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EP 19
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誕生! 時をかける赤ちゃん ~パパは鬼神、ママは弁護士~
創造神ルチアナ様との和解(という名の飲み会)から数ヶ月。
世界は、かつてない建設ラッシュに沸いていた。
「ここには魔族の魔導エレベーターを設置! 獣人族の皆さんは、あちらの岩盤撤去をお願いします! ドワーフの工兵隊は基礎工事を!」
マンルシア大陸中央部、かつて「ガルムの廃墟」と呼ばれた荒野。
私はヘルメットを被り、現場監督のように指示を飛ばしていた。
こここそが、新世界の象徴となる**『マンルシア・リゾート』**の建設予定地だ。
「リベラ、休憩だ」
背後から、野太い声が掛かる。
振り返ると、深紅のエプロン姿の龍魔呂さんが、大きな重箱を抱えて立っていた。
「あ、龍魔呂さん! わざわざ現場まで?」
「……今日の弁当は『厚焼き玉子サンド』だ。隠し味に和辛子を使ってある。疲れが取れるぞ」
彼は無愛想に重箱を渡してくるが、その中身は宝石箱のように美しいサンドイッチだ。
最近の彼は、私の体調管理(餌付け)に余念がない。左手の薬指には、私とお揃いの指輪が光っている。
「ありがとうございます! ん~っ、パンがふわふわですわ!」
「口元にマヨネーズが付いてるぞ」
彼が親指で私の唇を拭う。
周囲の獣人作業員たちが「ヒューヒュー!」と冷やかすのが日常茶飯事になっていた。
――そんな平和な昼下がり。
突如、大地が激しく揺れた。
ズズズズズ……!!
「な、なんだ!? 地震か!?」
「おいリベラ! こっちに来てくれ! 掘削班がとんでもねぇモンを見つけたぞ!」
獣王レオが血相を変えて飛んできた。
私たちが現場の最深部へ向かうと、そこには魔王ラスティア様、竜王デュークら「原告団」のメンツが勢揃いし、険しい顔で一点を見つめていた。
地下空洞の中央。
そこに鎮座していたのは、高さ2メートルはある巨大な卵だった。
虹色に輝く殻が、ドクン、ドクンと脈打っている。
「……間違いない。これは『始祖竜ヴォルテクスの卵』だ」
竜王デュークが脂汗を流して呻いた。
「始祖竜……? あの伝説の?」
「そうだ。孵化すれば時を操り、世界を『無』に帰すと言われる禁忌の怪物だ。まさかこんな所に封印されていたとは……」
魔王ラスティア様の手から、漆黒の魔力が立ち昇る。
「……危険すぎる。孵化する前に、私のブラックホールで消滅させるべきだ」
「待てラスティア! 我のブレスで焼き尽くすのが確実だ!」
世界のトップたちが「破壊」の構えを取る。
卵が恐怖に怯えるように、小刻みに震え始めた気がした。
「お待ちください! まだ生まれてもいない命ですわよ!?」
私は思わず、卵の前に立ちはだかった。
「退けリベラ! そいつは赤ん坊じゃない、世界を滅ぼす災害だ!」
「異議あり! 罪を犯していない者を裁くのは、法の正義に反します!」
私が叫んだ、その時。
ピキッ。
卵の殻に亀裂が入った。
「し、しまった! 孵化するぞ!」
「全員、防御結界を展開しろ!!」
ラスティア様やデュークが叫び、現場に緊張が走る。
龍魔呂さんが瞬時に私の前に立ち、背中で私を庇った。
パリーンッ!!
虹色の光が溢れ出し、全員が目を覆う。
水爆並みのブレスが来るか――誰もがそう覚悟した。
しかし。
光が収まった後にいたのは、怪物ではなかった。
「……あう?」
そこに座り込んでいたのは、人間の赤ん坊だった。
透き通るような銀色の髪に、宝石のような虹色の瞳。
背中には小さな純白の翼と、お尻には可愛い尻尾が生えている。
推定年齢、一歳前後。
「……か、可愛い……」
私が思わず呟くと、その赤ん坊はクリクリとした目を向け、私を見た。
そして、パァッと花が咲くような笑顔になった。
「マンマ!」
――え?
赤ん坊はハイハイで私に近づき、私の足にギュッと抱きついた。
そして次に、私を庇って立っていた龍魔呂さんを見上げ、小さな指で彼のエプロンを掴んだ。
「パ……パ!」
――はい?
時が止まった。
最強の鬼神、龍魔呂さんが、石像のように硬直している。
「おいおい……パパとママって呼ばれたぞ? どうなってんだ?」
レオが呆気に取られて近づこうとした。
その時、赤ん坊の鼻がムズムズと動いた。
「くしゅんっ!!」
可愛いくしゃみ。
だが、その瞬間。
ヒュンッ。
赤ん坊の周囲の空間が歪んだ。
レオが踏み出そうとした足元の瓦礫が、まるでビデオを逆再生するように巻き戻り、元の岩盤の形に戻ったのだ。
「な……ッ!?」
「じ、時間が……巻き戻った……!?」
デュークが驚愕に目を見開く。
「やはり始祖竜だ! くしゃみ一つで事象を改変しやがった! このまま泣き出したら、この辺一帯が原始時代に戻るぞ!」
「だから殺処分すべきだと言ったのだ!」
ラスティア様が再び魔力を溜める。
赤ん坊は殺気を感じ取り、瞳に涙を溜め始めた。
泣く。世界を巻き戻すレベルの「夜泣き」が来る!
その時。
龍魔呂さんが、震える手で――しかし優しく、赤ん坊を抱き上げた。
「……パパ?」
「……泣くな。男だろ」
彼はポケットから角砂糖を一つ取り出し、赤ん坊の口に含ませた。
甘さに驚いた赤ん坊は、涙を引っ込めて「あむあむ」と笑った。
「龍魔呂さん……」
「……リベラ。俺たちが育てるぞ」
彼は私を見て、真剣な眼差しで告げた。
「俺をパパ、お前をママと呼んだんだ。……この子は、俺たちの『家族』だ」
その言葉に、私は胸が熱くなった。
世界を滅ぼす災害? 関係ない。
この子は今、私の夫(予定)が抱き上げ、私が守ると決めた、ただの可愛い赤ちゃんだ。
「ええ、そうですわね!」
私はラスティア様たちに向き直り、高らかに宣言した。
「異議あり! この子の親権は、私と龍魔呂さんが持ちます! 文句がある方は、私の法廷か、龍魔呂さんの厨房へどうぞ!」
最強の夫婦(カップル)による、世界一過酷で甘い子育て生活が、ここに幕を開けた。
創造神ルチアナ様との和解(という名の飲み会)から数ヶ月。
世界は、かつてない建設ラッシュに沸いていた。
「ここには魔族の魔導エレベーターを設置! 獣人族の皆さんは、あちらの岩盤撤去をお願いします! ドワーフの工兵隊は基礎工事を!」
マンルシア大陸中央部、かつて「ガルムの廃墟」と呼ばれた荒野。
私はヘルメットを被り、現場監督のように指示を飛ばしていた。
こここそが、新世界の象徴となる**『マンルシア・リゾート』**の建設予定地だ。
「リベラ、休憩だ」
背後から、野太い声が掛かる。
振り返ると、深紅のエプロン姿の龍魔呂さんが、大きな重箱を抱えて立っていた。
「あ、龍魔呂さん! わざわざ現場まで?」
「……今日の弁当は『厚焼き玉子サンド』だ。隠し味に和辛子を使ってある。疲れが取れるぞ」
彼は無愛想に重箱を渡してくるが、その中身は宝石箱のように美しいサンドイッチだ。
最近の彼は、私の体調管理(餌付け)に余念がない。左手の薬指には、私とお揃いの指輪が光っている。
「ありがとうございます! ん~っ、パンがふわふわですわ!」
「口元にマヨネーズが付いてるぞ」
彼が親指で私の唇を拭う。
周囲の獣人作業員たちが「ヒューヒュー!」と冷やかすのが日常茶飯事になっていた。
――そんな平和な昼下がり。
突如、大地が激しく揺れた。
ズズズズズ……!!
「な、なんだ!? 地震か!?」
「おいリベラ! こっちに来てくれ! 掘削班がとんでもねぇモンを見つけたぞ!」
獣王レオが血相を変えて飛んできた。
私たちが現場の最深部へ向かうと、そこには魔王ラスティア様、竜王デュークら「原告団」のメンツが勢揃いし、険しい顔で一点を見つめていた。
地下空洞の中央。
そこに鎮座していたのは、高さ2メートルはある巨大な卵だった。
虹色に輝く殻が、ドクン、ドクンと脈打っている。
「……間違いない。これは『始祖竜ヴォルテクスの卵』だ」
竜王デュークが脂汗を流して呻いた。
「始祖竜……? あの伝説の?」
「そうだ。孵化すれば時を操り、世界を『無』に帰すと言われる禁忌の怪物だ。まさかこんな所に封印されていたとは……」
魔王ラスティア様の手から、漆黒の魔力が立ち昇る。
「……危険すぎる。孵化する前に、私のブラックホールで消滅させるべきだ」
「待てラスティア! 我のブレスで焼き尽くすのが確実だ!」
世界のトップたちが「破壊」の構えを取る。
卵が恐怖に怯えるように、小刻みに震え始めた気がした。
「お待ちください! まだ生まれてもいない命ですわよ!?」
私は思わず、卵の前に立ちはだかった。
「退けリベラ! そいつは赤ん坊じゃない、世界を滅ぼす災害だ!」
「異議あり! 罪を犯していない者を裁くのは、法の正義に反します!」
私が叫んだ、その時。
ピキッ。
卵の殻に亀裂が入った。
「し、しまった! 孵化するぞ!」
「全員、防御結界を展開しろ!!」
ラスティア様やデュークが叫び、現場に緊張が走る。
龍魔呂さんが瞬時に私の前に立ち、背中で私を庇った。
パリーンッ!!
虹色の光が溢れ出し、全員が目を覆う。
水爆並みのブレスが来るか――誰もがそう覚悟した。
しかし。
光が収まった後にいたのは、怪物ではなかった。
「……あう?」
そこに座り込んでいたのは、人間の赤ん坊だった。
透き通るような銀色の髪に、宝石のような虹色の瞳。
背中には小さな純白の翼と、お尻には可愛い尻尾が生えている。
推定年齢、一歳前後。
「……か、可愛い……」
私が思わず呟くと、その赤ん坊はクリクリとした目を向け、私を見た。
そして、パァッと花が咲くような笑顔になった。
「マンマ!」
――え?
赤ん坊はハイハイで私に近づき、私の足にギュッと抱きついた。
そして次に、私を庇って立っていた龍魔呂さんを見上げ、小さな指で彼のエプロンを掴んだ。
「パ……パ!」
――はい?
時が止まった。
最強の鬼神、龍魔呂さんが、石像のように硬直している。
「おいおい……パパとママって呼ばれたぞ? どうなってんだ?」
レオが呆気に取られて近づこうとした。
その時、赤ん坊の鼻がムズムズと動いた。
「くしゅんっ!!」
可愛いくしゃみ。
だが、その瞬間。
ヒュンッ。
赤ん坊の周囲の空間が歪んだ。
レオが踏み出そうとした足元の瓦礫が、まるでビデオを逆再生するように巻き戻り、元の岩盤の形に戻ったのだ。
「な……ッ!?」
「じ、時間が……巻き戻った……!?」
デュークが驚愕に目を見開く。
「やはり始祖竜だ! くしゃみ一つで事象を改変しやがった! このまま泣き出したら、この辺一帯が原始時代に戻るぞ!」
「だから殺処分すべきだと言ったのだ!」
ラスティア様が再び魔力を溜める。
赤ん坊は殺気を感じ取り、瞳に涙を溜め始めた。
泣く。世界を巻き戻すレベルの「夜泣き」が来る!
その時。
龍魔呂さんが、震える手で――しかし優しく、赤ん坊を抱き上げた。
「……パパ?」
「……泣くな。男だろ」
彼はポケットから角砂糖を一つ取り出し、赤ん坊の口に含ませた。
甘さに驚いた赤ん坊は、涙を引っ込めて「あむあむ」と笑った。
「龍魔呂さん……」
「……リベラ。俺たちが育てるぞ」
彼は私を見て、真剣な眼差しで告げた。
「俺をパパ、お前をママと呼んだんだ。……この子は、俺たちの『家族』だ」
その言葉に、私は胸が熱くなった。
世界を滅ぼす災害? 関係ない。
この子は今、私の夫(予定)が抱き上げ、私が守ると決めた、ただの可愛い赤ちゃんだ。
「ええ、そうですわね!」
私はラスティア様たちに向き直り、高らかに宣言した。
「異議あり! この子の親権は、私と龍魔呂さんが持ちます! 文句がある方は、私の法廷か、龍魔呂さんの厨房へどうぞ!」
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