田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一

文字の大きさ
183 / 190
第十八章 化粧水、されぞ化粧水

EP 3

しおりを挟む
【格差】エルフの美容は次元が違う
​「さあさあ! 次のお客さんはどなた~?」
​カイト農場のリビングにて。
創造神ルチアナは、金貨の山を築き上げ、すっかり「悪徳商人」の顔になっていた。
地球から密輸した高級化粧水**『SK-∞(インフィニティ)』**は、ラスティア、フレア、リベラという富裕層(セレブ)たちに飛ぶように売れた。
​「次は……そこの貴女ね?」
​ルチアナの視線が、ソファで優雅にハーブティーを飲んでいるエルフの美女に向けられた。
ルナ・シンフォニアだ。
​「ルナ! 貴女もどう? エルフの肌は白いけど、紫外線には弱いでしょ? 今なら**『美白スペシャルセット』**が、なんと金貨10枚(約10万円)よ!」
​ルチアナがボトルをジャグリングしながらセールスする。
しかし、ルナはカップを置き、困ったように微笑んだ。
​「あら、私はいいわ。……愛用しているものがあるから」
​「ハァ? 愛用?」
ルチアナが眉をひそめる。
​「言っちゃ悪いけど、地球の美容科学(テクノロジー)は凄いわよ? 酵母の力で肌細胞を活性化させるんだから。異世界の錬金術なんて目じゃないわよ」
​「ふふ、酵母……微生物の力ね。確かに興味深いけれど」
​ルナは懐から、小指ほどの大きさの小瓶を取り出した。
その瞬間。
​カッ……!
​リビングが、七色の柔らかな光に包まれた。
小瓶の中で揺らめいているのは、液体というより「光そのもの」に見える。
​「な、何それ……?」
ラスティアが目を丸くする。
​「実家の庭にある**『世界樹(ユグドラシル)』**の、一番搾りの朝露を精製した美容液よ」
​「「「せ、世界樹ぅぅぅ!?」」」
​全員が絶叫した。
世界樹ユグドラシル。それはエルフの里の最深部にしか存在しない、伝説の神木だ。その雫は、一滴で死者を蘇らせるとも言われる国宝級の代物である。
​「効果は……そうねぇ。『細胞の完全若返り』と『魔力回路の修復』、あとは副次効果として**『肌が発光する(物理)』**かしら」
​ルナが小瓶の蓋を開ける。
芳醇な森の香りと、圧倒的なマナの奔流が溢れ出す。
​「原価はタダ(実家産)だけど、市場に出せば小瓶一つで城が建つわね」
​シーン……。
​ルチアナの『SK-∞(金貨5枚)』が、急に霞んで見えた。
「デパートの高級品」と「神話級アーティファクト」。
勝負にならなかった。
​「……勝てねぇ」
ラスティアがガクリと膝をつく。
​「不老不死の私でも、世界樹のエキスには惹かれますわ……」
フレアが悔しそうに唇を噛む。
​「ルナ様……それ、一口いただけませんか?」
リベラが本能(野生)丸出しでねだる。
​「だーめ。これは私の肌に合うように調整してあるから」
​ルナは悪戯っぽく笑い、小瓶をしまった。
​「というわけでルチアナ、私は結構よ。……でも、その瓶のデザインは可愛いわね」
​「ぐぬぬぬ……!」
ルチアナはギリリと歯ぎしりした。
​「覚えてらっしゃい! 次はもっと凄い……『ドモホルン・リンクル(年齢肌用)』を持ってきてやるんだからぁぁ!」
​創造神のプライドが粉砕された瞬間だった。
しかし、この雲の上の戦い(セレブvs超セレブ)を、指をくわえて見ているしかない**「最下層」**の二人がいた。
​「……ねえ、キャルル」
「……はい、リーザさん」
​柱の陰で、リーザとキャルルが体育座りをしていた。
​「私たち……住む世界が違いすぎると思わない?」
「思います。金貨5枚とか、城が建つとか……意味が分かりません」
​彼女たちの財布には、小銭(銀貨数枚)しか入っていない。
しかし、乙女の「美しくなりたい」という欲求は平等だ。
​「行くわよ、キャルル」
リーザが立ち上がった。その瞳には、飢えた獣の光が宿っていた。
​「**『天魔窟デパート』**へ……!」
​「えっ? お金ないですよ?」
​「ふふん。デパートにはね……**『無料(タダ)の泉』**があるのよ」
​貧乏アイドルと堅実ウサギの、仁義なき「サンプル争奪戦」が幕を開ける。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界転移したら、神の力と無敵の天使軍団を授かったんだが。

猫正宗
ファンタジー
白羽明星は気付けば異世界転移しており、背に純白の六翼を生やした熾天使となっていた。 もともと現世に未練などなかった明星は、大喜びで異世界の大空を飛び回る。 すると遥か空の彼方、誰も到達できないほどの高度に存在する、巨大な空獣に守られた天空城にたどり着く。 主人不在らしきその城に入ると頭の中にダイレクトに声が流れてきた。 ――霊子力パターン、熾天使《セラフ》と認識。天界の座マスター登録します。……ああ、お帰りなさいルシフェル様。お戻りをお待ち申し上げておりました―― 風景が目まぐるしく移り変わる。 天空城に封じられていた七つの天国が解放されていく。 移り変わる景色こそは、 第一天 ヴィロン。 第二天 ラキア。 第三天 シャハクィム。 第四天 ゼブル。 第五天 マオン。 第六天 マコン。 それらはかつて天界を構成していた七つの天国を再現したものだ。 気付けば明星は、玉座に座っていた。 そこは天の最高位。 第七天 アラボト。 そして玉座の前には、明星に絶対の忠誠を誓う超常なる存在《七元徳の守護天使たち》が膝をついていたのだった。 ――これは異世界で神なる権能と無敵の天使軍団を手にした明星が、調子に乗ったエセ強者を相手に無双したり、のんびりスローライフを満喫したりする物語。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

【完結】不遇スキル『動物親和EX』で手に入れたのは、最強もふもふ聖霊獣とのほっこり異世界スローライフでした

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が異世界エルドラで授かったのは『動物親和EX』という一見地味なスキルだった。 日銭を稼ぐので精一杯の不遇な日々を送っていたある日、森で傷ついた謎の白い生き物「フェン」と出会う。 フェンは言葉を話し、実は強力な力を持つ聖霊獣だったのだ! フェンの驚異的な素材発見能力や戦闘補助のおかげで、俺の生活は一変。 美味しいものを食べ、新しい家に住み、絆を深めていく二人。 しかし、フェンの力を悪用しようとする者たちも現れる。フェンを守り、より深い絆を結ぶため、二人は聖霊獣との正式な『契約の儀式』を行うことができるという「守り人の一族」を探す旅に出る。 最強もふもふとの心温まる異世界冒険譚、ここに開幕!

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

優の異世界ごはん日記

風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。 ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。 未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。 彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。 モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

処理中です...