17 / 30
第二章 ルナミス少年探偵団
EP 7
しおりを挟む
突入開始、正面玄関は爆破するもの
「邪魔者は消えた。……さあ、パーティーの始まりだ」
俺は震える大人たちを背に、アジトである巨大な倉庫の正面に立った。
分厚い鉄の扉が、俺たちの行く手を阻んでいる。
ピッキング? 合鍵?
そんな面倒なことはしない。料理も戦闘も、下準備は派手にやるのが流儀だ。
俺はマジックポーチから、一張りの弓を取り出した。
『ネット通販』で購入した、競技用コンパウンドボウ(魔改造済み)だ。
俺は弦を引き絞り、矢を添える。
呼吸を整え、丹田に力を込める。
「――闘気よ、纏え」
俺の体から、黄金色の闘気が噴出し、矢に螺旋状に絡みつく。
「……炎よ、爆ぜろ」
さらに、イメージするのは高火力のコンロの青い炎。
魔力を上乗せし、矢じりに圧縮された爆炎を宿らせる。
ギリギリと弓が軋む。
エネルギーが臨界点に達した。
「行くぜ! 必殺! フレイム・アロー(紅蓮爆矢)!!」
ヒュンッ!!
放たれた矢は、もはや矢ではなかった。
紅蓮の炎を纏った流星となり、一直線に鉄扉へと吸い込まれる。
ドゴオオオオンン!!
凄まじい轟音と共に、爆風が巻き起こる。
分厚い鉄の扉は飴細工のようにひしゃげ、蝶番(ちょうつがい)ごと吹き飛んだ。
もうもうと立ち込める黒煙と熱気。
正面玄関だった場所には、巨大な風穴が空いていた。
「へっ、派手だなぁ」
その熱風を浴びて、イグニスが楽しそうに笑う。
竜人族の彼にとっては、この程度の熱さは心地よい風のようなものらしい。
「……リアン。もっと知的に出来ないのか? 隠密行動という言葉を知らないわけじゃあるまい」
隣でクラウスが剣を抜きながら、呆れたように眉をひそめる。
俺は弓を肩に担ぎ直し、鼻を鳴らした。
「ドアノック代わりさ。それに、中の温度を上げておけば、悪い菌(犯罪者)も消毒できるだろ?」
「あぁん、もう! 私、サウナに入りたくないよぅ! 毛皮が痛むじゃん!」
キャルルが長い耳をパタパタさせながら文句を言う。
確かに、ウサギに高温多湿は厳禁だ。
「文句を言うな。……秒で片付ければいいだろ」
「ちげぇねぇ!」
イグニスが背負っていた巨大な両手斧(バトルアックス)を軽々と振り回した。
彼の腕力なら、戦車すら叩き斬る重量級の武器だ。
「行くぜぇぇ!! 一番乗りぃぃぃ!!」
「あ、こら! 抜け駆けはずるいぞイグニス!」
イグニスが雄叫びを上げて煙の中へ突っ込んでいく。
もはや作戦もフォーメーションもあったものじゃない。ただの暴走機関車だ。
クラウスは深いため息をつくと、優雅に剣を構え、スタスタと歩き出した。
「……野蛮な。まあいい、露払いは任せよう」
彼は煙の向こうで慌てふためく敵の気配を見据え、冷徹に呟いた。
「我が剣の錆になれ」
最強の突撃隊長二人が、アジトの中へと消えていく。
俺はキャルルに目配せをした。
「俺たちも行くぞ。……狩りの時間だ」
「らじゃーっ!」
俺たちは爆煙を突き破り、敵陣の真っ只中へと躍り込んだ。
「邪魔者は消えた。……さあ、パーティーの始まりだ」
俺は震える大人たちを背に、アジトである巨大な倉庫の正面に立った。
分厚い鉄の扉が、俺たちの行く手を阻んでいる。
ピッキング? 合鍵?
そんな面倒なことはしない。料理も戦闘も、下準備は派手にやるのが流儀だ。
俺はマジックポーチから、一張りの弓を取り出した。
『ネット通販』で購入した、競技用コンパウンドボウ(魔改造済み)だ。
俺は弦を引き絞り、矢を添える。
呼吸を整え、丹田に力を込める。
「――闘気よ、纏え」
俺の体から、黄金色の闘気が噴出し、矢に螺旋状に絡みつく。
「……炎よ、爆ぜろ」
さらに、イメージするのは高火力のコンロの青い炎。
魔力を上乗せし、矢じりに圧縮された爆炎を宿らせる。
ギリギリと弓が軋む。
エネルギーが臨界点に達した。
「行くぜ! 必殺! フレイム・アロー(紅蓮爆矢)!!」
ヒュンッ!!
放たれた矢は、もはや矢ではなかった。
紅蓮の炎を纏った流星となり、一直線に鉄扉へと吸い込まれる。
ドゴオオオオンン!!
凄まじい轟音と共に、爆風が巻き起こる。
分厚い鉄の扉は飴細工のようにひしゃげ、蝶番(ちょうつがい)ごと吹き飛んだ。
もうもうと立ち込める黒煙と熱気。
正面玄関だった場所には、巨大な風穴が空いていた。
「へっ、派手だなぁ」
その熱風を浴びて、イグニスが楽しそうに笑う。
竜人族の彼にとっては、この程度の熱さは心地よい風のようなものらしい。
「……リアン。もっと知的に出来ないのか? 隠密行動という言葉を知らないわけじゃあるまい」
隣でクラウスが剣を抜きながら、呆れたように眉をひそめる。
俺は弓を肩に担ぎ直し、鼻を鳴らした。
「ドアノック代わりさ。それに、中の温度を上げておけば、悪い菌(犯罪者)も消毒できるだろ?」
「あぁん、もう! 私、サウナに入りたくないよぅ! 毛皮が痛むじゃん!」
キャルルが長い耳をパタパタさせながら文句を言う。
確かに、ウサギに高温多湿は厳禁だ。
「文句を言うな。……秒で片付ければいいだろ」
「ちげぇねぇ!」
イグニスが背負っていた巨大な両手斧(バトルアックス)を軽々と振り回した。
彼の腕力なら、戦車すら叩き斬る重量級の武器だ。
「行くぜぇぇ!! 一番乗りぃぃぃ!!」
「あ、こら! 抜け駆けはずるいぞイグニス!」
イグニスが雄叫びを上げて煙の中へ突っ込んでいく。
もはや作戦もフォーメーションもあったものじゃない。ただの暴走機関車だ。
クラウスは深いため息をつくと、優雅に剣を構え、スタスタと歩き出した。
「……野蛮な。まあいい、露払いは任せよう」
彼は煙の向こうで慌てふためく敵の気配を見据え、冷徹に呟いた。
「我が剣の錆になれ」
最強の突撃隊長二人が、アジトの中へと消えていく。
俺はキャルルに目配せをした。
「俺たちも行くぞ。……狩りの時間だ」
「らじゃーっ!」
俺たちは爆煙を突き破り、敵陣の真っ只中へと躍り込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
『異世界でSWAT隊長になったが、部下が無職のドラゴンと婚活ウサギしか居ない件について〜 裁けぬ悪は、357マグナムとカツ丼で解決します〜』
月神世一
ファンタジー
「魔法? 知らん。閃光弾(フラバン)食らって手錠にかかれ!」元SWAT隊長が挑む、異世界警察24時!
【あらすじ】
元ロス市警SWAT隊員の鮫島勇護は、子供を庇って死んだ……はずが、気がつけば異世界の新興国「太郎国」で、特別機動隊『T-SWAT』の隊長になっていた!
支給されたのは、最強のリボルバー『Korth』と現代タクティカルギア。
魔法障壁? ゴム弾で割る。
詠唱? 閃光弾で黙らせる。
騎士道? 知るか、裏から制圧だ。
圧倒的な実力で凶悪犯を狩る鮫島だったが、彼には致命的な悩みがあった。
――部下がいない。そして、装備の維持費が高すぎて給料がマイナスだ。
安くて強い人材を求めた彼が採用したのは……
「火力が強すぎてクビになった無職のドラゴン」
「婚活資金のために戦う、安全靴を履いたウサギ」
さらには、取調室にカツ丼目当てで現れる貧乏アイドルまで!?
法で裁けぬ悪を、357マグナムとカツ丼で解決する!
ハードボイルド(になりきれない)痛快アクションコメディ、開幕!
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる