スキル『100円ショップ』で異世界暮らし。素材回収でポイント貯めて、美味しいご飯と便利グッズで美少女たちとスローライフを目指します

月神世一

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第四章 新たな秩序

EP 47

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三人の来訪者と、王の資格
【レオンハート予定地・建設現場】
「ふぅ……」
レオは額の汗を拭い、積み上がった石材の上に腰を下ろした。
『百獣の王(ビースト・キング)……モード・サイクロプス』による剛力で、城壁の基礎となる巨石を運び終えたところだ。
「レオ! お客さんよ!」
ルルアが物見櫓から声を上げた。
「西の方角から三人! ……あれは、亜人種ね。警戒して近寄ってきてるわ」
「来たか……」
レオは人間の姿に戻り、シャツを羽織った。
マーシャがレオの横に並ぶ。
「大丈夫よ、レオ。貴方の想いを伝えれば、きっと分かってくれるわ」
砂煙の向こうから現れたのは、それぞれ異なる特徴を持つ三人の亜人たちだった。
先頭を歩くのは、燃えるような赤髪にライオンの耳と尻尾を持つ、筋骨隆々の男。
獅子耳族のラオン。
その少し後ろ、上空を警戒するように鋭い眼光を向けているのは、背中に隼の翼を持つクールな美女。
バード族(隼種)のアヤネ。
そして、二人とは距離を置き、値踏みするように周囲を観察している、色白でガタイの良い男。
鯱目族(オルカ)のオルカ。
「おい、ここを取り仕切ってるのはどいつだ?」
ラオンが低い声で唸り、レオを睨みつけた。
「人間が『獣人の国』を作るだぁ? 笑わせんじゃねぇぞ。俺たちを騙して奴隷にするつもりか?」
レオが一歩前に出る。
「俺だ。俺がここの責任者、レオだ。奴隷にするつもりはない。共に暮らす仲間を探している」
「口では何とでも言えるぜ!」
ラオンが地面を蹴った。
「獣の世界じゃ、力が全てだ! 俺をねじ伏せてみせろ! そうすりゃ話を聞いてやる!」
ラオンの拳が、風切り音と共にレオの顔面に迫る。
速い。そして重い。武闘派の名に恥じぬ一撃。
だが、レオは動じない。
(……大振りだ。ボクシングならカウンターの餌食だぞ)
元MMA王者の目が、ラオンの動きをスローモーションのように捉えた。
パァン!
レオはラオンの拳を掌で受け流すと、懐に潜り込み、流れるような動作で背後を取った。
「なっ!?」
「悪いが、殺し合いはしない」
ガッ!
レオはラオンの首に腕を回し、『裸絞め(リアネイキッド・チョーク)』の体勢に入った。
魔獣の力を使わずとも、技術だけで制圧する。
「ぐ、ぐぐっ……!? う、動けねぇ……!」
「落ちる前にタップしろ(降参しろ)。仲間を傷つけたくない」
レオの静かな、しかし絶対的な強者の声。
ラオンは顔を真っ赤にして地面を叩いた。
「ま、参った……!」
レオはすぐに腕を解いた。
ラオンは咳き込みながら、信じられないものを見る目でレオを見上げた。
「魔法も、変身も使わずに……俺を……?」
「無駄な争いは避ける。それが俺の流儀だ」
その様子を見ていたアヤネが、翼を畳んで静かに降り立った。
「……ラオンを赤子のように捻るなんて。噂以上の実力ね」
アヤネは冷静な瞳でレオを分析した。
「私はアヤネ。彼が猪突猛進ですみません。……一つ聞きたいのだけれど、この荒野でどうやって水を確保するつもり? 私の千里眼でも、水源は見当たらないわ」
「それなら、ここにあるわ」
ルルアが設計図を広げ、マーシャが補足する。
「レオさんが地下深くの水脈を掘り当てて、地下水路を引いています。蒸発を防ぐために地下を通しているのよ」
「地下水路……?」
アヤネが目を見開く。
そこで、今まで黙っていたオルカが口を開いた。
「現実は甘くねぇぞ」
オルカは冷めた口調で、手元の砂をこぼした。
「水があっても、食い物はどうする? 金は? 理想だけで腹は膨れねぇ。俺は現実主義者だ。メリットがないなら、俺はここを去る」
「食料なら、この地下水路を使った水耕栽培のプラントを計画している」
レオは答えた。
「金なら、ここで採掘されるレアメタルがある。……だが、俺たちには人手が足りない」
レオは三人を真っ直ぐに見据えた。
「ラオン。お前の武力が欲しい。この国の盾になってくれ」
「アヤネ。お前の目が欲しい。空からこの国を見守ってくれ」
「オルカ。お前の知恵が欲しい。資源を管理し、この国を豊かにしてくれ」
レオは頭を下げた。王となる男が、流浪の民に頭を下げたのだ。
「俺は不器用な男だ。一人じゃ何もできない。だから……力を貸してくれ」
三人の間に沈黙が流れた。
やがて、ラオンがニヤリと笑った。
「へっ……人間風情が、俺に頭を下げやがって。……いいぜ、負けたんだ。大将について行ってやるよ」
アヤネもふっと微笑んだ。
「空からの景色だけじゃ退屈していたの。……面白そうね、この国」
オルカは溜息をつき、頭をかいた。
「……やれやれ。こんな無茶な計画、誰かが管理しねぇとすぐ破綻するな。……俺が財布の紐を握ってやるよ」
レオが顔を上げる。
そこには、初めて出来た「対等な男友達」と、頼もしい仲間たちの姿があった。
「ありがとう……!」
武力のラオン。情報の隼アヤネ。内政のオルカ。
最強の幹部(パーティー)が結成され、聖獣王国の歯車が大きく回り始めた。
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