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EP 1
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三色チーズ牛丼と路地裏の決闘
マンルシア大陸、タロウ国。
この国は狂っている。いい意味で。
異世界転移して早一年。俺、千津 牛太(ちず ぎゅうた)にとって、この国は唯一の聖域だった。
なぜなら――。
「お待たせしましたー! とろ~り三種のチーズ牛丼、特盛、温玉乗せです!」
目の前に置かれた、神々しい丼。
立ち上る湯気と、濃厚なチーズの香り。これだ。これがないと俺の一日は始まらない。
「あ、は、はい……どうも……」
店員さんの元気な声に、俺は条件反射で視線を逸らしながら小声で答える。
いわゆるコミュ障というやつだ。
黒髪のボサボサ頭に、度の強い丸メガネ。
そして、三色チェックのネルシャツを、きっちりとジーンズにインして着こなす。
どこからどう見ても、テンプレ通りの「チー牛」スタイル。それが俺だ。
だが、そんなことはどうでもいい。今は目の前のドンブリだ。
俺は震える手で箸を割り、儀式を開始する。
(まずは温玉を崩さず、肉とチーズだけで一口……うん、肉の熱で溶けたチェダーチーズのコクが、タロウ国特製の甘辛いタレと絡み合って最強のハーモニーを奏でている。次に紅生姜を山のように盛り付け、最後に温玉を崩して黄身を絡める……これぞ完全食!)
心の中で早口に食レポを垂れ流しながら、俺は無心で牛丼をかきこんだ。
うまい。生きててよかった。
日本にいた頃、ヤンキーだらけの理髪店で精神をすり減らしていた俺にとって、この平和な食事こそが至高の救いなのだ。
「ふぅ……ごちそうさまでした」
会計を済ませ(もちろん銅貨だ)、俺は店を出た。
腹も満たされたし、家に帰って『マグナギア』のメンテナンスでもしよう。
そう思って路地裏に入った、その時だった。
「おいガキ! いいモン持ってんじゃねぇか!」
「や、やめてよ! これ、お父さんの形見なんだ!」
怒号と悲鳴。
ビクッとして足を止める。
路地の奥、薄暗い場所で、金髪のモヒカン頭をした大柄な男が、小さな子供の胸ぐらを掴んでいた。
冒険者だろうか。腰には剣を差している。見るからにガラの悪い、俺が一番苦手な人種だ。
(ヒッ……ヤンキーだ……関わりたくない……絶対に関わりたくない……!)
俺の「逃走本能」が警鐘を鳴らす。
見なかったことにしよう。俺みたいな陰キャが出ていっても、ボコボコにされるだけだ。
そう思って踵(きびす)を返そうとした瞬間、男の手にある物が目に入った。
子供から奪い取ろうとしている、全長30センチほどの人形。
この世界で大流行している戦術ボードゲーム『マグナギア』だ。
(……あれは、初期型のレンジャータイプか)
職業病とも言える観察眼が、一瞬で機体の状態をスキャンする。
塗装は剥げ、関節には埃が詰まっている。左足の膝パーツが微妙に歪んでいて、重心がズレている。
きっと、メンテナンスのやり方も分からずに、子供が必死に遊んでいたのだろう。
「へへっ、こいつを売れば今日の酒代になりそうだなぁ!」
「返して! お願い!」
男が乱暴に人形を振るう。
関節が、悲鳴を上げているように見えた。
――ピキッ。
俺の中で、何かが切れた音がした。
それは、かつて理髪師としてハサミを握っていた頃の職人魂か。
それとも、FPSゲームの世界大会で、マナー違反のプレイヤーを駆逐していた頃のプライドか。
「……汚い手で、触るなよ」
「あぁん?」
気づけば、俺は声を上げていた。
男がギロリとこちらを睨む。怖い。心臓が早鐘を打っている。
でも、それ以上に許せなかった。
手入れもされていない、ボロボロの機体を、さらに傷つけようとするその無神経さが。
「なんだテメェ。そのダサいチェックシャツ……オタクか? 俺に説教とはいい度胸だなぁ」
男は子供を放り出すと、懐から自分の『マグナギア』を取り出した。
ズシン、と重い音が響く。
全身を分厚い装甲で覆った、コスト2の重量級機体『オーク・ジェネラル』だ。しかも、違法改造パーツで棘(スパイク)だらけになっている。
「文句があるなら、こいつで語ろうぜぇ? 俺に勝てたら、ガキの人形は返してやるよ」
「……賭け(ベット)は?」
「あ? テメェの命でいいぜ!」
男が下品に笑い、路上の木箱を蹴飛ばして即席のフィールドを作った。
俺は深呼吸を一つする。
震える手で、腰のポーチから愛機を取り出した。
装甲を極限まで削ぎ落とし、骨組み(フレーム)が剥き出しになった、地味な灰色の機体。
カスタム・レンジャー『シャドウ・ウォーカー』。
「ギャハハ! なんだその貧相な人形! 一発でスクラップにしてやるよ!」
「……そうか。じゃあ、始めよう」
俺は両手に『マグナ・グローブ』を装着する。
指を通した瞬間。
視界が切り替わる。
脳内に、機体のカメラアイが捉えた映像が投影される。
怖いヤンキーの顔が、ただの『処理すべきターゲット』に変わった。
俺の背筋から猫背が消え、瞳から光が消える。
スイッチが入った。
「オラァッ! 死ねぇ!」
男の指が動き、オーク・ジェネラルが猛突進してくる。
単純な直線機動。大振りな一撃。
遅い。
FPSのランカー帯に比べれば、止まっているも同然だ。
(右足への荷重が強すぎる。メンテナンス不足でサーボが焼き付いてるな)
俺の指先が、目にも止まらぬ速さで弾かれた。
0.5秒。
俺の『影(シャドウ)』は、オークの豪腕を紙一重で回避すると同時に、バックパックから極細のワイヤーを射出した。
「なっ!?」
空を裂く銀閃。
理髪師時代に愛用していたカミソリを加工した、特製の切断ワイヤーだ。
それがオークの軸足に絡みつく。
突進の勢いはそのまま、足だけが固定され――ドォォン!!
オークは無様に顔面から地面に激突した。
「ぐぇ!? な、何しやがった!」
「環境利用(エンバイロメント)だ。路地の石畳、湿気で滑りやすくなってるぞ」
俺は冷静に事実を述べる。
転倒したオークが起き上がろうとするが、俺は逃がさない。
左腕のコンパウンド・ボウ(弓)を構える。
狙うのは、装甲の隙間。首元の、わずか数ミリのセンサー部。
「ちょ、待て! タンマ!」
「……お前のカット、左右非対称で気持ち悪いんだよ」
弦が弾ける音。
矢は吸い込まれるように、オークの急所を貫いた。
バチバチッ! と火花が散り、男の機体から力が失われる。
「――ヘッドショット。終わりです」
静寂。
男は口をパクパクさせた後、「ひ、ひえぇぇ!」と悲鳴を上げて逃げ出した。
俺はグローブを外し、深く息を吐く。
途端に、心臓のバクバクが戻ってきた。
(うわぁぁ……やっちゃった……怖かったぁ……あとで仕返しされたらどうしよう……)
震える手で子供に人形を返す。
子供はキラキラした目で俺を見ていた。
「すげぇ! お兄ちゃん、何者!?」
「え、あ、いや……ただの……通りすがりの理髪師だよ」
俺は逃げるように、その場を早歩きで立ち去った。
目立ってはいけない。平和に牛丼を食べて暮らすんだ。
だが、俺は気づいていなかった。
路地裏を見下ろす建物の屋上で、ジャージ姿の男――この国の王、佐藤太郎が、一部始終を見ていたことを。
「見つけたぞ。ドワーフもサジを投げた新型機……あれを扱える『司令官(ニュータイプ)』をな」
王の口元が、ニヤリと吊り上がる。
俺の平穏なチー牛ライフが、音を立てて崩れ去る瞬間だった。
マンルシア大陸、タロウ国。
この国は狂っている。いい意味で。
異世界転移して早一年。俺、千津 牛太(ちず ぎゅうた)にとって、この国は唯一の聖域だった。
なぜなら――。
「お待たせしましたー! とろ~り三種のチーズ牛丼、特盛、温玉乗せです!」
目の前に置かれた、神々しい丼。
立ち上る湯気と、濃厚なチーズの香り。これだ。これがないと俺の一日は始まらない。
「あ、は、はい……どうも……」
店員さんの元気な声に、俺は条件反射で視線を逸らしながら小声で答える。
いわゆるコミュ障というやつだ。
黒髪のボサボサ頭に、度の強い丸メガネ。
そして、三色チェックのネルシャツを、きっちりとジーンズにインして着こなす。
どこからどう見ても、テンプレ通りの「チー牛」スタイル。それが俺だ。
だが、そんなことはどうでもいい。今は目の前のドンブリだ。
俺は震える手で箸を割り、儀式を開始する。
(まずは温玉を崩さず、肉とチーズだけで一口……うん、肉の熱で溶けたチェダーチーズのコクが、タロウ国特製の甘辛いタレと絡み合って最強のハーモニーを奏でている。次に紅生姜を山のように盛り付け、最後に温玉を崩して黄身を絡める……これぞ完全食!)
心の中で早口に食レポを垂れ流しながら、俺は無心で牛丼をかきこんだ。
うまい。生きててよかった。
日本にいた頃、ヤンキーだらけの理髪店で精神をすり減らしていた俺にとって、この平和な食事こそが至高の救いなのだ。
「ふぅ……ごちそうさまでした」
会計を済ませ(もちろん銅貨だ)、俺は店を出た。
腹も満たされたし、家に帰って『マグナギア』のメンテナンスでもしよう。
そう思って路地裏に入った、その時だった。
「おいガキ! いいモン持ってんじゃねぇか!」
「や、やめてよ! これ、お父さんの形見なんだ!」
怒号と悲鳴。
ビクッとして足を止める。
路地の奥、薄暗い場所で、金髪のモヒカン頭をした大柄な男が、小さな子供の胸ぐらを掴んでいた。
冒険者だろうか。腰には剣を差している。見るからにガラの悪い、俺が一番苦手な人種だ。
(ヒッ……ヤンキーだ……関わりたくない……絶対に関わりたくない……!)
俺の「逃走本能」が警鐘を鳴らす。
見なかったことにしよう。俺みたいな陰キャが出ていっても、ボコボコにされるだけだ。
そう思って踵(きびす)を返そうとした瞬間、男の手にある物が目に入った。
子供から奪い取ろうとしている、全長30センチほどの人形。
この世界で大流行している戦術ボードゲーム『マグナギア』だ。
(……あれは、初期型のレンジャータイプか)
職業病とも言える観察眼が、一瞬で機体の状態をスキャンする。
塗装は剥げ、関節には埃が詰まっている。左足の膝パーツが微妙に歪んでいて、重心がズレている。
きっと、メンテナンスのやり方も分からずに、子供が必死に遊んでいたのだろう。
「へへっ、こいつを売れば今日の酒代になりそうだなぁ!」
「返して! お願い!」
男が乱暴に人形を振るう。
関節が、悲鳴を上げているように見えた。
――ピキッ。
俺の中で、何かが切れた音がした。
それは、かつて理髪師としてハサミを握っていた頃の職人魂か。
それとも、FPSゲームの世界大会で、マナー違反のプレイヤーを駆逐していた頃のプライドか。
「……汚い手で、触るなよ」
「あぁん?」
気づけば、俺は声を上げていた。
男がギロリとこちらを睨む。怖い。心臓が早鐘を打っている。
でも、それ以上に許せなかった。
手入れもされていない、ボロボロの機体を、さらに傷つけようとするその無神経さが。
「なんだテメェ。そのダサいチェックシャツ……オタクか? 俺に説教とはいい度胸だなぁ」
男は子供を放り出すと、懐から自分の『マグナギア』を取り出した。
ズシン、と重い音が響く。
全身を分厚い装甲で覆った、コスト2の重量級機体『オーク・ジェネラル』だ。しかも、違法改造パーツで棘(スパイク)だらけになっている。
「文句があるなら、こいつで語ろうぜぇ? 俺に勝てたら、ガキの人形は返してやるよ」
「……賭け(ベット)は?」
「あ? テメェの命でいいぜ!」
男が下品に笑い、路上の木箱を蹴飛ばして即席のフィールドを作った。
俺は深呼吸を一つする。
震える手で、腰のポーチから愛機を取り出した。
装甲を極限まで削ぎ落とし、骨組み(フレーム)が剥き出しになった、地味な灰色の機体。
カスタム・レンジャー『シャドウ・ウォーカー』。
「ギャハハ! なんだその貧相な人形! 一発でスクラップにしてやるよ!」
「……そうか。じゃあ、始めよう」
俺は両手に『マグナ・グローブ』を装着する。
指を通した瞬間。
視界が切り替わる。
脳内に、機体のカメラアイが捉えた映像が投影される。
怖いヤンキーの顔が、ただの『処理すべきターゲット』に変わった。
俺の背筋から猫背が消え、瞳から光が消える。
スイッチが入った。
「オラァッ! 死ねぇ!」
男の指が動き、オーク・ジェネラルが猛突進してくる。
単純な直線機動。大振りな一撃。
遅い。
FPSのランカー帯に比べれば、止まっているも同然だ。
(右足への荷重が強すぎる。メンテナンス不足でサーボが焼き付いてるな)
俺の指先が、目にも止まらぬ速さで弾かれた。
0.5秒。
俺の『影(シャドウ)』は、オークの豪腕を紙一重で回避すると同時に、バックパックから極細のワイヤーを射出した。
「なっ!?」
空を裂く銀閃。
理髪師時代に愛用していたカミソリを加工した、特製の切断ワイヤーだ。
それがオークの軸足に絡みつく。
突進の勢いはそのまま、足だけが固定され――ドォォン!!
オークは無様に顔面から地面に激突した。
「ぐぇ!? な、何しやがった!」
「環境利用(エンバイロメント)だ。路地の石畳、湿気で滑りやすくなってるぞ」
俺は冷静に事実を述べる。
転倒したオークが起き上がろうとするが、俺は逃がさない。
左腕のコンパウンド・ボウ(弓)を構える。
狙うのは、装甲の隙間。首元の、わずか数ミリのセンサー部。
「ちょ、待て! タンマ!」
「……お前のカット、左右非対称で気持ち悪いんだよ」
弦が弾ける音。
矢は吸い込まれるように、オークの急所を貫いた。
バチバチッ! と火花が散り、男の機体から力が失われる。
「――ヘッドショット。終わりです」
静寂。
男は口をパクパクさせた後、「ひ、ひえぇぇ!」と悲鳴を上げて逃げ出した。
俺はグローブを外し、深く息を吐く。
途端に、心臓のバクバクが戻ってきた。
(うわぁぁ……やっちゃった……怖かったぁ……あとで仕返しされたらどうしよう……)
震える手で子供に人形を返す。
子供はキラキラした目で俺を見ていた。
「すげぇ! お兄ちゃん、何者!?」
「え、あ、いや……ただの……通りすがりの理髪師だよ」
俺は逃げるように、その場を早歩きで立ち去った。
目立ってはいけない。平和に牛丼を食べて暮らすんだ。
だが、俺は気づいていなかった。
路地裏を見下ろす建物の屋上で、ジャージ姿の男――この国の王、佐藤太郎が、一部始終を見ていたことを。
「見つけたぞ。ドワーフもサジを投げた新型機……あれを扱える『司令官(ニュータイプ)』をな」
王の口元が、ニヤリと吊り上がる。
俺の平穏なチー牛ライフが、音を立てて崩れ去る瞬間だった。
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