異世界転生×ユニークスキル マイホームで無双する!?【TOP10入り感謝!】

月神世一

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第二章 神竜の守護者

EP 81

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最後の試練、守護者の証明、そして絆の炉石
​おもちゃの番人が、感謝の言葉と共に光の粒子となって消え去った後。
広間に満ちていた殺伐とした空気は、嘘のように霧散していた。
その静寂を破ったのは、部屋の奥から聞こえてくる、駆け寄ってくる小さな足音だった。
​「フィリアー!エルミナー!デュラスー!」
最後の扉の向こうから、神竜アルカが、満面の笑みで飛び出してきた。その手には、いつの間にか、先程まで怯えていたはずの「うるうるラッコ」が、すっかり懐いて抱かれている。
「すごーい!みんな、すっごくカッコよかった!アルカ、ぜーんぶ見てたよ!」
彼女は、傷つき、疲れ果てた三人の元へ駆け寄ると、一人一人にぎゅっと抱きついた。
​「アルカちゃん!心配したんだから!」
「アルカ様、ご無事で何よりですわ……!」
フィリアとエルミナは、アルカの無事な姿に、安堵の涙を浮かべる。
デュラスも、その小さな頭を、少しだけ不器用な手つきで、ぽん、と撫でた。
​「――くふふふふ。いやはや、見事、見事。妾(わらわ)の最後の試練、よくぞ乗り越えてくれたのう」
その声と共に、アルカの隣に、妖精姫キュルリンが、満足げな笑みを浮かべて姿を現した。
​「キュルリン」デュラスが、鋭い視線で彼女を見据えた。「一体、何が目的だったのだ。最初のダンジョンでは、世界の運命を左右するアルカを。そして今回は、我々を試すような、こんな回りくどい真似を……」
​「回りくどい、とは心外じゃな」キュルリンは、くるりと宙を舞った。「最初の試練は、この世界の停滞を打ち破る、規格外の『英雄』が生まれるかどうかを見るためのものだった。そして、マモルという、実に面白い逸材が現れた」
彼女は、デュラス、フィリア、エルミナの三人を、順に見渡す。
「じゃがな、英雄一人では、ただの格好の的に過ぎん。王一人では、国は動かせぬ。この最後の試練は、その英雄を支える『守護者』たちが、主(あるじ)を失っても、最強の切り札を欠いても、自らの力と知恵と、そして絆だけで、困難を打ち破れるかどうかを見るためのものじゃった」
キュルリンは、にっこりと微笑んだ。
「そして、お主たちは、妾の想像を遥かに超える、最高のショーを見せてくれた。文句なしの、合格じゃ!」
​彼女がパチンと指を鳴らすと、おもちゃ箱のようだった部屋の壁が、幻のように消え去り、その向こうに、広大な宝物庫が出現した!
そこには、山のような金銀財宝、光り輝く武具や防具、そして未知の魔道具が、眩いばかりに積み上げられている。
​「さあ、持っていくが良い!お主たちが、その力で勝ち取った報酬じゃ!」
しかし、キュルリンは、その財宝の山には目もくれず、中央の台座に置かれた、一つの石を指差した。
それは、暖炉で燃える炎のような、温かい光を宿した、手のひらサイズの丸い石だった。
​「そして、それが、今回の本当の褒美じゃ。『絆の炉石(きずなのろせき)』。それを、お主たちの『家』に置くが良い。そうすれば、その石は、お主たちの絆の強さに応じて、家全体を、どんな邪悪な力からも守る、最強の結界を張るであろう。そして……」
キュルリンは、悪戯っぽく笑った。
「いつでも、どこからでも、一度だけ、その『家』へと瞬時に帰還させてくれる、便利な抜け道にもなる。まあ、妾の創った『妖精の抜け道』ほど、面白くはないがのう」
​それは、世界を揺るがすような禁忌の品ではない。
だが、彼らが何よりも守りたい「日常」と「我が家」を、そして、仲間たち自身の命を守るための、最高の、そして最も優しいお守りだった。
​「……ありがとう、キュルリン」
デュラスが、静かに、しかし心からの感謝を述べた。
「では、さらばじゃ、英雄の守護者たちよ!」キュルリンは、満足げに手を振る。「舞台の役者は揃った!観客(王たち)も、固唾を飲んで見守っておる!さあ、この世界で、お主たちがどんな物語を紡いでいくのか……この妾に、存分に見せておくれよ!」
彼女はそう言うと、光の粒子となって、その場から楽しげに姿を消した。
​残された四人は、宝物庫の中心で、顔を見合わせた。
そして、デュラスが「絆の炉石」を手に取り、フィリアとエルミナがアルカの手を引く。
彼らはもう、誰かに守られるだけの存在ではない。
マモルがいなくても、自分たちの力で、未来を切り開いていける。
その揺るぎない自信と絆を胸に、彼らは、温かな我が家と、そこで待つリーダーの元へと、帰還するのだった。
物語は、まだ続く。この、最高に頼もしい仲間たちと共に。
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