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第二章 新たな旅立ち
EP 22
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アースドラゴン襲来!? いや、特上ステーキご来店
太郎国に、早馬の蹄音が響き渡った。
執務室に飛び込んできた伝令の報告に、宰相マルスの顔色が変わる。
「ご報告します! 北の山岳地帯にて、Sランク魔獣『アースドラゴン』が出現! 街道を破壊し、街へ向かっています!」
アースドラゴン。大地を揺るがす巨体と、鋼鉄より硬い岩の皮膚を持つ竜種。
一国が滅びかねない緊急事態だ。
「なんてことだ……! 直ちに騎士団を編成し、避難勧告を……!」
マルスが慌てて指示を出そうとした時、ソファで寛いでいた太郎がむくりと起き上がった。
「アースドラゴンか……強敵だな」
太郎の表情は真剣そのものだ。
しかし、その場にお茶を運んできた一人の女性エルフが、不思議そうに首を傾げた。
「あら、アースドラゴンですか? 私、古い文献で読んだことがありますわ」
彼女の名はサクヤ。
エルフの里からの移住組の一人で、その美貌と卓越した料理の腕を見込まれ、王宮料理長に抜擢された女性だ。
「ドラゴンのお肉って、脂が乗っていてとっても美味しいんですよね」
「えっ」
太郎の動きが止まった。
サクヤはうっとりとした顔で続ける。
「特に尻尾の肉は最高級の霜降りで、焼くと口の中でとろけるとか……」
グゥゥゥゥ~~~……。
静まり返った執務室に、太郎の盛大な腹の虫が鳴り響いた。
太郎の瞳から「危機感」が消え、「食欲」という名の炎が宿る。
「……ふふっ、久しぶりに大魔法をぶつけちゃいますよ?」
サリーが立ち上がり、杖を構える。その目は「肉を焼くための火力」を計算している。
「楽しみですわ。硬い皮膚ごと叩き斬る感触、ゾクゾクします」
ライザが剣の柄を撫で、舌なめずりをする。
「一番槍はお任せ下さい。新鮮なうちに仕留めます」
ヒブネも槍を回し、準備運動を始めた。
完全に「狩り」の空気だ。
「え!? も、もしかして、太郎様達で行かれるおつもりですか!?」
マルスが仰天する。
「あぁ。軍隊を動かせば避難民が出るし、肉が傷む……いや、被害が拡大するからね。僕たち少数精鋭で行く」
「(今、肉が傷むって言いましたよね!?)」
マルスのツッコミを置き去りに、最強の「食材ハンターチーム」が出撃した。
北の山岳地帯、麓の平原。
**ズシン……ズシン……**と地響きが轟く。
山脈の一部が動き出したかのような、全長50メートルを超える巨大なアースドラゴンが姿を現した。
「グルルルルォォォォォ!!」
咆哮だけで嵐のような風圧が発生する。普通の人間なら腰を抜かす光景だ。
だが、太郎たちはよだれを拭っていた。
「デカい……! あれ全部肉か!」
「食べ出がありますね!」
「行きますよ! 肉の表面をカリッと焼き上げます!」
サリーが上空へ飛び上がり、詠唱を開始した。
「火の神よ、かの者を焼き払え! 『エンシェント・フレイム(古の劫火)』!!」
ボォォォォォォォン!!
サリーの杖から、山をも飲み込む紅蓮の火炎嵐が放たれた。
ドラゴンの岩の皮膚が赤熱し、咆哮が悲鳴に変わる。
「その炎、貰いましてよ!」
「同じく!」
ライザとヒブネが左右から飛び出した。
二人はサリーの放った魔法の炎の中に自ら飛び込み、武器に炎を纏わせる。
「ハァッ!!」
「セイヤッ!!」
炎の魔剣と化したライザの一撃が、ドラゴンの強固な脚をバターのように切り裂く。
炎の螺旋を纏ったヒブネの槍が、鱗の隙間を正確に貫く。
「グギャアアアアッ!!」
ドラゴンが体勢を崩し、倒れ込む。
その隙を、太郎は見逃さない。
「トドメだ!」
太郎は『雷霆』を構え、つがえた『必殺の矢』に全神経を集中させる。
雷霆は主の「早く食べたい」という強烈な意思を感じ取り、極限まで魔力を注ぎ込む。
矢はバチバチと音を立て、紅い雷光を放ち始めた。
「行くぞ! 今夜はステーキだ!!」
太郎はアースドラゴンの眉間に向けて、矢を放った。
ドゴォォォォォォォンッッ!!!
赤い閃光がドラゴンの頭部を撃ち抜く。
巨大な爆発音と共に、ドラゴンの巨体が完全に地に伏した。
「……ま、まだです! 完全に死んでしまうと血が回って味が落ちます!」
そこへ、白い調理服を着たサクヤが猛ダッシュで駆け寄った。
彼女の手には、太郎が提供した『高炭素ステンレス製・牛刀』が握られている。
「後は、お任せを」
サクヤは虫の息のアースドラゴンの首元に飛び乗ると、迷いなく包丁を突き立てた。
「失礼します……!」
スパッ!
鮮やかな手付きで頸動脈を切断。さらに魔術で心臓を動かし続け、一気に血抜きを行う。
プロの「活け締め」だ。
アースドラゴンは苦しむことなく、ただの「極上肉の塊」となって絶命した。
数時間後。
平原には香ばしい匂いが充満していた。
太郎が取り出した『バーベキュー鉄板(業務用)』の上で、分厚いドラゴンのステーキ肉がジュージューと音を立てている。
「焼けたぞー! 塩コショウだけでいこう!」
「いただきまーす!」
太郎は焼きたての肉をナイフで切り、口へと運んだ。
「んんっ!!?」
噛んだ瞬間、肉汁が噴水のように溢れ出した。
岩のような外見からは想像もできない柔らかさと、濃厚な赤身の旨味。
「美味しいな! ドラゴンの肉って!」
「本当に……とってもジューシーですわ!」
サリーも頬を抑えて感激している。
ライザは既に二枚目を焼いていた。
「これなら何度でもドラゴンを退治したいですわ。毎晩でもいけます」
「部位によって味が違いますね。次は首肉の煮込みを作りましょうか」
サクヤも料理人として、未知の食材に目を輝かせている。
こうして、国の危機は一回の食事会へと変わった。
太郎国の名物に「ドラゴンステーキ」が加わる日も近いかもしれない。
太郎国に、早馬の蹄音が響き渡った。
執務室に飛び込んできた伝令の報告に、宰相マルスの顔色が変わる。
「ご報告します! 北の山岳地帯にて、Sランク魔獣『アースドラゴン』が出現! 街道を破壊し、街へ向かっています!」
アースドラゴン。大地を揺るがす巨体と、鋼鉄より硬い岩の皮膚を持つ竜種。
一国が滅びかねない緊急事態だ。
「なんてことだ……! 直ちに騎士団を編成し、避難勧告を……!」
マルスが慌てて指示を出そうとした時、ソファで寛いでいた太郎がむくりと起き上がった。
「アースドラゴンか……強敵だな」
太郎の表情は真剣そのものだ。
しかし、その場にお茶を運んできた一人の女性エルフが、不思議そうに首を傾げた。
「あら、アースドラゴンですか? 私、古い文献で読んだことがありますわ」
彼女の名はサクヤ。
エルフの里からの移住組の一人で、その美貌と卓越した料理の腕を見込まれ、王宮料理長に抜擢された女性だ。
「ドラゴンのお肉って、脂が乗っていてとっても美味しいんですよね」
「えっ」
太郎の動きが止まった。
サクヤはうっとりとした顔で続ける。
「特に尻尾の肉は最高級の霜降りで、焼くと口の中でとろけるとか……」
グゥゥゥゥ~~~……。
静まり返った執務室に、太郎の盛大な腹の虫が鳴り響いた。
太郎の瞳から「危機感」が消え、「食欲」という名の炎が宿る。
「……ふふっ、久しぶりに大魔法をぶつけちゃいますよ?」
サリーが立ち上がり、杖を構える。その目は「肉を焼くための火力」を計算している。
「楽しみですわ。硬い皮膚ごと叩き斬る感触、ゾクゾクします」
ライザが剣の柄を撫で、舌なめずりをする。
「一番槍はお任せ下さい。新鮮なうちに仕留めます」
ヒブネも槍を回し、準備運動を始めた。
完全に「狩り」の空気だ。
「え!? も、もしかして、太郎様達で行かれるおつもりですか!?」
マルスが仰天する。
「あぁ。軍隊を動かせば避難民が出るし、肉が傷む……いや、被害が拡大するからね。僕たち少数精鋭で行く」
「(今、肉が傷むって言いましたよね!?)」
マルスのツッコミを置き去りに、最強の「食材ハンターチーム」が出撃した。
北の山岳地帯、麓の平原。
**ズシン……ズシン……**と地響きが轟く。
山脈の一部が動き出したかのような、全長50メートルを超える巨大なアースドラゴンが姿を現した。
「グルルルルォォォォォ!!」
咆哮だけで嵐のような風圧が発生する。普通の人間なら腰を抜かす光景だ。
だが、太郎たちはよだれを拭っていた。
「デカい……! あれ全部肉か!」
「食べ出がありますね!」
「行きますよ! 肉の表面をカリッと焼き上げます!」
サリーが上空へ飛び上がり、詠唱を開始した。
「火の神よ、かの者を焼き払え! 『エンシェント・フレイム(古の劫火)』!!」
ボォォォォォォォン!!
サリーの杖から、山をも飲み込む紅蓮の火炎嵐が放たれた。
ドラゴンの岩の皮膚が赤熱し、咆哮が悲鳴に変わる。
「その炎、貰いましてよ!」
「同じく!」
ライザとヒブネが左右から飛び出した。
二人はサリーの放った魔法の炎の中に自ら飛び込み、武器に炎を纏わせる。
「ハァッ!!」
「セイヤッ!!」
炎の魔剣と化したライザの一撃が、ドラゴンの強固な脚をバターのように切り裂く。
炎の螺旋を纏ったヒブネの槍が、鱗の隙間を正確に貫く。
「グギャアアアアッ!!」
ドラゴンが体勢を崩し、倒れ込む。
その隙を、太郎は見逃さない。
「トドメだ!」
太郎は『雷霆』を構え、つがえた『必殺の矢』に全神経を集中させる。
雷霆は主の「早く食べたい」という強烈な意思を感じ取り、極限まで魔力を注ぎ込む。
矢はバチバチと音を立て、紅い雷光を放ち始めた。
「行くぞ! 今夜はステーキだ!!」
太郎はアースドラゴンの眉間に向けて、矢を放った。
ドゴォォォォォォォンッッ!!!
赤い閃光がドラゴンの頭部を撃ち抜く。
巨大な爆発音と共に、ドラゴンの巨体が完全に地に伏した。
「……ま、まだです! 完全に死んでしまうと血が回って味が落ちます!」
そこへ、白い調理服を着たサクヤが猛ダッシュで駆け寄った。
彼女の手には、太郎が提供した『高炭素ステンレス製・牛刀』が握られている。
「後は、お任せを」
サクヤは虫の息のアースドラゴンの首元に飛び乗ると、迷いなく包丁を突き立てた。
「失礼します……!」
スパッ!
鮮やかな手付きで頸動脈を切断。さらに魔術で心臓を動かし続け、一気に血抜きを行う。
プロの「活け締め」だ。
アースドラゴンは苦しむことなく、ただの「極上肉の塊」となって絶命した。
数時間後。
平原には香ばしい匂いが充満していた。
太郎が取り出した『バーベキュー鉄板(業務用)』の上で、分厚いドラゴンのステーキ肉がジュージューと音を立てている。
「焼けたぞー! 塩コショウだけでいこう!」
「いただきまーす!」
太郎は焼きたての肉をナイフで切り、口へと運んだ。
「んんっ!!?」
噛んだ瞬間、肉汁が噴水のように溢れ出した。
岩のような外見からは想像もできない柔らかさと、濃厚な赤身の旨味。
「美味しいな! ドラゴンの肉って!」
「本当に……とってもジューシーですわ!」
サリーも頬を抑えて感激している。
ライザは既に二枚目を焼いていた。
「これなら何度でもドラゴンを退治したいですわ。毎晩でもいけます」
「部位によって味が違いますね。次は首肉の煮込みを作りましょうか」
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