スキル『100円ショップ』で異世界暮らし。素材回収でポイント貯めて、美味しいご飯と便利グッズで美少女たちとスローライフを目指します

月神世一

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第五章 月下の宴

EP 12

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帰還、そして新たなカオス
【太郎国・王城中庭】
ズズゥゥン……!!
黄金竜デュークが中庭に降り立った。
その背中から、太郎と、大きな風呂敷(中身は戦利品という名の在庫)を背負ったリーザが降りてくる。
「おかえりなさいませ! 太郎様!」
城の扉が開き、宰相マルスが転がるように走ってきた。
その顔色は青白く、目の下には濃いクマができている。太郎が不在の間、ルチアナやラスティアの相手を一手に引き受けていた疲労が滲み出ていた。
「ただいま、マルス。留守を頼んで悪かったね」
「いえ! 太郎様が無事に戻られただけで……! 北方の情勢はいかがでしたか? 戦争は回避できたので……?」
マルスが不安げに尋ねる。
太郎はニッと笑い、親指を立てた。
「バッチリさ。歌とビールで解決してきたよ」
「は、はぁ……(相変わらず規格外な解決方法だ……)」
「それより、マルス。これ、君へのお土産だ」
太郎は懐から、桐箱に入った『獣人族秘伝・超強力胃薬(ハーブティー)』を取り出した。
「レオンハート国の特産品でね。ストレス性の胃痛、不眠、自律神経の乱れに劇的に効くらしい」
マルスはその箱を受け取ると、プルプルと震え出した。
「あ、ああ……! 宝石でも、武具でもなく……私の胃を気遣ってくださるとは……!」
マルスは大粒の涙を流し、その場に崩れ落ちた。
「一生ついて行きます! 太郎様ぁぁぁ!」
「いや、そんなに泣かなくても……」
そこへ、リーザがスッと割り込んだ。
その手には、羊皮紙の束(請求書)が握られている。
「マルス様、感動の再会中失礼しますわ。こちら、今回の遠征にかかった経費と、私の特別ステージ出演料、並びに危険手当の請求書です♡」
マルスが涙を拭いて書類を見た瞬間、白目を剥いた。
「な、なんだこの桁はぁぁぁ!? 『月は迷わない』歌唱料……金貨500枚!? 『ラブ・アンド・マネー』作詞印税……!? き、貴様、国庫を空にする気か!」
「あら、平和の対価としてはお安いでしょう? (ニッコリ)」
「ぐふっ……!」
マルスは胃薬を飲む前に、胃痛で倒れそうになった。
【太郎国・談話室】
「たっろ~く~ん♡ おかえりぃ~!」
ドタドタドタッ!
廊下を走ってきたのは、創造神ルチアナだ。
その後ろから、ラスティアとフレアもやってくる。
「あら太郎、遅かったじゃない。寂しくて干からびるかと思ったわ」
ラスティアが扇子で口元を隠しながらも、嬉しそうに目を細める。
「旦那様! お怪我はありませんか!?」
フレアが心配そうに駆け寄る。
「みんな、ただいま。……ほら、お土産だよ」
太郎はテーブルの上に、大量の『レオンハート産・特製ジャーキー(干し肉)』と『果実酒』を広げた。
「わぁい! お肉ぅ!」
ルチアナが目を輝かせて飛びついた。
「ん~ッ! 噛みごたえがあって美味しい! これでお酒が無限に飲めるじゃん!」
「フン、野趣あふれる味ね。……悪くないわ」
ラスティアも優雅に肉を齧る。
平和な団欒。
しかし、事件は起きた。
「ん? なにこれ?」
ルチアナが、リーザの荷物の隙間から見えている「細長いひょうたんのような物体」を引き抜いた。
そう、太郎が全力で却下したはずの『コテカ(現地民族衣装・金隠し)』である。
リーザは「売れ残ったら困るから」とこっそり持ち帰っていたのだ。
「面白い形~。これなぁに? コップ? それともツノのカバー?」
ルチアナは不思議そうにコテカを振り回し、あろうことか自分の鼻に装着しようとした。
「天狗の真似~? ピノキオ~?」
「ブフッ!!」
お茶を飲んでいたマルスが吹き出した。
「ル、ルチアナ様! いけません! それは顔につけるものでは……!」
「えー? じゃあ何? 花瓶?」
ルチアナはコテカの穴を覗き込んでいる。
太郎は顔を覆った。
(神様が……創造神が……男性用の下着を弄り回している……)
「そ、それはですね……」
リーザがニヤニヤしながら解説しようとする。
「現地の殿方が、己のイチモツを……」
「わぁぁぁぁ!! ストップ!!」
太郎が慌ててリーザの口を塞ぎ、ルチアナからコテカを奪い取った。
「これは……あれだ! 武器! そう、ブーメランみたいな武器だ!」
「えー? 武器なの? 弱そう~」
ルチアナは興味を失い、再び干し肉にかぶりついた。
「ふぅ……危ないところだった」
太郎は冷や汗を拭った。
「太郎様……やはり貴方様がいないと、この城の治安(主に倫理観)は守れませんな……」
マルスが胃薬の箱を抱きしめ、遠い目で呟いた。
こうして、北の国での激闘と感動を乗り越えた太郎は、いつも通りの騒がしくも温かい日常へと戻ってきたのだった。
「さあ、今日はとっておきの酒を開けようか! マルダ王から巻き上げ……貰ったヴィンテージがあるんだ」
「賛成~!」
「飲みましょう!」
夜はまだこれから。
太郎城の宴は、今日も賑やかに続いていく。
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