桁には、白無垢がかけられている。相当に高価な品だが、毎日手入れをしているのだろう。夫を火事で失った身の上からしても、言葉にならない切なさを感じてしまう。むろん、おたみが安い気休めを望んで銅吉達を招いたわけではないことくらい、百も承知ではあった。
「はい、お待たせしました」
「ありがたし」
「ありがとうございます」
上坪と銅吉にもたらされた膳には、麦飯と味噌汁に香の物、おかずにはタコの煮物があった。
「ご遠慮なく、お先に召しあがれ」
「頂きます」
銅吉は、上坪ともども両手をあわせた。まず味噌汁を飲んだら、きちんと切りそろえた豆腐とカボチャがあった。豆腐もカボチャも大雑把に手でちぎって調理する彼とはまるで異なる。もちろん、とても美味しい。タコは煎茶と酒で煮てから、醤油と柚子で味をつけていて、飯が進むことこの上なかった。
「うまい」
「うまいです」
銅吉はもちろん上坪まで、幸せ極まりない様子で食べている。
「そう、良かったです」
おたみもまた、つつましやかに箸を動かしながら微笑んだ。
心尽くしを味わいつつも、銅吉はふと思った。自分の膳にせよ、上坪のそれにせよ、恐らくは亡くなった夫の物と、まだ見ぬ我が子の物だったのではあるまいか。もちろん、そんなことを尋ねるのは無礼千万なので、おくびにも出さない。ただ、行き場のなくなった愛情を、どこかで放出しておきたいという気持ちがあったのかも知れない。
「おかわりもありますよ」
「い、いえ、とんでもない」
「俺も、そこまでは腹が減ってない」
おたみの親切は、何ともいえない甘い苦しみを銅吉に感じさせた。義理の姉が母代わりになったら、こんな雰囲気だろうか。
「はい、分かりました」
おたみも、強いては勧めなかった。ほっとしたような、残念なような。
「馳走になった」
「ご馳走様でした」
「はい、お粗末でした。お急ぎでしょうし、食器はそのままにしておいて下さい」
「何から何まで、痛みいる」
「本当に頭が下がります」
銅吉も上坪も、おたみの善意に感謝しつつ引きはらった。
「いやー、生きかえりましたよ」
長屋木戸を経て表通りを歩きながら、銅吉は上機嫌にいった。
「俺もだ。良く気のつく人だな」
上坪も、おみなのことでいっぱいだった心が、多少なりと軽くなったようだ。
「そういえば、失礼ながら……。上坪さんは、お仕事に障りはないんですか」
「ああ。まとまった納品をすませてあるし、次までには少し余裕がある」
「何よりです」
さすがは上坪。娘の窮地に溺れて、仕事を放りだしたりなどしない。銅吉は娘の窮地どころか、ありとあらゆる自他の極限状況を筆の種や肥やしにしている。内心で、自分の業が気恥ずかしくもあり、上坪の律儀さが清々しくもあった。
ほどなくして、二人は松森寺についた。時間をかけるまでもなく、中庭で、寺で保護されている子どもの一人が輪快の不在を教えてくれた。行く先も帰宅の時刻も聞いてないという。おみなの容態に変化はないとも伝えられる。
「むむっ、肩透かしか」
子どもに礼を述べ、相手が去ってから、上坪は残念そうに腕を組んだ。
「行く先も帰る時間も告げてないなら、どうせしばらくすればもどってくるでしょう」
銅吉としては、こうした類は寺で養われていたときから再々体験している。
「かもしれぬが、はて……」
天を仰ぐ上坪に、銅吉はいつ声をかけるべきかしばらく迷った。
「待て。輪快殿が、いつからいなくなったのかはまだ知らされていないな」
「はい、確かに」
「ならば、そこを固めておこう」
「じゃあ、私が聞いてきます」
「頼む」
上坪は、すでに寺の子ども達にも知られてはいる。とはいえ、やはり銅吉の方がすんなり会話を進められるだろう。
「上坪さんが今朝ここにきたあと、すぐに出ていったとのことです」
銅吉は、簡潔に事実を伝えた。
「ならば、一刻はたつ。これまで、何も告げずに二刻もいなくなることはあったか」
「そういえば……なかったです」
たまたま時間がかかっただけだとしたいところだ。上坪が厳しく唇を引きむすんだので、銅吉は陳腐な楽観論を持ちだせなくなった。
輪快は住職であり、かつ子ども達の親代わりでもある。ましてや、今はおみなも寺にいる。食料や消耗品は取りあえず不足してない。ならば、寺を無言で長時間留守にする筋あいはない。
「滅多なことは口にできぬが……危うい目にあわれている可能性がある」
「だ、だとしたらどこでしょう」
「銅吉。お前の方が俺よりはるかに輪快殿を良く知っている」
いきなり、重い責任がやってきた。的外れな推察に最悪の事態が重なると、輪快の身がどうなるか知られたものではない。
すぐに思いつけて一番可能性が高いのは、例の墓場だ。とはいえ、まさか一人で墓石を壊しにいくのではないだろう。
輪快の性格からすれば、あんな異様な墓碑銘を読んでそのままにしておくはずがない。必ず、詳細を調べるはずだ。
寺にも書庫はある。銅吉も頻繁に利用した。
「まずは、書庫に行きましょう。和尚様が、今回のことで何か見当をつけられたかもしれません」
「良し。案内してくれ」
「はい」
書庫までは、中庭から百歩ほど歩けば入室できた。それほど広くはなく、蔵書も数百冊というところながら、四畳半の部屋に円卓と本棚があるきりという配置がかえって清楚な品格を感じさせた。銅吉が子どものころは、ただ夢中になって片っぱしから本を読みふけるための場所だったのに、久しぶりに来ると新たな印象が加わった。
「およそ、書物の題材ごとに仕分けされております。墓場についてなら……多分、この辺りかと」
銅吉は、本棚の左上隅の辺りを示した。
「二人で一冊ずつ読むか」
「いえ、和尚様は、特に大事な箇所を拾っても時間がないときに、良く栞を用いました。そこで、読まずとも栞を探すのが吉かと」
「子ども達は、栞を使わないのか」
「使いますが、和尚様の栞は厚紙にカエルの絵が描いてあります」
「なるほど。それを探そう」
結論がつくや否や、銅吉は該当する箇所の本を丸ごと抜きとり、円卓に置いた。上坪と山分けにして、一冊ずつ栞を探していく。
「ありました」
四半刻(約三十分)ほどして、銅吉は掘りあてた。
「上々だが、他に栞はないのか」
「念には念を入れましょう」
すぐに、その一枚のみと判明した。
「まず、残りは本棚にもどそう」
「はい。私にお任せを」
二人とも、抜きだしたときの順番を崩さないように調べていたので、簡単に元通りにできた。
手元に残った一冊は、『裏本お淀の方お城の内』という題名がついていた。銅吉の記憶にはない。つまり、ここ数年の間に、輪快が購入したのだろう。
栞は、この本の半ばにあった。頁を開けると、見開きいっぱいに、炎上する大阪城の挿絵があった。いや、それだけではない。
城に、大蛇と化した清姫よろしく巻きついているのは八岐大蛇だった。八つの頭が一つにまとまる首の下には、鎧兜姿の武者が一人ぶら下がっている。
「金吾中納言殿、お淀をお迎えして共に八岐大蛇の眷属となり候、か」
上坪が、挿絵の左上隅にある説明書きを読んだ。
銅吉は、思わず身体が震えるところだった。まさにろくろ首や猫又の語るところではないか。
「作者は誰でしょう」
我ながら、無難な問いかけでどうにか合いの手を入れる。
「さて。奥付には何もない」
「和尚様が、わざわざここに栞を入れたということと、墓碑にこの二人の名前があったのは、もはや無関係ではありません」
「やはり、墓場にむかわれたと見るのが妥当か」
「はい」
「不覚にも、脇差しかない。一度家に戻り、大急ぎで刀を取ってくる。銅吉、ここで待っていてくれ。墓場までの道案内を頼む」
やむをえない次第とはいえ、その役目を頼まれるのは二回目となる。断りようがないのもまた二回目だった。
「粗末なお部屋で恐縮ですけど、あまりじろじろ見ないで下さいね」
「は、はいっ」
銅吉は、何故か自分にだけ特に注意されているような気がして思いきりうなずいた。上坪は微かに苦笑を浮かべている。
見た限りでは、銅吉や上坪よりは家具に恵まれていた。箪笥と衣桁がある。衣桁には、白無垢がかけられている。相当に高価な品だが、毎日手入れをしているのだろう。夫を火事で失った身の上からしても、言葉にならない切なさを感じてしまう。むろん、おたみが安い気休めを望んで銅吉達を招いたわけではないことくらい、百も承知ではあった。
「はい、お待たせしました」
「ありがたし」
「ありがとうございます」
上坪と銅吉にもたらされた膳には、麦飯と味噌汁に香の物、おかずにはタコの煮物があった。
「ご遠慮なく、お先に召しあがれ」
「頂きます」
銅吉は、上坪ともども両手をあわせた。まず味噌汁を飲んだら、きちんと切りそろえた豆腐とカボチャがあった。豆腐もカボチャも大雑把に手でちぎって調理する彼とはまるで異なる。もちろん、とても美味しい。タコは煎茶と酒で煮てから、醤油と柚子で味をつけていて、飯が進むことこの上なかった。
「うまい」
「うまいです」
銅吉はもちろん上坪まで、幸せ極まりない様子で食べている。
「そう、良かったです」
おたみもまた、つつましやかに箸を動かしながら微笑んだ。
心尽くしを味わいつつも、銅吉はふと思った。自分の膳にせよ、上坪のそれにせよ、恐らくは亡くなった夫の物と、まだ見ぬ我が子の物だったのではあるまいか。もちろん、そんなことを尋ねるのは無礼千万なので、おくびにも出さない。ただ、行き場のなくなった愛情を、どこかで放出しておきたいという気持ちがあったのかも知れない。
「おかわりもありますよ」
「い、いえ、とんでもない」
「俺も、そこまでは腹が減ってない」
おたみの親切は、何ともいえない甘い苦しみを銅吉に感じさせた。義理の姉が母代わりになったら、こんな雰囲気だろうか。
「はい、分かりました」
おたみも、強いては勧めなかった。ほっとしたような、残念なような。
「馳走になった」
「ご馳走様でした」
「はい、お粗末でした。お急ぎでしょうし、食器はそのままにしておいて下さい」
「何から何まで、痛みいる」
「本当に頭が下がります」
銅吉も上坪も、おたみの善意に感謝しつつ引きはらった。
「いやー、生きかえりましたよ」
長屋木戸を経て表通りを歩きながら、銅吉は上機嫌にいった。
「俺もだ。良く気のつく人だな」
上坪も、おみなのことでいっぱいだった心が、多少なりと軽くなったようだ。
「そういえば、失礼ながら……。上坪さんは、お仕事に障りはないんですか」
「ああ。まとまった納品をすませてあるし、次までには少し余裕がある」
「何よりです」
さすがは上坪。娘の窮地に溺れて、仕事を放りだしたりなどしない。銅吉は娘の窮地どころか、ありとあらゆる自他の極限状況を筆の種や肥やしにしている。内心で、自分の業が気恥ずかしくもあり、上坪の律儀さが清々しくもあった。
ほどなくして、二人は松森寺についた。時間をかけるまでもなく、中庭で、寺で保護されている子どもの一人が輪快の不在を教えてくれた。行く先も帰宅の時刻も聞いてないという。おみなの容態に変化はないとも伝えられる。
「むむっ、肩透かしか」
子どもに礼を述べ、相手が去ってから、上坪は残念そうに腕を組んだ。
「行く先も帰る時間も告げてないなら、どうせしばらくすればもどってくるでしょう」
銅吉としては、こうした類は寺で養われていたときから再々体験している。
「かもしれぬが、はて……」
天を仰ぐ上坪に、銅吉はいつ声をかけるべきかしばらく迷った。
「待て。輪快殿が、いつからいなくなったのかはまだ知らされていないな」
「はい、確かに」
「ならば、そこを固めておこう」
「じゃあ、私が聞いてきます」
「頼む」
上坪は、すでに寺の子ども達にも知られてはいる。とはいえ、やはり銅吉の方がすんなり会話を進められるだろう。
「上坪さんが今朝ここにきたあと、すぐに出ていったとのことです」
銅吉は、簡潔に事実を伝えた。
「ならば、一刻はたつ。これまで、何も告げずに二刻もいなくなることはあったか」
「そういえば……なかったです」
たまたま時間がかかっただけだとしたいところだ。上坪が厳しく唇を引きむすんだので、銅吉は陳腐な楽観論を持ちだせなくなった。
輪快は住職であり、かつ子ども達の親代わりでもある。ましてや、今はおみなも寺にいる。食料や消耗品は取りあえず不足してない。ならば、寺を無言で長時間留守にする筋あいはない。
「滅多なことは口にできぬが……危うい目にあわれている可能性がある」
「だ、だとしたらどこでしょう」
「銅吉。お前の方が俺よりはるかに輪快殿を良く知っている」
いきなり、重い責任がやってきた。的外れな推察に最悪の事態が重なると、輪快の身がどうなるか知られたものではない。
すぐに思いつけて一番可能性が高いのは、例の墓場だ。とはいえ、まさか一人で墓石を壊しにいくのではないだろう。
輪快の性格からすれば、あんな異様な墓碑銘を読んでそのままにしておくはずがない。必ず、詳細を調べるはずだ。
寺にも書庫はある。銅吉も頻繁に利用した。
「まずは、書庫に行きましょう。和尚様が、今回のことで何か見当をつけられたかもしれません」
「良し。案内してくれ」
「はい」
書庫までは、中庭から百歩ほど歩けば入室できた。それほど広くはなく、蔵書も数百冊というところながら、四畳半の部屋に円卓と本棚があるきりという配置がかえって清楚な品格を感じさせた。銅吉が子どものころは、ただ夢中になって片っぱしから本を読みふけるための場所だったのに、久しぶりに来ると新たな印象が加わった。
「およそ、書物の題材ごとに仕分けされております。墓場についてなら……多分、この辺りかと」
銅吉は、本棚の左上隅の辺りを示した。
「二人で一冊ずつ読むか」
「いえ、和尚様は、特に大事な箇所を拾っても時間がないときに、良く栞を用いました。そこで、読まずとも栞を探すのが吉かと」
「子ども達は、栞を使わないのか」
「使いますが、和尚様の栞は厚紙にカエルの絵が描いてあります」
「なるほど。それを探そう」
結論がつくや否や、銅吉は該当する箇所の本を丸ごと抜きとり、円卓に置いた。上坪と山分けにして、一冊ずつ栞を探していく。
「ありました」
四半刻(約三十分)ほどして、銅吉は掘りあてた。
「上々だが、他に栞はないのか」
「念には念を入れましょう」
すぐに、その一枚のみと判明した。
「まず、残りは本棚にもどそう」
「はい。私にお任せを」
二人とも、抜きだしたときの順番を崩さないように調べていたので、簡単に元通りにできた。
手元に残った一冊は、『裏本お淀の方お城の内』という題名がついていた。銅吉の記憶にはない。つまり、ここ数年の間に、輪快が購入したのだろう。
栞は、この本の半ばにあった。頁を開けると、見開きいっぱいに、炎上する大阪城の挿絵があった。いや、それだけではない。
城に、大蛇と化した清姫よろしく巻きついているのは八岐大蛇だった。八つの頭が一つにまとまる首の下には、鎧兜姿の武者が一人ぶら下がっている。
「金吾中納言殿、お淀をお迎えして共に八岐大蛇の眷属となり候、か」
上坪が、挿絵の左上隅にある説明書きを読んだ。
銅吉は、思わず身体が震えるところだった。まさにろくろ首や猫又の語るところではないか。
「作者は誰でしょう」
我ながら、無難な問いかけでどうにか合いの手を入れる。
「さて。奥付には何もない」
「和尚様が、わざわざここに栞を入れたということと、墓碑にこの二人の名前があったのは、もはや無関係ではありません」
「やはり、墓場にむかわれたと見るのが妥当か」
「はい」
「不覚にも、脇差しかない。一度家に戻り、大急ぎで刀を取ってくる。銅吉、ここで待っていてくれ。墓場までの道案内を頼む」
やむをえない次第とはいえ、その役目を頼まれるのは二回目となる。断りようがないのもまた二回目だった。
1
あなたにおすすめの小説
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
【完結】『大江戸妖怪診療所~奇病を治すは鬼の医者~』
月影 朔
歴史・時代
江戸の町外れ、鬼灯横丁で「玄庵診療所」を営むのは、人間離れした美貌を持つ謎の医師・玄庵。常人には視えぬ妖怪や穢れを視る力で、奇病に苦しむ人間や妖怪たちを癒やしています。ひょんなことから助手を務めることになった町娘のおみつは、妖怪の存在に戸惑いながらも、持ち前の行動力と共感力で玄庵の治療を手伝い、彼と共に成長していきます。
飄々とした情報屋の古狐妖怪・古尾や、言葉を解する化け猫・玉藻など、個性豊かな面々が診療所を彩ります。玄庵の過去にまつわる深い謎、人間と妖怪の間に立つ退魔師・竜胆との衝突、そして世界を混乱に陥れる「穢れ」の存在。様々な事件を通して、人間と妖怪の間に紡がれる絆と、未来への希望が描かれる、和風ファンタジー医療譚です。
花嫁
一ノ瀬亮太郎
歴史・時代
征之進は小さい頃から市松人形が欲しかった。しかし大身旗本の嫡男が女の子のように人形遊びをするなど許されるはずもない。他人からも自分からもそんな気持を隠すように征之進は武芸に励み、今では道場の師範代を務めるまでになっていた。そんな征之進に結婚話が持ち込まれる。
剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末
松風勇水(松 勇)
歴史・時代
旧題:剣客居酒屋 草間の陰
第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。
本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。
2025年11月28書籍刊行。
なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる