異世界転生×ユニークスキル マイホームで無双する!?【TOP10入り感謝!】

月神世一

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EP 58

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驚天動地の報告書、前代未聞の昇格劇
再び訪れた冒険者ギルド「ラックギオン」アルニア村支部。
真守たちが重い扉を開けると、前回にも増して大きな注目が彼らに注がれた。それはもはや、物珍しさや侮りではない。S級ダンジョンの第一階層を突破した実力者たちへの、明確な畏敬と、そしてほんの少しの嫉妬が入り混じった視線だった。
冒険者たちが、自然と彼らのために道を開ける。その光景にも、真守たちは少しずつ慣れ始めていた。
「こんにちは、ルナさん。依頼達成の報告に来ました」
真守が受付カウンターに立つと、受付嬢のルナは、びくりと肩を震わせ、慌てて背筋を伸ばした。
「ま、マモル様!お、お疲れ様でございます!本日のご用件は……」
「Cランクパーティ『マイホーム』、S級指定継続クエスト、完了報告です」
真守は、双子のガーゴイルからドロップした魔石の欠片を、証拠品としてカウンターに置いた。
ルナは、その言葉の意味を理解するのに、数秒を要した。
「か、完了……報告……?ま、まさか……第二階層を、もう……?」
「ああ。ボスも倒してきた」
真守の淡々とした肯定に、ルナの顔からサッと血の気が引いた。彼女は震える手でカウンターの呼び鈴を狂ったように連打した。
「ええぇぇぇっ!?ぎ、ギルドマスター!ギルドマスターーーーーッ!!緊急事態、いえ、それ以上ですぅうううっ!!」
もはや悲鳴に近いその声に、ギルド中が再び静まり返る。
奥の部屋から、ただ事ではない気配を察したアルマス支部長が、眉間に深い皺を寄せて飛び出してきた。
「一体何の騒ぎだ!天変地異でも起きたか!」
「そ、それ以上かもしれません!マモル様たちが、第二階層を……!」
「何!?」
アルマスは、報告内容を聞き、その狼のような鋭い瞳を真守に向けた。
「マ、マモル『さん』!……今のは、真か!?もう、あのダンジョンを……第二階層を、クリアしたというのか!?」
無意識のうちに、彼の真守に対する呼び方が、敬称に変わっていた。
「はい。これが、その証拠です」
真守が示す魔石の欠片を、アルマスは震える手で受け取り、鑑定用の魔道具にかざす。魔道具が、見たこともないほどの強い光と甲高い音を発した。
「……間違いない。双子のガーゴイルの魔力残滓……。な、なんて事だ……冒険者登録してから、まだ一週間も経っていないというのに……。あの伝説とまで言われるキュルリンのダンジョンを、こうも易々と……!」
アルマスは、目の前の青年とその仲間たちが、もはや自分の理解や常識の範疇を完全に超えた存在であることを、認めざるを得なかった。彼の背筋を、武者震いとも畏怖ともつかない感情が駆け抜ける。
やがて、アルマスは深呼吸を一つすると、ギルド全体に響き渡る声で、高らかに宣言した。
「――全員、静粛に!そして、歴史の証人となれ!」
ギルド内の全ての冒険者が、固唾を飲んで彼に注目する。
「Cランクパーティ『マイホーム』は、本日、S級指定ダンジョン『妖精女王の悪戯』第二階層の主を、ギルド初の討伐者として完全に撃破した!この、ギルドの歴史においても類を見ない、あまりにも偉大な功績を称え、ギルド規約の最大級の特例を適用する!」
アルマスは、真守を真っ直ぐに見据え、叫んだ。
「本日付で、パーティ『マイホーム』を、CランクからAランクへと昇格させることを、このラックギオン支部長アルマスの名において、ここに承認する!!」
「「「………………は?」」」
ギルド内は、一瞬の完全な静寂に包まれた。誰もが、今、自分の耳が聞いた言葉を信じられなかった。
そして、次の瞬間、爆発的な喧騒が巻き起こった。
「エ、Aランクだと!?Cから!?嘘だろ!?」
「二階級特進どころの騒ぎじゃねえぞ!ありえねぇ!」
「俺たちが何年もかかって、命懸けでやっとDランクだってのに……たった一週間でEからAだと!?」
「化け物だ……あいつらは、本物の化け物だ……!」
嫉妬や不満の声すら、もはや畏怖と驚愕の渦に飲み込まれていく。
受付カウンターでは、ルナが腰を抜かしたように座り込んでいた。
「……一週間で、EランクからAランクになった人なんて、ギルドの歴史書でも読んだことありません……。まるで、おとぎ話に出てくる、建国の勇者様みたいです……」
彼女の呟きは、その場にいた全ての者の気持ちを代弁していた。
真守は、新たに手渡された、白金(プラチナ)とミスリル銀で装飾されたAランクの証であるギルドカードを手に、仲間たちと顔を見合わせた。
フィリアは目を白黒させ、エルミナは祈るように手を組み、デュラスは「ふん、当然の結果だ」と嘯きながらも、その口元は満足げに歪んでいる。
「出過ぎた杭は、打たれなくなる」
真守は、自らの言葉を反芻する。
自分たちは今、まさにその「出過ぎた杭」への階段を、恐るべき速度で駆け上がっているのだ。
その道が、平穏なスローライフからどれほどかけ離れていたとしても、もう後戻りはできない。
真守は、Aランクのギルドカードの重みを確かめながら、次なる階層――さらに深淵なるキュルリンの「悪戯」へと、静かに闘志を燃やすのだった。
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