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83話 神の加護
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夏休みが終わって暫くすると、まずニコラス様とクリスの関係が変わり、ニコラス様が自覚したのかクリスに対してどう接するかを悩みだしたらしい、ウィルが「毎回ニコラスに相談されて面倒くさい…」と言っていた。
リリの方は、順調らしく「ジュリアが私に「貴女なんかより私の方がディーン様にふさわしいんだから、婚約者面が出来るのも今のうちよ!」って言ってきたの!早く婚約破棄してくれないかしら」と嬉しそうに言っていた。
ユフィ様は引いてみたのが良かったのか、アルベール殿下の方から接触があったらしい、でもやはり告白は断られ、友達付き合いならしてもいいという事になったらしい、ユフィ様本人は「一緒にいる機会を貰えるならいくらでも攻められるから構わないわ」と相変わらず前向きだった。
そんな感じで日々を過ごしていると、ある日のお昼休みにユフィ様がある1年生の話をカイン様にし始めた。
「カイン様、エラ・パトリシア男爵令嬢ってご存じですか?」
「今年入った生徒だよね、そのご令嬢がどうかしたの?」
「私もまだクラスメイトの噂程度でしか知らないのですが、数人の男子生徒を籠絡して侍らせてるそうですわ」
「へぇ、そうなんだ…籠絡された人が誰か分かる?」
「私も詳しくは聞いてないので、ただ伯爵家のご子息もいるらしいのでお伝えしておこうかと」
「そうか、ありがとうユーフェミア調べてみるよ」
新入生に逆ハーレムを作るようなキャラの濃いご令嬢がいる事に驚いたが、この時ユフィ様とカイン様以外はまだそんなにその男爵令嬢の事を気にしていなかった。
その日の午後はユフィ様と精霊学の授業だったので、いつものように精霊の泉で話していると、ユフィ様が「金色の瞳が精霊の加護なら、向こうの大陸の赤い瞳も同じようなものですか?」とヴィンス先生に質問した。
「そうですね、エレボスの加護があると瞳が赤くなります」
「エレボスって神様ですよね、神の加護だとどうなるんですか?」
「よくご存じですね、エレボスは破壊神ですから好戦的になったり身体能力が上がったり等ありますが、神術が使えるようになるのが大きいですかね、神術は精神作用系が多いですから」
私はユフィ様と先生の話を聞いて「クロードも瞳が赤いですけど、加護持ちなんですか?」と聞いてみた。
すると今度はアルヴィン様が「あいつは加護持ちだ」と答えてくれた。
「そうですか、でもあまり好戦的な感じはしませんよね?」
「暗殺業は十分好戦的だと思うけどな、まぁあいつの場合こっちにいる期間が長いからエレボスの影響が弱いんだろ」
「やっぱり向こうの人がこっちに来ると弱くなるんですか?」
「神術や加護に頼っていたなら弱くなるだろうし、そうでないならあまり変わらん、ヴィンスやウィリアムなんかはどっちの大陸でも変わらないし、俺なんかはかなり出来る事が減る」
アルヴィン様の説明に今度はユフィ様が「向こうの大陸にアルヴィン様みたいな方はいるんですか?」と聞くと「あ~…今いるかは分からんがそういうのはあるぞ」と教えてくれて「こちらでは精霊の寵愛者と呼ばれてますが、あちらではエレボスの適合者と言われています」とヴィンス先生が補足してくれた。
私が「適合者という事は魔王ですか?」と先生に聞くと「違います」と返ってきた。
「適合者はエレボスと契約を結び、アルヴィンのように人という枠から外れた人の事です、対して魔王は神の憑代ですので、エレボスがこちらに干渉するための器、こっちの大陸なら精霊王と同格です」
「ん?アルヴィン様って人じゃないんですか?」
「ユーフェミアにはまだ言ってなかったな、俺ほぼ不老なんだよ」
「えっ、それじゃあアルヴィン様の見た目が若いのは…」
「半分精霊みたいなもんだからだ」
「そういう事ですか、でもそれ辛くないですか?」
「俺は精霊と居た時間の方が長いから割と平気だ、それに1人じゃないしな」
アルヴィン様がそう言ったところで時間となり、私達はヴィンス先生と教室へと帰った。
その後は特にこれといった問題はなく、1年の時と比べて平穏な学園生活を送っていた。
そんなある日、クリスがニコラス様との事で相談に乗って欲しいと言うので、学園が休みの日に、私、リリ、ユフィ様はクリスの話を聞く事になった。
クリスは「皆今日はありがとう」と言うと「実は、ニコラス様から告白されたんだけど…婚約者には出来ないって言われたの」と発言した。
それにリリが「え?どういう事?」と聞くと「そのままの意味よ、恋人として付き合う事までは出来るけど、結婚を約束する婚約者は無理だって言われた、それで婚約者じゃなきゃ嫌なら諦めて欲しいとも…」と答えた。
「理由は教えてくれたの?」と私が聞くとクリスは首を横に振ったので、質問を変えて「クリスはどうしたいの?」と尋ねた。
「私は、ニコラス様と一緒にいたい、でももし、ある日突然別の人が婚約者になるとかなら嫌」
「そうなると、ニコラス様を問いただすしかないかしら」
リリがそう言うとユフィ様が「方法なら他にもあるわよ、本人に聞くより口の軽い第3者ってね」と言って私を見てきたので「もしかしてウィルに聞けという事かしら?」と言うと「正解」と笑顔で言われた。
クリスとリリの方を見ると2人も私を見ていて、クリスが「マリーちゃん、お願い」と言ってきた。
「知ってるかどうかは分からないけど構わない?」
「もちろん」
「駄目だった時は私とユフィ様で吐かせるから大丈夫よ」
「私リリのそういうとこ結構好きよ」
「あら、ありがとうユフィ様」
そんな事があったので、私は翌日の登校時にウィルに聞いてみたのだが、ウィルは少し悩むと「マリー達に言っていいかカイン様に確認取ってからでもいい?」と言ってきたので、私は「はい、大丈夫です」と答えた。
すると数日後の放課後、私、クリス、リリ、ユフィ様の4人は生徒会室に呼ばれた。
リリの方は、順調らしく「ジュリアが私に「貴女なんかより私の方がディーン様にふさわしいんだから、婚約者面が出来るのも今のうちよ!」って言ってきたの!早く婚約破棄してくれないかしら」と嬉しそうに言っていた。
ユフィ様は引いてみたのが良かったのか、アルベール殿下の方から接触があったらしい、でもやはり告白は断られ、友達付き合いならしてもいいという事になったらしい、ユフィ様本人は「一緒にいる機会を貰えるならいくらでも攻められるから構わないわ」と相変わらず前向きだった。
そんな感じで日々を過ごしていると、ある日のお昼休みにユフィ様がある1年生の話をカイン様にし始めた。
「カイン様、エラ・パトリシア男爵令嬢ってご存じですか?」
「今年入った生徒だよね、そのご令嬢がどうかしたの?」
「私もまだクラスメイトの噂程度でしか知らないのですが、数人の男子生徒を籠絡して侍らせてるそうですわ」
「へぇ、そうなんだ…籠絡された人が誰か分かる?」
「私も詳しくは聞いてないので、ただ伯爵家のご子息もいるらしいのでお伝えしておこうかと」
「そうか、ありがとうユーフェミア調べてみるよ」
新入生に逆ハーレムを作るようなキャラの濃いご令嬢がいる事に驚いたが、この時ユフィ様とカイン様以外はまだそんなにその男爵令嬢の事を気にしていなかった。
その日の午後はユフィ様と精霊学の授業だったので、いつものように精霊の泉で話していると、ユフィ様が「金色の瞳が精霊の加護なら、向こうの大陸の赤い瞳も同じようなものですか?」とヴィンス先生に質問した。
「そうですね、エレボスの加護があると瞳が赤くなります」
「エレボスって神様ですよね、神の加護だとどうなるんですか?」
「よくご存じですね、エレボスは破壊神ですから好戦的になったり身体能力が上がったり等ありますが、神術が使えるようになるのが大きいですかね、神術は精神作用系が多いですから」
私はユフィ様と先生の話を聞いて「クロードも瞳が赤いですけど、加護持ちなんですか?」と聞いてみた。
すると今度はアルヴィン様が「あいつは加護持ちだ」と答えてくれた。
「そうですか、でもあまり好戦的な感じはしませんよね?」
「暗殺業は十分好戦的だと思うけどな、まぁあいつの場合こっちにいる期間が長いからエレボスの影響が弱いんだろ」
「やっぱり向こうの人がこっちに来ると弱くなるんですか?」
「神術や加護に頼っていたなら弱くなるだろうし、そうでないならあまり変わらん、ヴィンスやウィリアムなんかはどっちの大陸でも変わらないし、俺なんかはかなり出来る事が減る」
アルヴィン様の説明に今度はユフィ様が「向こうの大陸にアルヴィン様みたいな方はいるんですか?」と聞くと「あ~…今いるかは分からんがそういうのはあるぞ」と教えてくれて「こちらでは精霊の寵愛者と呼ばれてますが、あちらではエレボスの適合者と言われています」とヴィンス先生が補足してくれた。
私が「適合者という事は魔王ですか?」と先生に聞くと「違います」と返ってきた。
「適合者はエレボスと契約を結び、アルヴィンのように人という枠から外れた人の事です、対して魔王は神の憑代ですので、エレボスがこちらに干渉するための器、こっちの大陸なら精霊王と同格です」
「ん?アルヴィン様って人じゃないんですか?」
「ユーフェミアにはまだ言ってなかったな、俺ほぼ不老なんだよ」
「えっ、それじゃあアルヴィン様の見た目が若いのは…」
「半分精霊みたいなもんだからだ」
「そういう事ですか、でもそれ辛くないですか?」
「俺は精霊と居た時間の方が長いから割と平気だ、それに1人じゃないしな」
アルヴィン様がそう言ったところで時間となり、私達はヴィンス先生と教室へと帰った。
その後は特にこれといった問題はなく、1年の時と比べて平穏な学園生活を送っていた。
そんなある日、クリスがニコラス様との事で相談に乗って欲しいと言うので、学園が休みの日に、私、リリ、ユフィ様はクリスの話を聞く事になった。
クリスは「皆今日はありがとう」と言うと「実は、ニコラス様から告白されたんだけど…婚約者には出来ないって言われたの」と発言した。
それにリリが「え?どういう事?」と聞くと「そのままの意味よ、恋人として付き合う事までは出来るけど、結婚を約束する婚約者は無理だって言われた、それで婚約者じゃなきゃ嫌なら諦めて欲しいとも…」と答えた。
「理由は教えてくれたの?」と私が聞くとクリスは首を横に振ったので、質問を変えて「クリスはどうしたいの?」と尋ねた。
「私は、ニコラス様と一緒にいたい、でももし、ある日突然別の人が婚約者になるとかなら嫌」
「そうなると、ニコラス様を問いただすしかないかしら」
リリがそう言うとユフィ様が「方法なら他にもあるわよ、本人に聞くより口の軽い第3者ってね」と言って私を見てきたので「もしかしてウィルに聞けという事かしら?」と言うと「正解」と笑顔で言われた。
クリスとリリの方を見ると2人も私を見ていて、クリスが「マリーちゃん、お願い」と言ってきた。
「知ってるかどうかは分からないけど構わない?」
「もちろん」
「駄目だった時は私とユフィ様で吐かせるから大丈夫よ」
「私リリのそういうとこ結構好きよ」
「あら、ありがとうユフィ様」
そんな事があったので、私は翌日の登校時にウィルに聞いてみたのだが、ウィルは少し悩むと「マリー達に言っていいかカイン様に確認取ってからでもいい?」と言ってきたので、私は「はい、大丈夫です」と答えた。
すると数日後の放課後、私、クリス、リリ、ユフィ様の4人は生徒会室に呼ばれた。
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