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EP 21
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離乳食はS級食材!? ~グルメ・英才教育と、最強夫婦の喧嘩~
トラウマを克服し、晴れて「パパ」として覚醒した龍魔呂さんの親バカぶりは、私の予想を遥かに超えて加速していた。
ある晴れた朝。
キッチンから、何やら神々しい香りが漂ってくる。
「……龍魔呂さん? まだ朝の5時ですわよ?」
私が眠い目をこすりながらリビングに行くと、エプロン姿の龍魔呂さんが、真剣な眼差しで小鍋をかき混ぜていた。
テーブルには、見たこともない高級食材が並んでいる。
『ゴールデン・コーン(糖度30度)』、『幻獣ユニコーンのミルク』、『世界樹の葉のエキス』……。
「おはようリベラ。……ヴォルの朝飯を作っている」
彼は鍋から黄金色に輝くペーストをスプーンですくい、味見をする。
「……ん。悪くない。素材の甘みを極限まで引き出した」
「それ、ただのポタージュですよね? 材料費だけで家が建ちそうですわよ?」
私がツッコミを入れると、彼は真顔で答えた。
「ヴォルの味覚形成期だ。変なものを食わせたら、将来味音痴になる。……俺の子なら、三ツ星レストランのシェフも裸足で逃げ出す舌を持たせる」
完全に英才教育の方向性がおかしい。
そこへ、ベビーベッドから「あうー!」という元気な声がした。ヴォルのお目覚めだ。
「よし、ヴォル。飯だぞ」
龍魔呂さんは、私が食べる朝食よりも遥かに手間のかかった『究極の離乳食』を、冷ましてからヴォルの口へと運ぶ。
ヴォルは目をキラキラさせて一口食べると――
「んん~っ!! きゃっきゃっ!」
満面の笑みで手足をバタつかせた。
その反応を見て、最強の鬼神である龍魔呂さんが、口元を緩ませてデレデレに溶けている。
「そうか、美味いか。……よし、おかわりもあるぞ」
「パパ……キャラ崩壊してますわよ」
◇ ◇ ◇
食後のリラックスタイム。
今度は私の番だ。
「さあヴォルちゃん、お勉強の時間ですよ~」
私は分厚い本を取り出し、ヴォルの前に広げた。絵本ではない。
『ルミナス帝国 六法全書(注釈付き)』だ。
「いいですかヴォル。これは刑法第199条。人を殺してはいけません。でも正当防衛なら無罪を勝ち取れます。……『せ・い・と・う・ぼ・う・え・い』。言ってごらん?」
「あう? ……せーとー?」
「そうです! 天才ですわ! この子は将来、間違いなく法曹界の麒麟児になります!」
私が興奮してヴォルを抱きしめていると、横から冷ややかな視線が飛んできた。
「……おいリベラ。一歳児に何を教えている」
「あら、弁護士としての英才教育ですわ。力だけでは世界は渡っていけませんからね」
私が胸を張ると、龍魔呂さんは「ふん」と鼻を鳴らし、ヴォルを私からひょいと抱き上げた。
「軟弱な理屈など後回しだ。……ヴォル、男なら自分の身は自分で守れ」
龍魔呂さんはヴォルを膝に乗せると、自分の右手を見せた。
親指で中指を弾く、あの必殺の構えだ。
「いいか。敵が来たら、こうやって闘気を一点に集中し……弾く」
パチンッ!
龍魔呂さんが空に向かってデコピンをすると、窓の外を飛んでいた鳥(魔獣)が衝撃波で気絶して落ちた。
「……こうだ。やってみろ」
「きゃう!」
ヴォルは嬉しそうに真似をして、小さな指を構える。
そして、パチン! と指を弾いた。
ドォォン!!
リビングの壁に、小さな風穴が開いた。
「「…………」」
私と龍魔呂さんは、穴の開いた壁を見つめ、沈黙した。
始祖竜のスペック、恐るべし。
「……筋がいい。将来は俺を超えるな」
「感心してる場合ですかッ!!」
私はハリセン(筒状にした六法全書)で龍魔呂さんの頭を叩いた。
「何てことを教えるんですか! 保育園でお友達を吹き飛ばしたらどうするんですの!」
「いじめられるよりマシだろ。お前の教育だと、理屈っぽいガリ勉になるぞ」
「なんですって!? 貴方みたいに暴力で解決する脳筋に育ったら、社会的に抹殺されますわよ!」
そこから、最強夫婦による「教育方針を巡る大喧嘩」が勃発した。
龍魔呂さんは「体力と料理」、私は「知性と法律」。互いに譲らない。
二人の声が大きくなり、空気が険悪になりかけた――その時。
「……あうー……」
ヴォルが、悲しそうな顔をして俯いてしまった。
小さな手で、パパとママの服の裾を掴んでいる。
「……ッ」
「……あ」
私たちはハッとして顔を見合わせた。
子供の前で喧嘩をするなんて、一番の教育に悪いことだ。
「……すまん、リベラ。俺が熱くなりすぎた」
「い、いいえ。私こそ、自分の理想を押し付けすぎましたわ」
龍魔呂さんはバツが悪そうに頭をかき、私とヴォルをまとめて、太い腕で抱き寄せた。
「……文武両道だ。料理もできて、法律も分かる。……最強だな」
「ええ。それに、優しさも持った子に育てましょう」
私たちが笑い合うと、ヴォルも「きゃはっ!」と満面の笑みに戻った。
ああ、平和だ。
壁の穴の修理費なんてどうでもよくなるくらい、幸せな時間。
けれど、私たちは気づいていなかった。
窓の外、街路樹の木陰から、じっとこちらを監視する「爬虫類のような鋭い視線」があることに。
「……見つけたぞ。我らの神を盗んだ、愚かな人間どもめ」
風に乗って、不穏な囁きが聞こえた気がした。
竜人族の長老たちが、すぐそこまで迫っていた。
【第24話予告】
平和な日常に亀裂が走る。
公園にお散歩に出かけたリベラとヴォルの前に現れたのは、全身を鱗とローブで覆った集団――「竜人族・過激派」だった。
「その赤子を返してもらおう。人間如きが触れて良い存在ではない!」
神として崇めるヴォルを奪還しに来た彼らに、リベラは一歩も引かない。
「異議あり! この子はモノではありません!」
武力行使に出ようとする長老たち。リベラ絶体絶命のピンチに、エプロン姿の鬼神パパがフライパン片手に爆走してくる――!
トラウマを克服し、晴れて「パパ」として覚醒した龍魔呂さんの親バカぶりは、私の予想を遥かに超えて加速していた。
ある晴れた朝。
キッチンから、何やら神々しい香りが漂ってくる。
「……龍魔呂さん? まだ朝の5時ですわよ?」
私が眠い目をこすりながらリビングに行くと、エプロン姿の龍魔呂さんが、真剣な眼差しで小鍋をかき混ぜていた。
テーブルには、見たこともない高級食材が並んでいる。
『ゴールデン・コーン(糖度30度)』、『幻獣ユニコーンのミルク』、『世界樹の葉のエキス』……。
「おはようリベラ。……ヴォルの朝飯を作っている」
彼は鍋から黄金色に輝くペーストをスプーンですくい、味見をする。
「……ん。悪くない。素材の甘みを極限まで引き出した」
「それ、ただのポタージュですよね? 材料費だけで家が建ちそうですわよ?」
私がツッコミを入れると、彼は真顔で答えた。
「ヴォルの味覚形成期だ。変なものを食わせたら、将来味音痴になる。……俺の子なら、三ツ星レストランのシェフも裸足で逃げ出す舌を持たせる」
完全に英才教育の方向性がおかしい。
そこへ、ベビーベッドから「あうー!」という元気な声がした。ヴォルのお目覚めだ。
「よし、ヴォル。飯だぞ」
龍魔呂さんは、私が食べる朝食よりも遥かに手間のかかった『究極の離乳食』を、冷ましてからヴォルの口へと運ぶ。
ヴォルは目をキラキラさせて一口食べると――
「んん~っ!! きゃっきゃっ!」
満面の笑みで手足をバタつかせた。
その反応を見て、最強の鬼神である龍魔呂さんが、口元を緩ませてデレデレに溶けている。
「そうか、美味いか。……よし、おかわりもあるぞ」
「パパ……キャラ崩壊してますわよ」
◇ ◇ ◇
食後のリラックスタイム。
今度は私の番だ。
「さあヴォルちゃん、お勉強の時間ですよ~」
私は分厚い本を取り出し、ヴォルの前に広げた。絵本ではない。
『ルミナス帝国 六法全書(注釈付き)』だ。
「いいですかヴォル。これは刑法第199条。人を殺してはいけません。でも正当防衛なら無罪を勝ち取れます。……『せ・い・と・う・ぼ・う・え・い』。言ってごらん?」
「あう? ……せーとー?」
「そうです! 天才ですわ! この子は将来、間違いなく法曹界の麒麟児になります!」
私が興奮してヴォルを抱きしめていると、横から冷ややかな視線が飛んできた。
「……おいリベラ。一歳児に何を教えている」
「あら、弁護士としての英才教育ですわ。力だけでは世界は渡っていけませんからね」
私が胸を張ると、龍魔呂さんは「ふん」と鼻を鳴らし、ヴォルを私からひょいと抱き上げた。
「軟弱な理屈など後回しだ。……ヴォル、男なら自分の身は自分で守れ」
龍魔呂さんはヴォルを膝に乗せると、自分の右手を見せた。
親指で中指を弾く、あの必殺の構えだ。
「いいか。敵が来たら、こうやって闘気を一点に集中し……弾く」
パチンッ!
龍魔呂さんが空に向かってデコピンをすると、窓の外を飛んでいた鳥(魔獣)が衝撃波で気絶して落ちた。
「……こうだ。やってみろ」
「きゃう!」
ヴォルは嬉しそうに真似をして、小さな指を構える。
そして、パチン! と指を弾いた。
ドォォン!!
リビングの壁に、小さな風穴が開いた。
「「…………」」
私と龍魔呂さんは、穴の開いた壁を見つめ、沈黙した。
始祖竜のスペック、恐るべし。
「……筋がいい。将来は俺を超えるな」
「感心してる場合ですかッ!!」
私はハリセン(筒状にした六法全書)で龍魔呂さんの頭を叩いた。
「何てことを教えるんですか! 保育園でお友達を吹き飛ばしたらどうするんですの!」
「いじめられるよりマシだろ。お前の教育だと、理屈っぽいガリ勉になるぞ」
「なんですって!? 貴方みたいに暴力で解決する脳筋に育ったら、社会的に抹殺されますわよ!」
そこから、最強夫婦による「教育方針を巡る大喧嘩」が勃発した。
龍魔呂さんは「体力と料理」、私は「知性と法律」。互いに譲らない。
二人の声が大きくなり、空気が険悪になりかけた――その時。
「……あうー……」
ヴォルが、悲しそうな顔をして俯いてしまった。
小さな手で、パパとママの服の裾を掴んでいる。
「……ッ」
「……あ」
私たちはハッとして顔を見合わせた。
子供の前で喧嘩をするなんて、一番の教育に悪いことだ。
「……すまん、リベラ。俺が熱くなりすぎた」
「い、いいえ。私こそ、自分の理想を押し付けすぎましたわ」
龍魔呂さんはバツが悪そうに頭をかき、私とヴォルをまとめて、太い腕で抱き寄せた。
「……文武両道だ。料理もできて、法律も分かる。……最強だな」
「ええ。それに、優しさも持った子に育てましょう」
私たちが笑い合うと、ヴォルも「きゃはっ!」と満面の笑みに戻った。
ああ、平和だ。
壁の穴の修理費なんてどうでもよくなるくらい、幸せな時間。
けれど、私たちは気づいていなかった。
窓の外、街路樹の木陰から、じっとこちらを監視する「爬虫類のような鋭い視線」があることに。
「……見つけたぞ。我らの神を盗んだ、愚かな人間どもめ」
風に乗って、不穏な囁きが聞こえた気がした。
竜人族の長老たちが、すぐそこまで迫っていた。
【第24話予告】
平和な日常に亀裂が走る。
公園にお散歩に出かけたリベラとヴォルの前に現れたのは、全身を鱗とローブで覆った集団――「竜人族・過激派」だった。
「その赤子を返してもらおう。人間如きが触れて良い存在ではない!」
神として崇めるヴォルを奪還しに来た彼らに、リベラは一歩も引かない。
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