92 / 106
90話 不憫2
しおりを挟む
後は寝るだけという状態で寮の部屋で過ごしていると、猫のメーネスが外に出たがったのでカーテンを開けたら、外にウィルがいて本当に驚いた。
話があるというので部屋に入ってもらったのだが、私がお茶を淹れている間ソファに座っていたウィルは頭を押さえてずっと考え込んでいた。
いったいどうしたのだろうと思いつつ、お茶を出して隣に座ると「こんな時間に来てごめんね」と言われたので「明日は学園が休みの日ですし、私は構いませんよ」と答えた。
「それで、話ってなんですか?」
「マリーが最近上の空だから何をそんなに気にしているのか聞きに来たんだよ」
「うっ…ごめんなさい」
「謝らなくていいから、話してもらえる?」
「それはつまり、何かモヤモヤするという理由では駄目って事ですよね」
私が最近1人で勝手に悩んでいる事については、ウィルに聞くのが1番早いのは分かっているのだけれど、聞く事に抵抗があったので、何とか自分で気持ちに折り合いをつけようと思っていた。
でもそのせいでウィルにこうして気を遣わせてたら駄目だよね、と思っていたらウィルに頬を撫でられたのでそちらを向くと「俺ってそんなに頼りない?」と言われてしまったので慌てて否定した。
「違うんです、ウィルのせいではなくて私が勝手に思ってるだけで…」
「でも俺に関する事だよね?」
「…はい」
「例の男爵令嬢の事?」
「それもあります…」
「も、って事は他にもあるんだね」
「パトリシア男爵令嬢に関しては、アリスと話してエレナ様の代わりなのではと少し疑ってます」
「代わり?」
「はい、エレナ様は私達の前世では新ヒロインの位置でしたので、本来卒業までこの国に居るはずなのですが、ティルステア聖国に帰られてしまったので、代わりとして彼女が現れたのではないかと」
「まぁ確かに攻略対象って言われてる人物に接触してるし、マークは落とされてるけど、それがどうかしたの?」
「どうかしたのじゃないですよ、カイン様もウィルも一応攻略対象なんですから、万が一があるかもしれないじゃないですか」
「そういう事か、じゃあマリーやアリス様は、俺やカイン様が強制力みたいなもので男爵令嬢に心変わりしないか心配してるって事でいい?」
ウィルにそう聞かれたので私が頷くと、ウィルは少し考えた後「マリー、ここに座ってくれる?」と笑顔でウィルの膝の上を指定してきた。
ウィルの膝の上に座るとか、学園に入学する前にしたのが最後なので流石に恥ずかしいと抵抗すると、ウィルにヒョイと抱き上げられ、横向きに強制的に座らされた。
「フフッ、マリーがそんなに真っ赤になるのを見るの久しぶりだね」
「ウィルは楽しそうですね」
「うん、少し楽しいかも、ねぇマリー」
「はい」
「俺は例の男爵令嬢を見た事もあるし、応対した事もあるけど、正直全く興味がない、それは分かるよね」
「分かります」
「うん、じゃあもし俺がマリーよりあの男爵令嬢を選ぶような事があれば、それはもう俺じゃないから先生に相談して俺を正気に戻してもらえるかな」
「分かりました」
「じゃあ男爵令嬢の件はこれでいいとして、他には?まだあるんでしょ?」
私は、これは答えないとずっとこのままなんだろうなと思ったので、観念して「ウィルが、夜会で大変モテていると聞きました」と言うと、ウィルの眉間にしわが寄った。
「…誰から聞いたの」
「アリスとセス様とアルヴィン様から聞きました」
「そう、何て言ってた?」
「アリスは、ウィルが次期宰相候補だから近付こうとする令嬢がいるけど、ちゃんとかわしていると教えてくれて、セス様からは、ウィルはフリーになると毎回ご令嬢に囲まれていて、たまに何人かダンスの相手をしてるくらいだと聞きました」
「アルヴィン様は?」
「ウィルを遊び相手として誘う女性の方と、一緒に娼館へ遊びに行かないかと誘う男性の方がいると教えて下さいました」
「あの人本当に何なんだろう、俺の事嫌いなのか?…あっ、俺ちゃんと誘いは断ってるからね!?」
「はい、そこは信じてます」
「良かった、なら何を悩んでるの?」
ウィルがそう言って首を傾げるので、私は「私がまだ夜会に参加出来ないせいで、私のウィルに近寄ってくる女性がいる事に腹が立つし、娼館に誘う方なんて論外ですよ、そんな所に行かなくても私がいるのに…でも結局牽制すら出来ないので、このどうしようもない年齢差への憤りを抱えてる事が最近の悩みです」と早口で言うと、居た堪れなくて手で顔を覆った。
するとウィルが「じゃあ俺マリーが夜会に参加出来る歳になるまで、夜会欠席しようか?」と言い出したので、私は慌てて顔を上げてウィルを見た。
「な、何言ってるんですか、駄目ですよそんなの」
「え~、俺マリーが悲しむ事はしたくないんだけど」
「大丈夫です、私のわがままでウィルの仕事に支障が出る方が嫌ですし、それにウィルがモテるのは予想してましたから」
「ごめんね、ちゃんと断ってるから問題ないと思ってたんだけど、考えてみれば言い寄られてるだけでも面白くないよね」とウィルは言うと私を抱きしめソファに寝転がったので、私がウィルをソファに押し倒したような状態になってしまった。
「確かに面白くは無いですけど、夜会でのウィルの事は私が知ろうとしなければ分からないので、気にしないようにします」
「俺は少しぐらい嫉妬したマリーに束縛されたいけどな」
「本気ですか?」
私がそう言ってウィルの胸に頭を預けると、ウィルは私の頭を撫でながら「本気だよ、それに多分だけど、マリーが夜会に参加し始めたら、俺がマリーを束縛すると思うし」と言い出したので「例えば?」と聞いてみた。
「そうだなぁ、まず俺と一緒じゃないと参加させないし、俺以外とはダンスを踊っちゃ駄目とかかな」
「私も元々そのつもりですから大丈夫ですよ」
「マリーならそう言う気はしてたよ…そういえばさっき言ってたから確認なんだけど、俺を娼館に行かせない為に何かするつもりなの?」
「あー…それは、私転生者なので前世含め知識はあるんで…」
「マリーって前世何歳だったの」
「女性に歳を尋ねるのは失礼ですよ…」
「そうだけど…でもマリーに触っていいなら俺は触りたいから、本当に分かってるのか知りたいんだけど」
「…」
「マリー?…え、ちょっと、この状況で寝ちゃったの!?…マジかよ、俺の事信用しすぎだってば」
私は見事に寝落ちしてしまい、翌朝目が覚めると普通にベッドで寝ていたので「うああぁ…ウィルに謝らないと」と頭を抱える事になった。
話があるというので部屋に入ってもらったのだが、私がお茶を淹れている間ソファに座っていたウィルは頭を押さえてずっと考え込んでいた。
いったいどうしたのだろうと思いつつ、お茶を出して隣に座ると「こんな時間に来てごめんね」と言われたので「明日は学園が休みの日ですし、私は構いませんよ」と答えた。
「それで、話ってなんですか?」
「マリーが最近上の空だから何をそんなに気にしているのか聞きに来たんだよ」
「うっ…ごめんなさい」
「謝らなくていいから、話してもらえる?」
「それはつまり、何かモヤモヤするという理由では駄目って事ですよね」
私が最近1人で勝手に悩んでいる事については、ウィルに聞くのが1番早いのは分かっているのだけれど、聞く事に抵抗があったので、何とか自分で気持ちに折り合いをつけようと思っていた。
でもそのせいでウィルにこうして気を遣わせてたら駄目だよね、と思っていたらウィルに頬を撫でられたのでそちらを向くと「俺ってそんなに頼りない?」と言われてしまったので慌てて否定した。
「違うんです、ウィルのせいではなくて私が勝手に思ってるだけで…」
「でも俺に関する事だよね?」
「…はい」
「例の男爵令嬢の事?」
「それもあります…」
「も、って事は他にもあるんだね」
「パトリシア男爵令嬢に関しては、アリスと話してエレナ様の代わりなのではと少し疑ってます」
「代わり?」
「はい、エレナ様は私達の前世では新ヒロインの位置でしたので、本来卒業までこの国に居るはずなのですが、ティルステア聖国に帰られてしまったので、代わりとして彼女が現れたのではないかと」
「まぁ確かに攻略対象って言われてる人物に接触してるし、マークは落とされてるけど、それがどうかしたの?」
「どうかしたのじゃないですよ、カイン様もウィルも一応攻略対象なんですから、万が一があるかもしれないじゃないですか」
「そういう事か、じゃあマリーやアリス様は、俺やカイン様が強制力みたいなもので男爵令嬢に心変わりしないか心配してるって事でいい?」
ウィルにそう聞かれたので私が頷くと、ウィルは少し考えた後「マリー、ここに座ってくれる?」と笑顔でウィルの膝の上を指定してきた。
ウィルの膝の上に座るとか、学園に入学する前にしたのが最後なので流石に恥ずかしいと抵抗すると、ウィルにヒョイと抱き上げられ、横向きに強制的に座らされた。
「フフッ、マリーがそんなに真っ赤になるのを見るの久しぶりだね」
「ウィルは楽しそうですね」
「うん、少し楽しいかも、ねぇマリー」
「はい」
「俺は例の男爵令嬢を見た事もあるし、応対した事もあるけど、正直全く興味がない、それは分かるよね」
「分かります」
「うん、じゃあもし俺がマリーよりあの男爵令嬢を選ぶような事があれば、それはもう俺じゃないから先生に相談して俺を正気に戻してもらえるかな」
「分かりました」
「じゃあ男爵令嬢の件はこれでいいとして、他には?まだあるんでしょ?」
私は、これは答えないとずっとこのままなんだろうなと思ったので、観念して「ウィルが、夜会で大変モテていると聞きました」と言うと、ウィルの眉間にしわが寄った。
「…誰から聞いたの」
「アリスとセス様とアルヴィン様から聞きました」
「そう、何て言ってた?」
「アリスは、ウィルが次期宰相候補だから近付こうとする令嬢がいるけど、ちゃんとかわしていると教えてくれて、セス様からは、ウィルはフリーになると毎回ご令嬢に囲まれていて、たまに何人かダンスの相手をしてるくらいだと聞きました」
「アルヴィン様は?」
「ウィルを遊び相手として誘う女性の方と、一緒に娼館へ遊びに行かないかと誘う男性の方がいると教えて下さいました」
「あの人本当に何なんだろう、俺の事嫌いなのか?…あっ、俺ちゃんと誘いは断ってるからね!?」
「はい、そこは信じてます」
「良かった、なら何を悩んでるの?」
ウィルがそう言って首を傾げるので、私は「私がまだ夜会に参加出来ないせいで、私のウィルに近寄ってくる女性がいる事に腹が立つし、娼館に誘う方なんて論外ですよ、そんな所に行かなくても私がいるのに…でも結局牽制すら出来ないので、このどうしようもない年齢差への憤りを抱えてる事が最近の悩みです」と早口で言うと、居た堪れなくて手で顔を覆った。
するとウィルが「じゃあ俺マリーが夜会に参加出来る歳になるまで、夜会欠席しようか?」と言い出したので、私は慌てて顔を上げてウィルを見た。
「な、何言ってるんですか、駄目ですよそんなの」
「え~、俺マリーが悲しむ事はしたくないんだけど」
「大丈夫です、私のわがままでウィルの仕事に支障が出る方が嫌ですし、それにウィルがモテるのは予想してましたから」
「ごめんね、ちゃんと断ってるから問題ないと思ってたんだけど、考えてみれば言い寄られてるだけでも面白くないよね」とウィルは言うと私を抱きしめソファに寝転がったので、私がウィルをソファに押し倒したような状態になってしまった。
「確かに面白くは無いですけど、夜会でのウィルの事は私が知ろうとしなければ分からないので、気にしないようにします」
「俺は少しぐらい嫉妬したマリーに束縛されたいけどな」
「本気ですか?」
私がそう言ってウィルの胸に頭を預けると、ウィルは私の頭を撫でながら「本気だよ、それに多分だけど、マリーが夜会に参加し始めたら、俺がマリーを束縛すると思うし」と言い出したので「例えば?」と聞いてみた。
「そうだなぁ、まず俺と一緒じゃないと参加させないし、俺以外とはダンスを踊っちゃ駄目とかかな」
「私も元々そのつもりですから大丈夫ですよ」
「マリーならそう言う気はしてたよ…そういえばさっき言ってたから確認なんだけど、俺を娼館に行かせない為に何かするつもりなの?」
「あー…それは、私転生者なので前世含め知識はあるんで…」
「マリーって前世何歳だったの」
「女性に歳を尋ねるのは失礼ですよ…」
「そうだけど…でもマリーに触っていいなら俺は触りたいから、本当に分かってるのか知りたいんだけど」
「…」
「マリー?…え、ちょっと、この状況で寝ちゃったの!?…マジかよ、俺の事信用しすぎだってば」
私は見事に寝落ちしてしまい、翌朝目が覚めると普通にベッドで寝ていたので「うああぁ…ウィルに謝らないと」と頭を抱える事になった。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
嫁ぎ先は悪役令嬢推しの転生者一家でした〜攻略対象者のはずの夫がヒロインそっちのけで溺愛してくるのですが、私が悪役令嬢って本当ですか?〜
As-me.com
恋愛
事業の失敗により借金で没落寸前のルーゼルク侯爵家。その侯爵家の一人娘であるエトランゼは侯爵家を救うお金の為に格下のセノーデン伯爵家に嫁入りすることになってしまった。
金で買われた花嫁。政略結婚は貴族の常とはいえ、侯爵令嬢が伯爵家に買われた事実はすぐに社交界にも知れ渡ってしまう。
「きっと、辛い生活が待っているわ」
これまでルーゼルク侯爵家は周りの下位貴族にかなりの尊大な態度をとってきた。もちろん、自分たちより下であるセノーデン伯爵にもだ。そんな伯爵家がわざわざ借金の肩代わりを申し出てまでエトランゼの嫁入りを望むなんて、裏があるに決まっている。エトランゼは、覚悟を決めて伯爵家にやってきたのだが────。
義母「まぁぁあ!やっぱり本物は違うわぁ!」
義妹「素敵、素敵、素敵!!最推しが生きて動いてるなんてぇっ!美しすぎて眼福ものですわぁ!」
義父「アクスタを集めるためにコンビニをはしごしたのが昨日のことのようだ……!(感涙)」
なぜか私を大歓喜で迎え入れてくれる伯爵家の面々。混乱する私に優しく微笑んだのは夫となる人物だった。
「うちの家族は、みんな君の大ファンなんです。悪役令嬢エトランゼのね────」
実はこの世界が乙女ゲームの世界で、私が悪役令嬢ですって?!
────えーと、まず、悪役令嬢ってなんなんですか……?
「ご褒美ください」とわんこ系義弟が離れない
橋本彩里(Ayari)
恋愛
六歳の時に伯爵家の養子として引き取られたイーサンは、年頃になっても一つ上の義理の姉のミラが大好きだとじゃれてくる。
そんななか、投資に失敗した父の借金の代わりにとミラに見合いの話が浮上し、義姉が大好きなわんこ系義弟が「ご褒美ください」と迫ってきて……。
1~2万文字の短編予定→中編に変更します。
いつもながらの溺愛執着ものです。
主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?
玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。
ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。
これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。
そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ!
そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――?
おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!?
※小説家になろう・カクヨムにも掲載
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
ヒロインだと言われましたが、人違いです!
みおな
恋愛
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。
って、ベタすぎなので勘弁してください。
しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。
私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる