スキル『100円ショップ』で異世界暮らし。素材回収でポイント貯めて、美味しいご飯と便利グッズで美少女たちとスローライフを目指します

月神世一

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第四章 新たな秩序

EP 46

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アナザーストーリー:魔王の力で、楽園を創れ
​【ロムレス大陸・西部 未開の荒野】
​灼熱の太陽が照りつける荒野。
岩と砂しかない不毛の大地で、レオは大きく息を吸い込んだ。
​「やるぞ……。俺の力は、壊すためだけじゃない」
​レオは自身の心の奥底にある「獣の因子」にアクセスした。
今回選ぶのは、戦闘用ではない。土木工事に特化した、大地の支配者だ。
​「『百獣の王(ビースト・キング)』……モード・グラトン!」
​ズズズズズズッ……!!
​レオの肉体が膨張し、岩石のような甲殻に覆われていく。
現れたのは、鋭利な巨大な爪と、ドリル状の鼻先を持つ、全長二十メートルを超える『地底魔獣グラトン』だった。
本来なら国一つを沈める災害級の魔物だが、今のレオの瞳には理性が宿っている。
​「グルルルッ……(行くぞ)!」
​レオは大地に爪を突き立てた。
豆腐を掬うかのように、硬い岩盤が掘り起こされる。
彼は猛烈な勢いで地面を均し、不要な岩を粉砕し、地下水脈を探して水路を引いていく。
重機など比にならない、生ける造成マシーンだ。
​「レオ! そこは居住区画です! もう少し東側を掘り下げて!」
​地上では、ルルアが大きな羊皮紙を広げて指示を飛ばしていた。
​「建物の設計図は任せて下さい! 騎士時代に、攻城戦への備えとして城塞建築学も教わっていますから!」
​ルルアはペンを耳に挟み、職人の顔で叫ぶ。
「メインストリートは幅広く! 将来的に馬車がすれ違えるように! 上下水道のラインも確保して!」
​「グオッ(了解)!」
​グラトンとなったレオは、ルルアの指示に従い、精密な動作で大地を削り出した。
彼の頭の中には、かつて日本で見た「整然とした都市」の記憶があった。
(災害に強く、誰もが住みやすい街……。それをここで再現するんだ)
​一方、簡易テントの中では、聖女マーシャが電卓ならぬソロバン(のような魔道具)を弾いていた。
​「えぇっと……レオさんが整地ついでに掘り出した、金塊や高品質な鉄鉱石……これを『ゴルド商会』の闇ルートに卸して、資金化して……」
​マーシャの前には、レオが土砂と共に掘り起こしたレアメタルや宝石の山があった。
レオの「探知」能力で見つけた資源だ。これがあれば、建国資金は十分に賄える。
​「次は、人材の確保ね……」
​マーシャは、大陸地図に赤い丸を付けていく。
近隣諸国で迫害されている亜人たちの集落や、貧民街の場所だ。
​そこへ、作業を一区切りつけたレオが、人の姿に戻ってテントに入ってきた。
汗だくだが、その顔には以前のような悲壮感はない。
​「はぁ、はぁ……。マーシャ、どうだ?」
​「順調よ。資材の買い付けルートは確保したわ。あとは……」
​「頼む」
レオは真剣な眼差しで言った。
「噂を聞きつけて、虐げられて来た『獣人族』や、居場所のない者たちが来るかも知れん。……かつての俺のように、力を持て余して迫害された奴らも」
​「えぇ、分かったわ。任せて」
マーシャは優しく微笑み、レオにタオルを渡した。
​「来るもの拒まず。貴方が作る国だもの、きっと世界で一番『優しい国』になるわ」
​「……あぁ」
​レオはテントの外を見た。
夕日に染まる荒野。そこには既に、美しい碁盤の目の区画と、生活用水が流れる水路が出来上がっていた。
​「ここが、俺たちの国だ」
​破壊神と呼ばれた男の手によって、砂漠に奇跡の花が咲こうとしていた。
後に世界を驚愕させる、多種族共存の巨大国家への第一歩が、力強く踏み出されたのである。
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