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三十四、決着 二
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三槌屋が事実を述べているのは、長い付きあいから確信できる。だからといって感謝する気になれない。どちらかといえば、その逆だった。
「銭霊の警告は、今にして思えば手遅れ寸前でした」
恨みごとを述べているつもりはない。話に弾みをつけるために、あえて否定的な意見を口にした。
「時間差というものですよ。あやかしとて全能ではありませんし、さすがに、私とてすぐ露呈するような工作はしません」
三槌屋もまた、淡々と説明した。
「最初から私を始末すれば済んだのに、どうしてそうなさらなかったのですか」
「あやかし達や裏長屋の衆がどのくらいあなたに協力するかを見極めたかったからです。それに、より困難な条件に挑戦すれば、それだけ八岐大蛇の力は強くなります」
「何故このようなことをなさったのです」
「至極単純です。私は、秀頼公の忘れ形見・求厭の子孫に他なりません」
「求厭の……ということは……」
「はい。おみなとも遠い血縁です」
「ですが、八岐大蛇におめおめと利用されているではありませんか」
「あいにくと、そこが料簡の異なるところです。私は、豊臣家の再興よりも、八岐大蛇にこそはるかに強い魅力を感じたのです」
三槌屋は、羽織の胸元を軽くはだけた。無数の赤い手形が、びっしりと刻まれている。
「もう既に、八岐大蛇の封印は解かれたのではないのですか」
八岐山の噴火を、銅吉は頭に思い描いた。
「私もそうだと踏んでいたのですよ。しかし、長い間に、八岐大蛇は本来の力を相当失っていました。それで、生け贄が必要だったのです。日ノ本が混乱するという生け贄が」
「つまり、誰それを犠牲にするというより、ある特別な状況が必要だったというのですね」
「はい。祭壇を作って牛を殺すようなことではありません。銅吉さんも裏長屋で散々見聞きしたことでしょう。庶民のご政道への怨嗟を」
「……」
「八岐大蛇は、その時自分の身に残っていた力の大半を私に貸してくれました。お淀も秀秋も、最後まで豊臣家や自分自身の復活を妄信していましたが、私には実験材料にすぎなかったのです」
「本命は、お淀を田沼様の奥方に取りつかせて、中間頭の亀丸に操らせるということですか」
「ご明察。むろん、亀丸は私が操ります。御公儀が詮索しようとも、行きつくところは亀丸どまり。また新しい手駒を用意すればすむ話でした」
「どうして、田沼様自身を的にしなかったのですか」
「二つ理由があります。決して表にはなっていませんが、田沼様は奥方に頭が上がらないのです。田沼様の血筋は足軽の成りあがり。奥方のそれは、一橋家の家老。側室もいますが、こちらは無視して良いでしょう」
「もう一つは」
「田沼様が心身ともにご無事である限り、あくまで田沼家の内側だけのお話となります。こちらとしては、無意味に詮索されにくくなるのです」
「だから、おみなをわざと最初に狙わせて、私に妨害させるよう仕むけ、最終的にお淀を田沼家に行かせたのですね」
「いかにも。田沼様の奥方の魂を殺さず、肉体にお淀を同居させる。ここが最大の泣きどころでした。もし奥方の魂を殺したら、お淀を操りたくとも操れません。一つの肉体に二つの魂が同居する、不安定な状態でこそ、忍びは彼女を操れます」
「ただし、お淀がすんなりとそんな事態を受けいれるわけがない。だからおみなちゃんを用いて回りくどいことをした、と」
「緊急避難という形でなら、まとまると睨みました」
確かに、まとまった。あやかし達さえいなければ、そして銅吉達との連携がなければ、八岐大蛇の完全復活は確実だったろう。
「最初から、おみなちゃんを狙っていたんでしょう」
「はい。ここにも何度か納品に来て、自然に顔を見ました。一回ですぐにそれとわかりましたとも」
こんな人間と、遠縁とはいえ血がつながっていると知ったら。まして、それが八岐大蛇云々の陰謀の土台となれば。おみなはどれほど傷つくことだろう。
今にして思えば、おみなは行方知れずになる直前、足が細かく震えていた。三槌屋は、おみなと同じ影を帯びていたのに、小指一本動じていなかった。
断じて許せないのは当然ながら、まだ知っておくべき真相が残っている。
「亀丸とは、どうやって知りあったのですか」
「あれは私の一人息子です。妻はとうに死にました」
危うく、銅吉は言葉を失いかけた。
血筋。それはもはや、一種の呪いだ。三槌屋は、呪いを最大限に利用しようとして、血筋とは何の関係もない銅吉と彼の仲間達により破れた。決着がつく寸前までは、どちらに勝敗が転ぶかわからなかった。
「蛇足ながら、目印の地蔵に紅を塗っていたのも亀丸です。妻の遺品をね」
「……」
「もはや、それら全てが潰えました。まさかあやかしどもが大道芸をするとは。驚く前に吹きだしました」
「忍びとはまた別の情報網があるのですか」
「まさか。あれほど大きな騒ぎになれば、あっという間に伝わりますよ。もっとも、そのお陰で私は敗北を悟りました」
その意味でも、効果抜群だったということだ。
「それにしても、策が破綻するまで座視することはなかったでしょう。失礼ながら、あまりにも消極的すぎたのではありませんか」
「亀丸が、私の手を借りたがらなかったからです」
「息子としてですか」
本来なら絶対に口にできない質問を、銅吉はためらいなく発した。
「いかにも。私も、父として、息子の力を見極めたいという気持ちがありました」
「しかし、それもまた八岐大蛇の望む混沌の一貫とさせたのでしょう」
「はい。ある意味で、親子の情ほど複雑な混沌はございますまい」
銅吉は、何ともいえない恐怖と憎悪と軽蔑を三槌屋に抱いた。ありとあらゆる価値観や人倫を、全て八岐大蛇に食わせ、醜悪極まりない。
と、そこで、自分がお百度参りをした時の記憶がありありと記憶に蘇った。あの時、彼は幼いなりに必死だった。三槌屋のしたことは、間接的にせよ、そうしたひたむきな心にドブの汚泥をぶちまけたも同然だった。
「私が死ねば、この一連はきれいに収まります。八岐大蛇は改めて封印されますし、田沼家に残った他の手の者も、そのまま建前の立場を活かして生きていくよう手配済みです」
銅吉の緊張に素早く感づき、三槌屋は事後処理までつまびらかにした。
「建前の立場、とは、あなたのことは忘れてという意味ですか」
「いかにも」
「真相はおおかた出そろいました。ありがとうございます。ただし、死んではなりません」
「どうして」
「罪滅ぼしをして下さい。おみなちゃんは、もう何日も寝こんでいます。和尚様も上坪さんも、死にそうな目に会っています。太助や左門次にも手間を取らせました」
「見舞金でも出せというのですか」
「いえ。何も変わらない日常を送って下さい。私も、他のみんなも、あなたが黒幕だったなどとは一言も口にしません。けれども、あなたが完敗したことは、私が知っています。あなたもまた」
「その屈辱を抱えて生きていけ、と」
「そうです。自殺してきれいに地獄いき、という結末は、あなたには上等すぎます」
銅吉に締切りを催促しようが、道端で挨拶されようが。常に、お情けで死なずにすんだ負け犬だと自覚させられる。
三槌屋がつまらない小悪党だったら、公儀にでも引きわたして打首なり島流しなりにして貰っただろう。
だが、三槌屋は、基本的に恥を知る人間である。いっそこの場で銅吉に死ぬまで殴られでもした方が、なにがしかの名誉を保てただろう。
「いいでしょう。負けた側に選ぶ権利はない。その要領で、日々を送りましょう」
「ご英断、恐れいります」
皮肉や愚弄のつもりはない。それが証拠に、天井から三槌屋の頭上めがけて一文銭が一枚落ちてきた。こつんと音を立てて命中すると、三槌屋が頭に手をやる暇もあればこそ、彼の全身からしゅうしゅうと赤い煙が吹きだしてきた。
「むむっ。こ、これはっ」
「八岐大蛇の手形、決済の時が至ったようですね」
銅吉は生まれて初めて、自分や自分が大切にしている人々の危機ではなく、純粋に赤の他人……と、なってしまった人間……のためだけに銭霊から銭を出した。
「ぐううっ。むうーっ」
三槌屋は、あっという間に汗だくになった。さらに、両目をぎゅっとつむって、袴の両膝に握りじわを作った。
「熱いっ。熱いーっ」
「ご辛抱なさいませ」
「むむむーっ」
ついに、三槌屋の身体から、深紅の小さな八岐大蛇が抜けでてきた。彼の頭くらいな大きさをしている。それは、銅吉を一睨みすると、西を目指して宙を飛んだ。まばたきする間もなく壁をすり抜け、消えていった。
「はぁっ……。はぁっ……」
「胸をご覧なさいませ」
銅吉が促すと、三槌屋は荒く息をついたまま、自らの胸を今一度はだけた。手形はきれいさっぱりなくなっている。
「これで、罪を償うための手配は終わりました。頑張って下さい」
これで、全て片づいた。
その時、何かが自分の足の裏から頭のてっぺんを通って行く感触を覚えた。溜まりに溜まった疲労が、鍼灸の達人の手で一気に抜けていくような。
しかし、長居は無用だった。
「銭霊の警告は、今にして思えば手遅れ寸前でした」
恨みごとを述べているつもりはない。話に弾みをつけるために、あえて否定的な意見を口にした。
「時間差というものですよ。あやかしとて全能ではありませんし、さすがに、私とてすぐ露呈するような工作はしません」
三槌屋もまた、淡々と説明した。
「最初から私を始末すれば済んだのに、どうしてそうなさらなかったのですか」
「あやかし達や裏長屋の衆がどのくらいあなたに協力するかを見極めたかったからです。それに、より困難な条件に挑戦すれば、それだけ八岐大蛇の力は強くなります」
「何故このようなことをなさったのです」
「至極単純です。私は、秀頼公の忘れ形見・求厭の子孫に他なりません」
「求厭の……ということは……」
「はい。おみなとも遠い血縁です」
「ですが、八岐大蛇におめおめと利用されているではありませんか」
「あいにくと、そこが料簡の異なるところです。私は、豊臣家の再興よりも、八岐大蛇にこそはるかに強い魅力を感じたのです」
三槌屋は、羽織の胸元を軽くはだけた。無数の赤い手形が、びっしりと刻まれている。
「もう既に、八岐大蛇の封印は解かれたのではないのですか」
八岐山の噴火を、銅吉は頭に思い描いた。
「私もそうだと踏んでいたのですよ。しかし、長い間に、八岐大蛇は本来の力を相当失っていました。それで、生け贄が必要だったのです。日ノ本が混乱するという生け贄が」
「つまり、誰それを犠牲にするというより、ある特別な状況が必要だったというのですね」
「はい。祭壇を作って牛を殺すようなことではありません。銅吉さんも裏長屋で散々見聞きしたことでしょう。庶民のご政道への怨嗟を」
「……」
「八岐大蛇は、その時自分の身に残っていた力の大半を私に貸してくれました。お淀も秀秋も、最後まで豊臣家や自分自身の復活を妄信していましたが、私には実験材料にすぎなかったのです」
「本命は、お淀を田沼様の奥方に取りつかせて、中間頭の亀丸に操らせるということですか」
「ご明察。むろん、亀丸は私が操ります。御公儀が詮索しようとも、行きつくところは亀丸どまり。また新しい手駒を用意すればすむ話でした」
「どうして、田沼様自身を的にしなかったのですか」
「二つ理由があります。決して表にはなっていませんが、田沼様は奥方に頭が上がらないのです。田沼様の血筋は足軽の成りあがり。奥方のそれは、一橋家の家老。側室もいますが、こちらは無視して良いでしょう」
「もう一つは」
「田沼様が心身ともにご無事である限り、あくまで田沼家の内側だけのお話となります。こちらとしては、無意味に詮索されにくくなるのです」
「だから、おみなをわざと最初に狙わせて、私に妨害させるよう仕むけ、最終的にお淀を田沼家に行かせたのですね」
「いかにも。田沼様の奥方の魂を殺さず、肉体にお淀を同居させる。ここが最大の泣きどころでした。もし奥方の魂を殺したら、お淀を操りたくとも操れません。一つの肉体に二つの魂が同居する、不安定な状態でこそ、忍びは彼女を操れます」
「ただし、お淀がすんなりとそんな事態を受けいれるわけがない。だからおみなちゃんを用いて回りくどいことをした、と」
「緊急避難という形でなら、まとまると睨みました」
確かに、まとまった。あやかし達さえいなければ、そして銅吉達との連携がなければ、八岐大蛇の完全復活は確実だったろう。
「最初から、おみなちゃんを狙っていたんでしょう」
「はい。ここにも何度か納品に来て、自然に顔を見ました。一回ですぐにそれとわかりましたとも」
こんな人間と、遠縁とはいえ血がつながっていると知ったら。まして、それが八岐大蛇云々の陰謀の土台となれば。おみなはどれほど傷つくことだろう。
今にして思えば、おみなは行方知れずになる直前、足が細かく震えていた。三槌屋は、おみなと同じ影を帯びていたのに、小指一本動じていなかった。
断じて許せないのは当然ながら、まだ知っておくべき真相が残っている。
「亀丸とは、どうやって知りあったのですか」
「あれは私の一人息子です。妻はとうに死にました」
危うく、銅吉は言葉を失いかけた。
血筋。それはもはや、一種の呪いだ。三槌屋は、呪いを最大限に利用しようとして、血筋とは何の関係もない銅吉と彼の仲間達により破れた。決着がつく寸前までは、どちらに勝敗が転ぶかわからなかった。
「蛇足ながら、目印の地蔵に紅を塗っていたのも亀丸です。妻の遺品をね」
「……」
「もはや、それら全てが潰えました。まさかあやかしどもが大道芸をするとは。驚く前に吹きだしました」
「忍びとはまた別の情報網があるのですか」
「まさか。あれほど大きな騒ぎになれば、あっという間に伝わりますよ。もっとも、そのお陰で私は敗北を悟りました」
その意味でも、効果抜群だったということだ。
「それにしても、策が破綻するまで座視することはなかったでしょう。失礼ながら、あまりにも消極的すぎたのではありませんか」
「亀丸が、私の手を借りたがらなかったからです」
「息子としてですか」
本来なら絶対に口にできない質問を、銅吉はためらいなく発した。
「いかにも。私も、父として、息子の力を見極めたいという気持ちがありました」
「しかし、それもまた八岐大蛇の望む混沌の一貫とさせたのでしょう」
「はい。ある意味で、親子の情ほど複雑な混沌はございますまい」
銅吉は、何ともいえない恐怖と憎悪と軽蔑を三槌屋に抱いた。ありとあらゆる価値観や人倫を、全て八岐大蛇に食わせ、醜悪極まりない。
と、そこで、自分がお百度参りをした時の記憶がありありと記憶に蘇った。あの時、彼は幼いなりに必死だった。三槌屋のしたことは、間接的にせよ、そうしたひたむきな心にドブの汚泥をぶちまけたも同然だった。
「私が死ねば、この一連はきれいに収まります。八岐大蛇は改めて封印されますし、田沼家に残った他の手の者も、そのまま建前の立場を活かして生きていくよう手配済みです」
銅吉の緊張に素早く感づき、三槌屋は事後処理までつまびらかにした。
「建前の立場、とは、あなたのことは忘れてという意味ですか」
「いかにも」
「真相はおおかた出そろいました。ありがとうございます。ただし、死んではなりません」
「どうして」
「罪滅ぼしをして下さい。おみなちゃんは、もう何日も寝こんでいます。和尚様も上坪さんも、死にそうな目に会っています。太助や左門次にも手間を取らせました」
「見舞金でも出せというのですか」
「いえ。何も変わらない日常を送って下さい。私も、他のみんなも、あなたが黒幕だったなどとは一言も口にしません。けれども、あなたが完敗したことは、私が知っています。あなたもまた」
「その屈辱を抱えて生きていけ、と」
「そうです。自殺してきれいに地獄いき、という結末は、あなたには上等すぎます」
銅吉に締切りを催促しようが、道端で挨拶されようが。常に、お情けで死なずにすんだ負け犬だと自覚させられる。
三槌屋がつまらない小悪党だったら、公儀にでも引きわたして打首なり島流しなりにして貰っただろう。
だが、三槌屋は、基本的に恥を知る人間である。いっそこの場で銅吉に死ぬまで殴られでもした方が、なにがしかの名誉を保てただろう。
「いいでしょう。負けた側に選ぶ権利はない。その要領で、日々を送りましょう」
「ご英断、恐れいります」
皮肉や愚弄のつもりはない。それが証拠に、天井から三槌屋の頭上めがけて一文銭が一枚落ちてきた。こつんと音を立てて命中すると、三槌屋が頭に手をやる暇もあればこそ、彼の全身からしゅうしゅうと赤い煙が吹きだしてきた。
「むむっ。こ、これはっ」
「八岐大蛇の手形、決済の時が至ったようですね」
銅吉は生まれて初めて、自分や自分が大切にしている人々の危機ではなく、純粋に赤の他人……と、なってしまった人間……のためだけに銭霊から銭を出した。
「ぐううっ。むうーっ」
三槌屋は、あっという間に汗だくになった。さらに、両目をぎゅっとつむって、袴の両膝に握りじわを作った。
「熱いっ。熱いーっ」
「ご辛抱なさいませ」
「むむむーっ」
ついに、三槌屋の身体から、深紅の小さな八岐大蛇が抜けでてきた。彼の頭くらいな大きさをしている。それは、銅吉を一睨みすると、西を目指して宙を飛んだ。まばたきする間もなく壁をすり抜け、消えていった。
「はぁっ……。はぁっ……」
「胸をご覧なさいませ」
銅吉が促すと、三槌屋は荒く息をついたまま、自らの胸を今一度はだけた。手形はきれいさっぱりなくなっている。
「これで、罪を償うための手配は終わりました。頑張って下さい」
これで、全て片づいた。
その時、何かが自分の足の裏から頭のてっぺんを通って行く感触を覚えた。溜まりに溜まった疲労が、鍼灸の達人の手で一気に抜けていくような。
しかし、長居は無用だった。
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